宇宙のステルヴィア〜星の軌跡〜   作:九龍

30 / 41
第25話~歩み~

 

ジェネシスミッション開始まであと38日

グレートミッション時より準備期間が短く、学生総動員で準備にあたっていた

 

 

 

 

side リチャード

 

 

風祭技官と狛江局長がジェネシスミッションの概要が出来たと言う事で学長とヒュッター教官と共にメインルームに向かった

 

「お待ちしておりました、それでは早速なのですがインフィニティを中心とした射撃計画の構成が終わりました」

 

風祭技官の言葉に私は少し安堵した

 

「しかし問題がまだあります、フラクチャーの最低点特定が出来ていないと言う事です」

 

「アカプスのターナー博士が例の新開発の装備を送ってくれるそうですが」

 

私の言葉に狛江局長が返す

 

「それはありがたいのだが…問題はハードではなくソフトなのですよ、フラクチャーの複雑なエネルギー変動を解析できる高度な数学モデルが必要なのです」

 

「現状での命中確立はどのぐらいなのかね」

 

学長が一番気になる所を聞く

 

「・・・・・・・・0.73%です」

 

風祭技官が苦しそうに言う

 

「0.73!人類の生き残る確立が0.73%だというのかね」

 

0.73%・・・これは神に頼むしかないということか

しかしこの数字をそのまま言う訳にも行かんし・・・対外的にはもう少し確立を上げて発表するしか・・・

 

「・・・・これが最も高い数値です、無用な混乱を避ける為に対外的はもう少し高い数値で発表しますが・・・現実の数値は先程の0.73%です」

 

「如何せん情報が少なすぎて数学モデルが作れない状況です、それに最高峰のプログラマーを集めても半年はかかるかと」

 

数学モデルを一から作る時間は無いと言う事ですか・・・

これはかなり厳しいですな

 

それから私達は学長の執務室で話をする為移動した

 

そしてインフィニティーでの訓練履歴を確認して学長が口を開く

 

「今回のミッション、片瀬 志麻君は不安定すぎる」

 

学長の話に一理ある前回のミッション時の事もある

それに

 

「音山君一人で処理する事で効率化は計れるでしょうから」

 

「反対です」

 

ヒュッター教官が反対する

 

「彼女には可能性がある、世界とは須らく曖昧な物です、そして新型DLS、この曖昧な要素に人という曖昧な物が絡み、新たな可能性が見える」

 

可能性・・・・・確かに彼女には不安定ながらも二つのミッションをこなした可能性がある

時間は少ないですが0では無い

少し様子を見るのもいいでしょう

 

 

 

side   out

 

 

 

 

 

 

 

 

side 真也

 

 

 

 

ジェネシスミッションの準備で講義も全て休講、さっきまでミッションに使う物の搬入作業に借り出されていた

今は片瀬さんと光太を除く何時もメンバーで息抜きついでにカフェに来ている

 

「ようやくグレートミッションが終わったと思ったのにな」

 

ピエールがぼやく

 

「いーじゃん、お蔭でミッションが終わるまで休講になった事だし」

 

「呑気ね、私達だって搬入作業の手伝いがあるのよ」

 

ジョジョの言葉に栢山さんが突っ込みを入れる

 

「それにフラクチャーの影響も心配ね」

 

お嬢が不安そうに言う

 

「大丈夫じゃない?地球には影響ないみたいだし」

 

大はそういうが地球に無くともファウンデーションがどうなるかの見解は出されていないからな・・・

 

「問題はファウンデーションだろ、宇宙局の見解では地球は、としか言われて無い訳だが」

 

「あ、そっか」

 

俺の言葉に大は納得したようなそぶりを見せる

 

「あ、そっか、じゃな~い!そこ大事な所!」

 

アリサが叫ぶが結局の所ファウンデーションがどうなるかはジェネシスミッション次第なんだろうな

 

「大丈夫だって!光太としーぽんが何とかしてくれるよ」

 

「私のパパだって居るしね」

 

ジョジョとりんなちゃんが言う

しかし今回も光太としーぽんが何とかしてくれる・・・か

そう他人任せの発言はどうかと思うがそう思わせる二人が凄いのか

 

 

