とある原石の神造人形(エルキドゥ) 作:海鮮茶漬け
ガラガラと耳元で何かが鳴っている。
こんなアラームにセットはしていないはずだが、鳴り続けているのならば止めなくてはならない。だってまだ起きたくないし。
しかし、アラームを消そうとするも手が届かない。呻きながらもそこそこ大きい音を止めたくて、そのあともひっくり返した亀のように足掻き続けた。ハッキリ言って無様である。
そして寝心地が最悪だった。ベッドがめちゃくちゃ硬く、いつも使う低反発枕もなくなっていたのだ。
最悪の気分の中、仕方なく目が覚ますとそこには知らない天井があった。
「んんッ!?」
ガバッ!と勢いよく起き上がり辺りを見渡すが、上下も左右も白い景色しかない。障害物は一つも無くどこまでも白い空間があるだけだ。言葉にするのなら『無』という表現が一番相応しいだろう。
「え?どういうこと!?まさか精神と時の部屋!?何でいきなりドラゴンボール時空!?」
完全にパニックである。情報量が越え思考が止まってしまったようだ。だが、そんな彼に声をかける存在がいた。
「おお、ようやく目を覚ましたか」
後ろを見ると背中をこちらに見せている、西洋風のローブのようなものを纏う爺さんがいた。何でこんなところにいるんだ?とりあえずここがどこなのか聞いてみた。
「あの、すみません。ここっt「今いいところなんじゃちょっと黙っとれ」…………。」
話を聞いてみようとしたところ、まさかのキャンセルだった。普通にへこむんだが。
というか、後ろを見ていて何故わかったのだろうか。そんな疑問を抱いていると、ガシャポンッと軽快な音が辺りに響いた。
よく見てみるとお爺さんの前にガチャガチャが置いてあり、カプセルから何かを取り出しているところのようた。そして、中身をみると爺さんが声を上げる。
「おおっ!これはスゴイ特典だぞい!!」
何か知らんが爺さんのテンションが上がった。……もうそろそろ聞いてもいいだろう。
「あのこk「こうしちゃおれん!すぐに造らねば!!」ダッダッダッ…………。」
まさかの二度目のキャンセルが入った。泣きそうだ。
そのあと遠くでガガガガガ!!!やら、ギュィィイイン!!!などの音が、爺さんの背中から聴こえるようになった。何やら工作をしているらしい。
俺としては先に疑問に答えてほしいのだけどなぁ……。
そう思っているとちょうど神が話し出した。
「お主死んだのじゃ。コミケ?に行った後に不整脈での。あ、儂の落ち度とかはないぞい。普通に寿命じゃ。短命だったのう。
まあ、寝ながら死んだお陰で苦しまなくて済んだんじゃし、ラッキーだったと思うことじゃな。
それと、言ってなかったが儂は神じゃ。お前さん、特別に入信してもよいぞ?」
「」
情報量がまたしても限界を越えてきた。しぬ……?それって死ぬか?…………なんだそりゃ?もしかして詐欺か何かか?
「アホ。詐欺をするためにこんな空間用意するなど、割りにあわぬだろうて。それに、さっきからお主の内心を読み取っているが、神以外にこんなことができるのかの?」
…………確かに、さっきから声を出していないにも関わらず、思ったことを読み取られてる。こんなこと長い間一緒にいる家族でも不可能だ。
それに、詐欺をするためだけにこんなところを用意するなど、確かに割りにあわないしバレやすいのもまた事実。
……そして、一応確認してみたけど心臓が一ミリも動いていなかった。
どう考えてもこんなことはあり得ない。如何なる技術を使ってもこればかりは誤魔化せないはずだ。
……受け入れがたいし本当はまだ信じられない。いや、信じたくないんだ。
……でもそうしないといけないから───
「俺、……死んだんd「よぉおしッ!!完成したぞい!!」
………………………………あの、今邪魔しないで貰えます?」
自分の人生の終わりを受け止めようとしたところで、いきなり割り込んできやがったぞこの神。
その神は俺の気持ちをガン無視して、意気揚々と話しかけてくる。
「これがお主の新しい身体じゃ!」
「……いや、そんなアンパンマンみたいに言われても……───ッこれって!?」
そこにあったのは、
「そう!お主の記憶から再現したエルキドゥの身体よ!」
緑色の髪をしている生気が抜けた人間が横たわっていた。そして神は達成感を抱いたかのような、晴れやかな表情で言った。
「いやー、良い仕事したわい!」
「いやいやいや!俺エルキドゥ知りませんよ!?親友がコスプレするときに少し教えてくれた程度で、それ以外は──!!」
「えーでも、もう造っちゃったしのぉ。まあ、大丈夫じゃろ。特典を付けるにはこの身体が一番だったし。お主の最期らへんに見た記憶に、エルキドゥがいたのが造った切っ掛けだしのぉー」
「だからそれは親友と一緒に、コミケでコスプレをしに行ったからで───って、ん?特典?」
「ふっふっふっ!この特典は少々特殊でな?───普通の身体では爆発四散してしまうのじゃ」
「こッッわッッ!!何ていうもん付けようとしてんだよ!?」
何で笑ってんだこの神。正気か?
「だから耐えれる身体を儂直々に造っただろうに。その特典は特典改二と呼ばれるものじゃ」
「特典改二?」
「儂が特典同士を掛け合わせ、二つの特典を一つにしたものじゃ。そのせいで人間の身体では耐えれんのだ」
おおっ!!何だよそれ最強の特典じゃん!
そんな風にテンションが上がっていると、何故か神は首を振った。
「いや、組み合わせたそれぞれの特典が、見事に劣化してしまっての。
そして他の特典改二は、良いところを打ち消しあったりして、もっと状態が悪くなっての。それが一番マシなんじゃ」
「なるほど……。それで?その特典改二ってやつの能力は?」
神は幾つか咳を幾つかして声の調子を整える。そして、背景にドンッ!と効果音が付きそうな気迫で、神は俺に告げる。
「視認した相手の姿をコピーする特典と、触れた相手の能力をコピーする特典を合わせてできた、
触れた相手の姿と劣化した状態の能力を、コピーする特殊能力じゃ!」
「………………普通に強くね?」
使いようによってはなかなか強いんじゃないか?とはいえ、問題はこれを使う世界次第なんだよな。
「ふむ、FGOに連れてってもお主、FGOもエルキドゥも知らんしのぉ。お!そういえば、お主はコミケで何のコスプレしてたかの?」
「え?えぇと……"とある魔術の禁書目録"の、主人公上条当麻のコスプレですね」
「そうか。ではその世界に決定じゃな」
「……はい?」
「ちなみに身体は成長するように調整してあるからの。児童からのスタートじゃ」
「……いや、あの説明「では行くぞ、ポチっとな!」
……………………………………………………………………は?」
その声と共に足下の床が消えて、まっ逆さまに落下した。これが俺が最後に光景だ。
本当に訳がわからん。
───これから、様々なキャラクターと出会いながら、とあるの世界で彼は生きていく。それが救済となるのか、それとも破滅の未来を呼び寄せるのか───
科学と魔術と神代が交差するとき物語は始まる。
「不幸d……あ"あ"ああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
所々直しました。違和感があればどうぞ言って下さい。