コズミックフラクチャー解析の任務を控えた二人
出発の日を明日に控えていた
side 志麻
はぁ・・・新しいDLS、光太君は大丈夫って言うけど、私にはアレは・・・
そして正式にインフィのパイロットに選ばれたし
今度の任務は人類の未来が掛かってるなんて・・・
私なんかで良いのかな・・・・
「たっだいま~」
アリサの元気な声が部屋に響く
「おかえり」
「ん~、元気ないなぁ・・・そんな貴女に!」
そう言って取り出すのはステルヴィアのロゴが描かれたケーキ
「わぁー凄い」
「どぉ、お嬢が卒業パーティー用に用意した試作品、貰ってきちゃった」
それ貰ってきて大丈夫なのかな
「しーぽんが正式にインフィのパイロットに選ばれた記念にね、おめでとう!大親友の私としても鼻が高いよ!」
「・・・・誰から聞いたの?ひどいな・・・黙っててビックリさせようと思ってたのに」
「まさかしーぽんがこんなに凄い人になっちゃうなんて、いやー御見それしました」
そういいながら私を見つめるアリサ
「でもそんな凄い人に見えないけどね」
「実は私も実感無いんだ」
そうして私がアリサに声を掛けようとした時
「しーぽん、困った事があったら言ってね、そりゃぁインフィーに乗ったりは無理だけど出来るだけ力になるからさ、宿題でも代返でも何でも言ってよ」
アリサ・・・
「しーぽんには才能がある、ソレは大親友の私が保障しちゃう、だから協力させて・・・しーぽんにはステキなパイロットになって欲しいから」
今のアリサの言葉は痛い、私は・・・
「さぁーて、ケーキ食べて明日に備えて寝よう寝よう!しーぽん、頑張ってね」
「・・・・・そう、だね・・・」
ケーキを食べ終わり布団に入った
夢から覚め、今私はインフィのコックピットでレイラ教官から指示を受けてる
「フェイズ-44からは音山に任せろ115の作業手順が逆になったのを聞いているな」
「・・・・はい」
「どうした、緊張しているのか」
「少し・・・」
「そうか、多少は緊張していた方がいい、ストレスってのは」
「レイラ教官!コレって人類の未来が掛かった大事な任務なんですよね、そんな任務に私が・・・」
「あぁ、私も驚いている、あの片瀬がここまで育つとは・・・新しい世代、システム・・・新しい時代が来るんだろうな・・・・ありがとう片瀬、好きで始めた仕事では無かったが今では教師の仕事をやってて良かったと心から思えるよ」
そういい残しレイラ教官はコックピットから出て行った、それと入れ違いで光太くんが入ってくる
「ごめん遅くなった、急いでフェイズ-11に掛かるよ」
「光太くん!光太くん私自信ないよ」
「僕だって無いよ、僕らの集めた情報次第で人類の未来が決まるなんて責任重大過ぎ」
「そうじゃなくって!」
「大丈夫、責任を取るのは偉い人の仕事さ、僕達はあたえられた任務をこなすだけさ」
光太くんは分かって無い!私は・・・私には
『発進まで10秒前8、7、6、5、4、3、2、1、0』
始まっちゃった・・・・
『DLSシステム開放』
「DLS開放・・・わぁ、見える・・・きらめきが・・・見えるだろ志麻ちゃん」
え・・・私に見えるのは
黒い線が螺旋状に渦巻く物
「ずっと探してたのはこのきらめきかもしれない」
私には光太くんの見ている物が見えない
見えない・・・見えないよぉ
「志麻ちゃん?」
光太くんも私と違う物を見てる
光太くんと同じ場所に立てない
アリサもやよいちゃんも晶ちゃんも私の場所にいない
「・・・私には、見えない・・・分からない・・・分からないよ・・・私、一人だ・・・私の周りには誰もいない」
不意涙が溢れて来た
この任務中、私の涙が涸れる事は無かった
side out
side 真也
ミッションが終わり帰ってきた光太は今俺の部屋で愚痴を零している
「でさ、いきなり泣き出しちゃって、ミッション中ずっとだし・・・もう参ったよ」
「なにか心当たりは無いのか」
「全然!もう訳分からない」
「そうなるとアドバイスも何もあったものじゃないな、なにか泣き出す前後の会話は無いのか」
「そういえば僕がきらめきが見えてソレを志麻ちゃんに聞いたぐらいで」
