だからここでサヨナラだ   作:IS提督

2 / 2
第二話

第2話

 

「陸軍、比企谷 夜刀少尉、本日付で『第303遊撃隊』に着任致しました!」

 

「今日から此処が、貴官の所属する隊の責任官の田坂秀文少佐(たさか ひでふみ)だ

....ようこそ、歓迎する!」

 

千葉某所某基地、夜刀は着任を報告する為に部隊責任者の元へ来ていた。

 

敬礼をし、上官からの返礼、上官が手を降ろしてから手を降ろす。

 

この動作に何の意味が有るのだろうか?

入隊初期の俺にはこの動作の意味がよく解らなかった

 

面倒臭いがコレも軍人としてのモラルで有り義務だ...と自分を納得させ、この動作を行っていた。

 

しかし、今なら、戦場を生き抜いて来た今なら、この動作の意味が分かる。

 

この動作は文字通り、相手への尊敬の念を込めた動作なのだと

 

「おい、どうかしたか?」

 

秀文少佐に声を掛けられ夜刀は思考を今現在に戻す。

 

そもそも、敬礼は軍人としての挨拶、挨拶をするのに一体俺は何を考えている。

 

いかんな...どうやら現実逃避的な思考をしてしまった様だな...

 

「話を戻そう。もう知って居るだろうが、貴官に付いて貰う任は、国内における治安維持活動だ」

 

「...」

 

「1部の地域を除いた国民は何を勘違いしているのか、停戦にも終戦にもなって無いこの状況で完全に浮かれて居る。何とも嘆かわしい事か...」

 

「ハッキリ言おう。

国民は自衛の手段が解らない所か、自衛と言う言葉すら解らない可能性すら有る」

 

秀文少佐の言葉には夜刀自身も共感する。

 

事実、夜刀は前線から戻って来て間もない....と言うか、ほんの5時間前に日本の土地を踏んだのだが...。

そんな夜刀でもわかる程、国民は緊張感を持ってはいない。

 

「だが しかしだ、国民が「被害皆無」と言い、緊張感を持つ必要が無いのは、我々の働き様が良いからだろうな」

 

全く、優秀過ぎるのも問題だな!

 

豪快に笑いながら秀文少佐は言うが、全くもってその通りである。

 

彼らは、己を守ってくれる存在が優秀、故に、戦争とはこういう物だ『被害皆無』等と勘違いを起こして居るのだろう。

 

『被害皆無』...ある意味正しくて、本当の意味では間違って居る。

----------

-----

---

--

-

今から一年半程前、開戦直後のテロを除き『1度だけ』本土攻撃を受けた事があった。

 

当時、海外戦闘の派遣任務が終わり本土へと戻って来ていた。

8月25日の朝、何時も通りのラッパでの起床...の筈なのだが、この日は何故か異常事態を報せる警報音で起床した。

 

寝起きの働き難い頭でパニックになっている隊員も居たが、

 

「緊急事態だ!食堂に向かうぞ!」

 

室長の指示の元、最低限の装備を持ち集合場所である食堂へ向かった。

 

「諸君!心して聞いてくれ!」

 

神妙な顔をした司令官の話の元、隊員達に今現在の状況が伝えられていく。

 

「本日05:56に正体不明の艦15隻が、我が国の防衛ラインである第101艦隊と接触、交戦の後第101艦隊は壊滅。

正体不明の艦隊....敵艦隊は進路軌道を変えることなく本地域を目指している。」

 

そこまで言うと司令官は手元にあるコップに水を注ぎ、それを飲む。飲むとまた、直ぐに口を開く

 

「敵艦隊に対し、海軍が今現在も攻撃を行って居るがそれでも尚、敵艦隊の進軍を止める事が出来ない。敵艦隊の現在の速度で有ると、本地域への上陸まで残り二時間と言った所だろう。」

 

「そこでだ、諸君達は残り二時間の間に二つの隊に分かれて行動して貰いたい。先ず、第一隊は国民の避難誘導、...第二隊は敵の上陸に備え防衛ラインの構築を行って貰う。何か質問は?」

 

作戦会議室へと化した食堂には物音が何一つ起たない。

 

「...何も無いようだな。では第一隊と第ニ隊が、国民の避難誘導を。残りの隊は防衛ラインの構築を!

『状況開始!!』」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。