これは、もしアリサ・グレンノースと狛江 真也が付き合ったら
と言う可能性の世界
side 真也
今、目の前で両手を合わせ拝むように頼みこんできているのは
俺の彼女のアリサ、何故この様な事が起きているかと言うと
「お願い!ストラーダを整備させて!」
とこの一言である
「まぁ、整備するのは良いがちょっと確認をとってみないと分らないなぁ・・・とりあえず親父に聞いてみるよ」
と俺が言うといきなり顔を挙げ手を取り
「ありがとー!いや~それではいい返事を期待してるよ」
と何時もと変らない調子でそう言った
「アリサー!次の講義は整備理論Ⅱだから教室遠いよ!早く行かないと!」
と同じ整備科の子に声を掛けられアリサは焦った様に会話を終わらせた
「そうだった!ごめん真也、また後で!ちょっと待ってよー!」
そう言いアリサは整備科の女の子を追いかけて行ってしまった
さて、俺も次の講義の為に移動するか
そして講義が終わり放課後、アリサに頼まれた件を親父に相談する為、電話をかける
3コールぐらいして親父が電話に出た
『真也、どうしたんだ?』
「親父か?ちょっと頼みたい事があるんだが」
『頼みたい事?』
そしてさっきアリサに頼まれた件を親父に話す、彼女の為に許可を取りたいものだが・・・
「あぁ、整備科の人がストラーダの整備をしたいと言って来てな、それで許可を貰えるかどうか電話したんだ」
俺はアリサと付き合っている事は親父に言っていない、なんか恥ずかしくてな
なのでここでアリサの名前を出すと勘繰られそうだったので整備科と言っておいた
『整備科か・・・確かにそういう人種にとっては新しい機体を整備したがるだろうが・・・ふむ』
ストラーダが生産されてから新しいオーバビスマシンは出て来てはいない
かれこれ3年ほど前に生産されたストラーダでも新しい機体となってしまう
そして常識的に考えて機体自体狛江研究所での成果のような物だから親父が渋るのも分る
「・・・頼む」
駄目もとで頼み込んでみる
『はぁ、何時に無く真剣に頼みやがって・・・仕方ない、許可しよう』
「本当か!?」
『ただ条件がある・・・お前がその整備中に整備科の人を監督しろ、多少なりと機体自体の知識がある奴が監督しないとな・・・整備しようとして壊れましたじゃぁ困るからな』
「あぁ、分った」
『それにいい機会だからお前も整備について勉強して来い、自分一人で整備できれば航行中に異常が発生しても対処できる様になるからな』
成る程、親父の言う通りだな・・・確かにそういった状況が起きる場合もあるだろうしな
「しっかり勉強させてもらうさ」
『よし、それなら整備件は許可しよう』
「ありがとう親父、それじゃぁな」
親父との電話を切り俺はアリサに電話をした
『もしもーし、アリサちゃんですよ』
「アリサ、俺だ・・・真也だ」
『おお!どったの?』
どったのってお前・・・昼の件を忘れたのか
「どうしたもアリサに頼まれた件についてだ」
『マジ?こんなに早く電話が来るとは思ってなかったよ・・・で、どうだった?』
俺は先の親父との電話で許可を貰った事を話す
「あぁ、整備していいってさ」
『さっすが真也!頼りになるぅ!』
本当に調子のいい奴だ、まぁそこがアリサの良い所なのかも知れないが
「ただし!俺が現場監督を務める事が条件だそうだ」
『オッケーオッケー!それで整備の日何だけど明後日の日曜日でも平気かな?』
日曜日は特に予定も入ってないからな
「大丈夫だ、ストラーダの格納庫はケイティとかと別個だが場所は大丈夫か?」
『もっちろん!それじゃぁ日曜日10時くらいに格納庫で』
「あぁ了解した、それじゃ」
『うん、それじゃぁ』
さて、ストラーダーの規格書類でも見直しておくか
そうして夜は更けていった
side out
side アリサ
ふぅ・・・・なんとか許可が貰えたようで安心した
私としても真也のケイティだけじゃなく、ストラーダを整備したいって気持ちはあったけど・・・
後押しされた切欠がなぁ~
二日前の放課後
「そういえばアリサ先輩の彼氏って狛江先輩ですよね!」
「うん?そうだけど」
「狛江先輩ってカッコイイですよね!更にストラーダのパイロットとか・・・アリサ先輩が付き合ってなかったら私狙っちゃおうかと思いましたよ」
真也かぁ・・・さりげなく人気があるんだよね、特に予科生
でも私はいくら可愛い後輩でも真也を譲る気はさらさら無いけどね
「あれですよね!彼氏の機体を完璧な状態にしておいて何時いかなる時でも100%の実力を発揮できるようにする・・・まさに愛ですよね!整備科にきて私の夢は彼氏の期待を整備する事になったんですよ」
う~ん言っている事は分るけど真也の機体はケイティとストラーダ、ケイティの方は整備させてくれるけどストラーダはしたこと無いなぁ
「それで整備したおかげで機体もいい感じだ・・・ありがとうマカ・・・とかキャァー」
「あーはいはい、分ったから暴走すんなって」
でも真也にそういわれたら嬉しいかも
『真也、ストラーダの整備やっておいたよ』
『本当かアリサ、助かるよ・・・今からストラーダで訓練しようと思った所なんだ』
『気をつけて行って来てね』
『あぁ』
ストラーダで訓練する真也を見ながら帰って来るのを待つ
『アリサ!機体の調子は絶好調だったぞ・・・おかげで自己ベストを更新できた、コレもアリサの整備のおかげだな・・・アリサ、ありがとう』
って何考えてんだ私は!
