ジェネシスミッションが始まろうとしていた
絶対防衛戦は土星
土星圏にある第五ファウンデーション、ビジョンに向け各ファンデーションが移動を始めた
新たなる未来の為に
side 志麻
これから始まるジェネシスミッション
なにか実感がわかなかったグレートミッションと違い
ジェネシスミッションには身近に感じる
先人が築いたレールの、その最後を歩いていた私
でも
今回は私が、私達がその新しい道を築く番
「片瀬、準備はいいか」
レイラ教官が尋ねる
私は今ビアンカのシステムでアルキュオンを動かす訓練を始めようとしていた
「はい、大丈夫です」
「そうか、なら始めるぞ」
その言葉と共にモニターに各波の最低点を特定する訓練を始める
まず一つ
そして二つ
・・・・頭が痛い
三つ
四つ
最後!
呼吸が荒い
《命中確立94%》
最初の頃・・・DLSの時より速度も精度も上がってる
『片瀬さん、ちょっと心拍数と血圧が高めだから一回休憩を挟みましょう』
蓮先生が声を掛けてくる
「わかり、ました」
気が付かなかったけど息も切れてる
とりあえずラウンジでスポーツドリンクでも飲もう
そう思って私はラウンジに向かった
「はい」
差し出されるスポーツドリンク
その先には光太くんがいた
「ありがと」
「志麻ちゃん・・・DLS無しで操縦するなんて負担が掛かり過ぎるよ」
光太くんの言ってる事も分かる・・・・けど、私にはDLSは・・
「そうかもしれないけど私にはDLSはじゃまっけなんだ」
「僕は志麻ちゃんを応援したい、けど志麻ちゃんに何かあったら・・・」
「光太くん、心配してくれてありがとう、でも・・・分かって欲しいの、私には今のやり方が一番だと思ってる・・・だから!」
止めないで・・・私はその思いを表した
「もう、決めちゃったんだね・・・分かったよ志麻ちゃん、でも・・・出来ないかもしれないけど無理しないで」
光太くん・・・ごめんね、その気持ちは嬉しいけど私は・・・やっぱり無理しちゃう
それが私が出来る一歩なら
「御互いがんばろう・・・私、もう行くね」
そう言ってラウンジを後にした
そして再び訓練へ
毎回変化する最低点
今はその点を捕らえる
そして捕捉プログラムを作ることが私の役目
けど・・・ダメ、しっくりこない
もう一度!
『片瀬さん、少し休憩したらどうかしら』
さっきも休憩したばっかだしもう少し
「いえ、まだやれます」
『そう、あんまり根を詰めすぎるのも体に毒だからコレが終わったら休憩する事』
「はい」
もう一頑張り・・・
side out
side 初佳
真也は今ストラーダの調整に行っていて居ない
作戦まで時間が無いから仕方ないけど少し寂しいわね
「おや?初佳一人かい」
「えぇ、そういうケントは?」
「直に分かるさ」
そう言った後ナジーと笙人が入って来た
「あら、皆で休憩かしら」
「あぁ」
「戦士の休息、それは束の間の時」
「とりあえず皆コーヒーでいいかい?」
それに皆うなずく
ラウンジのソファーに座りコーヒーを飲む
「それにしても今年度三度目の太陽系の危機か」
ケントの言葉を聞くと学校行事の様に聞こえるわ
「なんだか学校行事みたいね」
私はそのまま返すとケントも肯定する
「そうだな」
「ステルヴィアにこなければこの様な稀有な体験はできなかったであろう」
笙人の言う通りね、真也とも出会えなかっただろうしね
「でも、私達はステルヴィアに来るべくして来た者達、ならばグレートミッションもウルティマの救出も、そして今回のジェネシスミッションも私達にとって必然」
「今までは他人事だった様な気がしてたけど今回は違うな・・・さて、ちょっと機体の整備をしてくるよ」
真也と似たような事を言ってケントは出て行った
「初佳は狛江の所に行かなくていいのか」
