宇宙のステルヴィア〜星の軌跡〜   作:九龍

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第18話~ウルティマ奪還作戦~

 

 

護送船団がステルヴィアを出発してから一ヶ月

ウルティマまで後10日の距離でオデッセイからの船団と合流する事となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 真也

 

 

ウルティマ護送船団に参加してからもう一ヶ月

ストラーダを使用する事を告げられオプションパーツを装着し、その調整をしていた

今回のオプションはグレートミッションで使ったレーザー砲と、朱音さんが作っている試作型の観測パーツ・・・・レーザーの方は元々使った事のある物だから設定は簡単だったが、試作型観測機の方は元来の物と仕様が違い、プログラムを組みなおさなければならなかった

今回の試作型観測機は親父の要請で仕上げられた物らしい

なんでも紐状天体の観測に使うようだ、今回の試作型装着はテストも含まれている

この観測機の使用データはステルヴィアに帰り次第に朱音さんに送る事になっている

 

それにしても、レーザー砲を装着するという事は戦闘も視野に入れていると考えられるが・・・

まぁ、そんな事を考えていても仕方ないな

 

「やっぱりここに居た」

 

モニターに向けていた目を声のする方に向ける

 

「光太か、どうした?」

 

「うん、なんでもオデッセイの生徒がこっちに来るみたいでね、ケント先輩が探してたよ」

 

オデッセイと言うとアストロボウルで突っ掛かってきた所だな

学生が来るとは思え無いがステルヴィアでさえ学生を使ったんだし、もしかしたらアストロボウルの選手辺り来そうだな

 

「分かった、とりあえず向かうか」

 

そう言って隣の格納庫に向かうとちょうどオデッセイのケイティが着いた所だった

降りてくる人を見ると案の定、アストロボウルの選手の人だった

それを見るなり片瀬さんが反応する

 

「あぁーー!!アストロボウルの時のムカつく人ぉーー!!!」

 

それに反応した俺と光太が片瀬さんの口を塞ぐ

それを見ていた笙人先輩がマスクを取り出す、何故か赤い×印がついている

要するに喋るの禁止の意味だろう

流石にこれから協力する人達に暴言を吐く訳には行かないので、緊急処置だろう

 

ケント先輩は先の出来事を無かった事にし、挨拶を始める

 

「ガガーリン5へようこそ」

 

「ケント・オースチン、久しぶりだな・・・メンバー編成がだいぶ変っているようだが・・・町田はどうした」

 

「ちょっと色々あってね・・・えーっと、片瀬 志摩君と狛江 真也君はもうお馴染みだね、あっちは音山 光太君、うちの脅威の新人さ」

 

ケント先輩が紹介している時オデッセイの二人が片瀬さんに愛想を振っていたが・・・まぁ、片瀬さんも光太がいるし・・・残念だったな、オデッセイの人

 

紹介が終わり、待機室に移動し始める

その時は片瀬さんのマスクも外れている

 

「しかし、君らも参加してるとは、学生使いが荒いのはステルヴィアだけじゃないようだな」

 

「火星は地球圏と違い、例の未確認飛行物体が何度か確認されているからな・・・守りを固めるので猫の手も借りたい位なんだ」

 

「守ること即ち攻める事なり、なにからどう守るのやら」

 

「まぁまぁナジー」

 

ケント先輩がナジマ先輩を宥めている時、オデッセイの人が笙人先輩に近づいてきた

 

「なぁ笙人 律夫、あの二人・・・付き合っているのか?」

 

「片瀬と音山か」

 

「他に誰がいるよ」

 

一応俺もいるのだが、まぁ二人仲良く歩いていれば俺は除外されるか

 

「片瀬」

 

「はい?」

 

「君は音山と付き合っているのか?」

 

「はい!」

 

片瀬さんは嬉しそうに光太の腕を取り返事を返す

まぁオデッセイの人は残念そうだが、相手がいるのだから諦めて欲しいものだ

 

「だ、そうだ」

 

笙人先輩の言葉の後、先頭を歩く二人の会話が耳に飛び込んできた

 

「ところで、例の秘密兵器・・・側で見てもいいかな」

 

「秘密兵器?」

 

「しらばっくれるなよ、船尾に繫いであったろう、巨大ロボ」

 

「・・・・上からの命令なのか」

 

「見学を希望する」

 

ケント先輩は少し考え、徐に携帯を取り出し電話を掛ける

 

「白銀指令、オデッセイの学生がインフィ二ティーの見学を希望しています。許可をいただけますか・・・・・・はい、分かりました」

 

そうして携帯を閉じた

 

「いいそうだ、すぐ見に行くかい」

 

「・・・・すまない」

 

「気にするな」

 

 

