とある原石の神造人形(エルキドゥ)   作:海鮮茶漬け

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一通りの説明はできたはず……ぶっちゃけ何言ってるのかワケわからんと思うので、あとがきに図解と説明をまた載せておきました(これ以上分かり易くするのは無理だったよ……)

セフィラが分からなくなったら、作者が一から書き込んだセフィロトと補足を見てね(推奨)


126.トートタロットと生命の樹★図解あり

 守護天使ガブリエル。

 

 これが意味する事は一つ。つまり、天野俱佐利はガブリエルの身体の中に入ることで、意図せずセフィラを一つ超えたのではないかということだ。

 

「なるほどな。マルクトの次のセフィラであるイェセドか……それなら、生命の樹を昇る資格を得る第一条件はクリアしているな。

 しかもそうなると、ガブリエルという身体があったにせよ、擬似的にアストラル投射に成功しているということになる」

 

 アレイスター=クロウリーはアストラル界を行き来するために必要な、第二の身体を構築する魔術理論を発明した魔術師だ。

 『Oの書』で書かれたその第二の身体、『光体』はヨガの技法を用いて開発される魔術であり、クロウリーの体系では『光体』を達成するにはかなりの事前準備と修練が要求される。

 

 それを、ガブリエルの身体に入るという荒業で強行突破したのが天野俱佐利というわけだ。

 

「つまり、天野の奴は魔術師が長い年月を掛けて取り組む『大いなる業』を、宝くじ感覚で叶えちまったってことかにゃー」

 

『アレイスターも「外見」と「中身」を守護天使と入れ替える、なんて方法は考えてもいなかったはずだよ。アストラル界に行くのもそう言った超常の存在とコンタクトを取るためなんだから、手段と目的が綺麗に逆転しちゃってるね』

 

 アストラル界に行く主な目的は、「自らが進むべき道を見つけるための能力を身に付けることや、アストラル界にある知識や力を獲得する。あるいは、魔術を極める上で必要になるだろう、役立ち奉仕させることができるような存在との関係を構築すること」、である。

 その事から考えてみれば、確かに天野俱佐利の行動は逆転していると言えるだろう。

 

『アストラル投射は夢や瞑想の形式でも可能みたいだから、もしかしたら、後遺症みたいな感じでそのあともアストラル界に行ってたのかも。まあ、一度繋がったとはいえガブリエルの身体に二度も入れるわけないから難しいとは思うけどね。

 だけど、くさりが一度目のときにアストラル界に居る天使や悪魔、あとは精霊に何かを伝授された可能性があるんだよ。今の上げた存在の中に明確な人間の味方はいないわけだし。

 人間に寄り添うこともあるけど終末を告げる笛を吹くのは他でもない天使だし、人を誑かすのは悪魔の(さが)なんだよ。

 精霊に関しては記述が少ないし存在自体があやふやだからなんとも言えないけど、くさりがそのどれかの原因で次のセフィラに昇った可能性はあるね』

 

 インデックスが一つ一つ可能性を広げていく傍らで、土御門の頭の中に浮かんだのは『アレイスター=クロウリー』、『トートタロット』、そして、『第二のテレマ僧院』の三単語。

 その線が強くなってきたことで土御門の脳裏にある発想が浮かんだ。

 

「(……いや、まさか天野の初期段階の姿は『ヌイト』だったのか……?『ハディート』に該当するのは別に居るはずだし、『ラー=ホール=クイト』である可能性はもっと低い。

 あれは魔術ではない科学よりの力ではあったが、天野のあの変形とコピー元が御坂美琴なら、アレイスターの性質を加味すると可能性としては無くはない)」

 

 土御門は学園都市統括理事長が魔術師アレイスター=クロウリーだと知ったとき、当然アレイスターの経歴は全て洗い出した。もちろん、アレイスターが唱えたテレマ思想も調べ尽くしている。

 

「(テレマ宇宙論において至高の神格は女神ヌイトだ。当然、イシス=アルテミスのようなトートタロットで一度しか登場しない神ではなく、女神ヌイトに纏わるトートタロットは複数存在している。

 女神ヌイトを重点的に調べた際に、雷鳴を生み出したという記述が何処かにあったはずだ。その類似点から本来の目標である御坂美琴を次の位階に押し上げようとした……?)」

 

 突拍子も無いただの連想ゲームのような考えだが、学園都市は必要なものを全て科学で変換したテレマ僧院の再来。第一神の女神ヌイトが最も輝く『場』が形成されている。

 

「(……いや、ちょっと待て……天野の奴はトートタロットで女教皇のカードに描かれるイシス=アルテミスになったって話だよな。つまり、御坂美琴にしようとしていたのもそういうことか……ッ!?

