そしていよいよ最終選別開始です!
・・・・・アイデアを詰め込んだ結果長くなってしまいました。
それでもどうかお付き合いください。
錆兎side
ーーーーー思い出すのは、あの時だ。
その日は朝から身支度を整え、腰に日輪刀を差し、頭に鱗滝から授かった厄除の面を付けた錆兎と義勇が共に最終選別が行われる藤襲山へ出発する前に
鱗滝さんからは力強く、
「最終選別、必ず生きて帰ってこい。儂も真菰も、此処で待っている。」と言われ
真菰からは「絶対に……絶対に、帰って来てね……私……待っているから……」
そして、今にも泣き出しそうな顔から精一杯の笑顔を浮かべた。
「行ってらっしゃい、錆兎、義勇!」
・・・・・必ず帰ってくると約束して!
ーーーーーそして、今俺達は藤襲山に着いた!
視界を染め上げる大量の藤の花、山の中腹へと至る階段を彩るように咲き狂うそれを見入っていながらも覚悟を決めて階段を登り切り、真っ赤な鳥居を抜けた瞬間、そこはもう試練の場へと様変わりした広場が広がり、そこには既に大勢の人がいた。
みな服装も歳もバラバラで、けれどただ一つ同じところを挙げるとすれば、皆大正の時代には不似合いな一振りの刀を帯びていることだろう。
俺達もそこら辺の所で待とうとすると、向こうの方から茶髪で切れ長の目をしている子供が近づいて来て、
「初めまして、俺の名前は林 和星。よろしく。育手の桑島 慈悟郎の紹介で来たものです!君達の名前は?」
と唐突に挨拶と自己紹介をして来た。
その茶髪を一言で言い表すなら「強い男」
その体格と全身から溢れ出る強さには俺と義勇も一瞬後ずさるほどだ
しかし挨拶と自己紹介されたのだから俺達も挨拶と自己紹介しなければ失礼だと思い
「育手の鱗滝 左近次の紹介で来た錆兎だ」と名乗った。
「義勇」と義勇も挨拶を短いながらも返した。
「そうか!やはりその厄除の面は鱗滝さんのお弟子さんでしたか。」
相手の茶髪はそう言い、納得したように頷いた。
「鱗滝さんを知っているのか?」と俺が質問すると
「ええ!うちの師範の旧友と聞いております。鱗滝さんの弟子みんなは鱗滝さんから「厄除の面」といい狐の面を送られると聞いていたので、是非お会いしたいと思っておりました。」とその茶髪は落ち着き払っていながらも何故か途中から興奮したように喋ってきた。
・・・・・なんだ、鱗滝さんの友の弟子だったのかと安心していると
「皆さま、今宵は最終選別にお集まりくださってありがとうございます」と凛とした声を発した。
白樺の木の精と見紛う現実離れした美貌を持つその女性が中央に立っていた。
「この藤襲山には鬼殺の剣士様方が生け捕りにした鬼が閉じ込めており、外に出ることはできません。ご覧の通り、山の麓から中腹にかけて、鬼共の嫌う藤の花が一年中狂い咲いているからでございます」
その女性はゆっくりと集まった子供達に聞こえるように喋ってきた。
「しかしここから先には藤の花は咲いておりませんから、鬼共がおります。この中で七日間生き抜く。それが最終選別の合格条件でございます」
瞬間、緊張の糸がピンとこの場に張り詰め降りた。
それは参加者が全員はっきりと条件を理解した証左であり、試練の始まりを感じさせるものであった。
「では、行ってらっしゃいませ」
ーーーーー
最終選別初日の夜。
今この瞬間から命の保証が無くなり、山内に蔓延る鬼共との邂逅が余儀無くされた。
最終選別突破の条件は七日間生き残ること。
そのために錆兎は
「二手にわかれよう」と義勇に言った。
「……何故だ?」
「二人で行動すれば生存率は上がるだろう。事前説明から反則事項ではないとも思う。だが、それで本当にいいと思うか?」
「……思わない。鬼殺隊員として単独で任務に就くことも考えられる。雑魚鬼しかいないとされるこの試練の場で一人で生き残れないようなら、いずれ死ぬ」
「俺もそう思う。だからこそ二手にわかれよう義勇!……ただし約束しろ……男として死ぬなよ義勇!」
「お前もな錆兎」
と方針が決まり、二手にわかれた。
義勇side
俺はそのまま走った。
道行く時に鬼に出くわしたが、皆倒した。
これなら、俺より強い錆兎も順調に行っているだろう。
・・・・・しばらく走っているとまた鬼に出くわした。
今度は二体、
「ひひひ、久々の人肉だ!」
「おい邪魔すんな!あいつは俺の獲物だ!」
と言いながら襲ってきたが、難なく倒そうとすると、
「ぎゃっははは、子供の肉だー!」と後ろからも襲ってきた!
