このすば カズマが冷静で少し大人な対応ができていたら。   作:如月空

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久々の投稿です。こんなに空くなんて初めてですね…(汗)

最近、中々思いつかないんです…。いやまあ大筋は出来てはいるんですけどね…
その細かいところが…とりあえず、今月一発目です。短いですけど…。


アクシズ教徒

「中々に彼らもしつこいね。これでは取材どころではないよ。」

 

「うぅ…、観光地なら、いい契約が出来ると思ったのに…!」

 

あるえとねりまきが愚痴を零しながら俺達についてくる。

其の後ろにふにふらとどどんこが続き、疲れたような表情を見せていた。

 

「あ、カズマ!別の連中が前からやって来ますよ!?」

 

「ちぃっ!『スピード・アゲイン!!!!』」

 

俺は5人分の速度支援を掛け、みなに目配せを送る。

 

「うえぇ…、また走るの…?」

 

「でも、アレに絡まれるよりはマシだよね…。」

 

其の言葉に俺達はコクンと頷き…、一気に走り抜けた!

 

「「「「「「ああっ!?」」」」」」

 

俺達を取り囲むように近づいてきた連中が声を上げるが、俺達の知った事じゃない。

そして、連中を振り切るために俺達は一気に街の外まで駆け抜けた。

 

そもそも、何故俺達がこんな逃げ回るような目に遭っているかというと、

ここの住人というか、アクシズ教徒の所為というか…。いやアクシズ教徒の所為だな!

 

宿を出て直ぐ、あるえ達が追いついて来て其々の目的の為に捕まったのだが、この際それはいい。

流石に、めぐみんとのアレや此れを話すのはごめんだが、

ベルディア討伐やデストロイヤー、マクスウェルとの戦いなんかは、話しても支障は無い。

いや、それどころかあるえの小説に貢献出来るかも知れない。

なので、そう言う面ではあるえに協力するのはやぶさかじゃなかった。

 

続いてねりまきの酒の販路だが、アルカンレティアは観光地である為、お酒の需要は高いと見越している。

実際、酒を扱っている店は多く、十分販路は築けるだろう。

……相手が普通であれば。

 

そう、早い話、相手が普通じゃなかった。

購入契約の書類だと思ったねりまきがサインしようとすると、寸での所で別の書類に代わっていた。

状況から察してくれるとは思うが、アクシズ教の入信書だった訳だ。

 

いや、どう見ても詐欺だろう!?此処の警察は何してんだよ!?

 

俺が慌てて悪魔の契約書を奪ってなかったら、マジでねりまきの奴が危なかったんだぞ!?

てか、この世界では成人しているとはいえ、俺は14歳の子供を預かっている立場になるんだから、

アレに関わらせたなんて事が親御さんにバレたら、俺の引責問題になるよな?

 

「というか、何なんだよ此処…。小さな子供まで詐欺まがいな真似をするし、

アクアには悪いけど、アクシズ教徒ってこんなのばっかなの!?」

 

「あ…、考えてみればカズマは知らなくても可笑しくはなかったんですよね。

すみません、最初に知らせておくべきでした。」

 

「いやいいよ、それより如何する?宿に戻るか?」

 

あの宿はアクシズ教徒が関わっていないし、中で揉め事を起こせば、流石に警察が飛んでくるだろう。

あの連中も、流石に宿までは踏み込んでは来るまい。

そう考えて、皆の方を見ると何だか微妙な表情をしていた。

 

「…カズマの考えている事は大体分かりますが、アレは警察とか気にしませんよ。」

 

「彼らは捕まる事なんて、まったく気にしないらしいよ。」

 

「むしろ、警察に食って掛かりそうだよね。」

 

「あるかもね!……どうします?カズマさん。」

 

如何するって言ってもなぁ…。

 

中々いい案が出ない。楽しみにしていた温泉巡りも出来そうにないし、此処に留まる意味なんてあるのか?

 

「いっそ、俺達だけでドリスに行っちまうか?」

 

「カズマ、流石に其れは…。」

 

俺の投げやりな発言に、流石のめぐみんも眉を細める。他の連中も俺に同意はせず、困ったように此方を見ていた。

 

「…言って見ただけだよ!そんな目で見るなって!?」

 

俺だって無責任だって事は自覚出来るさ!アクアの要望に応えて此処に寄る事を決めたのは俺なんだから!

