いつもこれくらいスラスラ書けるといいのに……
箒ちゃんが覚醒しました。
第2回戦
織斑一夏&シャルル・デュノア
VS
篠ノ之箒&ラウラ・ボーデヴィッヒ
第2回戦を前に既に会場の盛り上がりは最高潮を迎えていた。
理由は第1回戦の代表候補生2人による国対抗戦でもなかなか見られない様なハイレベルのコンビネーション。
そんな彼女達2人の活躍によって生徒達に向けられる期待は跳ね上がり、そしてそんな大きな期待に応えられそうな人物達が集まる試合こそがこの2回戦である。
割れんばかりの歓声が試合前にも関わらず響いているのも仕方のない話と言えよう。
「おっし。行くか、シャル。」
「う、うん。……緊張してないの?一夏。」
「してるに決まってんだろ。……けど、今はそれよりも、箒とラウラが前よりどれくらい強くなっていて、俺の力がどれくらい通じる様になったのか知りたくて仕方ないんだ。」
「……もう、タッグ戦だってこと忘れないでね。一人で突っ込めばそれこそ何も分からず負けちゃうよ。」
「分かってるって。頼りにしてるからな、シャルロット。」
「っ!う、うん!任せて、一夏!」
ガッと腕と腕をぶつけ合ってアリーナへと飛び立つ2人は、終始和やかなムードのまま観客席からの黄色い声援を受け止めた。
一方でその対抗馬の二人はと言えば……
「ラウラ・ボーデヴィッヒ、作戦はどうする?私としてはデュノアとやりたいのだが。」
「……好きにしろ。」
「……そうか、ならば好きにさせてもらおう。」
一度も顔を合わせることもなくアリーナへと辿り着いた。チームワークなどそこにはカケラも存在せず、暗い顔をしたまま俯くラウラと、少しの困惑をしつつも相手をしっかりと見据える箒の姿がそこにあるだけであった。
『試合開始っ!!』
両サイドに会話をさせる暇すら与えず問答無用で開始を告げられたこの試合、まず始めに飛び出したのは勿論一夏。
それは無策で飛び出したわけではなく、事前に話し合っていた様に最初に箒を叩く為の囮としての隙見せ。彼には似つかわしく無いそんな器用な芸当を、しかし普段から隙の多い一夏は殆ど無意識で十分に果たせていたことは間違いない。
「おっしゃ!行くぜ!シャル!!」
「うん!任せ……ぅえっ!?」
「シャル!?」
……ただ、一番はじめに飛び出したからと言って、想定していた役割をしっかり果たせたからと言って、それが先手を取ることに直結する訳ではない。
開始の合図とほぼ同時にシャルロットの顔面目掛けて打鉄の剣刀が飛来していたことに気付いていたのは、その会場の中でも教師陣のほんの一部の者達だけであった。
当の本人であるシャルロットでさえもISから警戒表示を受けるまでは気付くことができず、間一髪武装を犠牲にガードには成功したものの、その時点で既に"彼女"の術中にハマっている事に気付けてはいない。
「一人目……」
「シャル!!」
あまりにも重い金属音がアリーナへと響き渡った。
衝突覚悟で行った一夏の瞬時加速による割り込みは偶然にも最高のタイミングと角度で成功し、飛来した打鉄の刀を影にシャルに接近していた箒の一撃を首筋に当たる寸前で逸らす事を可能にした。
しかし箒の普段とは違う熱さの無い鋭く冷たい瞳がそんな奇跡的なガードを行った一夏に対して一瞥すらせず、今でもただただシャルロットの首筋を見ている事に、2人は背筋を凍らせる。
「このっ……!!」
「っ!」
意識の隙間を掻い潜る様にして懐へと迫っていた箒の一撃はその隠密性と訓練機という名目からは考えられない程に重く、シャルロットは攻撃を逸らしただけで体勢を崩された一夏を抱えて重火器を乱射しながらその場を離れることしかできない。
しかしそんな弾幕を物ともせず、時には弾丸を刀身で跳ね返すなどの訳の分からない芸当で無傷でその場を離脱していった箒である。
