とある原石の神造人形(エルキドゥ) 作:海鮮茶漬け
でも、手応えが薄いので本調子まで時間がかかると思います。
そんなこんなで94話です
翌日、学校があったため学生として当然の如く登校する。
本来なら授業の時間がくるまで小萌先生と話したりして、適当に時間を潰すのだが、介入しないとはいえエンデュミオンの進行具合を知りたいのは事実のため、上条のクラスへと向かった。
その途中で何人かの生徒から注目されるが、よくあることなのでもう一切気にしない。慣れって怖いね。
すると、上条のクラスの近くまで来てみれば、上条のクラスの教室から似非関西弁口調のテノールの声音が、教室の外まで響き渡っていた。
なにやらその声に真に迫るものがあったので、試しに耳を傾けてみると。
「ええか、上やん。アイドルを応援する醍醐味っちゅうのは青田買いにあるんやッ!!」
どうやら今日も世界は平和らしい。
「ちーっとばっか目を離すと、埋もれていたはずの子がいつの間にかメジャーになってしまうんや!一瞬たりとも気が抜けん世界やでえ!」
「ああ、そう……」
「特にアリサちゃんなんて、ビジュアル良し歌声良し笑顔良しスタイル良しの四拍子や。
当然有名になる前からファンもおってな?よくある古参のファンと新参のファンとの間に、どうやら確執ももう起こってるみたいなんや」
「ふぅん、俺にはよくわからん世界だ……」
「一般人の上やんには理解できひんやろなぁ。しゃーない、僕がそれを説明したる」
「いや、別に聞きたいとは言っt」
「古参のマウントを取りたい気持ちは僕にはよう分かんねん。それは愛情の裏返しや。
古参には俺の方がずっと応援してきたっちゅうプライドみたいなもんがあるんよ。ミーハーの奴らとは違う。俺達の気持ちは一過性のものとは違うんやで!みたいな気持ちがどぉしても沸いてくる。
でも、それが結果的にアリサちゃんの迷惑になるわけで。その事を考えたら自分の中にある葛藤を押し殺してでも、アリサちゃんの邪魔をするわけにはあかん。
だって彼女はみんなに夢を届けてくれてるんや。なら、僕らもその姿を曇らせることなんてできるわけがないやろ?
だから、僕としては夢を届けてくれるアリサちゃんの力になれるよう、古参新参関係なく彼女のシンデレラストーリーを見守ることこそが大事やと思っとるッ!!」
机に手をバンッ!と叩き付けて熱弁する青髪ピアス。相変わらずスゴい情熱だ(サブカルチャーと変態な事に対して)。
それを聞いた上条は辟易とした表情をしている。興味ない人に熱弁してその熱意が届くとどうして思ったのだろう?
「はあ……もうなんでもいいから寝させてくれ」
「どうしたぜよ上やん。なんだかお疲れみたいだぜい?」
上条の机に肩肘を付いて、頭の上から伺うように土御門が問いかけた。この友達特有の距離感って、上条の数少ない男子高校生としての日常の感じがしてエモいよね(ただの禁書ファン)。
「……居候が増えて枕も何もかも全部奪われた……」
「……枕も。全部。奪われた……」
すぐ近くからそんな声音が聞こえてきた。そっちをみれば地味な巫女少女こと姫神秋沙が、表情を変えずにそんな言葉を呟いている。
姫神がLOVEなのかLIKEなのかは知らないが、上条に好意を持っているのは間違いないだろう。原作でもそれについては詳しく明言はされていなかったはず。多分だけど。
なら、勘違いを正さなくてはならないな。一人の先輩として。
「──彼のことだからそう言った意味じゃないと思うよ?どうせ厄介事をまた背負い込んだんだろう」
「きゃっ!?」
女の子っぽい悲鳴が姫神から漏れたが、それも仕方ないだろう。突然あすなろ抱きされたらそりゃあ驚くわ。
それにしても今の声可愛い。スゴく女の子っぽくて個人的に100点です。
声と口調から俺の事が分かったのだろう。姫神が据わった目でこちらを見てくる。可愛い。
「……いきなりこういうことをするのは止めて欲しい。心臓に悪すぎる」
「これくらいは女の子同士のスキンシップの一環だろう?僕と君は同じロングヘアーの
「私はあなたほどに伸ばしてはいないから。同じというのにはいささか無理がある。同じ括りというのなら『原石』の部分だけ」
そう、地味すぎて忘れてしまっている読者がいても不思議じゃないが、姫神秋沙は『原石』の一人だ。
その能力は
食虫植物のように吸血鬼を誘い出し、自らの血を吸わせると吸血鬼を灰塵へと変えることができる能力。
