このすば カズマが冷静で少し大人な対応ができていたら。 作:如月空
ダクネスをパーティーに迎え入れた俺達は5人で町外れの川原に来ていた。
「そういえば、この辺りだったか。」
俺がこの世界に来たときに初めて訪れた場所だ。
そういえば、その時に敵意を感じたんだよな…アレは結局何だったのだろうか?
「えーっと、この辺でいいですか?」
ゆんゆんが皆に確認を取る。
「そうね!いいと思うわ! …私お腹がペコペコだから、もうここにしましょ?。」
「そうだな、此処でいいか。めぐみんも頼む。」
「フフフ、私の実力を見るといいです!」
不敵に笑うめぐみんは持ってきたバスケットの中身を皆に配る。
「「美味!」」「ほう、これはなかなか…」
めぐみんが作ってきたサンドイッチや揚げ物は想像以上の美味しさだった。
キャラ的に料理は苦手だと思ってたからコレは意外だ…
「めぐみん、昔から料理は得意だったよね。」
「フフフ、当然です!どうですか?カズマ。」
めぐみんは得意げに聞いてくる。
「本当美味いよ!めぐみん!これなら毎日でも…」
言いかけて、俺は気づく。これじゃあ、プロポーズしているようなもんだ!
「あらあらー、カズマさんってば!こんなところでそういうこと言ったらだめよー?
ちゃんと、二人っきりの時に言わないと!」
「ふぇええ!や、やっぱり…めぐみんとカズマさんは…」
思いっきりからかってくるアクアと、顔を赤くさせて目を輝かせるゆんゆん。
「い、いや、ちげーよ!お前ら勘違いするなよ!?…ただ、それくらい美味いって思っただけだよ!!」
俺が慌てて弁解していると
「…そうですか。カズマになら毎日作ってもいいと思ってたのですが…」
そう言って、俯くめぐみん。でも口元が笑っているのを俺は見逃さなかった!
「こんな時に魔性のめぐみんになるのはやめろください!」
ばれました?と言って舌を出すめぐみん。
…やっぱりこいつは俺をからかっているだけなのだろうか?
「ふむ、二人は恋人同士だと聞いていたのだが違うのか?」
黙って事の成り行きを窺っていたダクネスがとんでもないことを口走る。
「「…え?」」
俺達は同時に固まってしまい、お互いに顔が赤くなる。
「だ、だれがそんなことを?」
恐る恐るダクネスに聞くと
「誰も何も、先日この町に戻ってきたときに色んなところで聞いたぞ?」
ちょっと待て!どんだけ広がっているんだ!?
「あー私もカズマを探していた時に聞いたわよ?
曰く、アクセルの爆裂コンビ。曰く、何処へ行くも常に一緒に行動しているバカップル!
曰く、幼子を連れまわす鬼畜のロリマさんと、それに付き従う頭のおかしい爆裂娘!」
「誰が鬼畜のロリマさんだっ!」「誰が幼子で頭のおかしい爆裂娘ですかっ!」
たまらず俺達は突っ込みを入れた。
「い、いやねー私が言ってるわけじゃないのよ?」
俺達の剣幕にアクアがたじろぐ。
「でも、バカップルの部分は二人とも否定をしないんだね?」
ゆんゆんが聞いてくるが
「それはまぁ…客観的に考えたら、そう思われても仕方ないと思ったし。」
「そうですねー。しかも私は爆裂魔法を使った後に、カズマに背負われていましたし。」
冷静に考えると恋人に見えなくもない。少なくとも仲は良いんだから。
そういえば、好奇の視線を向けてくる連中が多かったな…
「…他にどんな話があるんだ?」
アクアが首をかしげる。他はないのだろう。
「ふむ、今日新しく聞いた話だと…女性を粘液まみれにする特殊プレイが好きな鬼畜男だと――」
粘液と聞いてピクっとするめぐみんだったが
「私はそんなことされた覚えはありませんけど?せいぜいパンツを盗まれたくら…」
めぐみんは失言に気づいたが、既に遅くアクアとゆんゆんが引いている。
「…カズマさんがそんなことをする人だったなんて…」
ゆんゆんは自分の体を抑えながら後ずさる。それを守るようにアクアが
「ゆんゆん!安心して!私がこの鬼畜男から守ってあげるからね!!」
そう言ってアクアはこちらを威嚇してくる。
「そ、そんなことしねーし!ゆ、ゆんゆん信じてくれよ!」
「…カズマがゆんゆんにするかは兎も角、カズマが私の下着を盗んだのはスキル訓練ですよ。」
フォローしているのかよくわからなかったが、スキル練習の一環だったのは間違いない。
「そうだ!めぐみんの言うとおりスティールの練習で盗っただけなんだよ。」
めぐみんに追随して弁解をする。
「まぁ、毎回パンツを盗られますけどね。」
.あっさりめぐみんに裏切られてしまった。
そこに何か興奮したようにしているダクネスが
「カ、カズマ!そのスティールだが私に掛けてくれないか!?」
顔を赤くし鼻息荒くアホな事を言い出すダクネスに
「やらない!」
「んん…!?くっ…」
身悶えていた…
え、ええ…もしかしてこいつ…
「で、では私を口汚く罵ってくれないか?」
「うるせえよ!この変態!」
「んん…!!」
ダクネスをパーティーに受け入れたのは早まったかもしれない。
そのまま夕刻頃までのんびりと過ごしていると
『緊急!緊急!全冒険者は装備を整えてギルドに集合してください!!』
緊迫した放送に皆は顔を見合わせる。てか、放送機械なんてあったんだな。
「何かあったようだ。戻ったほうがいい。」
ちょっと前まで変態してた奴が、騎士らしくキリっと言う…ずっとそうしててくれないか?
