とある原石の神造人形(エルキドゥ) 作:海鮮茶漬け
大切な人「ええ、頂くわね。あーんっ──辛ッッッ!!!!」
闇咲「愉悦(笑)」
「とうま、ずっと思ってたんだけど、何でそんなにボロボロなの?」
「クラスメイトの団結力って奴を味わった結果だ。……何であの中に女子も混じってたのか不思議だったんだけど、先輩に助けられてファンになった奴が、ウチのクラスの中にもいたらしいんだよな」
「「???」」
やたらとボロボロの上条。
いやいや、学校に来るまでは俺がしっかり警護してたじゃん。何があったし。
インデックスと一緒に首をかしげるが、答えはでない。
それにしても、夏休み明けの一日目でそんなことになるなんて、ちょっと世紀末すぎない?
少し目を離した隙にそうなるとか、どんだけバイオレンスな日常なんだよ……。今日の本番はこれからだぞ?
あのあと、俺は結局上条達に着いていくことになった。不眠不休なのに。
まあ、しゃーない。あのまま放っておいたら絶対とんでもないことになるからな。
上条達は遊ぶためにどうやら地下街に向かっているらしい。やべぇ、ここら辺はそもそも印象にないわ……。ビキニアーマーしか記憶にねぇんだけどどうしよう。あー、えーと、シェリー来るのいつだっけ……?
無茶苦茶強いって訳でもないから、戦闘もアニメだと割りとあっさりしてたんだよなぁ。くっ、アニメを適当に見すぎた弊害か……。
そんなことを考えていたせいだろう。上条の言葉でようやくそのことに気付いた。
「えーと、それで
「……いえ、その……お構い無く……」
なんかやたら風斬に距離を取られている上条。
それは距離を取られるに決まってるわ。逆に普通に接してきたら怖いレベル。
だって、不純異性交遊の中でも、かなりのハイレベルなステージに居ると思われてるからね?俺達。
それこそ強さ的には
「もうっ、とうまが怖がらせるからだよ!……大丈夫だよひょうか。とうまは女の子に片っ端から関わっていくような珍種だけど、いい人だから」
「どうしよう……。さらに、危ない人なのが確定しちゃった……」
うーん、このシスターとことんまで誤解をさせるのに、余念がない。
俺達いたいけなシスターを縄で縛った上に、その近くでエキサイトしてたクソ野郎共だと思われてるから、そりゃあ優等生気質な風斬は近寄りたくもないよ。
その上、その縛られた可哀想なシスターも割りと乗り気とかいう時点で、もうどこにも救いがない。
そんなのに直面したら風斬も大混乱だわな。
それでも、風斬が未だにインデックスの側に居るのは、最初に見付けてくれた女の子ってのが大きいと思う。
全く銀髪シスターは純粋だし。ツンツン頭の男子高校生は鈍感の塊だ。
「(やれやれ、しょうがない。
ここは緑髪のスーパーロングで、人の機微に聡いこの俺に任したまえ)」
後ろ手に手を組み上条と話すために近づく。そして、他の二人に対しては言葉を投げ掛けてはいないけれど、それでも確かに聞こえる音量に調節する。
そして、「それにしても……」とオリ主は話を切り出した。
「昨日は予想よりも激しいものになってしまったね後輩。僕も久し振りに好きに動けていい気分転換になったよ。
あっ、そういえば君の体の調子はどうかな?無理をしてないかい?」
コイツ、完璧に確信犯である。
創作の世界にいるため、オリ主はこの世界がリアルだとは思えない。そのせいか主要キャラからの評価は気にするが、それ以外の世間体についてはあまり頓着しなかったりする。
そのセリフを聞いた風斬は顔を真っ赤にしていたが、皆目見当もつかない。イッタイナンデナンダロウネー。
「まあ、こんくらいは全然大丈夫です。先輩こそ徹夜ですけどキツくないですか?(昨日の戦いから不眠不休の俺を心配してくれたのか……!先輩も同じ状況なのに、なんて気配りができるんだっ!)」
上条は年上の女の子の細やかで、心暖まるそんな優しさに胸が震える。
……それを言葉にすれば、風斬の誤解も解けただろうに。
「むぅ~~!!くさりばかりずるいんだよ!私もやれば(魔術に限り、とうまのフォローを)誰よりもうまくできるのにっ!」
「…………」
インデックスはそんな風に通じあっている二人を見て怒った。