タッグの雰囲気と会場の歓声、そして一夏の威勢により作り始められていた試合の流れは、しかし彼女のその一瞬の攻防劇によって見事に途切れさせられてしまっていた。
「は、はは……。な、なあシャル、今の見えたか……?」
「ごめんね一夏。期待に添えなくて悪いんだけど……僕、ほんとに何も見えなかった。一夏が居なかったら終わってたね。」
「気にすんな、俺もほとんど勘だったし……ラウラが動いてたらマジで今ので終わってたな。」
この場で驚愕していたのは何も対している2人だけではない。
意思疎通の取れていなかった味方でさえも、肩を並べる少女のその異様な戦いぶりに目を奪われ動けないでいた。
凡人には理解できない異常な戦闘力の片鱗。それこそ、かつて最も敬愛していた彼女の尋常ならざる戦いぶりによく似た……
『……漸くか、篠ノ之。』
そんな声が聞こえた気がして振り向くが、当然そこから建物の中にいるであろう彼女の姿を見ることはできない。
ただ彼女によく似た雰囲気が自分の隣にいる少女から感じられるというだけで……
「デュノア、悪いが少し付き合って貰おうか。」
「……あはは、ご指名入っちゃったよ一夏。全く勝てる気がしないんだけど、どうしたらいいかな僕。」
「気にすんな、俺がやるよりは絶対可能性あるから。今の箒と接近戦なんかしたら5秒も保たない気がする。」
「それだと引き撃ち一択で一夏のフォローもできなくなっちゃうんだけどね……背後から刺されない様に気を付けてね。」
「……まじかよ。」
先の攻防を見て、今の箒を相手に例え一瞬であっても目を背ける勇気はシャルロットには無い。
近距離戦闘もこの少しの間でそれなりに勉強はしたが、その道のプロフェッショナルであり、かつ謎の覚醒を遂げた箒を前にしては何の役にも立たない。
今のシャルロットに出来ることは、少しでも長く彼女を引き止め、一夏が単独でラウラを撃破する事を祈る事。
停止結界を持つラウラに1対1で挑むなど無謀に近いが、それでもどう考えても他の選択肢よりは可能性が高い。
ぶっちゃけ今の箒に対しては対処を間違えれば2対1でも負ける可能性が十分にある。それにあまり距離を取りすぎると今度は一夏を狙う危険性があるので、彼女を惹きつける事にも集中力が要される事を予想すると、これ以外の選択肢がないと言っても良い。
箒の存在はそれだけで試合の流れを決めつけるほど強力なものになっていた。
「……うわぁ、可能性は予想はしてたけど引き撃ちでも引き離せないね。篠ノ之さん、それってほんとに訓練機なのかな?これでも本来のラファールよりは加速性は高い筈なんだけど。」
「無論、多少脚部の装甲は増しているがな。訓練機とは言え、元々の推進力に脚力を加えればこの程度は容易だ。」
「あはは……ただの直線移動でならまだしも、銃弾を避けながらの最高速複雑軌道でそれをするのはただの自殺志願者にしか見えないよ……」
一般的な打鉄とは掛け離れた速度で走って追いかけて来るその様は正しく獲物を狙う蛇の様で、両手に重火器を持ち過剰だと思われる程に乱射しているシャルロットに対しても必要最低限の動きで潜り抜けてくるその様は最早人間の所業と言えるかも怪しい部類だ。
「デュノア、時間稼ぎなど考えるな。全力で私を倒しに来い。そうでなければ今直ぐ一夏を狩りに行くぞ?」
「……それはまた変な脅しをかけるね。確かに篠ノ之さんと一夏の相性は最悪だけど、そんなことを僕が許すと思う?そこまで好き勝手できるほど実力差があるつもりは無いんだけど。」
「それを踏まえてでも可能にできる手段が私にあるとは考えなかったのか?」
「……なんだか篠ノ之さん、少し怖くなったね。」
「好きに言うといい。私のこのトーナメントでの最大の目的は、本気の貴様の打倒だ。その為ならば多少の手段を選ぶつもりはない。」
「え、えぇ……」
何故自分が彼女にこれほどに強く執着されているのかシャルロットには全く身に覚えがなかったが、それでも真っ直ぐな彼女がここまで言うほど自分との戦いを求めているということだけは分かった。
