宇宙のステルヴィア〜星の軌跡〜   作:九龍

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第14話~繋がる心~

 

学生は学年末試験を終え後は冬季長期休みを待つばかり

各々は何を思いこの長い星の道のりを歩むのか

 

 

 

 

 

 

side 真也

 

 

 

 

 

『今学期はグレートミッションなど、人生において貴重な経験を積む良い学期であったと私は思います』

 

今、学長の有難く長い話を聞いている最中だ

 

『確立された厄災を防ぎ、人類は新たな道を模索し始めています。来年は人類の新たな一歩を刻む大切な年となるでしょう。それでは長くなりましたがこれを閉会の挨拶にしたいと思います』

 

 

学長の話が終わり自分の部屋に向おうとすると知らない顔が声を掛けてきた

 

「あ、あの狛江 真也さんですよね」

 

少々上ずった声で話しかけてくるこの子は看護科の制服に身を包んでいた

 

「そうだけど、なにか?」

 

「こ、これ!・・・・その、待ってますから!!」

 

そういうと脱兎の如く目の前から消えてしまった

渡してきた物は可愛らしくハートのシールで留めてある手紙だった

 

「これって・・・」

 

「ラブレーターだな」

 

いきなり後ろから声が掛けられる

 

「ピエール・・・見てたか」

 

少しばつの悪そうな顔をし

 

「途中からね」

 

「そうか・・・」

 

ピエールはばつが悪いのか別の話を切り出した

 

「話は変わるだけど、りんなちゃんがウルティマに帰るのは知っているかい?」

 

「話は知っているが」

 

「そこで女性陣がクリスマス兼お別れパーティーを開くみたいでね・・・僕達も参加しないかって」

 

「そういう話なら俺は参加だ」

 

「了解、パーティーは明日、18時からだけどその前に飾りつけとかやるみたいだから13時にアリサ達の部屋に集合だ」

 

「分かった」

 

「話はそれだけだから」

 

そういうとピエールは自室に向かうのか俺と反対方向に歩き出していた

それを確認すると俺も部屋に向かった

 

 

 

 

自室に着き、サイフォンに火を入れソファーに座り

さっき貰った手紙を読む

有態に言えばやはり好きです、付き合ってくださいという言葉が書かれていた

まぁもう少し詳しく言うなら前回の事で身を張ってビアンカを止める姿に惚れたらしい

それに明日の22時に展望台か・・・

とりあえず、断る事は確実だな・・・よく知りもしないのにそういう返事をするのは相手に失礼だ

《ピンポーン》

 

考え事をしていたらチャイムの音が響いた

 

「どうぞ」

 

「やぁ、ちょっと時間いいかな」

 

「光太か、どうした」

 

「少し相談したくてね」

 

「そうか、少し待ってくれ・・・今コーヒーを淹れるから」

 

「ありがとう」

 

ソファーから立ちコーヒーを淹れる

光太に差し一息つく

 

「それで、相談とは」

 

「うん、明日・・・片瀬さんに告白しようと思って」

 

「ならそうすればいいじゃないか、なにを相談する事がある」

 

「いや、僕はあまり話すの得意じゃないから・・・」

 

なるほど、口下手だから上手い口説き文句を教えてくれ、そういう相談か

 

「そういう事か・・・俺もそういう経験が無いから上手い事いえないが、自分の気持ちを素直に言う事が一番だろう」

 

「自分の気持ちを?」

 

「あぁ、口下手だろうと行動で示すのは止めた方がいい、どんなに拙い言葉でも自分の気持ちを伝える・・・・それが一番だと俺は思う」

 

「そういうものかな」

 

「そういうもんだ」

 

「そっか・・・そういうのでいいんだ」

 

「それが自分らしさならな」

 

その後簡単な雑談をしていると、時計の針は23時を示そうとしていた

 

「ごめん、なんか長い時間居ちゃって」

 

「気にする事無いぞ、それより明日・・・頑張れよ」

 

「うん・・・ありがとう、それじゃぁお休み」

 

「あぁ、お休み」

 

 

そうして光太は自室に戻る

 

それにしても光太が片瀬さんか・・・上手く行く事を祈ってるぞ光太

そう思いながら俺は寝る事にした

 

 

 

 

 