――――…
ギルドに戻ると、見たことないほどの冒険者の人数と騎士がいた。
「皆さん御集まり頂きありがとうございます。説明致します――」
ルナさんの説明によると、大物賞金首がアクセル近郊の森で見つかったらしい。
今は王都で有名な勇者パーティーが後を追いかけているらしい…
王都から派遣された冒険者パーティーや騎士達は勇者の援護。
俺達駆け出しは寄って来た魔物を追い払う等の援護をしないといけないらしい。
「王国騎士団出陣せよ!冒険者も続け!!」
純白のスーツに身を包んだ、女性が号令をあげる。
…なぜか、ダクネスは俺の後ろに隠れているが…?
騎士団と冒険者達がギルドを出て行き俺たちだけが取り残される。
「あれ?カズマ行かないんですか?」
「あんだけいるなら俺達の出番なんてないだろう?」
俺達よりも遥かに強そうな連中が集団で向かったんだ。
「…いや、そういうわけにもいかない。今回のクエストは参加可能な冒険者は全員参加だ。」
「えー?お腹減ってきたんですけどー!」
アクアがごねる、俺もアクアと同意見なのだが
「あ、アクアさん!今回は行かないとまずいですよ!」
ゆんゆんがアクアを説得する。仕方ない…
「しょうがねぇな!さっさと終わらせて飯にしようぜ!」
4対1になったのでアクアは渋々了承する。
アクセルを出て俺達は森に向かっている
「もう、終わってるんじゃねーか?」
「いや、まだだろう。戻ってくる者が一人もいないからな。」
突然アクアが駆け出して俺の前へ出てくる。
「おい、ちょっと待て。俺より前に出るな!お前敵感知なんてできないだろ?」
俺はアクアの腕を掴んで止める。するとアクアは
「カズマ、放して頂戴!さっきから、なめくじみたいな連中の匂いがするのよ」
「なんだ?なめくじって、蛙みたいな化けもんか?」
ジャイアントスラッグってとこかー?俺がそんなことを考えていると
「違うわよ!…悪魔よ。それもとびっきりの奴よ!」
「悪魔ですか。…アクアがそれほど言うのでしたら大悪魔クラスでしょうか?」
「大悪魔!?あ、アクアさんもしかして戦う気ですか?」
めぐみんが大悪魔というとゆんゆんも慌ててアクアを止める。
「大丈夫よ!ゆんゆん。忘れたの?私は女神なのよ?」
アクアの女神と言う発言で、めぐみんがこちらを見て確認してくる。
俺が否定しないだけでめぐみんは理解したようだ。
「アクア?本当に倒せるのですか?」
「ふふん!私を誰だと思っているのよ!堕天して本来の力は出せないけど、
それでも大悪魔なんて簡単に浄化できるわ!」
アクアが女神としての力が強いのは支援魔法でわかってはいたが…
こいつアホなんだよなぁ…
「アクア!本当にやれるんだな?」
「ええ、勿論よ!」
「わかった。協力はするから俺の指示には従え!蛙の時みたいに余計なことするなよ?」
俺が念を押すと
「う…わかったわよ!またヌルヌルとかなりたくないしね。」
「…!ヌルヌル!?んん!!」
アクアの発言で変態にスイッチが入ったようだが無視をする。
「放置プレイというのも…なかなか…!!」
「もういい、お前とりあえず喋るな!」
「んん…!!」
悦ばせてしまった…
俺達は先ず、潜伏で移動して件の悪魔を見つける。
…思ったんだが、これが討伐目標でいいんだよな?大物賞金首の…
一瞬やる気をなくしかけたが、気を抜くわけにはいかない。
悪魔を発見した後は、アクアのセイクリッドエクソシズムで先制。
アクアの話を信じるのであれば、それが直撃した時点で悪魔を送り返す事ができるらしい。
万が一外した場合は、ダクネスが前に出て悪魔を押さえ込む。
俺とゆんゆんは遊撃だ。めぐみんの爆裂魔法は奥の手ということで、手札に残す。
開けたところに誘導できれば、いつもの連携で消し去れるだろう。
尤も。アクアの退魔魔法で終わりそうだが。
敵感知スキルの最大範囲に一際大きな反応が引っかかる。
「…アクアそろそろ全員に支援魔法を掛けてくれ。」
「わかったわ!」
アクアが一通りの支援を掛け終え、潜伏移動を再開しようとすると…
