とある原石の神造人形(エルキドゥ)   作:海鮮茶漬け

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新訳の良作MADを見てしまった……。意欲が湧いてもそこはまだまだ書けないんだよなぁ(悲しみ)

この章でも伏線を貼りつつ、次の大覇星祭『下』でここ最近の伏線を一気に回収しながらはっちゃけます(確定事項)


大覇星祭編『上』
101.宣誓


 風斬とシャットアリサに邂逅した翌日。

 俺達学生は数少ない盛り上がる学校イベントであるその日を迎えた。恋愛云々の甘酸っぱい青春ではない汗と涙の運動会。

 つまりは、大覇星祭を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー……何だっけな?忘れちまった…………まあ、いいか!」

 

 そんなことを宣ったその男は、段取りなど知ったことかと言いたげな様子で言葉を自分勝手に紡いでいく。隣で真っ当に言っている第五位のこととか一切考えて…………考えて無いんだろうなあ……(遠い目)

 なんか勝手に一人ボルテージを上げたその男は、その感情を表に出すかのように拳を勢いよく突き上げた。

 

「あらゆる困難、障害、艱難辛苦(かんなんしんく)、七転び八起きが起きようともッ!全て根性を持って挑むことを誓うぜッッ!!」

 

 キュドーンッ!という効果音と共に、七色の爆発が会場から発生する。文字通りの感情の爆発である。ハハッ訳分からん(諦め)

 

 原作知識とか経験則から奴の実態を知っている俺からすれば、まあ成るべくして成ったという感想である。

 それこそ、仮に彼ら以外の第一位のもやしや第二位のホストが来ていたとするなら、最悪気絶していたかもしれないほどの衝撃を受けていただろう。そんなイレギュラーも起きることはなく、恙無(つつがな)く大覇星祭のオープンセレモニーは無事俺の想定する通りに進んだ。

 強いて予想外のことがあるならば、各校合わせた校長オールスターズの、地獄の自分語り──もとい、校長先生のありがたいお話が思いの外地味なダメージを与えたが、それでもなんとか乗り切ることに成功したのだった。

 そんな俺だが、一つだけ今も悩んでいることがある。というのも、

 

「(今回の事件に介入するべきかしないべきか……)」

 

 そう、原作知識を用いれば今回の事は手っ取り早く片付くのである。素早くオリアナを倒しリドヴィアを捕獲しにいく。もちろん、バレないようにする必要はあるだろうが、それさえ気を付ければいいだけなのだ。

 だが、原作を思い出すとそれもなかなかいい手ではない気もする。

 

「(確か、イギリスで上条はオリアナと共闘するから、説教無しで速攻で倒すと互いに禍根が残る可能性がある。

 上条ならそのコミュ力でどうとでもできるかもしれないけど、わざわざ不安要素を生み出す必要は無いし、それにグレムリンの正規メンバーとオリアナが戦うってなった場面で、幻想殺し(イマジンブレイカー)対策で戦うとかなんとか言っていた気がするから、上条との戦闘の経験値が無いとあの18禁お姉さんが死ぬかも)」

 

 それらを踏まえるとクライマックスに四人で横一列に並び、オリアナと対峙する構図になるのは避けるべきだろう。

 

「(それに確か、魔術サイドの問題に科学サイドの人間がでしゃばると、戦争の火種とかにならなかったっけ?あの時期より前になるとか原作崩壊まっしぐらだよな。

 あー……、これはダメだわ。『土御門の珍しくカッコイイところ見てみたい☆フフゥ⤴️⤴️』で介入できる話じゃねえわこれ)」

 

 結末が確定しつつ自分が加わっても問題無いのならば、テンションに任せてはしゃいでいたいのだが、どうやらそう簡単に物事は進まないらしい。

 そこで、ふと思った。

 

「(ん?つーか、それだと何で上条はいいんだ?確かに上条は無能力者(レベル0)ではあるけど『外』の人間である魔術師からすれば、『科学サイドの能力者である』という同じ枠組みでしかないから大した違いは無くないか?