 クソッ!道理でアレイスターの奴が俺でも調べ上げれる程度の事態に対して、一切の手を出して来ない訳だ。他でもないアイツが裏から手を回してやがんのかッ!!)」

 

 あくまで想像でしかないが、アレイスターは自らが掲げる計画(プラン)の前倒しになると思い一計を案じたのだろう。

 しかし、科学サイドと魔術サイドの状況をその身をもって把握している土御門は、アレイスターの望む思惑とは別の方向に流れが進んでいるのを理解する。

 

「(……だが、余りにも魔術の『色』が出過ぎてる。アレイスターからすれば気に入らない進化の仕方のはずだ。

 しかも、このままじゃ魔術サイドと戦争に発展するぞ?時期的に見ても科学サイドと魔術サイドがぶつかるには早いはず……なんなら、アレイスターが狙っていただろう女神ヌイトから完全にあれは外れているわけだしな。

 そこから考えると、もうアイツでさえも手綱を握れてないってところか?大方、天野の奴をスペアとしてしか見ておらず、気が付いたときには手出しができないほどに『失敗』してたってところだろう)」

 

 天野という特大の異分子(イレギュラー)に引っ掻き回されて頭でも抱えているのだろうと土御門は推測する。そして、それは間違ってはいなかった。

 

「(だがまあ、天野の奴が御使堕し(エンゼルフォール)の影響でイェセドのセフィラに到達したのなら粗方の見当がつく。

 本来なら御坂美琴という器に女神ヌイトの力が注がれるはずだったが、天野がガブリエルの『中身』へと移った影響で、ガブリエルの使命である『神の意思を人間へと伝えるメッセンジャーとしての役目』から派生した、『送受信』の性質が魂に宿ったという線が濃厚か?)」

 

 『神の力』たる大天使ガブリエルは、聖母へ『受胎告知』を告げている。神から人に伝える天使でこれほど有名な天使はそうはいない。

 魂だけとはいえ大天使の中身に入っていたのならば、そのような『外からの信号を受け取り易い』性質が移るといった影響が出ても不思議ではない。

 

「(それに、確かトートタロットではイェセドからホドに掛けて、女神ヌイトに関するタロットカード『太陽(The Sun)』があったはずだ)」

 

 とはいえ、トートタロットに使われるカードの内容を完全に把握しているわけではない。本来ならばここからは曖昧な記憶に頼らなければならないが、彼は自分よりも遥かに膨大な量の知識を有する人間から、その解答を得られる立場にある。

 

「禁書目録。確か『太陽(The Sun)』はイェセドと関係のあるトートタロットだったよな?」

 

『え?……う、うん、一九番目のカード「太陽(The Sun)」はホド=イェセドの小径(パス)に当てはめられるカードなんだよ。薔薇を中心にした太陽が描かれてるこのカードは、『ヘル=ラ=ハ』という新しい時代(アイオーン)の主の顕現を表してる。

 カード中央に描かれる太陽と薔薇の花びらには、男性性と女性性の結合という意味と共に、魔術結社『黄金』に強く影響を与えた『薔薇十字(ローゼンクロイツ)』の要素だね。

 太陽の周囲を黄道一二宮が囲むように描かれているのも特徴の一つ。この黄道一二宮は女神ヌイトの幼体とも言われるし、子供が描いた女神ヌイトとも言われてるんだよ。

 太陽の下で光を浴びて喜びを表現している翼の生えた双子は、カードの与える方向性を意味してる。その双子の足元にある薔薇十字は神性と現実性の結合なんて意味があるけど、それがどうかしたの?』

 

「いや、生命の樹(セフィロト)の順番から考えれば、イェセドからホドへと続くトートタロットの『太陽(The Sun)』が怪しいと思っただけだぜい」

 

