ーーー松原山に登って数日が過ぎて、まず俺が心の底から思ったのは「恐怖」だった。
「ぎゃあああああーーーーー!、助けてーーーーー!死ぬーーーーーー!ア''ーーーー!(汚い高音)」
「死にはせんこの程度で!!男が弱音を吐くな!馬鹿者!」という
俺が修行のあまりの辛さに泣きわめき、それを先生いや、師範が怒鳴っているという自分でも情けない光景だった。
ーーーーー
本当にここ松原山の修行はやばい、いきなり山頂まで行けと言われて、最初の内には、山中に仕掛けてある罠に引っかかりまくって、更にこの山の空気が薄く、知らず知らずの内に疲労が溜まりまくった。
更にいきなり体に縄で縛ってもう一方の先端を猪に括り付けられてそのまま、猪に走らせ、結果猪に括り付けている縄で引き摺り回され、山中を延々と駆けずり回された。
未来の弟弟子の善逸へ
前世で「鬼滅の刃」を読んで、善逸が修行のあまりの辛さで何度も逃げようとした時にはどんな修行なんだろうとともに、泣いてばかりで情けないと思っていた。
だが今はそんな昔の自分を思いっきり殴りたい!
(これ本当に死ぬほどキツーーーーーい!こりゃ逃げ出したくもなるよーーーーー!情けないと言ってごめんなさい!今なら善逸の気持ちがすげぇーーーーよく分かる!)
それでも全集中・常中の呼吸をやっていたおかげで悲鳴をあげながらもこなしつつ、なんとなくだが気配で罠の位置がわかり、空気の中にも慣れてきた。それに師範は修行をしてくれている時以外はとても優しく照れ屋だということがわかった。
例えばいつもヘトヘトになりながらも家路に着くと
「今日は前より良くなっておるぞ、さあ、風呂に入ってこい。その後には飯じゃぞ」と言い修行で疲れた俺を労わったり、ここでの修行がきついなら他の所に紹介してやろうか?と言われた時に
「俺は師範のような強い人になりたいからここがいいです!」と言うと、師範の顔が照れたようにポッとなったこともある。
そんな師範と一緒だからこそきつい修行でも耐えていける。
そんなある日
「和星、何故鬼殺隊に入隊しようと思ったのじゃ?」
食事をしていると唐突に師範から疑問を投げかけられた。
それに俺は、家が代々藤の花の家紋を掲げてきたこと、そこに希血目当てで鬼が襲ってきたこと、あの場では鬼と戦えるのは自分だけだったこと。
何より、鬼に殺されそうになって思い出したのは、
と思い、その一心で鬼を倒したこと。
そして、戦いにいかなかったのにもかかわらず鬼が襲って来たことに気づいた瞬間、こんな風に他の場所でも鬼が襲って来ることがあってその人達の日常と未来が奪われてしまう。
それだったら鬼殺隊に入って多くの人達の日常と未来を守り、悲劇を起こさせない!
そのために鬼殺隊に入隊して、多くの人達を助けよう!!
「それが俺が鬼殺隊に入ろうとした理由です。」というと、師範はいつも以上に真剣な顔で
「剣士にとって大切なものを持っておるようじゃのう」と力強く頷いた。
ーーーその数日後
山登りと山下りを繰り返したある日、刀を渡された。
内心遂に来た!と思った。
それからは刀を持っての素振り千回!
刀を持って素手の師範との組手、無論俺は何度も挑んでは投げられまくった!
高齢だというのに師範の強さを改めて噛み締めた。
次に刀を持ったまま山頂まで行って、下山してくるものもちろん今までよりきつい ( 殺す気満々 ) 罠の数々!
何度も死ぬかと思った(涙目)。
その後には、「呼吸法の仕方」。
前に家に来た鬼殺隊士の人から教えてもらった全集中・常中の呼吸はやってきたからといっても「雷の呼吸」の習得するのには、数日かかった。
次にはいよいよ「雷の呼吸の型」を教えてもらった。
まずは基礎の技の居合術の
雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃(へきれきいっせん)!
雷の呼吸 弐ノ型 稲魂 (いなだま) !
雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷 (しゅんぷうせんらい) !
雷の呼吸 肆ノ型 遠雷 (えんらい) !
雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷 (ねつかいらい) !
最後に雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟 (でんごうらいごう) !
・・・・・出来たとは言えなかった。技も威力も中途半端だった。
俺がそう落ち込んでると師範は
「馬鹿者!最初から完璧に出来るやつなぞおらん、むしろよく六つの型全てをよく覚えたことを誇れ!」
と俺に怒りながらも励まして褒めてくれた。
嬉しい!もっと頑張ろう!
