とある原石の神造人形(エルキドゥ)   作:海鮮茶漬け

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24話です。
この話だけ話の雰囲気が変わります。






24.殺し《ブレイカー》

 朝の5:30。

 男の朝は早い。

 選手の経歴や特徴を入念に調べ、それを基にした原稿を擦り切れるまで読み続ける。

 □□ □□。若干27歳という若さでこの地位を手に入れた、期待のホープだ。

 巷では熱血アナウンサーと言われており、知名度がかなりある。

 元々□□は某テレビ局の人気アナウンサーだった。

 その彼がどうしてボクシングメインのアナウンサーとなったのか。

 それには並々ならぬ強い思いがあった。

 

 

 

 

 

 8年前。

 朝の大きな番組のアナウンサーに抜擢された。

 仕事に忙殺される日々だったという。

 人前に出るのは苦ではなく、出演者との掛け合いや顔が濃く整っていたため、すぐに人気がでた。

 

 車内VTR

 「あの時期は本当に大変でしたね……。原稿のチェックは厳しくて怒鳴られてばっかりですし、どんどん変わっていく報道の空気は、まさに生き物のようでした」

 

 それでも、いい経験だったと□□は言う。

 それがあるから今の自分があった。 

 仕事に不満はなかった。

 

 ポーン 【何故出世街道を逸れたのか】

 

「昔からボクシングが好きだったんです。でも、テレビのアナウンサーでしていた爽やかな自分だと、ボクシングのアナウンサーでは浮いてしまい、話になりません。

 言ってしまえば、僕はテレビの爽やかな自分か、ボクシングの熱い自分を比べて、ボクシングを取りました」

 

 ポーン 【後悔をしたことは?】

 

「一度もしてないです。収入は確かに減りましたけど、好きで選んだ道ですから」

 

 □□の顔は憂い一つなかった。

 そこには、お金よりも大事なものを掴んだ、男の顔があった。

 

 

 

 

「おはようございますッ!!」オハヨウゴザイマス

 

 □□の現場入りは誰よりも大きな挨拶から始まる。

 それは、上司だけではなくスタッフ全員だった。

 敬われる立場にも関わらず、後輩にもきっちりとしていた。

 

 ポーン 【なぜそこまで徹底するのか】

 

 車内VTR

 「挨拶って社会人として大事なことだと思います。でもそれだけではなく、これから仕事のスイッチを入れるぞっ、という意味でも大事な事だと僕は思っています」

 

 後から現場入りしてくるスタッフ一人一人にも、変わらず大きな挨拶をする□□。

 有言実行だった。

 

 

 

 

 

 外の天気は雲一つない快晴だった。

 

「青コーナぁー、……○○ッッ!!!!」ウオオオオオ!!!

 

 □□は選手を呼ぶこの瞬間が好きであると語った。

 

「この闘いが始まるぞって感じがたまらないですね(笑)」

 

 そう言って笑っていたが、こうも言っていた。

 

「このコールから自分達の本当の戦いが始まります」

 

 試合前と、試合中では仕事の質が変わると□□は言う。

 

「邪魔にならない程度の解説をしなくてはならない。その配分を見極めるのがこの仕事の難しいところです」

 

 だが、やりがいがあると語った。

 そして、試合が始まる。

 

 

 

「さあ、始まりました。米花杯!この時を今か今かと待ちわびてました!さあ、チャンピオンの二度目防衛なるか!はたまた、新しいチャンピオンが、ここ米花町で生まれることとなるのか!」

 

「無事開催することができて良かったです。この近くで殺人事件が起きてたらしいですからねぇー」

 

 ズットォサガッシテイタ~♪

 

 【□□にとってボクシングとは?】

 

 室内VTR

 「アナウンサーとしての新しい可能性を、教えてくれたかけがえのないモノです」

 

 マエニィーー、、、、、、ススモー

 

 

「さて、それでは38回米花杯始まりのゴングです!」

 

 カァーーン!!!ウオオオオオ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ……ここは……?」

 

 天野倶佐利は再び目覚めた。

 

「(……何を見たかは忘れちまったけど、何かを見てた気がする……。もしかして、走馬灯か?)」

 

 いや、違う。

 

「(おいおい、病院の中だってのに穏やかじゃ…………あれ?)」

 

 天野が周りを見るとコンテナと砂利の地面の、先ほどの風景だった。

 

「(まさか、まだ戦いは終わってないのか……?いや、それはおかしいだろ……。じゃあ何で()()()()()()()()()()?)」

 

 後ろを見ると、何故か上条とミコっちゃん、御坂妹が座り込んでいた。

 

「(何で後ろに居るんだよ。前行けよ!前!

  つーか、何で俺は立っているッッ!!)」

 

 訳が分からん。全然分からん。

 ……何よりも分からんのが。

 

 遠くのほうで地面が割れて、何か凄いスーパートルネードが巻き起こっている。

 

「…………」

 

 段々と規模は大きくなっており、近いうちにここら一帯も呑み込まれることだろう。

 あれを止められるのは、ここに集まったこの四人だけである。

 

 

 学園都市に居る230万人の命守るために、今こそその拳を握れ!上条当麻!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だから、その展開知らんってばッ!!お前たち、俺がいない間何をしたッ!?

 

 

 

 

 

 




エルキドゥですッ☆マスターに危害を加える人間が多いよね。そんな敵をズバッとして解決!激おこぷんぷん丸ぅー!!⤴
 ……したいところだけど、マスターにとってこれは大切な戦いらしい。僕もギルとの戦いでは僕達だけで戦いたいからね。気持ちはわかるとも。
 だけど、君が望むのなら喜んで一緒に、ギルをボコボコにしよう。うん、それも悪くないね。
 傷も治しておいたよ。地面にいたこともあって、今回は僕の力で治せてよかった。
 …………でも、君が理不尽な理由で致命傷を負ったときは躊躇はしないよ。気にしなくていい。サーヴァントとして当然のことさ。

◆裏話◆
とある仕事の拳闘解説
皆さん気になっていたであろうあのキャラを、ピックアップしたお話でしたね!
できた経緯はノリと勢いです。

◆作者の戯れ言◆
何でこうなったんだろう?
ヤベェ、今回はブーイングの嵐かもしれん……!((( ;゚Д゚)))
釈明:全ては台風が悪いんです。
題名の意味は皆さんで理解してもらえると嬉しいです。


まあ、シリアスブレイカーなんですけどね。


おや?エルキドゥのようすが?

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