この力は常に発動しているため姫神自身が操れるわけではないが、逆に吸血鬼だけに影響を与える能力のため、普通の人間に対する効力は一切無いことから、一般人として生活するのには苦ではなかったりする。
「(というか、日常生活でデメリットあるのって俺だけじゃね?……あ、いや、そうでもないか。上里ハーレム──もとい上里勢力の
暮亜とは上里勢力に居る『原石』である。
丸縁眼鏡で黒髪の長いおさげという風体で、どこかの誰かと同じように地味な女の子としか印象に残らなそうなキャラクターだが、その特異性は類を見ないものとなっている。
彼女はその能力の影響で細胞が人間よりも植物に近いものとなっており、体がフレンダ──もとい上半身と下半身を真っ二つにされても復元するという、驚異的な生存能力がある。
さらには、植物の能力だけでミサイルを作ることも不可能ではなく、アルコールを燃焼し高速戦闘までこなす、汎用性が非常に高い能力なのだ。
そんな彼女だからこそ暑さや乾燥には弱くなっている。それも『原石』である能力者の弊害だと言える。
「(まあ、俺のこれは特典だから勝手が違うんだけどさ。……うん?)」
そんなことを考えていると、周囲から今までの視線とは違ったものを感じた。どこか浮き足立っているようななんとも言えないかんじだ。
その事に首を傾げていると、青髪ピアスが元気な声で話し掛けてきた。
「そこにいらっしゃるのは天野お姉様やないですか!いやー、これはテンション上がるってもんですよ!」
「(う、うーん?それでこのテンションは何か違くないか?言葉にできないけど別の──ああ、なるほどっ、そういうことか)」
皆の視線がどちらかというと、姫神の首に回された腕を見ていることに気付いたオリ主は、いたずらっぽい顔をしてより姫神に密着する。
「どうだい男子諸君。彼女にこんな風に密着できる僕が羨ましいかい?これは女の子同士の特権でね。
僕と違って君達には、彼女の彼氏にならなければならないという高いハードルがある。それを思うと君達を不憫に思うね」
「……嫌ではないけど恥ずかしいから止めて欲しい……」
頬と頬が重なるほどに近いため、さすがの姫神とて恥ずかしく思うようだ。
すると、いきなり青髪が胸を押さえた状況で立ち上がり、何故か苦し気に言葉を発した。
「こ、これが…………三次元の、百合……かっ!……な、なんて尊いん……や…………」バタンッ
「いやー同じ学校の生徒ってのも、さらにあの状況に背徳感を増してるぜよ。二人とも美少女だから余計に絵になるにゃー。なっ?上やんもそう思うだろ?」
「……ノーコメントで」
地味めだとはいえ姫神は紛れもない美少女。そんな子にこんな堂々と抱き付ける俺を羨ましがるといい。ふははははっ!
そんなことを思っていると背後から、ただならぬ大声が発せられた。
「ま、まさか、あああああ天野せせせ先輩っっ!?!?」
「……うん?」
首を捻り後ろを見てみると、そこには「対カミジョー属性全ガードの女」にして、「美人なのにちっとも色っぽくない鉄壁の女」の
……いや、この名前のインパクトよ……。この単語を女の子のキャラクターに付ける先生パネェわ。
それよりも、重大なことがある。この吹寄だがその胸の大きさがなんと作中トップクラスの爆乳なのである。そして、確かどこかのサイトで見た情報によると女生徒系統では一番の大きさだとか。
皆さんお気付きだろうか?
その『女生徒系統』の括りがどこまでなのかは知らないが、もし学園都市に在籍している、全ての女生徒を含めているならば、
だから何?と一見思うかもしれないが、とあるアルファベットを知ればその認識も変わるだろう。
この英字は男のときはよく実感できずにいたが、女になったあとも余計に訳が分からん。どいうことやねんGって。もはやちょっと怖いわ。
Cとかって割りと平均ぐらいあるよね?何で英字が2倍した文字より先に行くんだよ。
文字はCと似ているのに一画足しただけで戦力差が段違いなんですけど?一体どいうことなのこれ?(錯乱)
そして、その雲川を超える可能性を持つ吹寄制理。しかも、高校生一年生。
……なんなの君、もしかしてレベル6?
ちなみにだが、姫神とのもう一つの共通点がさっきからやたらと話題にしている身体的特徴の英字であったりする。
「確か君は吹寄制理だったかな?僕に何か用かい?」
「あっ、えと、そのあの……っ」
「…………」
うーん?あ、あれ?吹寄ってこんなキャラだったっけ?
もっとズバズバしていて拳で言うこと聞かせる、真面目な堅物委員長みたいなキャラだったはずなのに。
こんな描写少なくとも原作には無いはずだぞ?
