とある原石の神造人形(エルキドゥ)   作:海鮮茶漬け

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どうぞ


本編
1.原作の始まり


 (わたくし)こと上条当麻は、夏休み初日にファミレスで不良に絡まれていた女子中学生を見掛け、助けてやろうかなと思い声をかけたところ、いろいろあって今現在その絡んでいた不良達に追われているのである。

 

「待ちやがれ!この野郎!」

 

「があああ!!しつこすぎるぞあんたら!」

 

「絶対に逃がしゃしねえからな!!」

 

「その情熱を他のところに向けろよ!陸上とか向いてんじゃねえのか!?」

 

 夏休み直前にこんなことになるとは本当にツいてない。そんなことを思いながら、陽が落ちた学園都市の街をがむしゃらに走る。そして鉄橋まで走りきり、ようやくヤツらを振り切ることができた。

 

「はぁ……はぁ……、やっと撒いたか……?」

 

「───私からあいつらかばって善人気取り?」

 

 そんな不遜な態度で俺の前に現れたのは、先ほど不良に絡まれてた女子中学生だ。その女子中学生をみて察してしまった。

 

「お、おい。まさか、さっきの奴らがいなくなったのは……」

 

「邪魔だったからぱぱっと倒しておいたわ」

 

 バチィッ!!と手のひらから電流を流して言い放つ女子中学生。

 

 そうなのだ、俺が助けようとしたのはこのビリビリ中学生ではなく、不用意に絡んだあの不良達のほうだ。

 こいつは、学園都市に7人しか居ないlevel5にして、第3位の電撃使い(エレクトロマスター)。手を出せば丸焦げになるのは目に見えている。

 

「お前なあ、level5の超能力者だからってそんな態度とってたら、いつか痛い目に遭うぞ」

 

 そんなビリビリに対し、俺は今まで起きた自分自身の不幸な出来事を思い返しながら、親切心でそう言った。しかし、目の前の少女は何が気に入らなかったのか、全身から怒気が溢れだす。

 

「っ!!……へぇ、このわたしに向かって説教とはね。ホンっっトに舐めてくれるじゃない!」

 

 その言葉とともに、ビリビリの体から先ほどよりも多くの電流が溢れ出した。まるで、その怒りが形を得たかのように身体中から発電している。

 

「ちょっ、ま、待てって俺は別に「へぇ、いいわ。上等よ」……ん?」

 

 さっきまでの怒りが振り切れた状態から、不自然なまでに落ち着いた声音が発せられた。それは、冷静さを取り戻したというよりは、発散する方法を見つけ出したかのような声色だった。

 

「ねえ、超電磁砲(レールガン)って知ってるかしら」

 

 そう言いながら目の前の女子中学生は、スカートのポケットからゲームセンターのコインを一枚取り出す。

 

「フレミングの運動量を利用するんだけど、どうしても電力の問題から巨大な物になっちゃうのよね」

 

 キンッと指で弾かれたコインから響く金属音とともに、コインが彼女の手から宙に打ち上げられる。

 

「だけど、わたしがその電力を補って、磁力も上手いこと利用するっ、とぉっ!!」

 

 ドウッッッ!!!!と凄まじい音とともに、落ちてきたコインがオレンジ色の閃光となって瞬いた。

 その通り抜けた軌跡は、橋を縦に分断するかのように中央を突き抜けていた。

 

「こんな風に、金属を音速の3倍で撃ち出すことができるのよ」

 

 目の前を走り抜けたとんでもない威力の閃光が、その力を証明している。電熱が肌を撫でる感覚に冷や汗を流しつつ、飛び退いた体勢のまま俺は声を張り上げた。

 

「お前なんてモンを街中で使ってんだ!人が居たらどうするんだよ!」

 

「はあ?馬鹿にしないでくれる?生体電気の反応がないから、ここら一帯に私たち以外いないことは確認済みよ。

 とまあ、挨拶はこのぐらいにして。それじゃあ、勝負を──」

 

 

 

 

「それはどうかな?」

 

「……なっ!?」

 

 

 

 そんな声とともに、ポンッと肩に軽い衝撃が加えられた。絶対にいないはずのところから声をかけられ、慌てて振り向くと。

 そこには平均よりも少し高めな身長で、長い髪を緑色にしている女子高生がいた。

 彼女は学園都市最高の電撃使いである。微弱な生体電気であろうが存在の有無を間違えることはない。その上、今回は通りがかりに当たらぬよう、レーダーを全力で使っていたのだ。

 驚かないようにするのは土台無理な話であった。

 

「先輩!?」

 

「やあ、君は相変わらずのようだね」

 

 突然この場に現れた女子高生に、上条当麻が思わず声を上げる。彼の言葉から前衛的な髪色の彼女とは、付き合いが長いことがわかる。

 

「おい、ビリビリお前確認したんじゃないのかよ!先輩がいるじゃねえか!?」

 

「し、知らないわよ!わたしだってこんなこと初めてなんだから!」

 

 動揺しながらもそう言い返す美琴は、とっさに飛び退いたことで距離ができた女子高生を、近くにいるツンツン頭の少年と同じくらいに警戒する。

 