そうしてオデッセイの人達はインフィを見学しに行く事となり解散の流れになった

俺はストラーダの作業の続きをしに格納庫へ戻った

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 志麻

 

 

ウルティマ到着まで後3日

私は光太君と真也君を誘ってりんなちゃんに電話を掛けに通信室に行く最中です

 

「電話をするのは良いんだが、一応、白銀指令に連絡を入れておいた方がいいだろう」

 

と真也君に言われたので確認を取り蓮華先生が着いてくる事になりました

 

「ねぇ、向こうから連絡が来るまで待っていても仕方ないんじゃない、リラックスしてれば」

 

蓮華先生の言う事も分かるけど

 

「それじゃぁりんなちゃんとお話してる事にならないじゃないですか」

 

「だからって返事待ちの間ずっと画面を見ている事はないでしょぉ」

 

「志摩ちゃん、意外と頑固なんですよ」

 

「タイムラグがあるから無理無理」

 

もう、そんな事はわかってるよ

 

「しかし、ウルティマには近づいているのだからその内タイムラグも少なくなる」

 

真也君の言う通りなんだけど

 

《ピィン》

 

「あ!来たぁ」

 

『でしょぉ、お父さんたら酷いんだよこの間なんか・・・《ドゴォン》なんだろ、急に』

 

画面に浮かぶdisconnectedの文字

 

「りんなちゃん!りんなちゃん!!」

 

「今のは、非常警報か」

 

叫ぶ私を他所に真也君が冷静に蓮華先生に確認を取る

 

「ウルティマでいったい何が・・・」

 

大丈夫だよね・・・・私がここに居て通信が回復すればりんなちゃんの無事がすぐ確認出来る

それに・・・返事もすぐ出来るし・・・・

 

「一回戻ろう、志麻ちゃん」

 

私はその言葉に首を横に振る

 

「とりあえず私は確認を取ってくるから」

 

そういい蓮華先生は通信室から出て行った

 

それから3時間

 

「いったん俺は戻るよ、もしもの為にストラーダの調整をして来る・・・片瀬さん、余り無理をしないようにね」

 

「僕も一回戻るよ、志麻ちゃんも休まないと」

 

私は首を横に振る

 

「光太君は休んでて、私はここで待ってる」

 

「何か分かったら伝えに来るね」

 

光太君はそういい真也君と一緒に通信室を出て行った

 

 

 

通信が途絶えてから20時間

 

私は待ち続けていた

 

そんな中、もうりんなちゃんに会えないんじゃないか

そういう事が頭に浮かんだ

もしそうなったら・・・・

 

「志摩ちゃん!ウルティマの居住ブロックが今ドッキングしたって」

 

私はその言葉を聞いて走り出した

 

着いた先で目にしたのは傷を負った人達

 

「なにがあったの・・・こんなのって」

 

その時りんなちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえた

そしてりんなちゃんを見つけて走りだす

 

「よかったぁ、りんなちゃん無事だったんだね、心配したんだよ」

 

「しーぽん・・・しーぽんだぁ・・・もう・・・もう、会えないじゃ・・無いかって」

 

泣きながら話すりんなちゃんを抱きしめる

 

『ウルティマ護送船団に参加した者はすぐにミーティングルームに集ってください』

 

その放送を聴き、私はりんなちゃんをお母さんにまかせて急いでミーティングルームに向かう

 

そしてミーティングルームに着きしばらくすると白銀指令が説明を始める

 

 

「これは先行したクラークから届いた映像だ、ウルティマにドッキングしているのが二機、周囲を回っているのが三機、合計五機の国籍不明機が確認されている、現在殆どの人が避難済みだが、ボスコフ指令を始め、まだ六人が取り残されている」

 

モニターに映る人物にりんなちゃんのお父さんの名前、そして

 

「親父・・・」

 

小さく呟いた真也君のお父さんの名前があった

 

「諸君の目的はクラークの編隊と協力し、俺の乗った救助艇がウルティマに入り、残った六名を救出する事が目的だ、これは人命救助だ、無用な戦闘は避けろ、いいな」

 

「「「「了解」」」」

 

「また、ケント・オースチン、ナジマ・ゲブール、笙人 律夫、狛江 真也、以上の四名は別命あるまで待機だ」

 

「「「了解」」」「・・・了解」

 

「その他のメンバーは急いで自機に搭乗するように以上」

 

白銀指令の言葉で皆が動き出す、私達もインフィに向かおうとすると真也君が声を掛けてきた

 

「頼む」

 

短い言葉だけど、しっかり気持ちが伝わってきた

 

「大丈夫だよ、お父さんの事はまかせて」

 

「ありがとう・・・でも、無理はしないでくれ・・・」

 

「うん」

 

真也君の言葉を聞きインフィに搭乗しようとすると後ろから声がかかる

 