そうして翌日

俺は片瀬さん達の部屋を目指した

部屋に着くと既にジョジョ以外そろっていた

 

片瀬さんとお嬢は料理担当

その他は飾りつけ

各々が作業を始める

 

「まぁ、本当のクリスマスは明日だけどな」

 

ピエールが話しだす、それにつられ

 

「でもイブの方がクリスマスって感じするよな」

 

確かにイブは彼女とかと過ごすのがオーソドックスだよな

だがこの中に彼女が居る奴は居ないはず、なのでそんな危険な発言は出来ない

 

「ねーねー、みんな恋人とか居ないの?」

 

その瞬間世界が止まった

てか何を言い出すんだ・・・りんなちゃん

 

「居ないの?イブって恋人と過ごすんでしょ、ね」

 

同意を求めるようにアリサに振るりんなちゃん

 

「私はパス」

 

「なんだつまんない・・・大ちゃんは?」

 

そして今度は大に振る・・・・

 

「え?え~っと・・・ピエールどう?」

 

そして大はピエールに・・・どうするんだこの連鎖・・・

 

「聞くなよ・・・・そういえば真也はどうすんだ?この間看護科の子からラブレター貰っただろ」

 

 

ピエールが昨日の話を持ち出すと、りんなちゃんが少し機嫌が悪そうな顔をした気がした

 

 

「俺はその話は断るつもりなんだが」

 

俺がそう言い切った後は流石に空気を読んだのか追求の手は無かった

 

「光太はー」

 

りんなちゃんの言葉にはそういった物を感じなかった、きっと俺の勘違いだったんだろう

 

「そういえばこの間看護科の人が会いにきてたじゃん、この間ビック4の町田さん相手に凄い所見せただろ、それでファンになったんだって」

 

ピエールがその話をすると光太は片瀬さんの方を見る

俺はお前が片瀬さんの事を好きなのを知っているが・・・その態度はあからさま過ぎるだろ

 

「やった!光太モテモテだー」

 

りんなちゃんの声に光太も顔を戻す

 

「脳ある鷹が爪を隠すって感じがカッコイイんだってさ」

 

「所詮僕らは鷹の爪だ」

 

ピエールの肩を叩き大が言う

しかしそれは唐辛子では・・・

 

「あの町田 初佳をけちょんけちょんにしたんだもんね」

 

「ほんと、あの町田さんが子供扱いだったもんな」

 

しばしの雑談に中断していた飾り付けを再開する掛け声がでる

 

「さぁ~てそろそろ飾り付けを再開しようか」

 

「お~まかせとけ」

 

そして途中途中雑談を混ぜながら作業を進めていく

 

 

しばらくするとサンタの格好をしたジョジョが現れた

 

「メリークリスマース、やぁ素敵なお嬢さん、何か欲しい物はありませんか?この袋には何でも入っているんですよ、御人形?洋服?それとも指輪?」

 

そんなふざけた格好をする為にこんなに遅れたのか・・・

 

「人手」

 

「ヒトデ?かわった物が欲しいんだね」

 

栢山さんの言葉を多分海に生息する物と勘違いしたんだろう・・・だが

 

「手が足りないって言ってるでしょ・・・まだ料理も飾りつけも終わってないんだからね」

 

そして賑やかな笑い声が包むその楽しい雰囲気のまま作業を続ける

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 志麻

 

 

 

あれから町田さんの事ばかり考えちゃう

それにやよいちゃんの言葉

 

《気にする事ないよ・・・彼女があんな事するの、初めてじゃないの》

 

そう調理中に言っていたあの言葉

初めてじゃ無い・・・それは二年前のやよいちゃんの事故の事を言っているなら・・・

それに町田さんは・・・・あの後、話をしたくても学校にも来ていなかったみたいだし

 

「それじゃぁ私は注文していた飲み物とってくるから」

 

「男子~お嬢一人に持たせるつもり~」

 

「そんな馬鹿な、僕が持つに決まってるじゃないか、やよいさん」

 

「あんたはツリーの飾りつけ終わって無いでしょ」

 

「僕が行ってくるよ」

 

「これで飲み物はOK~料理も終わってるし飾りつけはツリーと壁・・・あ、笙人先輩に星を借りなきゃ」

 

笙人先輩なら・・・町田さんの事知ってるかも・・・

 

「私が行くよ!笙人先輩の所!」

 

そういうと私は走った

少し走ると目的の場所に着いた

 

「すみません、予科の片瀬です」

 

『今開ける、少し待っててくれ』

 

「すまない、これだ」

 

渡された星型の鉄・・・尖った部分には刃がついている

 

「これって・・・」

 

手裏剣?笙人先輩ってやっぱり忍者・・・・

 

「色はそちらで塗ってくれ」

 

でも流石に・・・これに色を塗るのは・・・ってそんな事考えている場合じゃない!

