ぶっちゃけセイバーの星五いないからセイバーが欲しいけどっ!ランサーはカルナいるから別にいらないけどっ!
それでも、手にいれましょうエルキドゥのためにっ!
「あの……もしかして、あなたは私のお姉ちゃんですか……?」
んなわけあるかい(真顔)
何を期待してんだこのドエロボディは?(ド直球)
俺にはちゃんと血の通った肉体があるだろ?中身空洞じゃねーもん。受肉したサーヴァントだから肉体があんのさ。
それを聞いた風斬はどこかしょんぼりとしてしまった。あっ、なんかごめんね?……いや、でも違うし……。
しかし、風斬は確信を持ってその言葉を言った。
「……だけど、あなたから私と同じような感覚がしますよ……?」
……なんですと?
何かとんでもないことを言われた気がする。
「私と同じように……いろいろな人のAIM拡散力場が、集まっているような気がします」
そんな馬鹿な……いや、ちょっと待て。いろいろな人のAIM拡散力場?もしかして
劣化模倣は相手をコピーするとき、僅かに
もももももしや、俺の中にも三角柱がっ!?
「
待て待て待て待て!まだ消化しきれてないのに、本人が知らん情報をポンポン出すなって!
ええっと、何だっけ?そうそうこの身体ね。この身体はエルキドゥを女体化した身体だよ?
まあ、受肉しているサーヴァントっていう変わり種だけど。でも受肉してるおかげで
……ん?そういや確か、エルキドゥって泥から神が作り上げた兵器じゃなかったっけ?そんなエルキドゥに上条が触ったら、風斬と同じく跡形も無く消し飛ぶんじゃあ……?
怖っ!!もしかしたら俺何も知らない間に、死んでたかもしれんの!?
え?何!?この身体って受肉してるだけじゃねえの!?もしかして、まだ秘密があるのか!?あの神やっぱり全然本当のこと話してねぇじゃねえかっ!!
そんな風にあり得たかもしれない未来にガクブル震えるが、とあることに気付く。
「(……あれ?じゃあ、何で俺に上条が触っても大丈夫なんだ?受肉ってのは人間になるってことじゃなくて、サーヴァント本来の姿になって現界することだったよな?
だったら、神秘の塊であるエルキドゥの身体に、幻想殺しが反応しないのは何でだ……?)」
今までは当たり前過ぎて気にしてもなかったが、よくよく考えるとこの身体はいろいろとおかしい。
「(神はFGOのエルキドゥを基に身体を作ったとは言ったが、人間の身体にするとは言ってはいなかった。美琴によるとこの身体には生体電気が流れていないらしく、純粋な人間とは言えないはずだ。
しかし、この身体に幻想殺しは反応しなかったということは、間違いなく俺は人間としてこの世界を生きている。
魔神のようにニュートラルで命が世界に馴染んでいるのか……?いや、この身体のエルキドゥはサーヴァント。
確か、本来の力よりも格落ちしているはずだし、神そのものではなくエルキドゥは神が作り出した兵器なのだから、それであの幻想殺しを防げるとは思えない。
だけど、実際にエルキドゥがこの身体に宿っている以上は、エルキドゥのように神秘に近い個体であることもまた事実)」
オリ主の身体は矛盾だらけだ。科学か魔術かという話ですらなく、人間なのかあるいは神の兵器なのか、そのすべての境界線が全く分からない。
「(
人間の身体。
神の兵器。
虚数学区の鍵に近いAIM拡散力場。
神からの特典。
そして、当初から表記されている『オリ主』という名前。果たして、彼がこの世界で与えられた役割は、本当に神に「愛」を示すことだけなのだろうか?
「これで満足かアレイスター」
窓も玄関も階段も通気孔さえ無い、異常極まるビルの中へ土御門元春は来ていた。ここに来るのでさえ土御門だけでは絶対に不可能だ。
『案内役』と呼ばれる
何故この場所に居るのかというと、土御門は魔術サイドと科学サイド、そして他の組織からの多角スパイであり、その実態は妹の土御門舞夏の安全を確保するため、アレイスターに付いているからだ。
そして、土御門は今回の件を目の前の『人間』から聞いていた。
「これでお前は虚数学区・五行機関の鍵を手に入れた。……俺にはお前が化け物に見えるぞ。
オッズどころかどんな博打をやるのかさえ分からないにも関わらず、オールインするような暴挙だぞこれは」
「何、自我を与えたのは一部分に過ぎん。例え爆発したとしても然したる影響はない。大局を揺るがすほどのことになどならんさ」
「ハッ!虚数学区・五行機関……
虚数学区は不安定な力そのもので、現実の世界に果たしてどの程度の力なのか、どの程度の規模なのか全く未知数の『衝撃』を及ぼす可能性がある。
そのために、
藪をつついて蛇ならまだしも、竜が出るかもしれないからだ。……正気の沙汰とは思えないな」
風斬が居た『陽炎の街』の正体こそが、虚数学区・五行機関。学園都市の学生が無意識に作り出すAIM拡散力場の集合体。
作り出された街並みは副産物でしかなく、その世界に在るもの全てが力そのものだ。
それは、いつどんなタイミングで現実の世界に、如何なる影響を及ぼすのか全くの未知数。しかし、それに自我を与えてしまえば話は変わる。
意識的にか無意識的にか計測し、交渉や脅迫が通じるとなれば、その不安定な力を逆に手中に納めることができる。
その虚数学区・五行機関の鍵こそが風斬氷華だ。
だが、どうして力の塊でしかない風斬に自我が生まれたのか?これは、先ほど土御門元春が言ったように幻想殺し。
つまり、上条が持つ右手の影響である。
生物は死の危険がなければ自我など生まれないのだ。痛みから恐怖から飢餓から、生物は死を感じ生きるために自我を獲得する。
ならば、AIM拡散力場の天敵となる力を、側に配置しておくとどうなるのか。
風斬氷華は10年ほど前から自我に目覚めたらしい。すると、一つの推察ができる。
もしかして上条当麻が学園都市にやって来たのは、そのときではないのだろうか?