「そろそろ搬入作業交代の時間だ、そろそろ行くぞ」

 

みんなに声を掛け格納庫に向かう

俺はストラーダに乗り込み搬入作業を始める

 

宇宙に出ると初佳のケイティを見つけた

 

「初佳、そろそろ交代の時間だ」

 

『もうそんな時間?分かったわ、それじゃ頑張ってね』

 

「あぁ、初佳もしっかり休んでな」

 

《警報 未確認物体確認》

 

『何!・・・あれは』

 

「ウルティマの時の!」

 

今度はステルヴィアの番ってか!一応ビーム砲は付いたままだ、エネルギーを充電しておくか

 

『搬入作業を行っている全オーバビスマシンへ、戦闘行動は行わない、繰り返す、戦闘行動は行わない』

 

戦闘行動は無し・・・落ち着いて考えてみろ

未だ搬入作業中の宇宙船が残っている状況で手を出したら、あの機体も応戦してくるはず

 

《高周波を検知》

 

思考の海に浸っていると観測機から情報が渡される

 

高周波だと・・・何かの通信の可能性があるのか

発信源は・・・・国籍不明機から!?

 

指令部に連絡を入れておかなければ

 

「此方ストラーダ、国籍不明機から高周波を検知、通信と思しき周波数です」

 

『それは本当か狛江』

 

白銀教官に問われ情報をステルヴィアに送る

 

「周波数データを転送します」

 

『確かに・・・今インフィニティを出す、それまで出来る範囲で解析と情報収集を頼む』

 

「了解」

 

白銀指令にそう返され観測機をフルに使い情報を集める

しかし通信と思しき周波数を解析してみるも情報が読み取れない

解析用プログラムを走らせても読み取れない

処理値を64から128に変更・・・・ダメか

・・・打つ手無しか

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

side ヒュッター

 

 

私がこの星に来てから800日ほど人類を観察してきた

 

先の学長室での会話

 

私は片瀬君に話して、彼女がどのような反応を示すか

 

「学長はDLSを音山 光太、彼一人で行わないかと言っていた」

 

「そう、ですか」

 

「DLS、ダイレクトリンクシステムはまだまだ乗る人間を選ぶシステムだ、パイロット、プログラマーとしての技能、精神的な強さも求められる、現段階の人類では扱いきれない方が普通だろう、インフィニティーは彼に任せてしまってはどうかね・・・音山 光太は特別なのだ、早々追いつける相手ではない」

 

この問いは私の意思に反する

しかし問わねばならない

そしてその結果・・・

 

「そうかもしれません、そうかも知れませんけど!」

 

「君がそこまで頑張る理由はなんだ、人類を救おうと言う使命感か、彼に対する意地か、愛情か、それとも・・・」

 

「私、地球から宇宙を見上げてて、その時思ったんです、見上げてるだけじゃ嫌だってだから宇宙に着たんです・・・・・どんなに遠くても歩いていたら辿り着くと思うから、えっとあの千里の道も一歩からて言いますよね」

 

資格は得た、後は

 

「千里の道も一歩から、ローマは一日にして成らず、大きなウリエッタは小さなアレッサの集合である」

 

《Pipipipipi Pipipipipi》

 

「緊急のコールサイン、片瀬君インフィニティーの所まで送って行こう」

 

私は自転車で片瀬君をシークレットルームまで送り届けある所へ向かう

 

「リチャード教授、少々よろしいかな」

 

 

リチャード教授を呼び出し展望台に赴く

 

 

「我々が使っている通信プロトコルです」

 

「我々・・・つまりソレを使うと彼らの通信の内容が分かると・・・よろしいのですかな、我々に協力する事はあなた方のルールに触れるのでは」

 

「私が800日間、地球という星を観察した所、地球人はまだ若い、熱くて真直ぐで、自分自身の事ですらまだ良く分かっていない、その様な状態で安易に接触すれば混乱と衝突が起きるのは必定、ウルティマの例を引く事も無く、だから私は距離をとった、それは妥当な選択でしょう」

 

しかし

 

「遠くから見ているだけでは何も変らない、一歩ずつでも、時に後戻りしようとも、歩みださねば・・・大きなウリエッタは小さなアレッサの集合である・・・私の星の言葉です」

