宇宙のステルヴィア〜星の軌跡〜   作:九龍

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第13話~ほんとうのあなた~

 

 

 

 

予科生達が自分の宇宙を知り

その過程を見た者が行動を起こす

宇宙に来て、それぞれが目指すモノは

 

 

 

 

 

 

 

side 真也

 

 

 

 

 

今日は珍しく光太が来なかった

そう言っても朝に見かけなかっただけなのだが

朝食も取ったしそろそろ行くか

 

 

一人寂しく教室に向かう

教室に近づくにつれ、三人組の女生徒がドアから教室を覗き込んでいる

 

 

ん?アレは本科の生徒か、うちのクラスに何か用なのか?

それにしても邪魔な位置に立っているものだな

仕方ない、声を掛けるか

 

「すみません、教室に入りたいのですが」

 

 

驚いたのか、凄い勢いで此方に振り返る

 

 

「え?あ、ごめんなさいね」

 

 

そう言うと教室から離れ、廊下を歩き出す

 

 

なんだったんだ?あの人達は?

中を覗いていたが・・・教室内には光太と片瀬さんか、きっと片瀬さんを見に来ていてんだろうな

本科、予科合わせて先のトライアルでトップ10入り

そんな事はどうでもいいが光太と片瀬さんが異様に仲がいい

というよりも、光太が何時もと様子が違うな・・・勝手な予測だが馬に蹴られたく無いからな、邪魔をしないでおこう

 

 

そんな事を考えていると後ろから声を掛けられた

 

 

「お?真也じゃん、どうしたの?」

 

「アリサか、いや何・・・馬に蹴られたく無くてな」

 

「馬?なんで馬・・・」

 

そうか、アリサは日本にある都都逸の詩を知らないか

 

「日本にはこういう詩がある、人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえってな」

 

「訳わかんないって!そんな遠まわしに言わなくてもいいじゃん、それで、誰の恋話」

 

 

興味を持ったのか教室を見るように合図をする

 

 

「光太としーぽん?コレって光太がしーぽんにラブ?でもしーぽんも満更じゃないような・・・」

 

「探ってやるな、アリサ・・・それにしても何時も一緒なのに今日は如何して一緒じゃないんだ」

 

「私は購買、荷物見れば分かるでしょ?」

 

 

そう言って手に持っている袋を掲げる

 

 

「そういう真也は如何して?」

 

「今日に限って光太に遭遇しなかっただけさ」

 

「なんの話をしているんだい?」

 

 

アリサと話をしている内にピエールがやってきた

 

 

「ピエール、中を見れば分かる」

 

「あれ、しーぽんと光太だろ・・・これは・・・よし!ライバルが減った!」

 

「ピエールはお嬢ラブだもんね」

 

「な!いや・・・光太もそれなりにもてるから・・・」

 

ピエール・・・それは否定してないぞ、テンパリすぎだ

 

「さてここで出歯亀もいいがそろそろ皆が来る頃だ、教室に入ろう」

 

俺の一言で三人で教室に入る、

 

「おはよう光太、片瀬さん」

 

「おはよう、真也君」

 

挨拶を交わし、しばらくすると教室に人が集ってくる

 

さて、そろそろ講義が始まるか、集中しなくては

今日が最後の授業、そして明後日からは冬休みか

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

side 志麻

 

 

 

 

ちょっと今日は早く教室に来ちゃった

今日の講義の自習をしたいし・・・

 

「おはよう・・・珍しいね、一人で」

 

端末を操作していると声を掛けられた

 

「おはよう、光太君・・・アリサは購買に行ってるの・・・そういう光太くんも珍しいね、真也くんはどうしたの?」

 

「今日はたまたま真也君に会わなかったから」

 

「そうなんだ、そういえば同じ部屋じゃないもんね」

 

「うん、それより掲示板見たよ、予科・本科合わせてトップ10なんて凄いね」

 

「えへへ、なんか似てたんだ・・・光太君とインフィを動かした感覚に、それでかも」

 

「ふーん、そうなんだ」

 

「でも光太君はどうして?私なんかよりもっと上手く扱えるはずなのに」

 

「そうだね、何でなんだろう」

 

「光太君、本当にマイペースだね」

 

「昨日はアレが精一杯、インフィの時も精一杯・・・僕にも分からないよ、考えるだけ無駄だから考えない」

 

「ふふふ、なにそれ」

 

光太くんと話をしていたらアリサや真也くん、それにピエールくんが教室に入って来た

 

 

「おはよう、光太」

 