そして、それに妙に嬉しさを感じた。
確かに今の彼女ならば自分を一時的に無力化してその間に一夏を狩る様な手段を持っていてもおかしくない、そう思えてしまうくらいに未知数に溢れている。
だがそれ以上に、シャルロットのIS操縦者としての側面が、どうしても彼女との本気の戦いを求めてしまう。
同じIS乗りとして彼女に負けたくない。
代表候補生として逃げたくない。
違う話ではあるけれど、彼女には女としても負けたくない。
タッグマッチ故に勝手な行動は許されないという最大の枷もまた箒のその一言によって破壊されてしまった。
敵の言葉にまんまとハマってしまうのは良くないということは分かっているが、それでもその欲を押さえ付けられるほどシャルロットもまだ大人の女では無い。
「……いいよ、その話乗ってあげる。」
「ほう。」
「けど、一つ条件。僕と篠ノ之さん、どっちが勝ったとしてもラウラと一夏の戦いには干渉せずその場で棄権って形にして欲しい。」
「ふむ……私としては別に構わないのだが、そちらもそれで構わないのか?確かにリスクは減るが、リターンも減ることになるぞ?」
「こっちの作戦はラウラに勝った一夏と一緒に篠ノ之さんを倒すって話だったからね。一夏がラウラを倒すだけでいいのなら、そっちの方がいいに決まってる。」
「……ということだそうだが、構わないか?ラウラ・ボーデヴィッヒ。」
『うるさい!!私がこんな男に負けるはずがっ!ぐうっ!!あるものか!!』
「……だそうだ。その条件で構わない、こちらも好きにさせてもらおう。」
先程まで暗い顔をして盛大に鬱になっていた少女が、今では何故か激昂している事に訳がわからずといった様子で呆れる箒。
しかし、ふと自分の手元に目を向けた時、思っていた以上の力が籠って握り締められていた事に気付き、気持ちを落ち着ける様に深呼吸を繰り返す。
「……全く、やはりこればかりは一朝一夕では治らんな。」
「何の話?」
「……いや、なんでもない。それより、もう言い残す事は無いな?ラウラと一夏の方が先に終わってしまえば元も子もない。」
「うん、そうだね。……じゃあ、いくよ?僕も手段は選ばないからね?」
「望むところだ……!!」
そう言ったシャルロットがまず始めに取り出したのは種類の異なる二丁のショットガン……ISの使用する兵器なだけあり、その大きさは尋常では無い。そんなものを両手に持っていればぶっ放す反動だけで飛行バランスが崩れてしまうのは容易に想像できる。
しかしシャルロットの顔は真剣であった。
「さあ!これが本物の弾幕だよ!!」
「一体何を……っ!?」
次の瞬間、箒はそれまで以上の速度でその場を離脱し、直後アリーナ中に幾千ものアリーナのバリアが弾く音が響き渡る。
「くっ、これは……!」
「マシンガン系統の武器だといくら連射しても着弾にズレが生じて、そこを起点に避けられてしまう!だったらそんな隙間を無くせばいい!」
「!!」
「ラピッド・スイッチによるショットガンの高速切り替え!加えてこっちの容量はIS界最大!被弾0はあり得ないよ!」
「ぐぅっ、これしきで……!」
この日初めて箒に対して少しではあるがダメージが入った。
高速切替+両手交互打ちのショットガンの波を前にすれば当然の話ではあるのだが、それでもこの先制ダメージの意味は大きい。
……もちろん、そんな極限まで減らされた波間を器用に捉えて潜り抜け、被弾数をありえない程に減らしている箒の対応力がシャルロットの精神に与えたダメージも間違いなく大きいのだが、それは今は置いておく。
「リロードしてる暇は……ないか!」
「っ、勝機……!!」
ショットガンを高速切替で連射するのはいいが、リロードを無視したぶっ放しをこれだけすれば高速機動機体相手ではこの戦法は最早捨てるしかない。