ソレが原因だろうけどそれだけじゃないだろうな・・・
「はぁ~、光太、俺は前にも言ったよな、お前と片瀬さんは違うって、多分お前が見えて片瀬さんは見えなかった、それでお前に置いて行かれる、もしくは同じ物を感じられない孤独感から来た物かもしれないな」
「でも・・・」
「でもも無い、とりあえず溝が埋まれば前の様に戻るだろう、とりあえず少し時間を置いて話すしか無いだろう」
「・・・分かった、とりあえず今日はありがとう、それじゃぁ」
「力になれないですまないな、とりあえず光太、急がば回れってな」
さて、光太の原因はさっきの会話、それ以外もあるだろう・・・・
さて、明日辺り様子を見るか
そして翌日
何時もの面子でご飯を食べていると
やはり光太だけじゃなくアリサ達にも何かあったか・・・
何時も一緒に食べているはずの4人が席を離して食事を取る・・・か
光太も最悪なタイミングで事を起こしたか・・・
講義が終わったら少し話てみるか
講義が終わり栢山さんが一人残っている所に声を掛けた
「栢山さん、この後いいかな」
「えぇ、大丈夫だけど」
「とりあえず移動しようか」
少し歩き話掛ける
「なんかアリサ達に違和感を覚えるんだが、何かあったのか」
「えっと・・・・なんでもない」
「そうか・・・それならいいんだ、時間とらせて悪かったな」
「あ・・・・」
「それじゃぁ」
「うん」
とりあえず何かあったのは間違い無いな・・・でも話したく無さそうだったしな
無理に聞くのも何だし・・・はぁ
栢山さんと別れ少し離れたところのベンチで空を仰ぎ見る
「狛江君?」
「あぁ町田先輩、どうかしましたか」
side out
side 初佳
道で狛江君を見つけ声を掛けた
どうにも元気が無さそうなんで話を聞いてみる事にした
「なにか元気が無さそうだけどどうかしたのかしら」
「えぇ、まぁ・・・片瀬さんの件、ご存知ですか」
「ミッション中泣き通しの事?」
「えぇ、それでちょっと話を聞いてみたんですがどうもそれだけじゃないようで」
なかなか複雑なね
「どうも片瀬さんの友人関係も余り・・・」
「そうなの」
「えぇ、自分が男だから話しにくい事柄なのかもしれないですね」
好きな人が困ってるのよ、ここで何かしなきゃ・・・それに片瀬さんの友人だとやよいも関係してそうね
「そういう事なら私からも話してみましょうか」
「お願いできますか」
「えぇ、それじゃぁ何か進展が有ったら連絡するわ」
「お願いします、今携帯持ってますか?持っていたらアドレス送るので」
「えぇ、お願いするわ」
着たわね、登録して返信
「私からも送ったわ、後で確認してちょうだい」
「分かりました、ではお願いします」
「えぇ、任せて」
まずはやよいからね、ちょうど卒業パーティーの準備で会うし
そうして準備会場に移動した
「諸君、我々もこの伝統行事を行う時が来た」
そう、伝統行事とは準備委員会の予科生をステルヴィアの模型の中から飛び出し驚かす事
「みんな準備はいいかい」
「えぇ」「問題ない」「大丈夫よ」
「いくよ」
その掛け声と共に行きよい良く飛び出す
よほど驚いたのか笑いながら文句を言ってくる
でもやよいだけ無理に笑っていた
「やよい」
「ん?どうかした」
「ちょっと」
やよいを呼び出し話をする
「何かあった?さっき、無理して笑ってた」
「わかちゃったか」
「どうしたの」
「私、皆に合わせて驚いた振りしてた、さっきのビックリの事知ってたから・・・私二年前も準備委員で」
やよい・・・
「違うの、ちょっと笑いそびれちゃっただけ・・・ほんとそれだけだから」
そういって準備会場に歩き出すやよい
やよいも何か抱えてるわね、
何とかしてあげたいけど、やよいの問題は私は関わらない方がいいのかもしれないわ
ごめんねやよい、力になれなくて
あと彼女にも話をしておいたほうが良いわね
そう思い私は整備科の方に足を向けた
side out
side 志麻
最近ずっと一人で歩いてる
私と皆と違う、皆と一緒になれない
そうして部屋までつく
「しーぽん」
アリサが何か言ってるけど耳に入ってこない
「聞いたよ、6時間泣きっぱなしだって、」
っ!!