とはいえ、このまま放置するわけにもいかないだろう。先輩風というのは吹かせられるときに吹かしまくるというのが俺の持論だ。
まあ、やり過ぎて引かれないようにするという調整は必要だが。安心させるように目を合わせてなるべく優しく問いかけた。
「落ち着いて。ゆっくりでいい。君の話を聞かせてくれないかな?」
「ちちち近っ!?」
──なのだが。何故か吹寄は勢いよく後退った。
……何でさ?エルキドゥって美形だから、そんな身体ごと退くように動かすようなポイントなんて無いと思うんだけど……(困惑)
そして、勢いよく下がった吹寄は運悪く、通路にある鉄筋コンクリートの柱に足を引っ掛けて、後ろに向かって倒れ込む。
「きゃあっ!?」
このままなら、吹寄は背中やお尻を強打することは間違いないだろう。それどころか頭を打てばそれ以上の被害になるだろうことは想像に難くない。
予備動作無しの行動というのはそれだけで意表を突く。暗部に身を置き身体能力が高い土御門でも、これに反応することは難しいだろう。
しかしそれは逆に、普通の人間以上の身体能力があるなら、結果は変わるということでもある。
「──大丈夫かい?」
余裕で重力に従い落ちていく吹寄を捕まえ、地面への落下を阻止する。エルキドゥの力の一部分しか使えないのだとしても、これぐらいは朝飯前だ。
……エルキドゥありきなのでそこまで威張れることでもないけど。
まあ、でも一応マスターなのだから使う権利ぐらいはあるだろうし、エルキドゥもそっちの方が喜ぶため、結果的にはこれでいいはず。
でも、滞空回線があるから表に出せないのはごめんね?あの変態官能小説家の魔術師が全部悪いんだよ。
そんなことを思いつつ腕の中に居る吹寄を見る。ちなみにだが、普通に吹寄の腕を取って彼女の体勢を維持したのではない。
先ほども言ったが俺は先輩風を吹かしたいのである。格好付けるためにはそれだけだと印象が薄い。
そのため、俺が取った行動はよりインパクトがある絵面だ。
吹寄の腕を掴みながらその腰に手を添えたのである。
周りから見ればそれはダンスの一幕のようにも見えたかもしれない。
我ながら見事な救出劇を演出を作り上げたため、つい得意気な表情をしてしまいそうになるが(エルキドゥは微笑み程度しかしないためおそらく無理)、腰を掴む手から伝わる感触で驚愕に思考を塗り潰された。
「(腰細っそッ!!なんだこれマジもんのボンキュッボンか!?美人でこれとか、愛嬌さえあれば天下取れる逸材だぞこれは……っ)」
思わず冷や汗を流すオリ主。この状況で何を考えてるんだコイツ(呆れ)
微笑みを浮かべながら、内心では目の前の少女が持つポテンシャルに
言葉にならない言葉を発して、先ほど以上に目をぐるぐるさせた吹寄は一切の行動を停止した。
「きゅう……」
急に身体を弛緩させた吹寄に驚いていると、
「はーい!皆さん席に着いてくだ──えぇ!?吹寄ちゃん一体どうしたのですか!?もしかして、気絶しているのですか!?あと何で予鈴がなる寸前まで天野ちゃんがこの教室にっ!?」
「私、驚愕してます!」と言わんばかりの態度に逆に冷静になってしまった。小萌先生は本当に和むなぁ……。
…………あっ、結局上条に話聞いてないや。
◆作者の戯れ言◆
正直に言います。
実を言うと作者はおっぱいネタはあんまり好みではないのです。では、何故何回もおっぱいネタを繰り返すのか?それにはちゃんとした理由があります。
一つ、原作でもおっぱいネタは多くとりあつかっているため。
主に女キャラクターのマウントの取り合いですかね。
ここで重要なのが他のラノベでありがちな主人公がそこを指摘して馬鹿にしているのではなく、美琴が勝手にそう思ったり言っているだけなのです。
上条は大きい方が好みなだけで、そう言ったことでからかうことは(めったに)ありません(食蜂のときのことは見なかったことにする)。
だから仕方ないんだ!だって大正義の原作でも多くしているネタだもの!二次創作ならその要素も当然取り入れるのが礼儀だよね!?(ごり押しの言い訳)
それと、この頃スランプ気味なのでブレイクスルーのために取り入れました。
二つ、分かりやすいTS要素。
男女の違いで胸は明確な違いの一つと言ってもいいでしょう。これを書くことで読者の人たちに、オリ主がTSして男から女の子になったことを実感してもらうのが、何よりも手っ取り早いんです。
逆にそれ以外だと生々しくて話が浮いちゃう可能性があります。おっぱいネタですと読者の人も、「ああ、ギャグだわこれw」的なことを一目でお分かりになると思います。そのため、これもとあるの世界を壊さずに進めるための、配慮の一環となっております。
何故こんな弁明を長々としているかというと、ここまで読んでいただいた読者の皆様のお分かりの通り、今回の話はおっぱいネタがてんこ盛りだからです。
現状打破のために取り入れましたが、作者もここまで多く書くことになるとは思いもしませんでした(本音)
この94話まで長い間お付き合いしていただいただろう、読者の皆さんのことですから、「作者めっちゃノリノリじゃん(笑)」ぐらいで受け入れてもらえてることを願ってます。
要約:作者は個人的には好きじゃないですが、おっぱいネタは
重宝させていただいております。 かしこ