大体なんで俺達がこんな目に遭わないといけないんだ!?だんだん腹が立ってきたぞ!?

 

「兎に角一回宿に戻ろう!で、ねりまきの販路はアクセルとドリスで探す!もう此処は良いだろう?」

 

「う、うん!テレポート登録はそれで埋まるし、ドリスだって観光地ですもんね!」

 

ねりまきの言葉に頷いて、俺は宿に向けて歩き出す。めぐみん達も慌てて其れに続いた。

 

そして、町の入り口まで戻ると大勢のアクシズ教徒がに出迎えられた。

 

「…何で増えてるんだよ…。」

 

イライラが収まらない。というかどんどん酷くなっていく。

 

「あら~!?可愛い女の子を5人も引き連れて!?モテモテね~!でも大丈夫!!アクシズ教なら一夫多妻でも問題ないわよ~~!!」

 

この切り口もう何度目だよ…。そんでもって何故か石鹸と共に入信書を渡そうとするこの流れ…。

無視して歩いてもずっと付いて来てでかい声で喚き散らすし。……流石に俺も我慢の限界だった。

 

「暴虐の風よ!裂刃と成り彼の者達……!」

 

「ちょ!?カズマ!何しようとしてるんですかっ!?」

 

「ま、街中でぶっ放すのは不味いですよ!?」

 

俺の詠唱に気が付いためぐみん達が慌てて俺を取り押さえた。

 

「放せっての!いいからぶっ放させろおおおおおお!!!」

 

 

 

――――――――…

 

 

 

 

 

 

 

「というかめぐみん、お前よく我慢できたな。」

 

正直意外だった。あのウザさに参って暴走するのはめぐみんの方が先だと思っていたから。

 

「直ぐ隣でやばい状態になっている人がいれば、逆に冷静にもなりますよ。」

 

そんなもんか?

 

「はあ…、ま!とりあえずは温泉を楽しもうぜ。」

 

「そうですね!」

 

脱衣所でそんな会話をしている俺達。勿論、ふにふら達とは別だ。あいつらは女湯に行ったからな。

 

「あ、カズマ。他にお客さんがいたらどうします?」

 

観光予定が大幅に狂い、夕方前に戻ってくるハメになった。だから、こんな時間にいるとは思ってなかったんだが。

 

「あ~…確認はしておいた方がいいか、他の男にめぐみんの体を見られたくないしな。」

 

「私もカズマ以外の男に見られたくありませんよ。それと他の女の裸もカズマには見せませんからね!」

 

衣服を脱ごうとしていた俺達だったが、先に先客が居ないか確認を取る事にした。

 

めぐみんと頷き合い、手を握る。一応潜伏スキルは掛けておいた。覗きと間違えられるのも嫌だし。

 

「『ライト・オブ・リフレクション』」

 

目が合っても大事になりそうなので、保険で掛けておく。すると、めぐみんが俺をジト目で見ていた。

 

「…この組み合わせって、覗きし放題じゃないですか?」

 

あ、そういえばそうだよな…。って、めぐみん怖い怖い!?そんな目で見るなっての!!

 

「そそそそそんな事しねぇって!?」

 

キョドりすぎだ…。って、ホントにしないからな!?めぐみん以外の育った体なんて…なんて…。

 

「か~ず~ま~?」

 

「いえ、しません!」

 

「…本当でしょうね?正直この手の事に関しては、まったく信用が出来ないのですが。」

 

「ホントにしねえって!?と、兎に角確認しようぜ?先客が居たら一旦戻るって事で!」

 

めぐみんはジト目で俺を睨みながら、とりあえずは頷いてくれた。

音を立てずに浴場の前まで行くと、中から話し声が聞こえてきた。

 

あ、先客か…。中に居るのは男女一組か?仕方ない出直すとするか。

 

「これで忌々しい教団も終わりだ…。」

 

「ん?」「え?」

 

「既に他の温泉でも順調に行っている。秘湯の細工も終わって、後は結果を待つのみだ…。」

 

其の言葉に俺とめぐみんは顔を見合わせる。

 

「長い寿命を持つ俺達にとって、後10年、20年程度は何でも無い事だからな。」

 

これはアクシズ教団を潰す相談か?って、それは善行なのでは!?