次にショットガンを使用したくとも、取り出した時点でリロードを挟まなければならないという欠点もある。加えてあれだけの衝撃の中で照準を逸らさないために地に足を付けて連射していたこともあり、今は完全に無防備だ。
ダメージを与えたはいいが、戦法的にはここで仕留めることが当然であった。
それができなかった以上、この瞬間は間違いなくマズイ。
「高速切k……『遅いっ!!』
大楯を具現化する寸前でその右腕を弾き飛ばされる。
居合の要領で振り抜かれた刀は正確にシャルロットの右手を攻撃し、そのまま流れる様にして身体を反転させ、体当たりで彼女の身体を空へと打ち上げる。
「篠ノ之流剣術……舞葉ッ!!」
「させないっ……!」
両手に持った剣による高速の三連撃。辛うじて取り出した軽小の盾によって装甲の薄い部分への被害は防げたものの、残りの2撃は完全に無抵抗なシャルロットの身体に叩き込まれ、彼女の身体は大きく吹き飛ばされる。
だがそれでも、箒の追撃は止まらない。
……不自然であったからだ、その吹き飛ばされ方が自分の想定したものよりも大きかったという点で。
「瞬時加速か……!」
「これでも僕の方がIS経験は多いんだ……簡単には負けないよ……!!」
「っ!」
そう言って両腕に取り出したのは先程弾き飛ばされたのとはまた形状の違う、両腕に取り付ける形の大楯。
しかし肝心の両手には何も持っておらず、攻撃武器が皆無という奇妙な状態。
不審に思った箒であるが、シャルロットが未だに姿勢を崩しているのは疑いようのない事実であり、未だ攻撃のチャンスであるということも間違いがなかった。
「その程度の盾で防げると思うな!!」
「防ごうだなんて考えてないよ!!」
箒の振り下ろした両剣がシャルロットの身体に向けて振り下ろされる。
それに対してシャルロットもまた大楯を動かすが、防ぐのではなく広げる様にして動かされた大楯の影からは見た目だけでも凶悪な恐ろしい兵器が姿を現していた。
……そして同時に、箒の足元で爆発する閃光弾。
(まさか吹き飛ばされる瞬間に……!?)
光に包まれる瞬間に箒が目にしたのは、こちらの攻撃に何の対処もすることもなくただその凶悪な兵器をぶつける事だけを考えて突進するシャルロットの姿。
「くっ!!こっのぉぉ!!」
「一発逆転!!……とは行かなさそうだけど!!今回はこれで引き分けだよ!!」
ズガンッ!!
観客席の者達ですら恐ろしく思えてしまうほどの鈍い音が会場中に轟いた。
大楯の影から現れた二本の盾殺しは、盾を持たずハイパーセンサーはあるものの突然の爆発に一瞬の隙を見せた箒の腹部に直撃し、一方で箒の振り下ろした剣もまたシャルロットのシールドエネルギーを0にまで持っていった。
どちらもほぼ同時にエネルギー残量が尽きてしまい、そのまま動かなくなったISの安全装置によって地上へとゆっくりと降り立つ。まだ試合の途中であるにも関わらず、観客席からは大きな拍手が届いていた。
「……その武器の名前は、なんというのだ?」
「灰色の鱗殻(グレー・スケール)……盾殺し(シールド・ピアーズ)なんて呼ばれ方もするね。あはは、僕には似合わないでしょ?でも実はあんまり嫌いじゃないんだよね、これ。」
エネルギー切れで動かなくなった自身のISに包まれたシャルロットはニコリと笑った。その綺麗で愛らしい容姿に似つかわしくない威圧感を放つその武装を至極愛おしげに見つめながら。
「ククク、そんなものがあったとは。母さんの言う通りだな、最強の自分はまだまだ遠いらしい。……だが、やはりデュノアと戦ったのは間違っていなかったな。」
「……篠ノ之さんが努力したのも、やっぱり綾崎さん絡み?」
「……それこそ無論だ。」
シャルロットの問いに箒はISを解除して立ち上がりながら、神妙な顔つきで答える。俯きがちに、けれどその瞳に確かな意思を燃やして。
