このすば カズマが冷静で少し大人な対応ができていたら。   作:如月空

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そろそろ奴が来ます。奴の影響力が出てきたようです。


新たな友人達との共同戦線。

 

 

早朝、久しぶりに気分良く目覚めた。

最近は色々と溜まっていた所為で、寝起きから悶々としていたが、

今日はとってもすっきりしている。

 

「今日は良い一日になりそうだ。」

 

俺は胸元で寝息を立てているめぐみんを、起こさないように起き上がる。

めぐみんは寝場所をずらされて、俺の膝に頭を預けている。

 

「可愛いなあ…」

 

そっと、めぐみんの髪を撫でる。

それが心地良いのか、めぐみんは幸せそうな顔をしていた。

いつもなら情欲が沸くものだが、今の俺は素晴らしく落ち着いている。

…うん、溜めるもんじゃないね。

 

めぐみんの髪を撫で続けていると、めぐみんは身じろぐ。

 

「…あれ?…あ、カズマおはようございます。」

 

「おはよう、めぐみん。良く眠れたか?」

 

「……そのようですね。体が軽い気がします。」

 

それは何よりだ。

…しかし、めぐみんも俺と同じ感じ…というか賢者モードに入っているのか?

女の子もそうなるものなの?

 

「もう、起きるか?もう少しならこのままでもいいぞ?」

 

「それはありがたい申し出ですね…所でカズマ。何か何時も以上に優しくありませんか?」

 

めぐみんは、体を仰向けに向けて俺を見上げてくる。

 

「ん?どうしてそう思うんだよ?」

 

「何かやましいことが他にあるのではと思いまして。」

 

?サキュバスの件なら話したはずだが…それ以外は思いつかない…

あ、めぐみんにサキュバスの事を閉口してもらうように説得しないと。

 

「特にやましい事は無いけどさ…昨夜の件だけど、黙っていてくれないか?」

 

「…理由を聞いてもいいですか?」

 

「勿論!」

 

俺はめぐみんにサキュバスの店の重要性を説明した。

そして、彼女達もアクセルの善良な市民であると説得した。

 

「だから、彼女達がいなくなると、間違いなくアクセルの犯罪件数は増えると思うぞ!」

 

「成程、重要性はわかりましたが…カズマ一言、言ってもいいですか?」

 

めぐみんは神妙な顔つきをしていた。

 

「何だ?」

 

「この街の男共はみんなアホなのですか?」

 

…言うな、俺も思ったし。

 

「ちなみに俺もアホか?」

 

「何当たり前なことを言っているんですか?」

 

めぐみんは真顔でアホだと言って来た。

いや、お前も十分アホだっただろ!

爆裂乱舞している時は、かなり狂気が入っていて怖かったぞ!

 

「それで?めぐみんもこの件は閉口してくれるか?」

 

「仕方ないですね。犯罪が増えるよりはマシです。」

 

そう言ってめぐみんは起き上がる。

 

「さあ、帰りましょうか。着替えを持ってきていなかったので早くお風呂に入りたいです!」

 

「そうだな!帰るか!!」

 

 

 

――――――――…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隙ありだよ!サトウ君!!」

 

「どわっ!」

 

俺達は朝練で模擬戦を行うのが日課になっていた。

今日も朝早くから、ミツルギが来ていたが俺が不在だったので

俺が来るまではダクネスと模擬戦していたらしい。

 

「ふふ、今日は僕の勝ちだね。」

 

流石はソードマスターと言った所か、剣だけの勝負では勝てなくなってきた。

 

「アンタ達、毎朝毎朝よくやるわね…。」

 

アクアは眠そうな表情で、部屋の窓を開けて声をかけてくる。

 

「アクア様、申し訳ありません!少し騒ぎすぎました!」

 

ミツルギは2階に居るアクアに膝を付いて詫びていた。

 

「別にいいわよ。そろそろ起きる時間だしね…カズマ!朝ご飯何ー?」

 

「トースト、ベーコンエッグ、コンポタ。以上!」

 

「えー?私ご飯が食べたいんですけどー。」

 

「冷や飯でいいならあるぞ?」

 

「えー!?暖かいご飯がいい!カズマ!レンチンしてきてよ!!」

 

「ねえよ!!」

 

そんな俺達のやりとりを、ミツルギは苦笑いをしながら見ていた。

こいつもそろそろ、アクアの実態が見えてきたんじゃないか?