「しーぽん!」

 

「りんなちゃん?」

 

「お願い!私も連れてってくれるように白銀先生に頼んで!パパと約束したの、必ず迎えに行くって!だから・・・だから」

 

「りんなちゃん・・・でもあぶないよ、ビック4の先輩や真也君も待機中だし、それにりんなちゃんの乗れる機体もないじゃない」

 

「でも!」

 

「大丈夫、私達がお父さん達を助けてくるよ、奇跡の退場娘を信じなさいって・・・ね」

 

りんなちゃんがエアロックから出た事を確認する

 

『インフィニティも発進せよ』

 

「了解、インフィニティ、発進します」

 

 

『オデッセイの諸君、今回の指揮を執る白銀だ、よろしく行こう作戦内容は予め伝えた通りだ、インフィニティは本機の警護だ』

 

「了解」

 

『作戦開始!』

 

白銀先生の言葉でケイティが一斉に所属不明機がアクションを掛ける

しかし、一向に反応を示さない

それに痺れを切らしたのかオデッセイの人が白銀指令ある事を言った

 

『攻撃命令を!このままじゃ埒が明きません』

 

攻撃命令?それって・・・あの所属不明機に当てるって事だよね、白銀指令はそんな事許可しないよね・・

 

『いかん、奴らが動かないならむしろ好都合だ、そのままアプローチを続けろ』

 

『しかし!』

 

『まぁ聞け、俺達は奴らの死角からなんとかメインブロックに取り付く、今回の作戦は救護がメインだ、君達パイロットをみすみす危険に曝す訳には行かない、アプローチに徹しろ』

 

よかったぁ・・・もし攻撃しろ!なんて言われたらどうしようかと思っちゃった

 

「白銀先生、カッコイイね」

 

「うん」

 

光太君の言葉に頷く

 

『良し!ウルティマに乗り込むぞ』

 

「「了解」」

 

白銀先生の後を追い、ウルティマに入ろうとする

すると今まで何の反応を示さなかった所属不明機が此方に飛んできた

 

『急速離脱!!』

 

「了解!」

 

 

あれから何度か挑戦するけど何度も邪魔をされてします

 

『奴らはウルティマのエアロックに取り付こうとすると反応する、そこで奇数番号の小隊はエアロックに取り付くふりをしろ、そうしたら奴さんも何らかのアクションを起こすはずだ、そこを攻撃しろ・・・ただし、あくまでも威嚇だ』

 

白銀先生の指示に従い各奇数小隊が取り付くふりをする

 

「わぁー、正体不明の皆さん、あわあわしてるよ」

 

「やったね志麻ちゃん」

 

「うん」

 

そして、所属不明機が一箇所に集った所に威嚇射撃が行なわれた

ウルティマから所属不明機が離れて行き作戦は成功したかに思えた

 

しかし、いきなり戻って来た所属不明機が何かを打ち出した

 

『ぅわぁぁぁぁぁ!!』

 

《SHOOT DOWN》

 

『スピアァーーーーーズ!!』

 

白銀先生の叫びが響く

 

『逃げろ!逃げるんだ!!』 『うわぁぁぁぁ!』『っ!脱出!!』

『来るな!来るなぁ!!』『ちくしょぉぉぉぉぉぉ!!!』

 

私は表示されてるケイティ部隊が消えていく様を見て漠然とこう思った

 

「・・・・命が・・・消えてく」

 

頬を伝う涙に気が付かないまま、ただ現状を見ているだけだった

 

『インフィニティ!敵を行動不能にしろ!味方の退却を助けるんだ!』

 

「敵に当てる、って事ですか」

 

『そうだ!』

 

「志麻ちゃん」

 

「・・・・ブラスターは連射モードがいいよね」

 

「うん」

 

『インフィニティの攻撃に乗じて各機撤退!!』

 

ブラスターの充電が完了する

 

「目標にロック」

 

インフィの攻撃が当たらない!ぜんぜん当たらないよ!

あの機体が・・・速すぎるの・・・・

 

「連射のピッチを・・・上げるね・・・」

 

「ブラスターが持たないよ!」

 

だって!だって!そうしなきゃ・・・・

 

「当てなきゃ皆死んじゃうよぉ!!」

 

私は泣きながら叫ぶ

しばらく連射のピッチを上げた状態で撃ち続けた

 

『もういい!インフィニティも撤退しろ!』

 

白銀先生の通信終了と共にブラスターが悲鳴を上げる

 

「ブラスター破棄します」

 

 

その言葉と共に破棄したブラスターは爆散した

 

 

私は撤退の最中も涙が止まる事は無かった

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

ステルヴィアとオデッセイの合同救出作戦は失敗に終わった

初めて人の死を経験した者は

初めて戦いを経験した者は

 

 

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