いや、ないか…。温泉に細工っていうのは、かなり穏やかではない話だ。

 

その場で話を聞いていた俺達は、そっとその場を離れていた。

 

 

 

――――――――…

 

 

 

 

 

≪アクア視点≫

 

「おお!其の美しい水色の髪はまるでアクア様だ!?」

 

「本当に美しい人ね!アクア様の像にそっくりだわ!?」

 

「え~?そんな事あるけど~…。」

 

町を歩いていた私は、住民からべた褒めにされていた。ただ…

 

「こ、困ります!そのアクアさんは尊敬してますけど!教団の方は…!」

 

「いや、僕はアクア様を崇拝し、敬愛しています!だけど入信というのは!」

 

ゆんゆん達が住民からしつこい勧誘を受けていた。

 

そりゃあ、ゆんゆん達がアクシズ教徒になるというのは悪くは無いけど、ここの人達のやり方は問題あるわよね?

 

「今ならこの石鹸が付いて来てとてもお得ですよ~!?」

 

「いや、いらないから!」

 

「アクアは嫌いじゃないけど、アクシズ教なんかに入る気はないから!?」

 

嫌がる人への強要って…、これは下手しなくても犯罪行為になるわよね?

いくら、本能の赴くままにとは言っても、他人に迷惑を掛けてもいいなんて言っても無いんだから。

以前知り合った子もそうだったけど、何か教義を履き違えている人が多くないかしら…。

 

「そんな事言わずに!さあ、一緒にアクア様を崇めましょう!!」

 

「い、痛!お、押さないで下さい!!」

 

イラッ

 

「ちょっと、貴方達!そこまでやったら傷害よ!!犯罪行為は禁止っていう教義を忘れたの!?」

 

私の言葉に彼らは一瞬止まったように見えたけど、また直ぐに勧誘しだした。

 

「いい加減にしなさい!これ以上はこのアクア…アクシズ教のアークプリーストである私が許さないわよ!?」

 

私がそう叫ぶと、彼らは私を尊敬するような目で見てきた。

 

「おお!?アクシズ教のアークプリースト様でしたか!と言うことはお連れの方は従者達だったのですね?これはとんだ失礼を!」

 

「ですが、アクシズ教の入信を断るというのは感心しませんな!アークプリースト様からも一言言ってあげてください!」

 

そう言いながら、住民達は解散していく。そして残されたのは揉みくちゃになっていた皆だった。

 

「た、助かりましたアク…様。」

 

ミツルギのお礼に私は頷いてゆんゆんの所に駆け寄る。

 

「大丈夫?ゆんゆん。」

 

「あ、はい…なんとか…。」

 

「って、ちょっと、怪我しているじゃない!?『ヒール!』」

 

揉みくちゃにされ、少し小柄だったゆんゆんはかなりダメージを負っているようだった。

みれば、頑丈なミツルギは兎も角、フィオやクレメアもかなりダメージを受けていた。

 

「悪いわね…、なんか…。」

 

フィオ達にヒールを掛けながら、私の口からそんな言葉が零れた。

 

そして私は、先程のアクシズ教徒を思い出す。

あれではもう狂信者だ、信者が増えるというのはありがたいけど、其の為に人を傷つけるとか論外!

多分、彼らもそんなつもりはなかったんだろうけど、何か狂気の様な物を感じた。

これは一度神殿に行って確認を取る必要がありそうね。まぁ、そんな事より…。

 

よくも、ゆんゆんを傷つけてくれたわね!責任者に文句を言ってやるんだから!!

 

温泉巡りは後回しにしよう、そう決めた私は行動に移る事にした。

 

 




うちのアクア様の優先順位
ゆんゆん>>>>>仲間>アクシズ教徒>>>>>>>>その他です。

いや、大分原作のアクア様と違いますね。あ!仲間と酒は=かもしれません(笑)
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