 ステイルは魔術一辺倒の人間じゃなく科学サイドの理解もあるから、能力者の強度(レベル)に関して知識はあるかもしれないけど、他の魔術師達全てが把握しているとは思えないし……)」

 

 それなのに上条はよくて俺はダメだという理屈はどういうことだろうか?頭を悩ませながら競技場の外を歩く。

 

「(まあ、答えが出ないことを考えても意味無いか。つーか、それとしてかなりの屋台が出てるなー。

 舞夏が通う繚乱家政女学校なんかは臨時収入や、日頃の研鑽の成果を大々的にアピールしたいだろうから、力を入れるのは分かるんだけどさ)」

 

 そこら辺の売店を見ながらそんなことを思う。大覇星祭は競技以外で生徒が縛られることは基本的には無い。他の学校の応援やコンビニで雑誌なんかを見ても問題にはならないのである。

 とはいえ、ここまで売店が出ているとは思わなかった。流石学園都市と言うべきか。

 

「(上条達もどこかにいるんだろうけど……)」

 

 俺は今、上条達と行動してはいない。というか、まだ今日は目にしても無いのだ。というのも、今日は一大イベントのため、学生達は早めに現地に到着するのが決まりであるためである。

 開会式が終わるとすぐさま棒倒しが始まり、学年が違う俺と上条は会うこと無くそれぞれの学年へと別れ、俺はクラスメイトと交流したりなどがあったため、結局会わずじまいとなってしまった。

 それに加えて今回の騒動に参加するかを悩み、積極的に上条達を探しに行かないでいる。

 そもそも、大覇星祭は様々な中高の学校が参加しており、学生の数も比例してとんでもない数となっていて、さらに一般公開ということで学園都市が外部との規制を緩めるため、学園都市に訪れる者がかなり増えているのだ。

 つまり、この場に居るのは参加する学生に加えてその親となるため、無闇やたらと動いても彼らを見付けることはまず不可能だ。

 

「(いや、まあ電話すればいい話なんだけどさ。さっきしても出なかったんだよなー。多分教室に忘れたってオチなんたろうけど。そして、偶然教室で着替えていた吹寄の裸を目撃したと……あいつ一発殴ってやろうかな)」

 

 そんな羨まけしからんことをしてるなど、些かズルいではなかろうか(文法崩壊)。

 内心でちょっとだけ欲望がちらついていると、いきなり腕を引かれた。もしや、迷子か何かなのだろうかと思いその方向を振り向けば、思いもよらぬキャラがいた。

 

 

「ふぅー、ようやく見付けたぞ天野倶佐利」

 

「おや、どうしたんだい?元春」

 

 

 そこにいたのはニャーニャー陰陽師こと土御門元春だった。彼はステイルと共にオリアナを追うための算段を付けているはずなのに、何故こんな場所にいるのだろうか?

 

「(……まさか、アニメと原作ではここら辺の時系列が違うのか?禁書のアニメ二期以降から単行本を買い始めたから、違うのかどうか判断できんわ)」

 

 もしや、またバタフライエフェクトを起こしたかもと冷や汗をかくが、何もしないままだと事態は悪化するに決まっているので、土御門から内容を聞き出すことにする。

 

「おや、僕を探していたのかい?何か用かな」

 

 というか、さっき語尾がふざけてなかったよな?つまりはガチの魔術師モード?え?何で?まさか俺を処す?処すなの?

 しかし、こうして会話をしていることから問答無用ではないようだ。と、思っていると土御門が何かしらの魔術を使い始めた。

 ええ……、結局使うんかい。

 

「づッ……!…………やはりな……」

 

 魔術の拒絶反応で血を流している土御門は、何かに気が付いたように呟く。え?何?まさかローラのことが嘘だとバレた?あ、死ぬぅ(思考停止)

 そして、俺の目に視線を合わせた土御門は、俺の運命を握るその言葉を言ったのだ。

 

 

「天野、お前は大覇星祭の間はインデックスに近付くな。かなり面倒な事になる」

 

 ……………………あれ?そんだけ?

 思わずそんなことしか考えられないが、それも仕方ない事だろう。思ったよりも大したことでなくて安心しているくらいだ。

 

「(とにかく、セ、セーフゥ……!なんかよくわからんがどうやら助かったー!ふぅー、危ねー死ぬかと思ったぜ……。

 いやでも、インデックスに近付くなってどういうことだ?)」

 

 意味が分からなかったので土御門に尋ねてみる。

 

「その理由を聞いてもいいかな?」

 

「インデックスは大覇星祭の間、多くの魔術結社の魔術師達からサーチがかけられている。

 三沢塾戦、闇咲逢魔の強襲、そしてアステカの魔術師の襲撃なんかのその他諸々は、上やんじゃなく禁書目録を中心として起きていると、魔術の世界では認識されているんだよ。

 それだけ禁書目録はメジャーな名前であり、彼女の周りで起きた魔術師の動向から、学園都市に揺さぶりをかけようとする奴らがいるんだ」

 

 ふーん、なるほどね。まあ、10万3000冊を記憶している魔導図書館の叡智を用いれば、魔神にも手が届くなんて言われているから、一男子高校生よりも注目されやすいわな。

 ん?じゃあ何で俺が近付いたらダメなんだ?

