大魔導演舞3日目を明日に控えた夜。
あれから、すぐに大会が始まり、無事に全員が参加する事ができたのだが、俺は基本的に様子見という事で1日目も2日目も見学させてもらった。
その間も、色々と戸惑う事があったみたいが、ナツ達も良い奴だったのか、すぐに打ち解ける事ができた。
「やっぱり、エールは最高だな。
こうやって、夜空を眺めながらは格別にうまい」
そう言いながら、俺はエールを飲みながら、夜空を眺めながら呟く。
ギルドで騒ぎながら飲むのも好きだが、こうして静かな所で飲むのも旨い。
そう思っていたら、下で何やら騒いでいたので、見てみたら、どうやらナツが女性に話しかけているようだ。
「なんか面白そうだから、行ってくるわ」
そう言って、俺はエールを片手にナツ達の元へと行く。
「んっなんだ、ナツ。
お前、ナンパか?」
「ナンパ?
どういう意味だ?」
「メリオダス、ナツにそういうのを聞いても、無駄なんだよ」
そう言いながら、ハッピーが答えてくれたようだが、目の前にいる女性は
「おっお前って確かセイバートゥースの星霊魔導師じゃないか」
「えっいえ」
「まさかお前みたいな奴がいるとはな。
ルーシィもそうだけど、この時代での星霊魔導士はなかなかレベルが高いなぁ」
「・・・」
そう言っていると、突然、泣き始めた。
「えっ?」
「もうダメです。
私、人にこのように気を遣われた事がないもので」
その言葉を皮切りに彼女が語る話を聞き、俺もナツも手を握る力を強める。
「はぁ、えっとユキノか」
「はっはい」
「ごめんだが、エール、預かってくれ」
「それは」
それだけ告げると、俺達はその場から離れる。
「・・・メリオダス、お前は帰れ」
「無茶をしようとする奴を放っておけるか。
それに、あの話を聞いて、仲間をなんとも思わない奴に対して怒らない奴がどこにいる?」
「あぁ、だな」
それだけ決まると、俺達は目的地であるセイバートゥースへと入っていく。
「お前達っここをどこだと」
「邪魔だぁ!!」
こちらを止めようとしたギルドのメンバーが話しかけたが、既に頭に血が上っているナツを止められず、そのままギルドへと入っていく。
俺も、自身の怒りが暴走しないように、ゆっくりとギルドへと入っていく。
「ナツ、死んでないか?」
「まだまだ暴れられるぞっ!!」
「そうか」
それだけ聞くと、周りを見渡す。
ユキノから聞いた話によれば、全員が一人一人はなかなかにレベルの高い魔導士らしいが、傷ついたユキノに対して、何も思わず、止めなかった。
「まったく、こんなんじゃ、うちのギルドの誰にも勝てないな」
それだけ確信するように言うが、ふとマスターだと思われる奴がいたので、見てみると
「っ!!!」
「・・・ほぅ」
目の前でふんぞり返っている奴がマスターだと分かると、俺はふと笑みを浮かべる。
「ナツ、帰るぞ」
「帰るんだったら、一人で帰れ」
「いいから帰るぞ、漏らし野郎に構っている時間はない」
ここまで、怒りで我を忘れそうになっていた。
ユキノに対する仕打ちに対する仕返しだと思っていたが、これ以上行ったらフェアリーテイルの参加自体ができなくなってしまう。
奴を見て、憐れむのと同時に冷静になれて、良かった。
「漏らし?
何を言っているんだ」
「貴様っ!!」
「マスター?」
俺の言葉に反応したのか、奴はこちらを睨み付けた。
「どうした、あの時みたいに命乞いでもするのか?