 妹達(シスターズ)に打ち込まれたウイルスが、アレイスターの科学と魔術の知識から手掛けられた、女神ヌイトを基にしているウイルスの場合、P()h()a()s()e()5().()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それこそ、女神ヌイトの器として適性は天野よりも御坂美琴の方が高いかもしれない。しかし、()()()()()()()()()()()()()()に相応しいかと言えば天野に軍配が上がるというわけだ。

 

「(『太陽(The Sun)』のカードに描かれる十二星座はヌイトの幼体を表している。そこに、ガブリエルが持つ『送受信』の二要素が噛み合えば、アレイスターが用意していた既定路線を明確に踏み外す切っ掛けになり得る、というわけか)」

 

 そこまで、考えて土御門は手元の携帯を見た。

 

「(本当は女神ヌイトについてより深く聞きたいんだが、そこからアレイスターの線が確定する可能性がある。だが、今ならギリギリ天野の幸運による偶然で片付けられるだろう。

 学園都市統括理事長が『黄金』の魔術師アレイスター=クロウリーだと知られることは、アレイスターだけじゃなく俺も都合が悪くなる上に、禁書目録も危険な立ち位置となるしな)」

 

 かなり無理筋ではあるが切っ掛けである御使堕し(エンゼルフォール)は、上条刀夜が偶発的に起こしたもの。ならば、あの時にトートタロットを見たことにしてしまえばいい。

 天野が宿泊していた旅館『わだつみ』や、あの周囲の家屋に置いてあっても別段おかしくないだろうし、近隣の公民館などの施設にあとから偽装で置いておけばいいのだから。

 

「(いや、御使堕し(エンゼルフォール)を解決するために上やんの実家は、俺が跡形もなく吹き飛ばしたから探りようもないし、あの家に実は在ったっていうダミーストーリーが最適解かにゃー。

 上条刀夜は世界各地の縁起の良いお土産を手当たり次第集めていたから、その中にトートタロットがあってもおかしくないだろうし)」

 

 インデックスが大覇星祭で今現在学園都市に居る、上条刀夜に確認を取れば速攻でバレる嘘だが、天野が引き起こしている事態が事態のためおいそれと口外するのは誰であっても危険だ。

 

「(まあ、念のためにそこんところは再三俺が言い聞かせておけば……って、なんでもう事後処理のことまで考えなくちゃならないんだか。こうなった要因が幾つか分かったってだけでまだ事態は好転すらしてねえっつうのに……。

 ハァ……やれやれ、多角スパイもしながらの中間管理職は肩が凝るぜい。まあ、そう言ったところも含めて俺の領分なんだけどな)」

 

 魔術サイドと科学サイドのバランサー。そんな彼だからこそ成し遂げられることがある。そして、大局を俯瞰できる立場に居る彼は、確信を抱きながら推論を組み立てていく。

 

「(だが、これで道順は判明した。イェセドのセフィラから『太陽(The Sun)』の小径(パス)で移動したのならば、天野俱佐利はホドのセフィラに到達したことになる。

 ならば、そこからネツァクのセフィラに行くことはまずあり得ないだろう。何せ天野が神イシス=アルテミスになる直前に、天野は上条当麻に敗北しているんだからな。

 『勝利』の意味であるネツァクのセフィラから対極の状況だったんだ。なら、ネツァクの線は無い。俺としてはあそこで終わってくれれば話は簡単だったんだがにゃー)」

 

 土御門は騒動のことを知り事の成り行きを陰から監視していた。

 だが、天野俱佐利が有する力は土御門では対処不可能だった上、超能力者(レベル5)二名に上条当麻が居るならば介入する方が野暮だと考えていた。

 そして、土御門の想定通りに事は進み三人は天野俱佐利を打倒した。しかし、予想外にも上条の右手に宿る幻想殺し(イマジンブレイカー)で触れても事件解決とは為らず、現在の予測不明の混沌とした事態へと発展してしまった。

 

「(だが、ネツァクの線が消えたのなら答えは一つ。ティファレトからホドを繋ぐ『悪魔(The Devil)』の小径(パス)を経由してティファレトに──)」

 

 

 

『うーん、やっぱり可能性として高いのはティファレトからイェセドを繋ぐ「(The Art)」の小径(パス)だね』

 

「……は?」

 

 