実際のアクアはアホの子で、たまに我侭言うって感じの女の子でしかないし。

我侭の範囲もまあまあ、許せる範囲なので俺からは特にいう事は無い。

 

「じゃあ、そろそろ僕はお暇するよ。」

 

「ん?飯食っていかないのか?」

 

「フィオとクレメアがギルドで待っているからね。僕は二人と合流するよ。じゃあ、またね!」

 

ミツルギは俺達に手を振って帰っていった。

 

「飯にするか。」

 

 

 

 

―――――――――…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「はむはむはむ。」」」」

 

朝食を済ませて、俺達はギルドに向かっているのだが…

 

「何時まで食ってんだよ…」

 

「はむ……済まない。あまりに美味いものでな。」

 

余っていた冷や飯を使って、焼きおにぎりを作ったのだが、やたら好評でこの有様となった。

 

「何だかんだ言って、ちゃんと暖かいご飯を用意してくれるあたり、カズマさんはツンデレよねー!」

 

「誰がツンデレだ!」

 

「カズマ!これは本当に美味しいですよ!今夜にでも作り方を教えてください!」

 

「あ、私も教えて欲しいです!」

 

「はいはい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だこれ?」

 

ギルドの掲示板に依頼書が全然なかった。

あるのは塩漬けと呼ばれる超危険なクエストだけだ。

 

「困ったね、僕のペナルティーもやっと解除されたところだったんだけど。」

 

「ああ、お前のペナルティー解除されたのか。というかお前ならアクセルに拘る必要なくないか?」

 

「…確かにそうなんだけどね。キミやテイラーとの模擬戦も有意義だし、…それにアクア様が居られるからね。」

 

何処までも一途な事で…フィオとクレメアが哀れに思えてくるぜ。

 

「それにしても、この状況はどうするかな?」

 

「…あれ?カズマ!このクエストの金額増えてますよ!」

 

「あら、本当ね。前に見たときは50万エリスだったわよね?」

 

「…あ、カズマさん以前のクエストと内容が変わっているみたいです。」

 

ゆんゆんに言われて依頼書を読むと

 

『グリフォンとマンティコアの縄張り争いが苛烈になって周辺の人里に被害が出ている。

速やかに此れを討伐する必要がある。腕に覚えがあるものは参加するように。

冒険者ギルド、アクセル支部。両者の討伐成功で報酬500万エリス。』

 

「成程、周囲に被害が出たからか。それにしても元の10倍か。」

 

俺が報酬金額に感心しているとミツルギが口を挟む。

 

「いや、それでも少ないと思うよ。王都なら800万は貰える筈だから。」

 

「ああ、だからあの時にアンタ受けなかったのね?」

 

「あ、いえ…僕が受けなかったのは報酬じゃなくて…空飛ぶ相手は相性が悪いので…」

 

確かに剣士に空飛ぶ敵は相性悪いわな。

 

「カ、カズマ!受けよう!報酬が高いのならお前も文句はないだろう?」

 

ダクネスはハアハア言いながら催促してくる。

 

「…興奮している所悪いが、流石に相手が悪い…俺の腕じゃこいつらの前には立てないからな。」

 

俺はステータス的にも純粋な前衛ではない。流石に強力な一撃を何度も受けたら死が見える。

 

「ふむ…サトウ君。それなら僕達と共同戦線を張るのはどうだい?」

 

「つっても、お前、相性悪いんだろ?」

 

「確かにそうだけど、攻撃を受けるくらいなら今の僕にも出来るよ。

それにクレメアもレベルの高い戦士だし、フィオも十分サポートが出来る。

問題は倒すための火力だけど、其れはサトウ君達の方が優秀だろ?」

 

成程…ダクネスとミツルギが主軸で前衛を張って、フィオ、クレメアがその補助。

俺とゆんゆんが継戦火力。隙があればめぐみんの爆裂魔法。全体支援がアクア。

…そう考えれば行けそうな感じはするが…この間のような失敗はしたくはないな。

 

「カズマ、どうします?」

 

「いけるイメージはある。だけど、もう少し作戦を詰めたい。

先ず、この二体の特徴は?誰か説明できるか?」

 

「確か、グリフォンは体長10メートルを超える巨大な鳥型のモンスターだ。

攻撃方法は鉤爪、そして巨大な翼を羽ばたいた時に起こる風圧だ。

私なら、どちらも耐える事が出来るだろう。ただ、攻撃を当てる事は出来ないだろうな。」

 