でも・・・・それって良いかも
「はぁ~・・・いいなぁ~アリサ先輩は・・・ストラーダなんて新しい機体を整備できて」
え?私もストラーダは整備した事無いんだけど・・・
「仕方無いよマカッち、アリサ先輩は狛江先輩と付き合っているんだから・・・」
「でもミキちゃん!公開されたカタログスペックを見たときなんて私はこの機体を整備したら濡れちゃんじゃないかって思う程だったんだよ!」
「マカッち、落ち着け・・・なら駄目元で頼んでみるとか・・・」
なんか二人で盛り上がっている所悪いんだけど・・・
「二人とも・・・私もストラーダは整備した事ないよ」
「えぇぇぇ!間違ってます!きっと狛江先輩なら頼めばやらしてくれるはずです!頼みましょう先輩!そして一度でいいから私にも手伝わせてください!!」
「その時は私もお願いします」
途中話を聞いてなかったけど可愛い後輩の為に一肌脱ぐか!
「分った、それじゃぁ聞くだけ聞いてみるよ」
「「ありがとうございます先輩!」」
とこんな感じで後押しされてしまった訳なのですよ
でも・・・コレが切欠になって真也の二つの機体を整備できたらいいな・・・なんて
よ~し!明後日の為に整備道具の手入れでもしますか!
side out
side 真也
今日はアリサにストラーダの整備を任す・・・そう俺は思っていたんだが
辺りを見ると10人ほど整備科の人が見える・・・その中には予科生も混じっている
「さ~て注も~く!今回は私の彼氏でもある真也が快く私達の要望を聞いてくれたおかげでストラーダの整備が出来る様になりました!」
アリサの声で一斉に此方を向く
「そして私達はストラーダの事はカタログでしか知らない・・・そこで!真也が監督を務める事になりました!はい、拍手!」
アリサの声で拍手が沸く
が・・・どうしてこうなった
「それじゃぁ分らない事があったら真也か周りの本科生に聞くように、以上!」
その言葉と共に整備科の人達が作業アームを使い装甲版を剥がしていく
俺はアリサに耳打ちをした
「アリサ・・・なんでこんなに人がいるんだ?」
「私に切欠をくれた子が予科生なんだけど、最初はその子達と3人で整備する予定だったんだけど・・・」
うん、その時点から俺は聞いていない
「その子達が回りに洩らしちゃったらしいの・・・それで皆参加したいって事になって・・・」
アリサは苦笑しながら言った
「それでこの現状か・・・流石に全員は見きれん・・・アリサ、サポートを頼む」
一通り装甲版を剥がし終え何処から手をつけようか考えている様なので俺は簡易整備マニュアルを配る事にした
「みんな聞いてくれ、ストラーダは他のオーバビスマシンより構造が複雑だ・・・そこでこのマニュアルを参考にして作業をしてくれ」
そう言うとみんながそれを引っ手繰るように手から取っていく
ある生徒がスラスター周りを磨こうとしていた
ストラーダはケイティよりも出力が高いため磁化しやすい
俺はその事を注意した
「君!ストラーダのスラスター周りは他のオーバビスマシンより磁化じやすいから気を付けてくれ」
「はい!」
そしてその子は慎重に磨き始めた
そして3時間
俺は機体周辺の回路を調べてる子に調子を聞こうと思った
・・・が
「・・・この回線を此処に繋ぐって事は出力を最大限まで上げる工夫とするとバッテリーの消費が激しいはず・・・・そしてこの回線の先には予備バッテリにラジエーター・・・重力推進器の熱を利用して常に発電貯蓄を繰り返す事によって起動時間の向上に努めて・・・」
話かけられる雰囲気では無かった
目の光が消え、黒く濁った目で呪文の様に解析する様は本当に怖かった
しかも周りも同じような感じだ
最も異色なのは恍惚な表情を浮かべ顔を赤らめ身体をよじっている子
もはや俺は何も言えなくなった
そうして整備が終わり整備科の子が帰った後アリサと二人で最終チェックをしていた
「いや~機体内部構造がケイティと全然違って最初は戸惑ったよ」
アリサは何時もの調子でそう答えた
「そうだな・・・予算度外視で設計された機体だから他のオーバビスマシンに無い構造になっている・・・整備も狛江研究所の職員に任せていたしな、最近はアリサがケイティを整備してくれるおかげで俺はストラーダの整備の練習をする事ができた」
「私は真也の機体を何時も完全な状態にしたいだけ、欲を言えばストラーダも私が整備したい」
その気持ちは嬉しいがそれだとアリサに負担が・・・
と俺の気持ちに気付いたのかアリサはこう切り出した
「確かにオーバビスマシンを2機も整備するのは手間だよ、でも私は私の出来る事で真也の役に立ちたい」
アリサ・・・
「だからお願い!私にストラーダも整備させて!」
真剣な表情でそういうアリサ、だが・・・
「それは出来ない」
アリサ一人にやらせることはね
「・・・やっぱり駄目?」
少し悲しそうな顔を見せるアリサ
「ストラーダを整備する時は一緒にやろう」
俺の言葉でアリサの顔から笑顔がこぼれ
「おうさ!私の持ってる技術を全て使って見せようじゃないか!・・・だから真也もパイロットも整備頑張って私に遅れをとらないよーに」
いい笑顔でそう言った
「流石に整備では整備科の人には負けるよ」
と笑顔で返した
俺とアリサの関係は傍から見ると恋人同士には見えないだろうけど
俺は今の現状を大切にしたいと思っている
アリサと一緒に整備したストラーダで俺はこの宇宙を飛び回る
side out