もちろん、オリ展開もするつもりです。
『うおおおおおおッッ!!』
盾を持った
その戦いの中で一番の
「白井さんっ!」
「感謝しますの!」
槍が入ったバックを
身の丈程のあるバックは明らかに戦闘には適していないが、白井黒子程の
「はあッ!!」
ガガガガンッ!!と音を鳴らし、槍が一瞬で幾つもパワードスーツに打ち込まれる。一気に無力化するその制圧力は他の追随を一切許さない。
しかし、この場に居るのは白井黒子だけではない。
「おい!そっち行ったぞ!」
「二人で動きを止めるんだ!」
ガンッ!と振り下ろされるパワードスーツの一撃を防ぎ、後ろからもう一人が襲撃する。スリーマンセルでパワードスーツと相対しているため、例え攻撃的な能力を持たなくとも、押しきられることは無いだろう。
「離れて下さいな!」
「ッ散開!」
投げ掛けられた言葉に従い、すぐさまパワードスーツを押し退けて離脱する。当然の如くパワードスーツは彼らを追おうとするがそれは不可能だった。
「どっせぇーーいっ!!」
豪快な掛け声と共に放たれた一撃が、パワードスーツを水平に吹き飛ばす。使われた砲弾は吹き飛ばしたパワードスーツと同じ機体の一つだ。
「おーほっほっほっほ!この
扇子を広げて意気揚々としゃべるのは
そんな婚后に近く居た女子の風紀委員が、焦ったような声を出す。
「っ!危ないっ!!」
高笑いを上げる婚后光子に接近する二体のパワードスーツ。いくら
直撃すれば最悪致命傷となるかもしれないが、婚后光子はこの程度で慌てるなどの無様は晒さない。
少女を間合いに捉えた瞬間、二体のパワードスーツが空へと高く打ち上げられた。
婚后光子の空力使いは、手で触れた箇所を噴射口にして空気を打ち出すというもの。
そして、それは地面にも適応しており、さらには任意のタイミングで発動できるため、こうして
「無人機ということはプログラム通りに動くことしかできないということ。そして、搭載されているAIの性能は既に把握できています。
アルゴリズムが変化しないことを察するに、質より量と言ったところでしょうか。そのような代物では私に傷を付けることなど、百年掛かっても不可能ですわよ!おーほっほっほっほ!」
艶やかな黒のロング自らの空力使いで靡かせているのは、常盤台でも屈指のお嬢様である婚后光子。おでこを見せ付けるかのような髪型は、まるで彼女の気の強さの現れのようだ。
高飛車な言葉遣いをする少女だが実は情に厚い女の子である。今こうしてここに居るのも、御坂美琴に助太刀を頼まれたためだ。
「そのような悪党は許しては置けませんわ!この私、婚后光子にお任せ下さいませ!」と、事のあらましを聞いた途端に二つ返事で了承したことが、彼女の人柄の良さを現している。
彼女は
婚后光子の背後から、突然パワードスーツが建物と植木の影から現れた。
「えっ、えっ、……のわぁああ!?」
その出現は絶対にあり得ないものだった。
風紀委員に所属しているという
しかし、このパワードスーツは明らかに他とは逸脱した動きで、婚后の警戒範囲の外から突然現れた。
「(まさか、外部から新たなアルゴリズムの入力を!?……いえ、そうではなく他の担当エリアの打ちこぼしですか!)」
所々損壊していることから、おそらく向こうのエリアから吹き飛ばされて来たのだ。索敵→接近→攻撃という単純なアルゴリズムのため、偶然にも索敵の範囲に引っ掛かった婚后に向かって、背後から襲い掛かって来たのだろう。
背後を取られた婚后に対処することはできない。能力はあらかじめ設置するタイプであり、とっさの防御には適さないものだからだ。
「「婚后さんっ!!」」
その様子に婚后といつも一緒にいる泡浮と湾内の二人が、急いで助けに向かおうとするが、二人は遊撃として動いていたため婚后とは距離がかなり離れてしまっていた。
他の周りにいる風紀委員も急いで対応しようとするが、不測の事態のため対処が遅れてしまい間に合わない。
彼らの懸命な動きを嘲笑うかのように、無慈悲にもその一撃は振り下ろされた。
男子でも二人がかりでもないと受け止められない程の一撃だ。
その上、それを脳天に叩き付けられれば、少女の頭蓋がただで済むとは思えない。
それにも関わらず、
「……あ、あら?来ない……?」
ぎゅっと、強く目をつぶる婚后だが、強烈な一撃はいつまで経ってもやって来ない。それどころか何故か安心感まで感じる程だ。
そんな婚后に向けて上から声が掛けられた。
「『はあ~~~~。全く本当に世話が掛かる人ですのね。あなたは』」
「し、白井さんっ!?」
自分をお姫様抱っこしている人物は、同じ
「あ、ありがとうございました。お陰で助かりましたわ。……しかし、何故あなたがここに……?あなたの管轄エリアは正面玄関だったはずでしょう?
そう、いくら
まるでその言葉を待っていたかのように、ニヤリと白井黒子は笑みを作ると、
「『私を誰と心得ていますの?学園都市の治安を守る
いつものように小柄でありながら、頼れる背中をしたツインテールの風紀委員は、いつもと同じく誰かのために危険に身を投じる。
何故かいつものピンクがかった茶髪ではなく、黒髪という珍しい髪色をしていたが。