 

「ありがとう、貴方がそう思ってくれたこと、とても嬉しいです」

 

「そう思わせたのは、貴方達地球人だ」

 

そう、私はこの若い地球人達に資格と可能性を見た

ならばこの事象は必然

 

「では、参りましょうか・・・私達の生徒を見守る為に」

 

 

 

side out  

 

 

 

 

 

 

 

side  志麻

 

ヒュッター先生に格納庫まで送ってもらった

何故か自転車で

そして付いて直ぐにインフィーを見てヒュッター先生に言われた事を思い出した

 

《音山 光太は特別なのだ・・・なぜそこまで頑張る》

 

私は光太君と一緒に居たい

光太君が見ている物を一緒に見たい

光太君が乗るインフィに私も乗っていたい

光太君に届くか分からないけど少しでも近づきたい

 

そっか、これが私が感じてた距離の理由

でも、私は光太君と一緒に居たい

そう思えたから・・・だから

 

 

「ごめん、お待たせ」

 

「志麻ちゃん、今日は戦闘は無しだよ」

 

「うん、DLSで相手の通信を解析するんだよね」

 

「システムをギリギリまで使うよ、行ける?」

 

「うん、頑張る」

 

そして私と光太君はインフィーに乗り国籍不明機まで向かう

 

『光太に片瀬さん、一応これが通信と思しき周波数のデータだ、ストラーダでは解析できなかった』

 

真也君から周波数のデータが送られてくる

 

「ありがとう、参考にするよ」

 

私は真也君から送られてきた周波数を参考に周波数を合わせる

 

間を置かずにリチャード教授から通信が入る

 

『C−7チャンネルを開いてくれ、今から通信用のプロトコルを送る、それを使えば彼らの通信が解析できるはずだ』

 

通信用のプロトコルって

 

「そんなものを何時の間に・・・」

 

『信頼できる物だ』

 

『片瀬 志麻君、千里の道も』

 

ヒュッター教官が言う

 

さっきの会話

 

千里の道も

 

「一歩から!」

 

「いくよ志麻ちゃん」

 

「うん、頑張ろうね」

 

《ステルヴィアとのチャンネルを8番に固定》

 

よ~し、頑張ろう

 

私の目に飛び込んできたのは膨大な情報の塊

それをまとめて処理しようとしたら上手く行かなかった

 

それなら

 

私は二つずつ処理していく事にした

着実に、一歩、一歩・・・千里の道を歩む様に

時間を掛けながら処理していく

 

私に回って来た情報の解析を終え、光太君の画面を見る

 

まだ結構あるみたい・・・光太君に任せすぎちゃったかな

 

「ごめんね光太君、任せすぎちゃったかな」

 

「志麻ちゃん?志麻ちゃんの方は終わったの」

 

「少しずつやれば結構いけるよ」

 

「うん・・・・本当だ」

 

そして私は光太君の方から未解析の情報を引っ張ってきた解析を進める

 

 

しばらくして全ての情報の解析が終わった

 

「解析終了」

 

「情報をステルヴィアに転送します」

 

そうして解析が終了すると国籍不明機は消えてしまった

 

あの機体はこの情報を届けてくれた

敵じゃなかったのかな・・・でもウルティマの事もあるし・・・

悩んでも仕様が無いよね

 

「志麻ちゃん、ありがとう助かったよ」

 

光太君にお礼を言われ少し嬉しかった

 

「えへへへ、でもまだまだよ、これからも一緒に頑張ろう、光太君」

 

「うん、そうだね志麻ちゃん、一緒に頑張ろう」

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

国籍不明機からの情報はなんとコズミックフラクチャーの地図

それを元にジェネシスミッションは最終段階へと向かう

それに伴い作戦に非参加の者は地球へ

作戦に参加の者は宇宙に

それぞれの道は

 

 

 

 

 




残業で遅くなりましたが本日の再アップ作業はここまでです
明日も引き続き行いますのでよろしくお願い致します
明日の再アップ作業にて本編再アップ完了となります
当小説を楽しんで頂けたら幸いです
よろしければ誤字脱字報告、感想等頂ければと思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。