「付け加えるなら、グリフォンは獲物を巣に運ぶ事があります。」

 

「…俺はどっちにしても弓の方がいいな。」

 

「ですね。次にマンティコアですが、奴らは知能が高く狡猾です。

手っ取り早いのは爆裂魔法を当てる事ですが、私が詠唱に入ったら逃げ出すかもしれません。

それに、マンティコアは中級までの魔法を使ってきます。

ダクネスがグリフォンを抑えるのなら、ミツルギが対処する事になりますが…いけますか?」

 

「絶対の自信というのはないけど、皆が支えてくれるんだ…だから、やってみせるよ!」

 

ここはミツルギを信じよう。後は火力組(俺達)か。

 

「魔法が通り難いのはどっちだ?イメージ的にはマンティコアだが…」

 

「そうですね。ですからカズマはマンティコアを狙った方がいいです。」

 

「じゃあ、私がグリフォンだね。めぐみんはどうするの?」

 

「混戦が予想されますからね…最初の不意打ちで撃てる事が出来れば…と言う所ですかね?」

 

今回の作戦では爆裂魔法は組み込み難い、めぐみんもそれは分かっているようだ。

 

「ねえ、カズマ。私はどうすればいいの?」

 

「アクアは正直忙しいと思うぞ。先ず、戦闘前に全員に支援。

ダメージを受けたメンバーを回復して回る。

基本的にダクネスとミツルギに攻撃が集中するはずだから、

二人が倒れないようにしっかり回復管理をする必要がある。出来るか?」

 

「う…うーん。出来ると言いたい所だけど今回は8人なのよね…

カズマ、余裕があったら何時もみたいに指示して欲しいんですけど…」

 

出来ると安請け合いされるよりは安心できるな。

 

「わかった。なるべく俺も全体を見ておくよ。」

 

大体の作戦は決まったな。

 

「ふふ…」

 

急にミツルギが笑いだした。

 

「?急にどうしたんだよ?」

 

「いや、ごめん。何かこういうのも楽しいなと思ってね。」

 

「……そうだな!」

 

ミツルギの言う事は良く分かる…思えば、めぐみんと初めて組んだ時から感じていた事だ。

 

「お前ら!絶対成功させるぞ!」

 

「「「「「「「おー!!」」」」」」」

 

 

 

――――――――……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

温泉の町ドリスへと続く街道を進む。

道中で街道を外れて山道に入ると件の魔物がいるらしい。

 

「へえ、温泉の町なんて、あるんだな。」

 

「うん、僕達も行った事があるけど、ドリスはいい街だったよ。

やっぱり、日本人の血なのかな?温泉と聞いて行きたくなってね。」

 

「ああ、あるかもな。俺も結構、長風呂だし…温泉かー」

 

話していたら、行きたくなってしまった。

生活が安定してきたら、旅行とかに行くのもいいかもな。

 

「温泉?いいわねー。ねえ、カズマー。

どうせ行くのなら水と温泉の町アルカンレティアにしましょうよ!」

 

「アルカンレティア?」

 

俺が聞き返すと、アクアとダクネス以外が全員一斉に目を逸らせた…

ダクネスはハアハアと息を荒げている…。

何だろう?この反応…何かヤバイことでもありそうな…

 

「そう!アルカンレティアはアクシズ教の総本山よ!

つまり私を崇めている町でもあるのよ!」

 

アクアを崇めている?なんだろう…嫌な予感がするんだが…

 

「とりあえず、温泉は先の話だ。今は依頼に集中しろよ?」

 

「んもう。分かっているわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数時間が過ぎ、途中で昼食を挟んだ後、俺達は件の山岳地帯に足を踏み入れた。

 

「今のところ、こちらは感知していない。フィオはどうだ?」

 

「私も感知してないわね。…どうするの?」

 

見た感じ、この山岳地帯は広そうだ。

 

「とりあえず、目撃情報があった場所まで移動しよう。

二人で感知し続けていれば見逃さないはずだ。」

 

「俺が前に出る、ダクネスがすぐ後ろについて、そこからアクア、

めぐみん、ゆんゆん、クレメア、ミツルギ、フィオの順番で行こう。

感知できる人間が前後を勤めて前衛がすぐにカバー出来るようにする。

アクアとクレメアは道中、めぐみん達を守ってくれ。」

 

「「分かったわ。」」

 

「じゃあ、移動開始だ。」

 

 

――――――――…

 

 

 

 