挨拶をし適当な席に座る真也君達

しばらくすると教室内が賑わってくる

 

「よーし、お前等!今日が今学期最後の講義だ!ちゃんと取り組むように」

 

白銀教官の一言で講義が始まる

 

 

 

 

数十分後、講義が終わり廊下を歩いていると

 

 

「片瀬さん、ちょっといいかしら」

 

ビック4の町田さん!いったいなんだろう

 

「えっと、何でしょうか」

 

「放課後、ちょっと話せないかしら」

 

「だ、大丈夫です」

 

「そう、それじゃ放課後掲示板の所に来て、話はそれだけだから」

 

 

そう言うと町田さんは歩いて行ってしまった

その話をラウンジでアリサ達にすると

 

 

「えーーーーーーーー!うっそーーーーー!!」

 

あ、アリサったら大袈裟だよ

 

「だってあんたビック4に声掛けられるなんて凄い事よ!」

 

「うん、それはそう思う」

 

「片瀬さん、よろしければビック4にお入りになりませんこと・・・な~んて話だったらどうする!?」

 

アリサ、町田さんはそんなんじゃないような・・・りんなちゃんも否定してるし・・・

 

「それで、なんの話だって?」

 

「よくわからない、さっきは本当に廊下でちょこっとだったんだから」

 

「後継者候補に選ばれたのかもよ!しーぽん凄いから・・・とにかく会談の様子は一言も漏らさず報告するように・・・分かったかね」

 

アリサの一言に敬礼して

 

「了解であります・・・あー楽しみだなー・・・でも、緊張して喋れなかったどうしよう」

 

「笑って誤魔化せ!」

 

「それじゃぁまたお調子者って思われて怒られちゃうよ~」

 

でも、緊張とわくわくが入り混じってる感じ

ちょっと放課後が楽しみだな

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 初佳

 

 

 

 

片瀬さんに廊下で声を掛け約束を取り付けた

この講義が終われば放課後、片瀬さんが何を目指して宇宙に来たのか

そしてその答えが私の、私が築き上げて来た町田 初佳を壊すなら・・・その時は・・・

だってそうでしょ、やよいを助けられず、助けようとしたのに結果的にやよいを蹴落としてまで築き上げて来た今の私

そろそろ約束の時間ね

 

 

掲示板に向かうとそこには片瀬さんが居た

 

 

「待たせちゃったかしら」

 

「い!いえ!」

 

「そう、それなら良かったわ・・・片瀬さん、少し歩きましょうか」

 

そうして私は展望台を目指す

道中片瀬さんがそわそわしているのに気が付いた

 

「緊張する事ないわよ」

 

「は!はい・・・すみません」

 

「謝る必要も・・・私もあなたと同じ、ただの学生よ」

 

「えぇ!?違いますよ!町田さんは凄い人です!みんな憧れてます!頭良くて操縦できて凄い美人で、私なんておこちゃまで・・・やだ、私ったら・・・なに興奮してるんだろ」

 

そう、あなたからはそう見えるのね、必死にしがみ付いている私の事を

そろそろ展望台に着くわね

 

 

展望台に着くと擬似的に作られた風が頬をなでる

 

 

ここでやよいとも話したっけ・・・でも今はそんな感傷に浸っている場合じゃない

 

「片瀬さんはどうして宇宙に?」

 

「普通に星が見たかったんです」

 

「普通に?

 

「はい、見上げるんじゃなくてこんな風に」

 

 

展望台正面にある強化ガラス越しに見える星を前にそう言った

 

 

「特にパイロットで無くても良かったのかしら」

 

「かも・・・しれません」

 

そう、それなら、あなたは私を壊さない

 

「でも!でも今はもっと上手くなりたい・・・宇宙学園を目指すなんて自分でも大それた事を考えるな~って思ってました、でも来て本当に良かったです、毎日がとっても楽しんです」

 

その後の片瀬さんの笑顔であの時のやよいの笑顔を思い出した

私は確信した、この子は私を壊す

 

「片瀬さん、宇宙は楽しむ所じゃないのよ・・・」

 

「え?」

 

「片瀬さん、自主練しましょう・・・格納庫で待ってるわ」

 

 

 

しばらく待っていると片瀬さんが来た

 

「Bブロックエリアで訓練種目はライトニングジョウスト、いいわね」

 

「はい!よろしくお願いします」

 

 

 

重なる・・・・あの子の言葉が、笑顔が・・・

 

《自分をもっと高めたいの》

 

やよい・・・

 

でも、私は止まれない

 

だって私は町田 初佳だから

 

私が町田 初佳で居る為には!!