……それを言わなければ、風斬の誤解も深まることはなかっただろうに。
なんかもう風斬がドン引きの極致みたいな顔してる。いや、俺としてはインデックス辺りが、
しょうがないなぁ。借一だぞ?(ここまで発展させた元凶)
えー、ごほんっ。
「
「…………………………………………………………へ?」
気まずそうに俯いていた風斬だが、俺の言葉を聞いて呆気に取られたような表情をした。
「やっぱり、くさりもそう思うよね!?そうなんだよそれが当たり前なんだよ!」
「先輩!?インデックス縛って置いて行くときに、何も言ってなかったのに!?突然の裏切りに上条さんは悲しぎゃああああああああああ!!!!」
今までの鬱憤が爆発したのか、上条の頭に
そんないきなりのギャグ展開に着いていけず、風斬は困惑した。
「え?、え……?どういうこと……?だって、……え?」
うん、マジで困惑してるな。
「痛たたたたたっ!!いや、だ、だから!インデックスは直接的な自衛手段はないだろ!?今回の呪いは俺の右手で打ち消せるものだったから、俺一人で解決できるじゃねえか!」
「ほんっとうに馬鹿だねとうまは!敵が呪い以外を使うことだって普通にありえるんだよ!魔術は一つの系統だけじゃなくて、様々な魔術体系の要素を取り込むから、超能力なんかとは違ってやれることの幅が広いんだから!
右手で絶対に触らないといけないとうまに、もし物量で押し潰す魔術を出されたら!?もし、魔術で目で見えないように隠蔽されたら?もし、何かの魔術で加工していて、その魔術を解いた途端に魔術が関わらない、質量で押し潰す攻撃なら、とうまは今頃地面の染みになってるんだよ!!」
ぐあー!!と、再び上条の頭に噛み付くインデックス。
まあ、呪いを打ち消せるのだとしても、魔術師がもし打ち消したことで新たに発動する何かがあれば、魔術知識の持たない上条と俺では対処できない場合があるし、魔術側の情報のアドバイザーがその場にいるなら、最悪の展開になることは万に一つもないよね。
それを分かっていても上条は、インデックスを戦場に出したくなかったみたいだけど。
そんな俺達の会話についてこれない風斬に、俺が昨日の夜のことを説明する。
「実は僕と後輩は、とある不器用な男が助けたいという女性のために、学園都市の外にいる悪い奴らへ殴り込みをかけに行ってね。
無事にその女性を助け出し、今日の朝方また学園都市に戻ってきたというわけさ」
あまりにもぶっ飛んだ話についていけないようだ。だが、今喧嘩している二人の様子から本当のことなのだろうと、うっすら理解したようである。
流石にあれが誤魔化しかどうかぐらいは分かるだろ。
ふぅーー、これでインデックスや上条の悪印象は払拭して、安心して友達に…………おや?
「~~~~っ!!!!」
なんか、いきなり頭から湯気だして、茹で蛸みたいに顔を真っ赤にしているぞ?
……ははーん、こやつ。ようやく自分のドエロい勘違いに気付いたな?あの二人がそんな淫らな関係性なわけが無いだろうに。
会話してればなんとなく分かると思うんだけどなー?先入観というのは恐ろしいものだね。
だが、歳という概念があるかは知らんけど、一応先輩としてこの愛らしい少女に声をかけないとな。
今の羞恥をずっと味合わせておくなんて、そんな真似は俺にはできない。
「随分と顔が赤くなっているけど、どうしたんだい?」
ビクゥッ!と肩が震えた。話しかけただけだというのに、流石ににビビられすぎじゃね?
……ふぅー、全く悲しいなぁ。
「ふむ、今の話を聞いて何かショッキングなことでも分かったのかな?」
「ああああの、その、え、ええっとっ!」
「──それとも」
目をぐるぐるさせて涙目の彼女は、庇護欲を掻き立てられる。本当に魅力的な少女だ。
そんな素敵な彼女の目線に合わせるように覗き込む。
羞恥で真っ赤になって震える彼女に、慈愛の笑みと柔らかな声音を作って、優しく聞いた。
「もしかして、今まで何か別のことと勘違いしていたのかな?」
今の羞恥のさらに、向こうへ!
Plus Ultra!!
やめてやれ(切実)
鬼畜加減が一気に上がった気がする。
ちなみに、「借り一だぞ?」ってセリフはオティヌスからパクったりしてます。誰も気付かんよね。