 

 

 

「カズマ!感知したわ!」

 

「ああ!こっちもだ!二匹とも位置はわかるか?」

 

「ええ!」

 

目撃情報があった場所に進んでいると途中で反応があったので俺達は足を止めた。

 

「アクア!全員に支援だ!!」

 

「わかったわ!!」

 

アクアの超支援魔法が全員に掛かっていく。

その間、感知スキルに注視して、敵の行動を探る。

 

「どうやら、あちらは気づいてないらしい。潜伏で近づくぞ。フィオ、そっちは頼んだぞ。」

 

「ええ!キョウヤは私が守るもの!」

 

俺達は対象に一丸となって近づく…

木々を縫い千里眼で確認するとマンティコアが気だるそうにしていた。

 

「…めぐみん、マンティコアを見つけた。対象はここからおよそ120メートル。」

 

「…流石に木々が邪魔して見えないです。カズマはどうです?」

 

「俺はこの距離じゃ当てられる自信がないな…仕方ない視界が開ける場所に移動しよう」

 

俺の言葉に皆が頷いた。そのまま潜伏移動を始める。

 

「…カズマ見えました。いけます!」

 

「頼んだ!…アクア、めぐみんが爆裂魔法を撃ったら回収を頼む。

多分、爆裂音でグリフォンが飛来してくるはずだから。」

 

「ええ、任せておきなさい!」

 

「グリフォンが飛んできたら、手はず通りダクネスはグリフォンを引き付けろ。

ミツルギ達は音で寄って来た、他の魔物を相手にしてくれ。」

 

「ああ、分かった。マンティコアを相手にするよりかは楽だと思う。任せてほしい。」

 

…今のミツルギの台詞…フラグに聞こえたんだけど、気のせいだよな?

 

「いきます!『エクスプロージョン!!』

 

千里眼で確認していたら、無事マンティコアは爆裂魔法に飲み込まれていた。

よかった、フラグじゃなかったか。

 

「じゃあ、アクア頼むよ。」

 

「ええ。」

 

アクアがめぐみんを回収していると、予想通りこちらにすごい速さで近寄ってくる反応が二体ある。

 

「「…二体?」」

 

俺達が困惑していると、マンティコアが目の前に降り立った。

 

「ウハッ!男前な兄ちゃんが二人もいるじゃネーカ!おいお前ら、俺の太いのをチクッと一発ドウダイ!?」

 

げっ!こいつは絶対ヤバイ奴だ!!

 

「ミ、ミツルギくーん!キミの出番だよ?マンティコアはキミの担当だよねー?」

 

「ええ!?サ、サトウ君…僕が相手にしないとダメなのかい?」

 

「いやいや、さっきまでの勢いはどうしたんだよ?ほら、早く前衛やれって、グリフォンが来ちまうだろうが!」

 

「キョ!キョウヤがんばって!」

 

「大丈夫よ!キョウヤすごく頑張ったじゃない!マンティコアくらい軽く倒せるわよ!」

 

「…わ、わかった、僕も男だ!覚悟を決めてやる!!」

 

「オオ!?近くで見るとめちゃくちゃ綺麗な顔した兄ちゃんだな!イイネ!俺のをいれてヤルヨ!」

 

「サ、サトウ君!援護は任せたよ!!」

 

ミツルギはマンティコアに切りかかる!

其れを嘲笑うかのようにマンティコアが飛び上がる。

 

「おいおい、そう簡単にあたるわけネーダロ!」

 

そう言って、弓で狙いをつけている俺を注視してくる。

 

「狙撃…と見せかけて、『ライトニング・ストライク!!』」

 

俺が適当に放った矢をマンティコアが回避しようとすると頭上から強力な雷撃が降ってくる。

 

「ガア!!」

 

「ミツルギ!!」

 

「ああ、任せてくれ!!」

 

そのタイミングでグリフォンが強襲してくる!

 

「キョウヤ!グリフォンが来る!!」

 

「くっ!」

 

ギリギリでミツルギが反応して、グリフォンの一撃を回避した。

 

「ダクネス!!ゆんゆん!!」

 

「任せろ!」「はい!!」

 

ダクネスがグリフォンを押さえ込みゆんゆんが攻撃を開始する。

 

「ちっ!仕切り直しだ!」

 

ミツルギ達に声をかける。

 

「ああ、こい!マンティコアめ!!」

 

「チッ!ヤルジャネーカ!?お前俺をコケにしておいてただで済むとオモウナヨ?」

 

再び飛び上がるマンティコア。

 

「『狙撃!』」

 

飛び上がった所を狙い、空中で止まったマンティコアに俺の放った矢が刺さる!