 

 

 

『最低だよ!先輩!!』

声と共に乱入してくるビアンカ

 

 

 

強い衝撃が何度も私を襲う

私の中で何かがコワレタ

 

天才なんて居ない

そう言い聞かせてきた

それでも

現にここに

 

 

 

そうして私はコックピット内に浮かぶ自身の涙に気が付かぬまま、ただ、呆然としていた

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side やよい

 

 

 

 

しーぽんが言ってた事、放課後に町田 初佳に会う

あの楽しそうな声を聞いていたら・・・言えなかった

私の怪我はあの人にやられた

だから気をつけて

そう言いたかった

 

時間が進む度に不安が押し寄せてくる

確かアリサちゃんにしーぽんは報告するって話だった

私はアリサちゃん達の自室に向かった

 

アリサちゃん達の自室に着きチャイムを鳴らす

 

「しーぽんは?」

 

「うん?まだ、ほんのちょっと前に連絡があって、町田さんと自主練だって」

 

 

アリサちゃんの一言で私は、あの時の事故を強く意識した

もしかしたら、しーぽんが潰されちゃう

そう意識したら居ても立っても居られなく走り出した

 

急いで着替え格納庫に向かった

 

でも私のビアンカは整備されていた、その時になってレイラ教官の言葉を思い出した

 

《全機システムチェックで整備入りだからな》

 

もう!なんでちゃんと覚えていなかったの!

このままじゃ・・・

 

不意に声を掛けられた

 

 

「どうしたお嬢?そんな血相変えて」

 

真也君と光太君がビアンカの前で話をしていた見たいだ

そして私は

 

 

「急いでしーぽんの所に行って!潰されちゃう・・・町田・・・町田 初佳に!彼女はそういう人なの!!」

 

 

そういうと真也君達は

 

 

「なんだと!光太、先に行け!俺のビアンカは整備中だ!ストラーダで行く!」

 

「分かった!」

 

光太君はビアンカに乗り、真也君は走り、シークレットルームを目指した

 

私はそれを尻目に制御室へ向かった

 

 

私はそこで見守っていた・・・

 

「初佳・・・・止めて・・・・・しーぽんは・・・お願い!」

 

私の声は制御室に消えた

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

side 真也

 

 

 

 

全くどうしてこうなった!

先に光太を行かせたが・・・・

 

とりあえず片瀬機と町田機を索敵!

Bブロックエリアか!

光太は・・・片瀬さんの後方から行くルートで58秒後に着くのか

俺は60秒後・・・念のため俺も飛ばす!

 

 

遭遇まで後15秒、距離としては800m

 

今の所普通に訓練しているだけだが・・・

片瀬機が緊急停止!?町田機は・・・止まる心算が無いのか!!

 

《潰されちゃう・・・町田・・・町田 初佳に!》

 

お嬢の言葉が脳裏を掠める

 

まずい!

 

『最低だよ!先輩!!』

 

片瀬機に町田機がぶつかろうとした瞬間

光太のビアンカが片瀬さんのビアンカの前に出てケイティを下から突き上げる

幾度と無く体当たりを繰り返す光太

 

町田機も体当たりに耐えられなく緊急停止する

 

だが、光太も止まらない・・・流石にそれもまずい!

 

「やりすぎだ光太!町田先輩はもう動けない!」

 

そう言って光太のビアンカの前にストラーダを割り込ませる

 

衝撃が俺を襲う

すぐにストラーダの状況を確認する

 

分厚い装甲のお陰でたいしたダメージは無い・・・装甲が凹んだ程度だと思う

それ以外に目立つ損傷は今の時点では確認できない

 

『・・・・真也くん・・・・』

 

「落ち着いたか、光太・・・これ以上やればお前も町田先輩と変わらない」

 

『ごめん』

 

「とりあえず格納庫に戻ろう・・・動けるか」

 

『機体のダメージは大して無いよ』

 

「そうか・・・とりあえず片瀬さんを頼む、俺は町田機を牽引していく」

 

『わかった・・・ほんとごめん、止めてくれてありがとう』

 

「気にするな」

 

そうして会話を終え、ケイティにワイヤーを固定し牽引する

 

それにしても光太の機動・・・最早ビアンカの挙動じゃぁ無かった

俺もビアンカだったら最後の体当たりに割り込めなかっただろう

取り合えず大事にならなくて良かった・・・・

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれが目指した宇宙は何処へ

人が求めた繋がりは

 

 

 

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