俺は咄嗟に避けた。
周りを見ていると、周囲には、十体の鬼達が取り囲んでいた!
「おい!てめえらこいつは俺の獲物だぞ!」
「はっ!知るかよ見つけたもんの価値だろうが!」
「げっげっげっ!」
「こいつの肉の方が美味そうだ!」
「やっちゃうぜ!やっちゃうぜ!」
「うるせえなー!」
「どいつもこいつも」
「あ?なんか言ったか?まあいい!まずはこのガキだ!」
「めんどくせえ!」
「こいつを食ったらすぐに他の餓鬼どもを……」
( まずいな、だがそれでもやり遂げて帰らなかければ…… )
脳裏には鱗滝さんと真菰、そして錆兎!
俺は切り込んだ!
「おおおおお!全集中・水の呼吸
一気に三体の鬼達の頸を斬った!
次は……
「ひゃっはーー!」後ろががら空きだぜ!」
後ろから襲ってきた!
間に合わない!
「全集中・雷の呼吸 弐ノ型 稲魂」
瞬間、鬼達五体が一気に頸を斬られた!
「なんだおい!まだガキが……」「全集中・水の呼吸 肆ノ型 打ち潮 」
と残り二体の鬼を倒したのは錆兎だった。
「胸騒ぎがして駆けつけてみたが、怪我はないか義勇?」
錆兎が心配そうに言うと義勇は
「油断した済まない。それと確か和星と言ったか、礼を言う。」
「これぐらいお安い御用ですよ!」茶髪はそう言った。
「そうか、お前が義勇を、ありがとう恩にきる」錆兎からもお礼を言われ、一瞬ポッとなった
「いやいや、貴方達二人そこまで言われるとは……」と照れたように言った。
「はっ!それよりも分かった筈です。こんな風に雑魚鬼といえど、集団で襲いかかってきたらひとたまりもないと!」
と和星は思い出したように喋ってきた。
「だがしかし、これぐらいの試練の場で一人で生き残れないようなら……」錆兎が言うと
「
と言って来たので、俺と錆兎は、はっとして、鱗滝さんと真菰の顔が脳裏をよぎった。
「何より鬼達が集団で襲いかかっくる状況でたった一人で戦えません!あちらが集団ならこちらも集団で協力するべきです!」
と説得してきた。
「……分かった。協力しよう。」錆兎が言い、義勇も頷いた。
すると和星は安心したように
「では、他のみんなと合流しましょう。実はもう話はつけているので案内します。まだ鬼がいるかもしれないので気を引き締めて急ぎましょう!」と言って、俺達を伴い走り出した!
和星side
・・・・・良かった!本当に良かった!
二人が話し混んでいる間に最終選別にいるみんなを死なせないために他のみんなと協力関係を結ぶために話し、幸いにもほとんどの人はは同じ考えらしく、すんなり俺の提案を受け入れてくれた。
驚きなのは、その中には
名前を聞いたら
「私は胡蝶カナエ」
「俺は
まさか同期だったとは!正に奇跡だと思った!こんな所で憧れている人達四人と出会えるなんて!
内心感動した!
