ウルティマ護送船団がステルヴィアに帰還した
奪還作戦に参加したメンバーは自室で体を休めていた
side 志麻
ステルヴィアに着くなりアリサからメールが着た
内容はりんなちゃんと光太くん、真也くんを連れて私達の部屋に連れてくる事
部屋に着くといきなり電気が点き、軽快な音楽と共に踊りだす皆
「感動しちゃったぁ、本当に歌って踊ってくれるなんて」
「まさか自分達が見る事になるとは思ってなかったからね」
「そして企画者がウルティマの作戦に行ってしまう予想外の出来事が起きたな」
うぅ・・・真也くん、それ私の事だよね
「狛江君の言う通り、もともとはウルティマから来るりんなちゃんのためにしーぽんが言い出したのよコレ」
やよいちゃん・・・ごめんなさい、練習とか大変だったんだろうな・・・
「すっごくよかった!特に晶ちゃんの王子様!」
でもりんなちゃんが喜んでくれてよかったぁ~
「でも練習大変じゃなかった?」
「良くぞ聞いてくれました」
「俺なんか航空概論落とす程頑張ったもんね」
「そうなの!?」
講義を落とす位だからやっぱり練習大変だったんだろうなぁ
「なぁ~に言ってんのよ!あんたの落第は練習とは関係ないでしょ!」
「簡単だったのに」
「その分交信実習は通っただろ!」
「意外だ」
光太くんそれは余りにストレートすぎるんじゃ・・・
「意外・・・・」
「ぼ、僕なんて船外補修の最速記録出した」
ピエールくんが場の空気を変える為か話題を繋いだ
「私なんて重機二種のライセンス取っちゃったもんね~」
「僕なんてアーリズのケーキ制覇したもんね」
「皆凄いね」
「それは80日も経っているんですもの」
そっか、80日経っちゃったんだよね
皆色々あったんだろうな・・・
「それはそうと、そっちの80日はどうだったのよ」
アリサ、顔近い・・・でもウルティマの事は機密あつかいだし
「ウルティマの事は機密扱いで、喋っちゃいけない事になってるんだけど・・・あ!でも、町田さんと仲直り出来たみたい、それとレイラ教官が」
「ちゃうちゃう」
アリサが話の腰を折る
「光太の事よぉ」
え!?光太くんの事?え、でもそれは
「私達みたいな邪魔者抜きで80日も一緒だったんでしょ、狛江君は居たかもしれないけど彼はそういうところは空気読めるし」
「まさか、私達に言えない所まで行ったんじゃないでしょうね」
そそそ、そんな事無いよ・・・あれ?でもお話して二人で歩いて・・・そのキスしたりで、あれ?
「行く前と余り変って無い」
「・・・・これは」
「ちょっと無いわね」
そう言って光太君の方をアリサ達が見る・・・と言うより睨む
「えっと、何?」
その言葉を聞いて三人ともため息をつき矛先を真也くんに変える
「真也!なんで光太はこうなのよ!」
「なにを言っているか知らないが落ち着けアリサ、光太は前からこうだろう」
「あーもう!煮~え~切~ら~な~い!」
アリサの叫び声が部屋の中に響いた
side out
side 真也
りんなちゃんの歓迎会を終え自室に向かっていると見知った顔を部屋の前で見つけた
「どうかしましたか?町田先輩」
「え!いや、あの・・・この間の事覚えてる?」
この間?ウルティマ奪還作戦での話か
「ウルティマ奪還作戦の話ですか」
「えぇ、その助けて貰ったお礼がまだでしょ、この後時間が空いているなら少し付き合って欲しいのだけど」
「お礼なら言葉で貰っていますが」
「それじゃ私の気がすまないのよ」
確かに・・・俺も命を助けられて言葉だけってのは気がすまないな
「分かりました、それでは時間もありますしどうします?」
「ちょっと行ってみたい所が有るのだけど、いいかしら」
「お任せします」
そういい歩き出した町田先輩の横を歩き
カフェエリアを抜け大手の喫茶店の裏手に来た
「ここよ」
案内された所は行った事の無い喫茶店だった
「まさかあの喫茶店の裏に喫茶店があるなんて」
「知らなかった?」
「えぇ、なかなかいい感じの所ですね」
「そうね、それじゃぁ入りましょうか」
店内に入るとレトロな感じの内装、大御所で使っているようなコーヒーメイカーでは無くサイフォン
この時点で俺の趣味に合った感じの店
適当に席に座りメニューを見ると
コナだと!ここの喫茶店はコナコーヒーを置いているのか!