 

「その様子じゃ本当に気付いてないみたいだな。俺も神裂から話を聞いていなかったら間違いなく気付かなかったわけだから、胸を張って言える訳じゃないが……」

 

 どこか肩を竦めるようにする土御門。焦って俺を見付け出した事からもそれは本心なのだろう。だが、それでも分からない。何でその流れから俺のところに来るのだろうか?

 その疑問を解消するかのように、土御門はその不可思議な事を言った。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 は?魔力……?普通に過ごしているだけで、そんなことしようと思ったことすら無いんだけど?

 困惑しているとエルキドゥが俺に語りかけてきた。

 

『いや、マスターは魔力を生み出し続けているよ。その原理から考えてみれば僕のせいなんだけどね』

 

 エルキドゥのせい……?どういうこっちゃ?

 

『僕はマスターと肉体を共有しているけど本質はサーヴァントだ。つまり、サーヴァントとして現界している以上は魔力がどうしても必要になる。

 そして、僕が魔力の吸収を止めようとしても、どうやらこの身体が僕の身体を基にしているからか不可能のようだ。馴染み過ぎていると言えばいいのかな。

 心臓が意識するしないに関係なく動くように、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 な、なるほど。よう分からんけど分かった……。でも、何で俺達の事を全く知らない土御門がそれに気付けたんだ?

 そんな俺の疑問を解消するかのように土御門は言った。

 

 

「神裂とあの後に落ち合うことがあってな。そのときにお前の身体の中に何かが居ることを知ったんだよ」

 

 

「(ええええっ!?神裂サン!?何でよりにもよって魔法名に『背中刺す刃』なんて刻んでいる奴に教えちゃうのん!?)」

 

 そんな俺の驚愕を知ってか知らずか、土御門は事の経緯を説明していく。

 

「『御使堕し(エンゼルフォール)』のとき俺が仮説で、術者の第二候補を上げると上やんは当然激昂したが、神裂は動揺してはいたがどちらかというと困惑の様子だった。

 プロの魔術師とはいえあの優しい神裂が義憤の感情すら無く、困惑ばかりで行動していたのはそのときから気にしていたからな。後日問い質してみれば予感的中ってとこだ」

 

 な、なるほど。そりゃあ言い逃れできんわ。つーか神裂に口止めしとくの忘れてた……。いや、土御門の襲撃とかいろいろあったから忘れちゃっても仕方ないじゃん?(クソガバ)

 まあ、問い質さないと分からなかったことから、誰にも言わないでくれたのか?やっべぇ……次会ったら頼んどこ。

 

「先日、()()にも俺が魔術師だってバレちまったから、こうして白昼堂々注意しに来たってことだ。その分だけ余計な手間が省けたことからも幸いだな。魔術を使っちまったのはマイナスと言えばマイナスだが。

 まあ、このあとの事を思えば必要経費だと思うが。それじゃあ話はこれで終わりだ。じゃあ──……いや、ここまで来てわざわざ遠ざける必要も無い……。実力も場数も申し分ない上に、何も知らず下手に介入されるよりかは、いっそのこと巻き込んだ方が都合がいいか……?」

 

「(え?あの土御門さん……?)」

 

 イヤーな予感を抱いていると、皮肉にも想像通りの内容の話が土御門から返ってきた。

 

 

「天野、今魔術師がこの街で霊装(れいそう)の受け渡しをしようとしている。それを止めるために力を貸せ」

 




創約3巻見ました。この前の考察が見当外れといいますか、間違いな事に気が付きましたが、まだ発売から数日なためネタバレを回避するために詳しく言うのは止めておきます。
そこら辺も含めた考察はまた後日。

p.s リアルが忙しくなってきたので少しばかり次の投稿が遅れるかもしれません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
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