AIM拡散力場を触れただけで、消滅させる存在が現れたことで自我が生まれて風斬氷華が形成されたのだ。
それから風斬は虚数学区を一人さ迷い続け、インデックスの肩を叩くときに何かしらの『衝撃』が起きて、この世界に現れたとするならば、いろいろ説明がつく。
「今回の件をお前はイギリス清教の魔術師を
魔術サイドの魔術師全員とこの小さな街が戦って、まさか勝てるとは思ってないだろうな」
「
「……ッまさか、風斬の役目は人工の天使!?ならば、虚数学区・五行機関とはただのAIM拡散力場のではなく、人工的な天界の構築が目的か!」
「さてね」
能力者が魔術を使うと起きるあの副作用が、虚数学区・五行機関が発動している場所では、魔術を使う魔術師にもそれが起きるなら、全ての魔術師は戦う力を一切失ってしまう。
そうなれば、飛び抜けた科学がある学園都市の独壇場だ。戦争とも言えないような蹂躙が始まる。
「(
世界の誰も気付いていないこの事実に、土御門のこめかみに汗が流れるが、それはアレイスターの企みだけではなかった。
そう、この時点でさらに一つの事実が明らかになった。
「(
実はあの協力体勢を組んだときに、これから起こることをあらかじめいくつか土御門は聞いていた。その一つが学園都市に現れる天使の存在。
そんな事が起きれば、間違いなく学園都市は滅んでいると思っていたが、学園都市の中で造られた人工天使なのだとしたら、丸っきり話は変わってくる。
まだ聞いた予知の一つ目だが、妄想の類いではないかもしれないのだ。
「(チッ!……協力者の存在が一番の悩みの種とはな。あの
そんな悪態を内心でつきながら、土御門は
風斬は幻想殺しによって死ぬ恐怖で、自我が生まれた。
ならば、死という概念は自我を保つ上で、必要不可欠なものなのだということが分かるだろう。
だが、オリ主はその感情が持ちにくくなってしまっている。
オリ主は『とあるの世界の物語』に関する記憶しかないため、この世界についてリアリティーを持てず、死の恐怖が希薄になってしまっているのだ。
…………だが、本当にそうなのか?
この世界の興味関心が高まったことによって、死に関してそこまで無関心になれるものだろうか?
ガブリエルの身体に入ったあと、すぐに適応して平然としていたのは?御坂美琴に全身大火傷を負わされ殺されそうになっても、数日後には打ち解けたのは?
現在もうすでに『アイテム』への恐怖を、微塵も感じていない理由は?
風斬が死の恐怖で自我が生まれたとしたら、オリ主の死の恐怖がすぐに消失してしまうのはどうして?
世界的に有名な建造物の中にその存在は居た。そこに辿り着くには、どんなに才能があろうとも並大抵の努力では到達できない場所だ。
しかし、そんな場所に女は当たり前のように存在している。周囲とは一風変わり、きらびやかな衣装を身に纏い、化粧をしたどこかの貴婦人のような女がだ。
その女は魔の物達に囲まれていた。
当然、そんな魔に属する異形の存在に、か弱い貴婦人が敵うはずもない。歯が刃のようにギザギザのものから、全身が鱗に被われているものまで多種多様な異形のもの達が、女をぐるっと覆うように目を光らせていた。
このままでは女のスラリと伸びた手足は、無惨にもその異形の化け物達に食い千切られてしまうのは、誰の目にも明らかだ。
しかし、彼女はか弱い貴婦人などではない。
彼女の周りををよく見れば、食われるどころかその化け物達を逆に従えているではないか。
そして異形の魔物はそのことに一つも不満を挙げることなく、粛々と従っている。その事がまるで至極当然であるかのように。
中心に佇むその美しき女は、そんな魔物達を足蹴にして暇を潰す。
その手に黄金の
オリ主は自分の身体に意識を向け過ぎていたのだ。エルキドゥについてももっと思考を割くべきだった。
エルキドゥは一度も聖杯が無いとは言っていない。あくまで「魔力も聖杯から直接注がれているように豊潤だ。これはマスターというよりも、まるで別のところから与えられているように感じるね」と、言っているだけなのだから。
触媒はオリ主が編み出していた、無意識に働くエルキドゥの言動。縁はオリ主の身体。そして、現在のスペックの向上は間違いなく偶像の理論である。
だが、そもそもエルキドゥはサーヴァントだ。とある物が無くては世界に現界できない。召喚など絶対に不可能なのだ。
つまり、この『とある魔術の禁書目録』の世界には存在する。レイヴェニア=バードウェイのように霊装などではなく、その実物。
聖なる杯が。
これでオリ主の秘密の三分の一くらいが、なんとなくわかったのではないでしょうか?
すみません。オリ主の表記についての説明は、どう考えても早すぎなのでそのときになったら説明します。m(_ _;m)三(m;_ _)m
あと、今後もしかしたら感想欄の予測には、返信しなくなるかもです。その返信したコメントでネタバレしてしまってはあれなので。
次の投稿は来月です。