別に俺は命を取るつもりはないけどな」
「命乞い?」
「そうか、大会で見てから、名前が似ていると思ったが、貴様だったかっ!!!」
その瞬間、目の前にいる野郎は怒りで魔力を上げているようだが、あの時の面影に、簡単に仲間を切り捨てることしか強くなれないと思っている奴だと知っていると
「哀れとしか言えないな」
「っ!!」
俺の言葉にとうとう切れたのか、奴は俺の目の前に迫り、魔法を放とうとしたが、瞬間、奴を蹴り飛ばして魔法の発動を無理矢理止めた。
「えっ」
「帰るぞ、ナツ」
「・・・あぁ」
奴を吹き飛ばされた事で、奴を見捨てた底が見えたのか、冷めた目で見つめると同時に冷静になると共に出ていく。
「メリオダスっ!!」
後ろから聞こえてくる罵倒を無視し、そのまま宿へと向かうナツを見つめる。
「お~い」
「えっめっメリオダスさん!?」
「お前、酒飲めるか?
良かったら飲むか?」
「あっはい、勿論大丈夫だすが、えっとメリオダスさんは年齢は」
「にししっ、俺は見た目通りの年齢じゃないから、そこは安心しても大丈夫だ」
そう言い酒を渡すと、少し弱弱しくも、酒を受け取った。
「あの、メリオダスさんは一体何者なんですか?」
「何者とは?」
「いえ、天狼島の帰還メンバーでもなかったので、一体誰だろうかと」
「そうだなぁ、まぁ色々あってギルドにはあんまり帰っていないメンバーだな」
「そうなんですか」
そうして、こちらを尋ねるようにおろおろしながら話しているのだが、こんな雰囲気をする奴もいるもんだな。
そうして、酒を飲んでいる内に、内に秘めた物を全て吐き出すように飲み終えると共に眠ると、俺はそのまま近くの宿へと運んでいった。
「・・・」
「やっぱり許せないですか?」
「まぁな、それはお前もだろ」
後ろでずっと一緒にいたメイビスがそう言うと、うなずく。
「だけど、それ以上に私はあなたが心配です。
もしも」
「・・・大丈夫、今はしっかりと制御できているから。
とりあえず、飲みなおすか」
それだけ言い、俺は部屋から出ていく。
そんな出来事があり、ついに大会3日目。
「さて、そろそろ俺も出ないとな」
「えっメリオダスがっ!!」
「なんだ不服か?」
これまで大会にまったく参加していなかった事もあって、ルーシィが少し驚いている。
「そりゃあ。
だって、見た目でもウェンディと変わりないし、今は無効にはレイブンテイルもセイバートゥースもこっちを敵視しているんだよ。
そんな所で」
どうやら、こちらを心配してくれている事なので嬉しい事だが
「それだったら、問題ない。
メリオダスだったら、大丈夫だ」
「いや、ナツ、幾ら何でも」
「昨日、俺が向こうでやった時にメリオダスも一緒にいたけど、はっきり言って強かった」
「そこまでなのか?」
「あぁ、だけどあんなもんじゃないだろ?」
「勿論だ」
「そこまでやる気だったら、良いんじゃないのか?」
「エルザまでっ!!
あぁもう、怪我だけは絶対にしないでよ」
「まったくお前は俺のおかんか」
「なっ心配したのに、酷い」
「いや、俺もおかんに見えた」
「俺も」
「実は私も」
「皆にして酷い!!」
そうして、まるで昨日の出来事が嘘のように明るい雰囲気になっており、それを見るだけで、こいつらは大丈夫だと思えた。
「それじゃあ、行ってくるとするか」
そう言い、俺はとりあえず会場に入った。
会場に入ると、周りの観客の様子や選手からしたら驚きしかないようで、ざわざわと騒ぎ始めている。
「さぁ、始まりました、3日目の競技名はずばりパンデニウム!!」
「パンデニウム?」
そう疑問に思っていると共に、上空から城が現れると共に画面にルールが表示された。
「なるほどな、つまりは100体のモンスターを一番多く倒した奴から順に上位になる訳」
なかなかにシンプルで面白そうだ。
そう言っている間に、どうやら今回は俺から1番目にモンスターを倒せるようだ。
「それでは、メリオダス選手は何体倒しますカポ?」
「まぁ、とりあえずは100体で」
「はいはい、まぁ最初は100って、100っ!!」
「んじゃ、行ってくるぜ」
それだけ告げて、城の中へと入っていくと、なかなか作りは豪華なようで、中を歩いているとなかなかにわくわくしてくる。
そうして、城の中心に入ると同時にこちらの気配を感じたのか一番下のランクであろうDランクのモンスターがこちらに向かって襲い掛かってきたが
「まぁ準備運動には丁度良いか」
そう言い、襲い掛かってきたモンスターの腕を掴むと、そのまま蹴り上げると、そのまま他のモンスター達ごと吹き飛ばす。
「あっ、しまった。
準備運動のつもりが、簡単に倒してしまったか?」
そう言っている間にも、周りにはDランクのモンスター以外にも、赤や青のモンスターと言った数はそれ程変わらない数が襲い掛かってくる。
『こっこれはどういう事だ!?
