もう、無理ぃ……。(本音)
書きました。どうぞ。
「(え!?なんだ!?急に大声が聞こえたぞ!?急過ぎて心臓止まるかと思ったわ!)」
まさかのコールアンドレスポンスにビビり倒すオリ主。ストレス発散気味でやっていたのでオリ主からすれば寝耳に水だ。(アホかな?)
そんなオリ主に対して不機嫌そうな声が降ってくる。
「さっきから、ピーピーピーピーうっさいのぉ。こっちは徹夜明けじゃというのに少しは配慮というのをしたらどうなんじゃ全く……」
こ、このどこか聞き覚えのある、如何にもやる気が無さそうな声は……まさか!
「……ん?なんでお主がそんな場所に居るんじゃ?」
神ぃっ!?!?!?
「ふざけんな!俺の人生が不幸しかねえなんて決め付けんじゃねえ!俺は今幸せなんだよ!」
父さんは不幸な俺を想ってオカルトに手を出したらしい。学園都市に暮らす以前は周りから疫病神なんて言われたり、ナイフを持った男に襲われたりした俺を不幸から守るために。
俺はそんなの望んじゃいねえ。今までの出来事は並大抵のことじゃなかったけど、そのお陰でいろんな人に出会うことができた。
不幸があったから誰かの悲劇に立ち会えて拳を握ることができた。それだって変わらない事実なんだ。仮に、もしあの時あの場所に居れなかったらと思うとゾッする。
確かに何度も死にかけたけど、誰かが血塗れになるのを見捨てずに済んだんだ。それが不幸だなんてわけがねえんだ!
「…………そうか。当麻は、幸せだったのか。父さん意味のないことをしていたんだな。俺はお前の
とはいえ、俺にできたことは何もなかったがな。
「…………は?」
言っていることが一瞬理解できなかった。
「ああ、これからはお土産を買ってくることは止めにするよ。お前の幸せを奪うことなんて私にはできないし、母さんも菓子のほうが喜ぶからな」
「ちょ、ちょっと待て!父さんが
父さんはこの大魔術で俺を不幸から救い出すために、世界中の皆を巻き込んだはずだ。だって、今俺達はその話を───
「えんぜるふぉーる?何だそれは?新しい流行語か?」
上条の思考が今度こそ空白となる。
「(……どういう……ことだ……?御使堕しを知らない……?父さんが術者のはずなのに、どうなって……?)」
先ほどまで抱いていた怒りが霧散して、新たな疑問が頭の中を駆け巡る。
今更誤魔化す必要はない。俺が幸せだと知ったなら今すぐに中止すればいい。わざわざ魔術師に殺されるリスクなんて負う必要は、もうないんだから。
ならば、上条刀夜は御使堕しの犯人ではない?
ここに来て前提条件がここに来て引っくり返ってしまった。解決への道がこんがらがってしまったような感覚だ。
理解が及ばない上条であったが無情にも事態は進む。それは不幸な上条らしく、上条が望まない方向へと。
「標的を捕捉完了。これより排除する」
「退きなさい上条当麻!!」
バールを振り上げるミーシャとの激突の寸前、飛び込んできた神裂による一閃が砂煙の壁を作り、俺に束の間の余裕を生み出した。人間を越えたプレッシャーを放つミーシャに対応してくれなかったら、素人の俺では死んでいたかもしれない。
「御苦労さん、上やん。よくやったぜい。
「土御門……」
いつの間にか現れた土御門も、俺の隣に立ってミーシャと相対する。
「な、なあ、アイツは一体どうしちまったんだ?」
「よく考えてみればおかしな話だ。偽名を使うにしてもミーシャはない。その時点で気付くべきだったにゃー」
意味が分からない。ミーシャに何か魔術的な意味があるのか……?
「ミーシャというのはですね。ロシアでは男性に付けられる名前なんです。偽名だとしてもおかしすぎる」
「じゃあ、何だってそんな名前を……」
土御門はそこで獰猛に嗤いながら言った。
「いるんだよ、上やん。
確かに、両性の生き物はこの世にはいるにはいるが、神話に両性であることが当たり前の生物などいるのか?
俺のそんな顔を見て土御門が答えを言った。
「忘れたかい、上やん?この大魔術がなんて呼ばれていたかを」
そして次の瞬間、夕暮れが星が煌めく夜へと切り替わった。
「おー、この前ぶりじゃな。いや、人間の時間では結構経っておるのかの?」
そう、俺が聞いた声はこのとあるの世界にぶちこんだ張本人こと、神だった。
まさかの再登場にビックリである。俺を転生させる以外にもまだ仕事があるとは思わなんだ。
「また、お主に会うことになるとは流石に思ってなかったぞ。そんなにエルキドゥの身体は嫌だったのか?」
どうやら神としても予想外であったらしい。ならば、何故こんな場所に居るのだろうか。俺の予測では今頃御使堕しの影響で、見た目が愉快なことになっているはずなのだが。
どうしてこんなところに?
「えーと、神様?今中々面白そうなことが上条の周りで起きているので、用がないのでしたら元の世界に返して欲しいんですけど……」
「無理じゃな」
「えぇ……」
即座に断言されてしまった。神様ならそれぐらい簡単じゃねーの?
そんなことを考えていたからだろうか。神が話し出した。
「できることはできるが世界に裂け目が生まれて、近いうちに世界が崩壊するぞ?」
「いえ、このままで大丈夫です」
あっぶねえ!!世界が壊れるところだった!
自分の選択が世界を滅ぼすかもしれなかったと知り、背中がゾッとする。よし、この話題からすぐに離れようか!
「それと、エルキドゥの身体に不満はありませんよ。今もこうして自由に動けますし」
方向転換のために先ほどの問いに答えたところ、神の声音が少しだけ変わった。
「もしや、お主気付いていないのか?」
「何をです?」
「マジで気付いてないのかお主。そこは一番始めに気付くところじゃろーに。はあ、もうそこまでなっておるとはのぉ……」
ちょーい?人のことまるでボケが進んだ年寄りみたいに言うの止めて欲しいんですけど?失礼すぎでしょ。
あァん?神様気取りですかァ?…………ガチの神だわ。
そんなことを考えていると、ため息を吐いた後啓示を与えるように神はこう告げた。
「お主、今ガブリエルの身体に入っておるぞ?」
「え??」
え?という展開となったでしょうか?
作者はオリ主が二重人格だなんて、一度も書いていませんよ?
感想欄で伏線を張っていたので分かる人には分かっていたでしょう。
御使堕しの真髄は入れ替わりではなく、天使を人間の位階まで落とすことにありますから、当然人間から天使の位階へと上がる精神もあるってことですよ。
それにしても、コメディを書いてると落ち着きますね。
最近シリアスばっかなんだよなぁ。……嫌いではないけどね?
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