しかし問題は配合比、ハワイコナコーヒーは強い酸味が特徴で主にブレンドに使われる
「店主、このコナコーヒーのブレンド比率は?」
「3:7だ」
これは飲むしかない
「町田さんは決まりましたか?」
「えぇ、オリジナルブレンドに決めたわ」
なるほど、店の味を見るにはお店独自のオリジナルブレンドを頼むのが一番、だが・・・コナブレンドも捨てがたい
「店主、コナブレンドとオリジナルブレンドを」
「少々お待ちください」
コーヒーが出来るまで町田先輩と話す
「先輩はコーヒー好きなんですか?」
「えぇ、サイフォンとかは持っていないけど良く飲むわ」
「そうですか、俺はサイフォンで自分で配合した豆で淹れるんですが、よかったら飲みにきますか」
「本当?それなら今度お邪魔しようかしら」
「えぇ、暇な時にでも」
それから数分話をしていると店主がコーヒーを持ってくる
「お待たせしました」
カップに注がれたコーヒーから湯気が立ち上る
「それじゃ失礼して」
そう言いコーヒーに口をつける
・・・・美味しい、程よい酸味と苦味、コナの酸味が生きている
かなりの完成度だ
「お客さん、コーヒー党かね」
「あぁ、自身で配合した豆をサイフォンで淹れている」
「そうか・・・この店は基本的に豆は売らないが希望があるなら売ろう」
「それは助かる!それにここまで美味しいコーヒーを淹れる店をココでは知らないかった、是非今度から利用させて貰いたい」
「あぁ、是非来てくれ」
そういうと店主はカウンターに戻っていった
「先輩、良い所を紹介してくれてありがとうございます」
「っ!えぇ、喜んで貰えて嬉しいわ」
そこに良い笑顔で返事を返す町田先輩
先輩ってこんな顔も出来るのか、普段から張り詰めた顔をしてる分結構新鮮だな
そうして会話を続けコーヒーも飲み終わり店を出た
「それじゃぁ今日はありがとうございました」
「えぇ、楽しんで貰えて何よりだわ、それと狛江君のコーヒーを楽しみにしているわね」
「分かりました、暇な時にでも部屋に来てください」
「それでは、また」
「えぇ、また」
そういい自室に向かった
side out
side 初佳
笙人に教えて貰った喫茶店に狛江君と一緒に行ってきた
最初はいきなり険しい顔をして店主に比率を聞いた時は驚いたけど喜んでもらえたみたいで良かったわ
それに今度の約束も取り付けたし大成功ね
でもこういう事にドキドキするって事はやっぱり私は狛江君の事が好きなのよね
「その様子だとファーストコンタクトは成功のようだね」
「うむ、私の情報も役に立ったか」
「ケント!笙人!ま、まさかつけてたの!?」
もしそうなら・・・・
「まさか!そこまでやるはず無いじゃないか」
「初佳が狛江の部屋の前で30分悩んでいた事や、当の本人から声を掛けられ驚いていた事など知らん」
それは最初から見ていたって事でしょ!
でも店内にはいなかったから道中をつけていたって事?