「真也にも色々準備があるのよ、私の手伝える箇所はもう無いわ、なら待ってるのも彼女の務めでしょ」
「変ったな」
笙人にそう言われたけど私自身変れたのは真也のお陰だと思う
「えぇ、いい方向にね」
ナジーもそれに肯定の意を示す
「それではトレーニングに行ってくる」
笙人は日課のトレーニングに出た
「ナジーはどうするの」
「休息は必要ね」
「そう」
しばらくゆっくりしてると
《ウーーーーーウーーーーー》
ッ!緊急のサイレン
私はナジーと顔を合わせ格納庫に向かった
そしてケイティに乗り込むと白金指令から通信が入った
『先程エルサントが消滅した、そこで諸君はエルサントがあった場所へ急行し情報を集めてくれ、なにしろ分からん事ばかりだ、しかし無茶はするなよ』
『フラクチャーの側まで行く事がそもそも無茶よ』
ナジーがそう零す
「言わない言わない」
『遅れた』『遅くなった』
ケントと笙人から通信が入る
私とナジーは声をそろえて
『『遅い』』
と言った
ケントと笙人は苦笑をしていたが
今は情報を集めなきゃね
side out
side 真也
ストラーダの調整中に緊急警報が鳴った
俺は急いで座席調整をしてストラーダの重力推進器に火を入れる
格納庫内に人が居ない事を確認してハッチを開けた
その時白銀指令から通信が入った
『先程エルサントが消滅した、そこで諸君はエルサントがあった場所へ急行し情報を集めてくれ、なにしろ分からん事ばかりだ、しかし無茶はするなよ』
エルサントの消滅・・・いったい何が起こったんだ
俺は急いでエルサントの在った座標に向かった
観測機の情報に目を配りながらストラーダを進める
フラクチャーの現状は・・・・各数値が徐々に上昇の傾向にある
それに重力変異値が異常だ・・・フラクチャーが存在してる時点で基準の数値なんて充てにならないが
重力場が崩壊した時に起こる重力場フローに気をつけなきゃならない
「白銀指令、フラクチャーの各数値が上昇の傾向があります、データを送信します」
『そうか・・・全域のオーバビスマシンに告ぐ、各自収集したデータをステルヴィアに送信、その後各ファウンデーションに帰還、帰還後が別命あるまで待機だ』
「了解」
データは送信は後12%で完了する
後はステルヴィアに帰還するだけだ
ステルヴィアに帰還し新たな指示を待つ
30分くらいたっただろう
白銀指令から連絡が入ってきた
『ミッションに若干の変更が出た、フラクチャーの活性化により時間が無くなった、それによりミッション開始を早める・・・今から1時間後だ、各員機体のチェックを怠るな』
各数値の上昇は活性化を意味していたのか
しかしそうなると最低点の特定が難しくなるだろう
それにさっきの重力変異の場所が多かったから、重力場フローが多発するだろう
あれに飲まれたらいくらストラーダでもひとたまりも無いな
でも
やるしかないんだ
side out
side 志麻
さっきの警報で訓練は中止
今は司令室で白銀指令を待っている
この場にはレイラ教官とヒュッター教官、それに光太くんが居る
「待たせた」
その声と共に部屋に入ってきて席に座る白銀指令
「ミッションに若干の変更が出た、作戦開始を1時間後とする」
その言葉にレイラ教官が席を立ち白銀指令に講義する
「1時間後に作戦開始だと!」
「それは少し無理しすぎではないのかな」
「全くだ!」
ヒュッター教官の言葉に同意の意を表すレイラ教官
それに白銀指令はゆっくり答えた
「無理は承知です、コレを見てください」
モニターに表示されるフラクチャーの図
「先程、オーバビス編隊から送られてきたデータです、、フラクチャーの活動が活発化しています。今作戦を始めないとオデッセイやアカプス、それにこのステルヴィアもエルサントと同じ目に遭いかねません」