「あの勇者サマ、まんまと罠にはまりやがって。」
「それにしたって、何だよ!あの悪魔はよー!!」
喚き散らしながら、冒険者達が戻ってくる。
「くっ…!撤退を急げ!」
騎士団を指揮していた女性も撤退し、騎士達がそれに続いた。
感知が反応している方向では未だ怒号と剣戟が聞こえてくる。
勇者って奴がまだ耐えているのか?罠にはまったらしいがまだ戦っているのか。
「どうする…?予定と変わっちまったが…」
「まだ戦っている者がいる。見殺しには出来ない。」
ダクネスがこちらをまっすぐ見据えてくる。
「わかった、だが無理だと思ったらすぐテレポートで逃げるからな。」
覚悟を決めて移動を再開する。
戦闘区域に入ると、鼻に大きなひっかき傷を持つ大柄な男が大剣を操り、悪魔と戦っている。
目つきが鋭く気の強そうな女性が槍を構え、傷つき膝を突いている男を守るように立っていた。
俺はめぐみんから杖を借りて、アクアと共に構える。
「「『セイクリッドエクソシズム!!』」」
「!?・・・!!!」
俺達が放った一撃は直撃させることができず、俺はめぐみんに杖を返しながら弓を構える。
「『狙撃!』」
俺の放った矢が足に当たり、悪魔が一瞬動きを止める――
「『セイクリッドエクソシズム!!』」
再び放たれたアクアの一撃を今度は避けきれず半身が焼かれる。
悪魔がこちらに向かってくる!
「ダクネス!!」
俺の呼びかけにこたえるようにダクネスが悪魔の一撃を止める。
「『ライトオブセイバー!』」
ゆんゆんの魔法が悪魔に刺さる。
「『セイクリッドエクソシズム!!』」
アクアの一撃を避け大きく間合いを取る。
「っち、こんな連中までいたとはな。予想外だったぜ!」
悪魔はそういって逃げるそぶりを見せるが――
「お前は…あの時の小僧か。しかも退魔魔法を撃った奴は…ん?」
悪魔は俺とアクアを見て何かをつぶやいたと思ったら後方にいためぐみんを見つめる。
「そういうことか…」
悪魔は何かつぶやいたと思ったらめぐみんの方へ駆け出す――
「!?させるかよ!!」
俺は割って入り
「邪魔だ!」
思いっきり殴られてめぐみんがいる方にそのままぶっ飛ばされる。
いてえ!!マジで洒落にならねえ!!
俺は涙目になりながら立ち上がる。
「『ヒール!』」
アクアからヒールが飛んでくる、痛みは大分引いたが恐怖で立っているのがやっとだった。
「小僧、邪魔をするな。俺はそちらの紅魔の娘に用がある!」
「…へ、俺はこいつの相棒なんだ。まずは俺を通してもらおうか?」
俺は震えながらも強がりを見せる。
正直こんなのは俺のキャラじゃない。でもめぐみんを守りたい!
ヘタレでも臆病でも!好きな女くらいは守れる男になりたい!!
俺は震える手で構える――
「わかった。なら小僧を排除してからその娘と話すとしよう。」
「「「カズマ!!」」」「カズマさん!」
悪魔が突っ込んでくる。…ここだ!
「『ライトニング!!!』」「『バインド!!』」
俺はありったけの魔力を込め悪魔に放つ。
「ぐう、何だコレは!」
雷撃に縛られた悪魔は動けなくなる。
「は、離れろー!」
俺は固まっているめぐみんを抱えて移動する。
「ちょっと!カズマさん!あの悪魔を放置するつもり!?」
「んなわけあるか!めぐみんやれ!!」
俺の言葉で正気を取り戻しためぐみんは
「は、はい!」
「紅き黒炎、万界の王。天地の法を敷衍すれど、我は万象昇温の理。
崩壊破壊の別名なり。永劫の鉄槌は我がもとに下れ!『エクスプロージョン!』」
崩壊の爆炎の中で
「っち、これで残機が減っちまった…ウォルバク様との契約が切れちまうな。
このままじゃ本当にあのガキに使役されてしまいそうだぜ…」
爆風が消えるとそこには、何もかもが悪魔と共に消え去っていた。
動きを止めた時点でアクアのセイクリッドでいいじゃん。
とは思うもののやはり彼は爆裂魔法で決めたい。
爆炎の原作を読んでいないのでwikiからの情報で予想して書きましたが
いかがだったでしょうか?多分に違和感があるとは思いますがお許しください。