 

 推測とは全く違う名前をいきなり出され、呆けた声を無意識に出してしまう。だが、すぐに理解した。

 

「(ああいや、当然のことだ。あらかじめ持ってる情報の多さが違うんだから分かるはずもない)」

 

 土御門の推論とかけ離れた禁書目録の推察。未だに天野俱佐利がイェセドからホドに到達していないことを考えてみれば、土御門の推論よりも遅れていると言える。

 

「(ヌイトとの関係性を知らなければ当然だ)」

 

 知識が合っても読み取る情報が欠落していては満足な推測なんてできるわけがないのは当然の話。それについて、勝手な都合で出し渋っている土御門がとやかく言える立場ではない。

 

「どうして、そう思う?」

 

 彼としては組み立てた推論を伝えたいところだが、女神ヌイトの話題は出し惜しみしたいところ。一先ず、禁書目録の推察を聞いてから正誤の判断をするのも必要だと判断した。

 

 ──(のち)に、土御門は秘された情報というアドバンテージがあるのは土御門だけではなく、魔導図書館たる禁書目録も有していることを驚愕と共に思い知ることになる。

 

『「(The Art)」のカードは反発するものを結合させるという意味があるの。

 カード中心に描かれている二つの顔のある人物は錬金術師で、相反する男性性を表す黒のキングと、女性性が表す白のクイーンが融合した姿なんだよ。

 変身能力で男女自由に姿を変えられるくさりなら、性別の違いは他の人間と比べて敷居は低いかも。

 それに加えて学園都市の住人であるくさりが、魔術師アレイスター=クロウリーが生み出したトートタロットを用いて、セフィロトを昇っていることを考えると、科学と魔術という相反する物を結合させているってことにならないかな?

 最短距離でティファレトを渡るにはこれが一番可能性があるんだけど……』

 

 確かに、納得できる部分は所々あるが学園都市は第二のテレマ僧院。アレイスターが手掛けている時点で魔術サイドの技術が全く関係しないことはあり得ない。天野の変身能力も性別の垣根は薄くなっているが決定打には欠けている。

 しかし、土御門に言われるまでもなく、彼女もこの推察の弱さに気付いていたのだろう。

 

『でも、イェセドからティファレトに上がるためには、相反する属性の火と水を掛け合わしたことで発生した、虹の蒸気を通過するための「矢」が必要なんだよ。そんなものが学園都市に運び込まれてる可能性は低いかも』

 

「……待て、『矢』だと?」

 

 その単語に嫌な予想が彼の脳裏をよぎる。魔術の記号としてはありきたりな物品ではあるが、『学園都市で彼に与えられた役目』からして考えれば決して無視できない単語だった。

 

『うん、大釜から立ち昇った蒸気は、達人(アデプト)の襟で二つの虹になるの。

 その蒸気の道を辿るように一本の矢が上昇するように描かれていて、この矢は女神アルテミスが狩猟に使う矢なんだけど、これは覚醒した魂のシンボルであると同時に、イェソドからティファレトに、達人(アデプト)を押し上げる矢でもあるんだよ。

 ……あっ!勘違いしないで欲しいんだけど、今のくさりが使ってる「天使の力(テレズマ)」を源に精製される矢じゃなくて、くさりが天使・イシス=アルテミスになる前に用意された、力を覚醒させるキーとなった霊装のことだね』

 

 インデックスの話を深刻そうに聞く土御門の顔は、ますます険しくなっていく。

 それもそうだろう。もし、脳裏によぎる物が関係あるならば、先ほど考えていた推論を全て取り下げる必要があるのだから。

 

『だから、イェセドからティファレトに繋がる工程の短縮になると思ったんだけど……現実的じゃないかも。

 必要とされる矢も『(The Art)』のトートタロットから、魔術的要素を限界まで抽出して高めた特殊霊装か、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それこそ、トートタロットを使う場合は『(The Art)』のカードだけでは足りなくて、セフィラ同士を繋げる矢の要素を抽出するために、『(The Art)』が繋ぐイェセドとティファレトの要素も必然的に取り込む必要があるんだよ。