 

「あ、あの!町田 初佳さんがどうしてるか知りませんか?」

 

「気にする事はない・・・非は彼女にある」

 

「教えてください!あれから学校にも着ていないようだし・・・まさか止めちゃったとか」

 

「まだ決定ではないそうだが・・・退学になるらしい」

 

そんな・・・・

 

考え事をしながら一人で歩いていた

気が付いたら私はインフィの中にいた

 

分からないよ・・・・私・・・町田さんに悪い事したのかな・・・・

もしかしたら・・・みんな私の事・・・・

 

コックピットが開く音がする

 

「やっぱりここに居た」

 

「光太くん・・・」

 

「どうしたの」

 

「・・・無期謹慎だって」

 

「町田さん?・・・・やっぱり気にしてたんだ」

 

「気になるよ!私の知ってる人があんな・・・・それに怖くて」

 

「怖い?」

 

「町田さんがどうしてあんな事をしたのか分からなくて・・・もしかしたら他の人も町田さんみたいに私の事嫌ってるんじゃないかって思えてきて・・・・楽しい気持ちになれないの・・・折角のクリスマスなのに・・・りんなちゃんのお別れ会なのに」

 

「じゃぁ行こう、一緒に」

 

その言葉と共に差し出される手

 

私はその手を取り

 

町田さんの所へ

 

 

 

 

そして町田さん部屋へ着いた

チャイムを鳴らすけど変事が聞こえない

意を決して中に入る

 

 

「!?あなた達」

 

「ドア、無用心ですね」

 

「何のよう」

 

「あの、知りたくて・・・どうして・・・その」

 

「どうして私があなたを怪我させようとしたか」

 

私はその言葉に頷いた

 

「思ったより意地が悪いのね・・・それを私に言わせるつもり」

 

「そんなつもりじゃ」「答えてください!」

 

光太くんの言葉が重なる

 

「答えるべきでしょ!町田 初佳さん!」

 

「あなたが・・・あなたが私に近づいて来たから蹴落とした・・・ただそれだけ」

 

そんな・・・そんな事って

 

「私はこれまでずっとこうしてきた・・・やよい時もそう、あれは事故じゃないわ・・・私が起こした、事件よ」

 

やよいちゃんの時も・・・

 

「町田さん・・・どうして」

 

「負けたくなかったの!やよいにも!あなたにも!誰にも!だって・・・負けられないじゃない・・・私は町田初佳なんだから!」

 

「勝つ事が・・・良い成績をとる事がそんなに大事なんですか」

 

町田さんが光太くんの言葉に触発されたように話す

 

「あなたには分からないでしょうね・・・あなたに負けて、私のプライドがどれだけちっぽけなものか思い知らされたわ・・・・あなたみたいのを本当の天才って言うのね、私なんて精々秀才・・・・・人の何倍も練習してしがみ付いて・・・・見っとも無いわ、もういいでしょ」

 

「あの・・・ありがとうございました・・・・その、正直に話してくれて」

 

 

そうして私達は町田さんの部屋を後にした

そして私はアリサ達の所に戻る気になれずシークレットルームに移動した

 

「私ね・・・初めて町田さんに負けた時悔しくて泣いちゃう程だったんだ・・・だから私、町田さんの気持ち、ちょっと分かる・・・町田さんのしたこと許せないけど、攻められない」

 

「そっか」

 

「光太くんも悔しいとか勝ちたいとか思うの?」

 

「思うよ」

 

「ぜんぜんそんな風に見えない」

 

「良く言われる、何考えているのか分からないって、自分の気持ちとか伝えるの下手なんだよな・・・喋るのも苦手だし」

 