まさか、少し掴んで吹き飛ばしただけで、Dランクのモンスターを半数以上を倒しました!!』
『未だに正体が分からないメリオダス選手ですが、今後の戦いが気になりますね』
そう言っている間にも、こちらに迫りくるモンスターは簡単に吹き飛ばす事ができ、時々は背中にある剣で切り裂きながら進んでいく。
『先程から魔法を使っていない様子ですが』
『えぇ、身体能力強化の魔法を使っている様子もありません。
つまりは、彼は純粋な身体能力だけで、Dランク、Cランクのモンスターを全て倒しました』
「へぇ、もうそんだけ倒したのか?
まぁ、身体は温まった所だし、行くとするか」
そう言い、俺は背中に背負っていた剣を完全に抜き、モンスターに構える。
『えっと、あれは』
『刃折れの剣ですが』
「さぁってと」
そう言いながら、こちらに迫っていたモンスターに対して俺は剣を手に取ると同時にこちらに迫ってきた拳を避け、他に巨体のモンスター達を通り過ぎながら、走る。
同時に逃げ回っている奴以外の全てのモンスターを横切ると同時に、手に持っていた剣を背中に仕舞う。
カチンッという音が鳴るのと同時に、全てのモンスターを細切れにした。
『いっ一体何が起きたんだぁ!!
メリオダス選手がモンスター達を通り過ぎたと思った瞬間、全てのモンスターが一斉に細切れになりましたっ!!』
『こちらで見る限りでも、あの剣には魔力はありません。
つまりは魔法でもなく、不正でもない』
『純粋な身体能力と高い剣術。
まさかこれ程の者がいるとは』
さすがに暴れすぎたのか、会場の外の反応を見る限りだと呆然になっているが、それよりもこのパンデニウムに入ってから最後のモンスターを探すと
「へぇ、これはまたでかいな」
後ろから感じた気配に対して、すぐに剣を構えると、拳の威力を殺す事はできず、壁側まで追い詰められて見てみると、そこには先程まで逃げていたモンスターとは思えない程の巨体がこちらを見下ろしていた。
「そうこなくったな!!」
俺はその言葉と共に走り出すと、拳を受け流しながら、切り裂いていき、切り裂いていく感触としては、装甲自体は先程のモンスターとは変わりないが、素早さは先程と変わりない様子だ。
そうしていると奴は痺れを切らしたのか、胸部分を口を開いて巨大な魔法陣を展開させると共にこちらに狙いを澄ますと同時にパンデニウムを埋め尽くす程の光が溢れる。
『これは、Sランクのモンスターが巨大な魔法を使ったようです。
これではさすがのメリオダス選手も』
『どうやら、そういう訳じゃないようじゃ』
『えっ?あっあぁ!!』
光が無くなると同時に、パンデニウムには服だけがボロボロになっている俺と、身体の半分が消えて無くなっているモンスターだけだった。
『こっこれは、決まったぁ!!
メリオダス選手、パンデニウム100体討伐成功です!!』
『驚きの一言しかありません』
既に全てのモンスターを倒した事で、既にゲームとしての意味はなくなったが、会場に戻ると歓声は止まなかった。
「いやぁ、ちょっとやりすぎちゃたかな」
そう言いながら、俺はナツ達の元へと帰っていく。
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