そして話がついて、二人を見ようとしたらもういつのまにか二人ともいなくなっていて焦った。
それでも、気配は覚えているので、急いで探し回ったら、大勢の鬼達がいて、見ると義勇さんが戦っている!
義勇さんが三体の鬼達を倒して、すげえと思っていると義勇さん後ろから鬼が来たのですぐに助けた!
その後にも単独で行動しようとする錆兎さんを説得して、他のみんなと合流することになった。
そして、既に多く集まっていた他の参加者の皆と合流した。
「おお!ようやくきたか!和星!」と杏寿郎さんが出迎えてくれた。
「はい!戻りました。こちらの二人も協力関係に同意してくれました。」俺は二人を杏寿郎さんに紹介する。
「錆兎だ」
「義勇」
とそれぞれ自己紹介した。
「煉獄 杏寿郎だ。よろしくな。」
杏寿郎さんからも自己紹介を終え、本格的に集団活動を開始した!
ーーーーーあれから六日間.....
最終選別に参加者の皆が初日と比べて格段に強くなった。
もちろん、これは試練なので鬼を探し倒すために交代でいくつか班に分けて、二人一組になって各個撃破となった。
倒せそうな鬼なら一人で戦うということにもなり、さらにお互いに情報交換。怪我をしていたら駆けつけて、手当を行う。
何せ、元藤の花の家の者だから、医療用具はいくつか持って来ていた。カナエも医療の知識があり手伝ってくれた。
及び互いの技術向上のために、稽古したり何かダメな所があったら指摘しあったりと。
その結果、皆が強くなり、死者も一人も出なかった。
その中でも抜きん出たのは、杏寿郎とカナエ、錆兎、義勇と自分でいうものなんだが和星。
そしていつもの稽古の最中に錆兎さんから
「和星、お前と稽古を始めて幾日かたったが、お前だけには一向に勝てない。何か強さの秘訣でもあるのか?」
錆兎さんが素朴な疑問をぶつけてきたので
「大したことないですよ。・・・・・強いて言うなら
俺が言うと
「なっ!
錆兎さんが驚いたのを皮切りに
「どうした錆兎?」
「何事だ?」
「何かあったの?」
錆兎さんの声を聞きつけ、義勇さん、杏寿郎さん、カナエさん、他のみんなが集まって来た。
錆兎さんから俺が毎日欠かさずに全集中の呼吸をしていると聞いたら、みんなが驚いていた。
「最初はすごいきつかったですよ。耳から脳味噌が出るかと思ったのも一度や二度どころじゃないですし……。」
杏寿郎side
煉獄家の長男として今までに厳しい修行に耐え、この最終選別に望んだが世界は広い!
この六日間で皆と共に稽古修行してに強くなってきたが目の前にいる和星という男には勝ててない。
それは俺だけじゃなく、カナエと錆兎と義勇でさえ歯が立たない。
そこでそれとなく俺達とはどう違うのか錆兎に聞いてもらった所、まさかあの短時間でもきつい全集中の呼吸を二十四時間とは・・・・・
俺は唖然としつつも聞いてみた
「何故そこまでする?」というと和星は、
「鬼に怯えることのない世の中にしたいことと、みんながみんな何気にないけどかけがえのない日常を送れる未来にしたいから。」
その言葉を聞いた瞬間!目の前の男が毅然とした姿を見て、凄いと思った!
( 日常を守ろうとするその姿と理想!素晴らしい!俺も負けてられないな!)
どうやら、そう思ったのは俺だけじゃなく、義勇もカナエも錆兎も驚きながらも、即座に覚悟を決めた顔をした!
「さあ!鍛錬を続けよう!」
最終選別での同期の方々との交流いかがだったでしょうか。
次回はいよいよ、あの鬼との遭遇です。
ちなみに書き忘れてしまったことをお詫びします。
ここで大正コソコソ噂話
和星が敬語をやめたのは錆兎と煉獄に「友ならば、敬語を使うな!」と言われたからです。