「それが悔しい事?」

 

「自分の気持ちが伝わらないのは悔しいよ・・・それが好きな人なら、なおさら」

 

そうなんだ・・・でも好きな人って

 

「僕は片瀬さんの事がすきなんだ」

 

へ?・・・私!?え、でも・・・・うん・・・この気持ちは・・・私も・・・

 

「私も・・・光太くんの事・・・好き・・・だよ」

 

「嬉しいな・・・・ねぇ、志麻ちゃんって呼んでいいかな」

 

「うん・・・いいよ」

 

「メリークリスマス、志麻ちゃん」

 

「メリークリスマス」

 

 

そして私は目を瞑る

 

唇に当たる感触

 

これが私のファーストキス

 

これからもよろしくね光太くん

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

side 真也

 

 

 

《探してくる》

その一言を置いてこの場を離れた光太

そして光太と片瀬さんが消えて数時間

俺も看護科の子に返事を出さなければいけない

・・・クリスマスに振るのは可哀想だが・・・・ただそれだけの理由で先延ばしにするのはそれ以上に失礼だ

 

「あれ?真也は何処に行くの」

 

アリサに声を掛けられる

 

「あぁ、ちょっと展望台にね、約束があるんだ」

 

「おぉ?もしやデートかな」

 

こんなのがデートならあの子は可哀想だな

 

「そんなもんだ、だから着いてくるなよ」

 

「分かってる分かってる、それじゃ楽しんできなよ」

 

「あぁ」

 

「その前に俺のサンタの衣装しらない?」

 

「いや、見てないな」

 

さっきお嬢が着て出て行ったが・・・これは内緒の方がいいだろう

 

 

そうして俺は展望台に向かう

 

展望台にはあの子が一人佇んでいる

 

「ごめん、待たせたかな」

 

「い、いえ!あの・・・読んで頂けましたか」

 

「読んでいなければここに来ていないよ」

 

「それで・・・答えは・・・」

 

「すまないが君とは付き合えない」

 

「そう・・・ですか・・・」

 

「なにより君の事を良く知らない俺が簡単に付き合う事は出来ない」

 

「そうですよね・・・」

 

「すまないな」

 

「い、いえ!こっちも急でしたし」

 

「それじゃぁ俺はこれで」

 

「ぁ・・・・」

 

小さな声を聞き留まる

 

「まだ、なにか」

 

「あの!これから・・・・いえ、やっぱりいいです」

 

大体予想が出来る

その先を言っても変わらないことに気が付いたのか言葉を止める

 

「それじゃぁ、帰り気をつけて」

 

「ほんと態々ありがとうございます」

 

 

 

 

その言葉を後に俺は皆の所へ向かう

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 初佳

 

 

 

 

 

あの二人が帰ってから思い出す

昔の事

二年前に一緒に宇宙へ来た友達

やよい・・・私は

 

 

「メリークリスマース」

 

赤服にサンタ帽子さらに白く大きい袋を持った誰かかが来た

 

でもあの声にあの背丈は

 

「やよい・・・なの」

 

「教えて・・・二年前のあの時あなたは私を助けようとした」

 

「片瀬 志麻は・・・あの子は・・・助けてみせた・・・・なのに、私は助けられなかった・・・・あの子に出来る事が私には出来い・・・ジョウストもグレートミッションだってあの子の方が上だって分かっていたはずなのに・・・・価値が無かった・・・・私には、あなたを蹴落とすだけの、価値が」

 

 

今までの気持ちが涙となって流れ落ちる

 

 

「私を攻撃したのはあなた、でも・・・助けようとしたのもあなた・・・・あなたを許せないのは私・・・許したいと思っているのも私」

 

やよい・・・・

 

「初佳・・・・この涙を流し終わったら・・・昔のように」

 

やよい・・・・私はあなたに

 

「何も言わないで初佳・・・その涙が、あなたの気持ちなのでしょ」

 

やよい・・・本当にごめんなさい・・・そして・・・・ありがとう

 

こんな私を・・・

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

人と人は対話をする事で繋がる

然し時にその対話は繋がりを切る事もある

繋がりを取り戻した者達

新たな繋がりを作った者達

繋がりを拒んだ者達

 

 

 

 

それぞれの宇宙は今

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