「だが、片瀬の訓練もアルキュオンの整備もまだ終わってないんだぞ」
それでも・・・やらなきゃならないならやるしかない
それが今の私の思い
「命中精度は9割を超えている、それにアルキュオンの方もコックピットの改造は終わっているんですよね」
「確かに改造は終わっているがテストが不十分だ、それに駆動系の換装作業がまだ残っている」
「機動性アップは諦めましょう、システムの最終調整は発進後に片瀬君にやってもらうしかない」
白銀指令は二人を説き伏せる
「片瀬、君にも分かったと思うがアルキュオンを不十分な状態で送り出すしかない・・・それでもやってくれるか」
私の思いは決まってる
「はい!」
「よし!急いで両名は機体搭乗、出撃してくれ」
私は急いでアルキュオンに乗り込む
システムを立ち上げ発進を待つ
すると光太君から通信が入る
『志麻ちゃん、僕・・・』
「大丈夫だよ、乗ってる機体が違っても大丈夫だから・・・だから頑張ろう」
光太君と通信が終わり発進の指示を待つ
『重力カタパルト準備完了』
光太君が先に出る
『アルキュオン重力カタパルトへ』
私はアルキュオンを重力カタパルトに運ぶ
『片瀬、つきなみな事しか言えんが上手くいったらなんでも一科目、優をくれてやる』
白銀教官・・・
「はい!アルキュオン発進します」
私は最終防衛戦に向け移動を開始した
自分の出来る事を精一杯やるだけ
お母さん、アリサ、真也くん、光太くん
見ていて、コレが私の・・・
私の精一杯だから
side out
side アリサ
隠れてしーぽんのサポートをしようと考えていた私とりんな
だけど・・・
ヒュッター教官となんか良く知らないおじいさんに見つかっちゃた!
笑ってごまかしたけど・・・
ヒュッター教官は警報と共に部屋を出て行ってしまった
しばらくアルキュオン・・・ん~何かしっくりこない・・・よし!ルッキョンと呼ぼう!ルッキョンのジェネレータの調整をしていた
そうしてジェネレータをつける前にルッキョンが発進する事になった
「なんで、なんでルッキョンにはジェネレータをつけないんですか!」
私は近くに居た人の怒鳴った
「る、ルッキョン?」
「今決めました!」
「そうだそうだ!ルッキョンにも着けろ着けろ!」
りんなもジェネレーターをつける様に催促する
「なんでって・・・まだ調整中なんだよコレ」
「本来なら作戦開始までには十分間に合うはずだったんじゃが・・・これではな」
しらないおじいちゃんが言う・・・けど調整中!?でも・・・本来なら間に合うって事は・・・
「あと、後どれくらいで調整は終わるんですか!?」
「二時間くらいかな」
二時間・・・ミッションが終了するまでに間に合うか分からない・・・射撃が一発で終われば必要ないだろうけど・・・一発じゃない、なら!
「だったらせめて・・・だったらせめて届けてあげたい・・・射撃は一回じゃないんでしょ・・・だったらあれをしーぽんに」
「それのった!」
お嬢の声が響く
振り変えるとお嬢とピエールが通気口から体を出していた
私達はどうやってルッキョンにジェネレーターを届けるか話し合い、ビアンカ三機で運ぶ事になった
私とお嬢、それにりんなとピエールでジェネレータをビアンカにくくりつけ運ぶ準備をする
ジェネレーターを運ぶのにビアンカの重力バリアのバランスを保つ必要があった
私じゃ重力バリアのバランスを保てなさそうだからりんなのビアンカに相乗りしてジェネレータ装着手順を確認する
『GO!』
お嬢の合図と共にステルヴィアから飛び出す
まっててねしーぽん!
side out
人類に課せられた試練、ジェネシスミッション
太陽系の未来を賭けたミッションが始まる
不完全な状態のアルキュオン
消えていく命
未来へ続く道は
後の者はその軌跡をたどる