 

「イッテー!!!テメエ!!よくも俺のケツを!!」

 

んなとこ狙うか!!

 

「『狙撃!』からの『ライトニング・ストライク!!』」

 

「チィ!鬱陶しい兄ちゃんダナ!!」

 

マンティコアは俺に狙いを変えて突っ込んでくる!

 

「くっ!…これでどうだ!」

 

マンティコアの攻撃をギリギリで躱す。弓をその場で落とし、ちゅんちゅん丸で攻撃をする。

 

「ガア!テメエ、剣まで使えるのカヨ!!」

 

「『ライトニング!!』『バインド!!』」

 

思わぬ反撃に驚いているマンティコアに得意の連携スキルを放つ!

 

「何だ!コレハ!?動けねえジャネーカ!!」

 

「今だ!ミツルギ!!」

 

「マンティコア!これで終わりだ!!」

 

ミツルギが雷撃で縛られているマンティコアを一刀両断した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪めぐみん視点≫

 

<グリフォン戦>

 

 

 

「くっ!カズマが狙われていてこっちに指示を出す暇がなさそうです!

臨時で私が指揮を執ります!アクア、ダクネスの防御魔法が切れそうです!」

 

「分かったわ!『プロテクション!』」

 

「ゆんゆんは、手数で攻めてください!早いので大きいのは当てるのが難しいはずです!」

 

「う、うん!!『ブレード・オブ・ウインド!!』」

 

「ダクネス!大丈夫ですか!?」

 

「ああ、このくらいの攻撃!むしろご褒美だ!!さあこい!グリフォン!!

貴様の激しい攻めを見せてみろ!全て私が受けきってやるぞ!!…はあ!!」

 

…うん、ダクネスは大丈夫そうですね。…頭以外は

 

「フィオ!貴方も投剣で援護をしてください!」

 

「うん、わかったわ!」

 

「めぐみん!私は次何すればいいの!?」

 

「アクアはそのままダクネスを回復させてください!」

 

ゆんゆんとフィオの攻撃でグリフォンの翼が少しずつ傷ついていく。

 

「…頃合です!ゆんゆん!翼狙いでライトオブセイバーを!!」

 

「わ、わかったわ!『ライトオブセイバー!!』」

 

ゆんゆんの放った魔法は正確にグリフォンの片翼を切り落とした。

 

「ダクネス!トドメです!!」

 

「ああ、任せろ!!」

 

………気合を込めたダクネスの攻撃は見事空振り、地面を抉っていた。

 

「……アクア、ダクネスに器用さアップの支援魔法を…」

 

「あ、うん…」

 

アクアの支援を受けたダクネスはグリフォンの頭部に無言で剣を刺した。

 

「………く…ぅ…!」

 

そして、かっこつけておいて、思いっきり外した事に顔を赤くしていた。

……両手剣スキルを取ればいいのに…。

 

「あ、あっちも終わったみたいですね。」

 

カズマ達が駆け寄ってくる。

 

「みんな無事か?」

 

「ええ、みんな無事ですよカズマ。今回は上手くいきましたね!」

 

「ああ、みんなのお陰だよ!ミツルギ達もありがとうな!」

 

「礼が言いたいのは僕の方だよ!ありがとう!苦手意識を克服できそうだよ!

…ただ、マンティコアはもう相手にしたくないけどね。」

 

ミツルギが頭をぽりぽりと掻きながらそんな事を言っている。

 

「はは、俺もアレは嫌だよ!ははは!」

 

「よーし!じゃあ取って置きの技を披露するわよー!いよ!花鳥風月ー!!」

 

アクアの芸でみんなが笑顔になる。

 

「ふふ、さあ、カズマ!帰りましょう!」

 

「ああ、皆帰るぞ!!」

 

「「「「「「「おー!」」」」」」」

 

 

 

 




はい、クエストが塩漬け以外なくなってしまいました。
しかし、ミツルギさん達変わったなぁ。…カズマさんもかな?

ミツルギ達との共同戦線いかがでしたか?
二人は徐々にいい友人になっているようです。
そういえば、この二人ってどっちが年上なんでしょうね?
ミツルギの方が上かな?カズマさん高一だった気がするし。

ではでは、次回をお待ちください。

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