「私は、母さんを……いや、綾崎奈桜という少女を守れる存在になりたい。将来に不安と悲劇が待っているにも関わらず、それでも他者の負担を肩代わりし続ける、誰よりも優しい彼女を。」
「………」
「その為ならば私は一夏への想いすら封じ込めよう。どれだけの苦辛を味わおうとも、その為の力を付けよう。……私はもう二度と、母さんのあんな姿は見たくないからな。」
それは篠ノ之箒の心からの叫びだった。
入学して、一夏と再会して、自身の癇癪のせいでギクシャクとしてしまった彼との関係を直してくれたのは偶然にも訪ねた寮監室に居た彼女だった。
初めこそライバルになると警戒していた彼女は自分が見たこともない様な聖人で、欲に塗れた人間ばかりに囲まれていた箒にとっては幼い頃に別れた両親以来の甘える事を許してくれる人物で……
気付けば一緒に居る時間が多くなっていた。
彼女の影響を誰よりも強く受けていたし、彼女と一緒に居るだけで自分まで心の中が洗われていくのを感じた。
実際に彼女と過ごす様になってから一夏に対する暴力は減り、自身の許容できる範囲も増えていた様に感じる。
放課後に一緒に料理を手伝っている時は、映画やドラマでしか見たことが無いような母親に料理を教えて貰う娘の様になれているようで本当に楽しかった。
不器用な自分が裁縫が上手くいかなくとも手に手を合わせて優しく導いてくれた時には、恥ずかしながらも何年もの間ずっと出来ていなかった様な自然な笑顔が出来ていたことを覚えている。
どれだけ一夏の愚痴を言っても彼女は嫌がらずに聞いてくれて、行き過ぎた時には注意してくれたし、本当に悲しくなった時には誰よりも親身になって慰めてくれた。
……出会って数ヶ月しか経っていないにも関わらず、綾崎奈桜という女性は箒にとって誰よりも重要な存在になっていた。
頼れる家族がいない彼女にとって、心を打ち明けられる人間がいない彼女にとって、綾崎奈桜という少女の存在がどれだけ救いになったことか。見ず知らずの他人である自分に本当の母の様に接してくれる彼女は、箒にとって自分に会いにも来ない家族よりも大切な女性だ。
……だから、もう二度とあんな痛々しい格好をしている彼女の姿は見たくない。
かつて千冬が言った様に例え彼女の将来に悲しみしか待っていないとしても、それでも自分を救ってくれた彼女には誰よりも幸せになって欲しい。
様々なしがらみに囚われて千冬が動けないのならば、自由に動くことのできる自分が千冬になればいい。
誰にも有無を言わせず、その存在だけで誰かを守ることのできる強い力。それを得ることこそが奈桜を守ることに繋がるのだと、箒は本気で信じていた。
「デュノア、私はこれから先も努力を惜しむつもりはない。例え千冬さん程の力を得たとしても、そこで満足するつもりは毛頭無い。そうでなければ母さんは救えないからだ。……お前は、どうする?」
鈴音とセシリアもまた自身のプライドを捨ててまで力を手に入れる努力をした。一夏もまた本物の強さを手に入れようとしている。
そしてデュノアもまた奈桜を慕っているということは箒は分かっている。
それを知っていて、彼女は聞いている。
シャルロットの選択を。
「………僕には僕の考えがあるから。人を救う方法は、何も力だけじゃないよ。」
「……そうか。それも、道理だな。」
そうして2人の戦いは引き分けに終わった。
けれど、僅か数ヶ月で専用機持ちの代表候補生と引き分けた箒の存在は観客の目に強く印象付けられた。
そしてシャルロットの瞳にもまた、決意に満ちた箒の姿は強く刻み付けられていた。
箒ちゃんは時間のある日は殆ど寮監室で奈桜と花嫁修行をしていました。
そうでなくとも鈴音ちゃんとの初邂逅シーンの様に奈桜と一緒にいる時間が最も多かった人物だったりします。
実はヒロインズの中では奈桜に対する好感度が最も高くて、奈桜が怪我をした時にも尋常じゃないくらい傷付いていたんですね……
性別がバレたら一体どんな反応をしてくれr……