そう誓い、よりきつい修行にも取り組んだ。
ーーーーー
そして半年が過ぎ、
改めて「雷の呼吸の技の型」をやった。
まずは基礎であり居合術の
雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 !
対象の丸太を真っ二つにした。
雷の呼吸 弐ノ型 稲魂 !
対象の丸太を五連の斬撃を叩き込み、バラバラにした。
雷の呼吸 参ノ型 聚蚊成雷 !
対象の丸太の周囲を高速で旋回しながら切り刻んだ。
雷の呼吸 肆ノ型 遠雷 !
対象の丸太から遠間から強烈な踏み込みで相手に接近し、横一文字に斬り捨てた。
雷の呼吸 伍ノ型 熱界雷 !
対象の丸太を衝撃を伴った強烈な斬り上げをし、宙に吹っ飛ばした。
最後に雷の呼吸 陸ノ型 電轟雷轟 !
周囲にある大量の丸太全部に広範囲に雷の様な斬撃を炸裂させて、全ての丸太全部を切り刻んだ。
「ふうー、師範今のはどうで.....」俺は言いかけたが、固まった。
何故なら、
なんて事だ!もしかして半年も経ったのにこの程度でしかない俺に対して、情けなさ過ぎて、泣かせてしまった!
と俺がすぐに謝ろうとすると、
「和星…よくやった!お前は儂の誇りじゃ!」
涙ながらにそう言われて、俺は驚き、嬉しくて嬉しくて俺まで泣いてしまった。
その夜にはいつもより豪勢な食事を出され、数日後にある
正直怖いという気持ちがあるが、それ以上に師範がこれだけ俺のことを考え期待してくれていると思うと胸が高鳴り誇らしい気持ちだった。
それにずっと技の型をやっていて、遂に自分でも技が出来てると思った時から心から覚悟が決まった!
それから師範が俺の身なりを整えてくれた。
しばらくして鏡の前に立ち、自分の姿を見た。
髪の色は茶髪で目が切れ長の目をしている身長は普通の人と同じ。
ーーーーーそして数日後
最終選別に行く日が来た!
慣れ親しんだ松原山の家から出る時に師範は
「必ず突破して戻って来い!!!」と激励してくれた。
それに俺は
「はいっ!師範!必ず突破して戻って来ます!!!」
そう言って師範が力強く頷いたのを見て、そのまま俺は出発した。
そして、藤襲山へ着いた。
夥しい薄紫が出迎えた。
視界を染め上げる大量の藤の花。山の中腹へと至る階段を彩るように咲き狂うそれは、鬼を寄せ付けず、鬼を閉じ込める結界。
「うわー!すごい数の藤の花だー!正に荘厳な雰囲気!」
とあまりにも幻想的な光景に見惚れ感嘆して階段を登っていると門を模した紅い柱があった。
そこを抜けた瞬間、そこはもう広場であり試練の場へとなった。
そこには既に多くの子供達が居た。
( 改めて見ると、みんな強そう人達ばかりだな )
俺が周囲の人達を観察していると、俺の後にも門から来た子供達がいた。
(ん?誰だろう?………! )
途端に俺は気づいたけど、内心、早く彼等二人と接したい!
だが、俺と彼等は初対面、いきなり過剰に接すると、気持ちが悪がれると思い直し、まずは深呼吸して心を落ち着かせた!
俺がこんなに動揺しているのは、
その人達が周りを見渡している時にさり気なく、心臓がばくばくいいながらも内心興奮しまくりだが、必死に顔には出さないようににこやかにゆっくりと近づいて声を掛けて自己紹介した
「初めまして、俺の名前は林 和星。よろしく。育手の桑島 慈悟郎の紹介で来たものだ!
君達の名前は?」
というと彼等二人は少し戸惑いながらも名乗った
「育手の鱗滝 左近次(うろこだき さこんじ)の紹介で来た
もう一人の
「
「そうか!やはりその厄除の面は鱗滝さんのお弟子さんでしたか。」と言いながらも、もう内心は感動の嵐だ。
( 奇跡だー!やっと会えたーー!・・・・・はっ!そういえばここには、
二人とも必ず守って助けてみせる!!!!! )
と静かに決意と覚悟を決めた。
やっとここまで来たー!
遂に義勇さんと錆兎さんとの邂逅を果たしたー!
次回はいよいよ最終選別!
どうかこれからもよろしくお願いします。
誤字脱字報告お願い致します。