 でも、不思議なことに生命の樹を一部分だけ抽出して魔術の記号に表そうとすると見た目が歪み易いんだよ。

 霊装として形作られる過程で元の形から大きく歪んで、常人には理解できないグロテスクな物になりかねないの。多分だけど位階が違うから似せようとするほど異なる要素が表に出易いのかな?』

 

 その上、持ち運ぶ際には矢を射った張本人である女神アルテミスの魔術的特徴を身体に宿らせねばならず、セフィラを押し上げる役目を薄れさせないために、常に適量の『天使の力(テレズマ)』を注がなくてはならないという厳しすぎる三重苦。

 そう言った様々な要因から隠して持ち込むことは現実的ではないとのこと。

 

『でも、可能性は限りなく低いけど他の矢の霊装で「(The Art)」の矢の代わりをさせているのなら解決するのは簡単かも。そう言うのって認識を誤魔化してたり足りない部分を他の物で代用したりして補ってるから、そこを突けばすぐに瓦解するんだよ。

 ……とはいえ、神様の力がくさりに注がれてる途中で霊装の方に逆流しているはずだから、霊装の保持者はただじゃ済まないだろうけどね』

 

 もちろん、そんな馬鹿が仮に居たとしてもアレイスターの目を掻い潜れるわけもない。本来ならば、インデックスと同じように土御門もこの推論を根拠が薄いと判断していたはずた。

 ……しかし、「矢」というフレーズが示すある物をイメージしてしまえば、とても見当外れなどとは口にできない。

 

 土御門は知っていた。

 いや、(かつ)て魔術師アレイスター=クロウリーの経歴を調べ上げたときに当然の如く知り得た情報だった。

 アレイスターは昔、自身の属する魔術結社を壊滅させた過去を持つ。その戦いの名は『ブライスロードの戦い』。

 その際に、アレイスターが同門の魔術師を屠るため使用した霊装がある。

 

 (やじり)は骨、矢羽は革、本体の矢柄は(ろう)と化した屍蝋(しろう)。とある聖者の右手を素材に製造された、召還失敗の際に退却せぬ者を魔法陣の向こうへと追い返すために用意された究極の追儺(ついな)霊装。

 (かつ)て、世界最大の魔術結社はそれを『ブライスロードの秘宝』と呼んでいた。しかし、『矢』はブライスロードの戦いで消滅し、その力は時代を渡り『次の時代』の器へと流れることになる。

 

 ──では、その『矢』の力は今現在何処に宿り、本来はなんと言う名称なのか?

 

 

 

幻想殺し(イマジンブレイカー)……!クソッ!思いっきり『黄金』印の()霊装じゃねえかッ!!」

 

 

 




◆セフィロトの樹図解◆
        
       / ̄ ̄\
       |①王冠|        ・①王冠
       \__/          ケテル
   /     |     \
/ ̄ ̄\     |     / ̄ ̄\ ・②知恵
|③理解| ー ー ー+ーーー  |②知恵 |  コクマー
\__/     |     \__/ ・③理解
        /|\           ビナー
ーー|ーー\ーーー|  | |ーーー/ー ー|ー ー ・○知識
  |   \   \ |/    /   |    ダアト
      \  『女教皇』 /    
/ ̄ ̄\  \   |   /  / ̄ ̄\ ・④慈悲
|⑤峻厳|  ー ーー+ーー ー  |④慈悲 |   ケセド
\__/   \  | /    \__/ ・⑤峻厳
     \ / ̄ ̄\ /        ゲブラー
  |      | ⑥美 |      |   ・⑥美
 |  『悪魔』\__/     |    ティファレト
     /      \  
/ ̄ ̄\    『技』   / ̄ ̄\ ・⑦勝利
|⑧栄光|  -ー +ー -  |⑦勝利  |  ネツァク
\__/『太陽』 |     \__/ ・⑧栄光
     \      /        ホド
       / ̄ ̄\    
    \   |⑨基盤 |  /      ・⑨基盤
     \  \__/  /        イェソド
         |
       / ̄ ̄\
       |⑩王国 |        ・⑩王国
       \__/          マルクト

◆解説◆
 『女教皇』は①から⑥の線上。←オリ主今ここ○
 『悪魔』は⑥から⑧の線上。
 『太陽』は⑧から⑨の線上。
 『技』は⑥から⑨の線上。←オリ主の通った経路○