「流石に店内までは行けなかったが行きと帰りだけ、普段の初佳なら気が付いた筈」
「で、確信に至ったかな」
っ!そう二人は純粋に心配してくれただけ
でも・・・ソレとコレとは話が別
「ケント・・・笙人・・・」
「おぉっと、これ以上は不味い!笙人!」
「承知!」
その言葉と共に脱兎の如く走り出すケント達
はぁ、もう何にも言えないわ
でもコレが初恋・・・
・・・狛江君、覚悟してなさい、私は町田 初佳 恋も実習も手は抜かないわ!
side out
side 光太
今僕は学園長室に来ている
どうもコズミックフラクチャーの解析をインフィにさせたいらしい
「タイムリミットまで60日しか無い、未確認飛行物体の事もそうだがコズミックフラクチャーについても我々は知らなさ過ぎる、そこで再度情報を集めてからもう一度会議を開く事で落ち着いたのだよ」
「その情報収集にインフィーを?」
「頼めるかい」
「えぇ、でも僕一人じゃ」
「君をサポートするオペレーターは準備させているよ、本部から優秀な人材を回して貰う予定だ、とは言え、DLSに慣れるのは一苦労だと」
「そのことなのですが、サポート役には片瀬 志麻さんを推薦します」
「しかし彼女は予科生だろう」
「僕も予科生です、大丈夫ですよ片瀬さんなら」
「分かった、では至急インフィニティの所まで行ってくれ、片瀬さんは此方で呼んでおこう」
「分かりました、それでは失礼します」
インフィの所には既に志麻ちゃんが居た
「ごめん、待たせちゃったかな」
「うんん、大丈夫、でも本当に私で大丈夫かな」
「大丈夫だよ」
『そろそろ始めるが良いかね』
「はい、大丈夫です、行こう志麻ちゃん」
『今回は観測用に設定をセンシティブにしてある、多少見えすぎてしまうかも知れないがね』
「その時は片目を瞑ってやりますよ」
『両目を摘むらんようにな』
「志麻ちゃんレベルF・・・」
(片瀬さんはお前と違うから)
そういえば真也君が言ってたっけ
「初期行程から行くよ志麻ちゃん」
「うん、頑張ろうね光太君」
「それでは初期行程、A-001からお願いします」
それから志麻ちゃんは四苦八苦しながら新型DLSを操っていた
数時間の訓練が終了し志麻ちゃんに声を掛ける
「大丈夫、最初はこんなもんだよ」
「私、ちゃんとやれるかな」
「大丈夫だよ、志麻ちゃんは志麻ちゃんなりのペースでやれば良いんだから」
「うん」
「そうだ!今度の17日に大がりんなちゃんの家に遊びに行くんだけど志麻ちゃんは大丈夫」
「大丈夫だよ、でもその前にこのミッションを終わらせないと」
「そうだね、一緒に頑張ろう」
「すいませーん、ちょっと良いですか」
「はーい、ごめん志麻ちゃんちょっと行って来るね、それじゃぁゆっくりやすんで」
そう言って整備班の所に行った
訓練が終わり真也くんの部屋へよった
「お邪魔します」
「光太か、こんな遅くにどうした」
「志麻ちゃんを今度のミッションのサポートに選んだんだ」
「そうか、前も言ったがお前と片瀬さんは違う、お前の見えている物と片瀬さんが見えている物は全く違うかもしれない」
「うん分かってる」
だからさっきの訓練で初期行程からやったんだから
「ここに来てウルティマ奪還作戦での80日、他の皆との間で認識のズレがあるかも知れない、そんな時は支えてやれ、お前がしっかりするんだ」
「そうなのかな」
「まぁ俺は片瀬さんじゃ無いから分からない、だが・・・片瀬さんはこれから壁にぶつかるのは分かる、今まで挫けた事はあった、だが壁にぶつかる事は無かった筈だ・・・そこを支えてやるのもお前の仕事だろう」
「うーんとりあえず志麻ちゃんを気を付けて見ろって事?」
「まぁちょっと違うがそういう認識でいいだろう」
「わかった、とりあえずありがとう」
「気にする事は無いさ」
「それじゃぁまた」
そう言って真也くんの部屋を出た
僕と志麻ちゃんは違う・・・か、でも声を見た志麻ちゃんなら
そう思いながら自室で眠りに入る
side out
ついにフラクチャーに解析に発つインフィニティー
新たな課題を提示された人類は