宇宙のステルヴィア〜星の軌跡〜   作:九龍

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後話2~初佳教官への道~

 

 

 

 

 

 

 

side 初佳

 

 

 

私は今、進路相談で白金教官の部屋を訪れている

 

「それで・・・なんで教官になりたいと思ったんだ、正直お前ならパイロットでも十分通用すると思うぞ」

 

その言葉はケント達にも言われた

 

『教官か~でも初佳はパイロットの方が似合ってると思うだけど』

 

『うむ、今まで通り我等で飛びたいと思う』

 

『星の輝きは星の数だけ・・・人の思いも同じ、でも私はまた初佳と飛びたいと思う』

 

私も三人と飛びたい気持ちはある

でも私は教官になりたいと思う

 

自暴自棄になっていたあの時

そんな私でも見捨てなかったレイラ教官

そして教官になるまでの過去の話

 

私は、昔の私の様な人を作らない為に

 

誰かを蹴落としてまでトップを守るような人を

 

私を後押ししてくれた人

 

レイラ教官の言葉

 

『そうか、お前が決めた事なら私は応援する・・・お前ならきっといい教官になれるはずだ、頑張れよ』

 

そして真也の言葉

 

『そうか、初佳は教官になりたいのか・・・俺は初佳を応援するよ、初佳がそう決めたんだからきっとその選択は間違いじゃない、周りが何か言っても初佳自身の気持ちを信じて頑張って』

 

私は私の道を歩む

 

 

「白金教官の話も分ります・・・ですが、私は教官になりたいと思います」

 

そして私ははっきりと私の意志を伝えた

 

「そうか・・・教官試験は今年の11月だ、時間も少ないが出来る事やるんだぞ」

 

「はい、ありがとうございました」

 

そう言って部屋をでた

 

そこから教官試験に向けての勉強が始まった

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 真也

 

 

 

 

初佳は教官試験に向けて勉強をしている

試験まで残り1ヶ月

此処最近は根を詰めすぎている感じが否めない

 

俺は眠気と休憩を取らせる為に初佳にチョコとコーヒーの差し入れを持って行く事にした

 

 

「初佳、邪魔するよ」

 

そう言って部屋に入った

 

「いらっしゃい、もう少しで区切りがいいから少し待ってて」

 

初佳は此方を見ずにペンを動かす

 

十分程たった辺りに初佳はペンを置き此方を向いた

 

「何か用でもあったかしら」

 

「いや、最近根を詰めすぎている感じがしたから・・・少し息抜きにと思って」

 

そう言ってコーヒーを入れた魔法瓶を持ち上げる

 

俺はカップにコーヒーを注ぎチョコを皿に盛る

 

初佳はコーヒーに口をつけ

 

「美味しい」

 

と一言呟いた

 

「勉強ははかどっている?」

 

「そうね、もう一頑張りってとこかしら」

 

努力家の初佳がそういうのだから人並み程度まではいっているはず

でもそこで妥協しないのが初佳だ

 

「そうか、でも頑張り過ぎて当日に体調不良じゃ洒落にならないからな・・・身体に気をつけてな」

 

「何か心配かけちゃってごめんなさい」

 

「あやまる事は無いよ・・・ただ一言、休憩は適度にな」

 

「えぇ、分ってるわ」

 

そうして30分程話た後、俺はこれ以上いると邪魔になると思い初佳の部屋をでた

 

 

 

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side 初佳

 

 

 

 

 

 

 

真也が帰ってから私は机に向き直った

 

そこでさっき勉強していた所を見直しを始めた

 

「あ・・・間違ってる」

 

そこで重力推進機による推進力と速度の関係数式の途中計算でミスをしている事に気が付いた

私は背筋を伸ばし身体を解す

 

「っぅ~・・・真也のお陰で息抜きができて集中力が戻ったみたいね」

 

勉強を始めて7時間くらい息抜きもせずに机に向かいっぱなしだったから小さな所でミスをしていたようだ

 

私は心の中で今日の勉強は後2時間したら切り上げ休む事を決めた

 

 

 

 

 

そして試験当日

 

 

 

昨日はしっかり休んだし体調も問題ない

私の隣には真也がいる

 

「初佳、落ち着いて行こう・・・初佳なら大丈夫だから、頑張って」

 

そう声を掛けてくれる真也

 

「それじゃ行ってくるわね」

 

私は真也にそう言って試験会場へと入っていった

 

受験番号B-8

これは私の受験番号

私はその番号の席を探した

 

前から2番目の壁側の席

 

後から何人か入ってきていよいよ試験が始まる

 

 

私はコレまで勉強してきた全てを出し切る勢いで問題を解いていった

 

次に実技試験

 

ビアンカ、ケイティと順番にこなし周回コースやスラロームなどの基本操作を試された

 

最後に面接

 

そうして試験が終わり試験会場を出た

 

すると会場の出入り口で真也が待っていた、およそ2時間弱掛かった試験の間ずっといたのであろう

 

「どうだった」

 

真也の一言

 

私は手ごたえを感じていた、その感じた事をそのまま言葉に表した

 

「ばっちり」

 

その時の私の顔は笑顔だと思う

 

そして後は試験の結果を待つばかり

 

結果発表は12月

 

それまでの間デートとか行けなかった分を取り戻す為に真也とデートの予定を組みながら帰路に着いた

 

 

 

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この投稿をもちまして再アップ作業完了致しました
実に9年前の作品である本作をお読み頂きありがとうございます
エピローグからif、後話までお読み頂き誠にありがとうございます

この作品は私の処女作であり、今読み返すと気恥ずかしい物があります
読み返しながらあの時はこんなだったなぁと感慨深く感じております
また、構想ができ、纏められれば後話を追加するかもしれませんが
その時はまたお付き合い頂けたら幸いとおもいます

最後になりますが本作をお読み頂きましてありがとうございました

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