 分かりやすくすると、ガブリエルの身体に入ったことで⑨に偶発的に到達し、『技』のカードと幻想殺しで⑥に進み、そこから『女教皇』のカードで①に行こうとしてます。

 ⑩→⑨→⑥→①の順番です。

【要約】直球ド真ん中のストレートで最短距離をオリ主爆走中。

◆補足◆
ちなみに、人間が居るのは一番下にある⑩のマルクト。①のケテルからセフィラが順番に生まれたそうな。
つまりは、生命の樹は人間が生まれるまでの道のりを、セフィラの順番が分かりやすく表している訳です。
タロットカードはこのセフィラ同士を繋ぐ線の部分を現しており、人間がセフィラを超えるための知識となっています。
※トートタロットの女教皇、太陽は個人で確認をお願いします(記号で表すのは無理)

◆作者の戯れ言◆
当然ですが最後の土御門は携帯の聞き取り口を抑えてます。

ちなみに、アレイスターの関与は作者の独自解釈です。
ミサカネットワークのウイルスについて、アレイスターは間違いなく関与してるでしょうが、アレイスターがそのウイルスデータを幻生に渡したかはどうかは不明。
窓の無いビルが吹き飛ぶ寸前だったのは間違いないですし、幻生が何処からか個人の力でウイルスデータを入手した可能性は捨てきれないので。
(例えば、アレイスターが何かしらの事件に関与したことで漏れ出た、魔術サイドのエッセンスを抽出してウイルスとして作成するなど)

◆考察◆
・『星』
 御坂美琴に注ぎ込まれた力の源は、アレイスターが純粋な科学で整えたトートタロットの『星』なのではないかと思ってます(作中で土御門がアレイスターの思惑だと思ったやつ)
 『星』のカードは②のコクマーと⑥のティファレトを繋ぐカードであり、カードに描かれている大地は結晶化したクリスタルで描かれていて(御坂を救ったあとに、現れたシャドーメタルと思わしき鉱石ですね)、岸と海にはアビスが隠されてます。
 言ってしまえばこれだけなのですが、セフィロトの樹を能力者に当て嵌めると意味が出てきます。
・能力者とセフィロト
 上の図で⑩のマルクトは物質世界を表しているため、能力者でない一般人がここに当てはまります。そして、能力者はアレイスターが言うところの『新なる意思』へ辿り着くために開発されたため、当然上へと昇っていきます。
 そうなると、⑨の『基盤』セフィラであるイェセドは能力者で言うところの能力開発を受けた者。

 つまりは、レベル0に該当するのではないでしょうか?
 そして、その考えの下に考えていくと……

 レベル1は⑧の『栄光』に。
 レベル2は⑦の『勝利』に。
 レベル3は⑥の『美』に。
 レベル4は⑤の『峻厳』に。 
 レベル5は④の『慈悲』に。

 それぞれ該当するのではないと思いました。
 つまり、レベル6に至るということはダアトがある深淵(アビス)を超えることと同義なのでしょう。

 しかし、「御坂美琴はレベル5なのだから④の『慈悲』ではないのか?」という人も居るかと思いますが、注がれた力の支点であるシスターズはレベル2~3であり、司令塔であるラストオーダーは原作でレベル3相当と書かれています。
 つまりは、⑥の『美』の位階に居ることになるわけですね。

 そう言った理由から、御坂美琴の中で⑥のセフィラと②のセフィラを繋げることで無理矢理アビスを超えさせ、8=3以上の位階に押し上げることがアレイスターの真の目的であり、学園都市が掲げるレベル6の正体なのではと考えました。

◆追記◆
Q.それじゃあ、何故オリ主が⑤峻厳に居ないの?それどころかガブリエルの中に入っていないと⑨基盤にもなってないのはおかしくない?
A.いえ、オリ主は転生特典とエルキドゥのガワを与えられた一般ピーポーですので。

ぶっちゃけ他人の『超能力』を『転生特典』で借りパクしてるだけですので、セフィロトを昇ることができないんですね。
学園都市が生み出す能力者の真価は『超能力』そのものではなく、ダアトが潜む深淵(アビス)を越えることができる超越者を誕生させることなのです。
つまり、能力者にとって『超能力』はあくまでも、セフィロトを昇る最中で手に入れる副産物でしか無いということですね。
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