「……アンタ一体何者なの?これだけ近付いても生体電気が感知できないなんて、普通じゃないわ。あのバカみたいに能力を打ち消しているわけでもないみたいだしね」

 

 美琴は少年のときとは違い、電磁波が打ち消される感覚でも、ジャミングをされているわけでもないことに気付き、余計に少女を訝しむ。

 

(生体電気がない人間なんて存在しない。学園都市が作り出した動力に電気いらずの人型ロボットってこと?ハッキリ言ってその荒唐無稽な話のほうがまだ納得できる)

 

「彼の言った通り彼の学校の先輩さ。そして、君の先輩でもある」

 

「私の?」

 

 少年だけではなく自分にも関係があるような言い回しに、少し驚いてしまう。彼女は美琴が浮かべた疑問に対し、すぐさま答えを述べた。

 

()常磐台中学の大能力者(レベル4)の原石、天野(あまの)倶佐利(くさり)だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この場に立ち会えて本当によかったぁ(恍惚の表情)

 

 内心でそんなことを思い浮かべながら、とても人前で出来ないような顔をさらしている馬鹿な女(元男)がいた(外には1ミリも出ないが)

 

 この顔を見ることができるなら、御坂美琴も侮蔑の視線とともに、こんなのに警戒していたのかと死にたくなってしまうだろう。

 

 彼には能力を使ってコスプレをしながら、生前大好きだったとあるの世界を堪能するという野望があった。

 そのためとあるの世界の主人公であり、常に物語の中心にいる上条当麻と関係を自然に持つため、無い頭を振り絞り偶然を装いつつ接触したりなど、血の滲むような努力をしてきたのだ。

 しかし、アレイスターが街中に張り巡らした滞空回線(アンダーライン)があるため露骨なことは出来ず、上条当麻と御坂美琴の出会いのシーンを見逃すこととなった。

 彼はその事に発狂した。(体はもちろん一言もしゃべらないのだが)

 そのような紆余曲折あって、こうしてこの場に居合わせることができたのだ。

 

「(いやー、やっぱり男の中の男だね!よっ!男、上条当麻!自分と全く関係ない女の子を助けるために動けるいい男だね!

 それにしても、やっぱレールガンかっけぇなあ。うんうん、ビームは男のロマンだよなー。

 俺も変身すれば撃てるには撃てるんだけど、射程距離二メートル。そのくせ辺り一帯に衝撃波をぶちかます自爆技だもんなあ……まあ、それもロマンと言えばロマンだけどさ)」

 

「(あっそうそう、それと実はある伝を使って本人が知らない間に、もうミコっちゃんには触れてるんだよね(一種の通り魔)。原作キャラクターのコスプレとかしたいしオタクなら当然の行動だよ。

 それと、サーヴァントだから生体電気とか無いとかか?ぶっちゃけそこら辺は詳しくは知らないなぁ……)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いきなり背後から現れた不気味な女子高生が、私達の間に割って入って来る。いきなり割り込んだことに文句を言ってやるつもりだったが、彼女を見て言葉が出なくなった。

 

「(何なのこの人。まるで私達を人間として認識すらしていなさそうな顔……。どうしたら、そんなに冷たい顔が出来るようになるのよ……っ!!)」

 

 彼は神からこの体を貰ったが、どうやら特典に合わせただけの身体であったらしい。

 彼の魂とは相性がすこぶる悪く、エルキドゥに成りきらなければ表情筋一つ動かせなかった。

 とはいえ、オリ主はエルキドゥをよく知らないため、親友のコスプレを参考にするしかなかったのだが。

 

「君はここを退いたほうがいい」

 

「っ!……何でよ、まだ勝負は着いちゃいないわ!」

 

「お前まだ言ってんのか……」

 

 そんな少女に気後れしながらも、闘争心を燃やす御坂美琴と呆れる上条当麻。だが、彼女は言葉を続けた。

 

「彼のチカラの特異性に君も気付いているはずだ。僕の予想では、彼の相手をするには君も全力で能力を使うしかない。

 そうなるとどうなるのか。君が生み出す高圧電流がこの橋を伝い、市街地にまで伝ってしまうだろう。

 そうなると、ここに住む人達は停電により生活出来なくなってしまうんだよ」

 

「……」

 

 確かに、電気が伝いやすい鉄橋は場所が悪いかもしれない。ならば、日を改めてその男と決着を着けるのもいいだろう。美琴は肩の力を抜いて、闘気を鎮火させた。

 

「はぁ、分かったわ。今ここではやめる」

 

「今だけかよ……」

 

「うん、それでいいと思うよ」

 

「じゃあ、次会ったら決着つけるわよ!!」

 

 そう言って彼女は走り去った。そんなやたらと活発な彼女の後ろ姿を見て、上条はいつものように呟いた。

 

 

 

「不幸だ」

 

 

 

 




サーヴァントをモデルにしているため、オリ主は身体に生体電気がないと考えてるけど、実は美琴が考えた人型ロボットのほうが近い。
エルキドゥは神様が作り出した粘土細工だからね。生体電気なんてあるわけがないよね。
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