「晶も気にしてた、自分の所為じゃないかって・・・話して欲しかった・・・私には分からないかも知れないけど、分かりたいの!しーぽんの事」
「分かるわけないもん・・・アリサも光太くんやよいちゃんも晶ちゃんもみんな私じゃないもん!分かるわけ無いよ!!もうほっといて!」
近くにあったクッションを投げる
「ほっとけないよ!ずっと一緒にいたんだよ!ほっとけるわけ無いじゃん」
「アリサには分からないよ!」
「分かるわけ無いじゃん!話してくれなきゃぁ!」
やよいちゃんと晶ちゃんが私とアリサを止める
「止めてしーぽん」「やめろアリサ!」
「アリサみたいにはなれないよ!!やよいちゃんにも光太君にも!!」
「そんなのしょうがないじゃない!!」
「止めてよ二人とも!せっかく友達になれたのに!」
「私だけなの!友達だと思ってたのは!」
「私は!私だけ一人ボッチで!」
私は近くにあった袋を投げる
ソレが天井に当たり中身がこぼれだす
ソレは星のような金平糖
「・・・無くなりそうだったから」
「私も」
「考える事はみんな同じね」
そう言ってみんな同じ袋を持ち上げる
みんなちゃんとみていてくれたんだ
そんな思いが駆け巡り涙が更にあふれ出す
そしてやよいちゃんも
アリサも
晶ちゃんも
みんな一緒に涙を流す
涙を流し終えみんなと話す
やよいちゃんもアリサも晶ちゃんも
みんな悩んでいて
それはそれぞれ違っていて
でもそれでもみんながいて
だから私は一人じゃない
side out
side 真也
通学の途中に光太を見つける
「どうした光太、こんな所に突っ立って」
「あ、いや志麻ちゃんを待っているんだけど」
「アレから進展は?」
「無いけど」
「そうか」
一応町田先輩からミッション中の事をアリサに話した事を聞いてるし
それからアリサ達がどうなったかしらないが
っと考えている内に片瀬さんがきたな
「志麻ちゃん、あの・・・」
「おはようしーぽん!ねぇ放課後アーシェに行かない?」
「ほら昨日話したお店」
「はぁ~参った参った何時もの自販機整備中でさぁ」
お嬢、栢山さんアリサの順で片瀬さんに駆け寄る
うん・・・・なんだろう、昨日までの片瀬さん達が嘘みたいだ
その調子で片瀬さん達は歩き出す
片瀬さんが立ち止まり光太に対し可愛らしくあっかんベーをしてアリサ達に駆け寄る
「何と言うか」
「女の子って分からない」
光太と俺の呟きは通学中の喧騒に消えてった
side out
すれ違った心はその溝を埋め
元の鞘に戻り始めている
また迫り来るコズミックフラクチャーの対策は