大魔導演舞、最終日、それはフェアリーテイルにとっては予想外の数々の出来事が起きていた。
フェアリーテイルのメンバーであるルーシィが攫われていた事もあり、メンバーは二つに分かれていた。
そして、決勝戦、メイビスの作戦によって構成されたメンバーによる戦いが始まる。
「というか、大丈夫なのか?
戦いが始まった直前、メリオダスだけいなくなって」
「大丈夫です。
メリオダスに対しては特に指示を出していないので」
「それって大丈夫なの?」
「だって、メリオダスに任せると、大体の作戦って失敗するんですよ。
メリオダス、張り切りすぎちゃって」
その瞬間、メイビスの目は死んでいた。
元々幽霊だが、その目はこれまでの苦労が溢れ出るような目だった。
「愛していますよ。
そりゃぁ、勿論。
でも私の作戦をある意味超えた馬鹿力やその場で行う行動のせいで私の作戦が元々ないようなもんですから」
「おい、初代の目がやばい事になっているぞ!!}
「メリオダス、一体何を!?」
余りの出来事でその場にいたメンバーは混乱してしまう。
だが、そんな事を行っている間に戦闘は進んでいた。
そこではエルザ、カグラ、ミネルバの三人による三つ巴の戦いが行われていた。
「ほら、やっぱり。
私の作戦って、結構外れる事がありますから」
「そっそんな事ないですよ!!」
「けど、これってやばくないか?
エルザがあの二人と同時に戦うなんて」
その場にいたエルザが対峙している二人の戦闘力はS級魔導師ともいえるカグラとミネルバ。
同時に相手する事になり、メンバーは心配している中で
「それならば大丈夫です」
何時の間にか立ち直った今度はメイビスは自信満々に笑みを浮かべながら見つめる。
「ですが「だって」だって?」
「メリオダスがいるから」
その言葉を呟くのと同時だった。
エルザ達の近くに何かが落ちる音が聞こえる。
「なに?」
「ふっ!!」
一瞬、何が起きたのか分からなかったミネルバとカグラだったが、その隙を逃さないようにエルザはカグラを押し出し、その場から離れる。
「逃がすか」
「行かせるかよ」
ミネルバがすぐに追いかけようとした瞬間、ミネルバの前に現れたのはメリオダスだった。
「ちっ」
「初代、これって」
「メリオダスに作戦の指示は不要です。
メリオダスは私が伝えた事は張り切りすぎて、予想外になります。
だけど、メリオダスは私の期待だけは絶対に裏切らなかったから」
(あぁ、これは完全に恋する乙女だ)
目の前でキラキラした目でメリオダスを見ているメイビスを見たメンバーはそう考えた。
そして戦いを繰り広げているミネルバにとっては、ここまでの間で戦いたくない相手であるメリオダスを目の前にして舌打ちをしながら、構える。
「にひひっ、悪いけどエルザはあの子とゆっくりと戦いたいからな。
代わりに俺が相手になるぜ」
「ちっ、邪魔をしおって」
その言葉と同時にミネルバはメリオダスに向けて、魔法を放った。
だが
「ぐっ!」
次の瞬間、ミネルバの身体の一ヶ所が爆発した。
「やはり、貴様、反撃系の魔法使いか」
「だったらどうする?
どんどん撃っても構わないぜ」
そう見え透いた挑発を言いながら、メリオダスは剣を向ける。
だが、ミネルバの思考は怒りに身を任せるよりも先に、何をどう反撃するかに映っていた。
「ならば、これでどうだ?」
ミネルバはすぐに行動に移し、地面に手を置く。
その瞬間、地面から石像が現れ、メリオダスに襲い掛かる。
「へぇ、懐かしいな、けど」
そう言いながら、メリオダスはすぐに石像を踏み台にして、そのまま全てをの石像を一瞬で切り裂いた。
「ちっ、本当に厄介な奴だ!!」
「それはどうもぉ!!」
魔法の攻撃が効かないと判断したミネルバが取った行動は撤退だった。
王者としての威厳を示す為に逃げる行動は行いたくなったミネルバだが、負ける訳にはいかない為にすぐに転移を行った。
「そんな事をしても、すぐに追いつくんだよ!!」
そう言い、メリオダスは転移してもすぐに追いつくように走り出す。
余りの速さで瞬間移動をしているミネルバに追いつくのには時間はかからなかった。
「もらった」
その一言と共にメリオダスは拳を振り下ろそうとした時だった。
メリオダスの眼前には、なぜかメイビスがいた。
「えっ!!」
「かかったな」
その言葉と共にメリオダスの頭には衝撃が走る。
「まさか、こんな幻覚魔法に引っ掛かるとはな。
どうだ、最も愛おしい者の影は」
そう言いながら、ミネルバはそのままメリオダスに向けて次々と魔法を放っていく。
隙を見せ、チャンスを掴んだミネルバはそのまま勝利する為に、徹底的に放つ。
メリオダスの衣服は既にボロボロになっており、上半身は剥き出しになった状態になっていた。
「はぁはぁはぁ、まさか、ここまで化け物とはな。
だが、これで」
そう言い、ミネルバゆっくりと視界を上げるが
「・・・てめぇは許さねぇ」
「ひっ!!」
真っ直ぐとこちらを見つめるメリオダスだった。
額には見た事のない模様が浮かび上がっており、そのあまりにも異常な光景にミネルバは後ろへと逃げ出す。
だがそれよりも早く、メリオダスは剣に黒い炎を纏わせ、放った。
「っ!!」
たった一瞬。
それだけでミネルバは吹き飛ばされた。
その目は既に戦意を感じさせない程の白目になっており、地面へと倒れ込んだ。
「・・・」
戦闘を終えたメリオダスの手には未だに黒く燃え続ける炎があったが、ゆっくりと息を吸い、落ち着かせると共に剣を背中の鞘に納める。
「やっちまったか。
まぁ、次に行くか」
その姿はこれまで陽気なメリオダスからは見られない程に暗い表情だった。
「なっなぁ初代!!
メリオダスが放った魔法ってもしかして滅神魔法なのか!!」
その戦闘を最後まで見ていたフェアリーテイルメンバーはすぐにメイビスに尋ねた。
だが
「いや、違う」
「えっマスター!?」
「儂はかつて滅神魔法の使い手を見ていたが違う。
圧倒的に炎のの質がメリオダス殿の方が上だ」
かつて見た事があるからこそ分かる。
マカロフにとって、長い人生の中で、あれ程強い炎は見た事がない。
「・・・詳しい事は言えません。
ですが、メリオダスはあの力を余り使いたくないのです」
そう言ったメイビスの顔はどこまでも悲しそうだった。
だが、大魔導演舞は未だに続く。
次回の話は
-
本編
-
リュウゼツランド
-
舞踏会
-
温泉