『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』   作:ドラゴンネスト

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十九話目

「こ、これは……」

 

リアスの結婚式での赤い怪盗姿の四季の行動の映像は一部の貴族の間には流れていた。

まあ、逃走に宇宙戦艦を持ち出すなどと言うかなり派手な行動をしたので注目されるのは当然だが。

 

だが、彼女『シーグヴァイラ・アガレス』は四季の逃走に使ったナデシコCに目を輝かせていた。

 

「あれは……間違いなく宇宙戦艦!? では、あの中にはダンガムが有るはず!?」

 

妙なマニアの直感がナデシコの中にあるアメイジングストライクフリーダムの存在に気付いていた。…………親とセットで。

 

後にアメストフリを見た瞬間、「攻撃自由の改修機!? しかも、攻撃と同じ感想機能が……」とマニアックなマシンガントークを親子セットで魔王少女が聞かされることになるのだが、それはまだ未来の話。

 

「欲しい。いえ、せめて一度だけでも乗せてもらいたいですわ!」

 

「ああ、どんな対価を払ってでも……乗せてもらいたい!」

 

親子揃って怪盗に出会ったら土下座してでもナデシコに乗せて貰いたいと考えている辺りマニアの執念が渦を巻いていた。

輝かせた目を血走らせてナデシコの映像を見ているマニア二人の姿にアメストフリを見せたらどうなることかと、妙に未来への不安を募らせる光景である。

 

この親子、ナデシコCに乗る為に全財産を差し出さないか心配でもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、悪魔になれば永遠に近い命や若さも手に入るわよ」

 

「いや、眷属悪魔の現状考えたらデメリットにしかならないだろ」

 

即座に断られた二人に対して悪魔に転生するメリットを示そうとするリアスの言葉にそう呟く。

 

「どう言う意味かしら?」

 

「いや、永遠に近い命が手に入るって言っても、相手に支えなきゃならないなら、永遠に近い命の対価は永遠に近い人生って事だろ?」

 

イッセーに視線を向けながら、この場合は嫌ってる相手と永遠に近い人生同僚をする羽目になると言う事だと思うが、敢えてそこは指摘しない。

 

別に悪魔が契約で人を騙すのは良い。寧ろそれが悪魔としては正しい姿だろう。契約を守りながら契約を利用して相手を騙すのは騙される側が悪いが、契約を破るのは単なる外道だ。

 

序でに領地を分けてもらえても領地の経営と言うのも面倒なものがあるのだ。

 

「そんな事はないわ! それに私は彼女達と話してるの、口を挟まないでちょうだい」

 

「私としてもそんなメリットには興味ないわ」

 

「私も興味ない」

 

四季に対して口を挟むなと叫ぶリアスだったが二人からの返事はまたしても拒絶の言葉。

お前が余計な事を言うからと言うような視線で四季を睨んで来るが、そんな視線を向けられている四季はリアスからの怒気を受け流している。

 

この世界についての知識を持つ四季の邪魔をしないように関係のないところでは口を出さなかった二人だが、二人としてはそれで良かった事に安堵していた。

 

「そう言う訳で、オレ達としてはアンタの交渉も勧誘も受ける理由はない」

 

「私としてはあなたのそれが本当にイッセーには使えないか確かめたかったのだけど」

 

リアスの視線は四季の持つカードデッキへと向かう。

 

「身内贔屓の評価も程々にした方がいい良いんじゃないのか、お嬢さま? アンタじゃオレ達には交渉する価値すらない」

 

そんなリアスの視線に気付いたのかは分からないが、四季は冷たく言い捨ててカードデッキを仕舞うと、

 

「試しに貸してやる理由もないし、売る気もないし、要件がそれで終わりならオレ達はこれで帰らせて貰おうか」

 

「テメェ!」

 

そう言って立ち上がった瞬間、殴りかかってきたイッセーの腕を受け止める。

 

「何のつもりだ?」

 

「五月蝿え! 黙って聞いてりゃ、部長を悪く言いやがって!」

 

「こっちの評価を言ったまでだ」

 

「巫山戯んな、部長ほど王に相応しい人は居ないんだよ!」

 

イッセーの叫びにそっちの部下なんだから何とかしてくれと言う視線をリアスへと向けるが、

 

「そうね、身内贔屓かどうか試して貰いましょうか」

 

「おい」

 

四季の思いとは逆にイッセーを煽ってくれるリアス。

 

「はい!!! 任せてください、部長! こいつだけはぶん殴らないと気が済まないんです!」

 

「ええ、頼んだわよ、イッセー」

 

「だから、何でそうなる?」

 

そもそも受けるとは言ってないのだ。此処でイッセーと戦うことに対するメリットも無い。

 

「あら、自信がないの?」

 

「無いのは自信じゃ無くて、こいつを殴り飛ばすメリットだ」

 

挑発する様に言ってくるリアスの言葉に呆れたような表情を浮かべながらそう返す。

イッセーを半殺しにする自信は普通にあるが、態々半殺しにする理由もメリットも無い。

 

「それなら、貴方がイッセーに勝ったら望む対価を支払うわ。ただし、貴方が負けたらそのカードデッキを貰いましょうか?」

 

要するに負けたら好きな対価を支払うからオニキスの力を賭けてイッセーと戦え、と言う事だろう。

 

(折角オレ以外には使えないって忠告してやったのに)

 

最悪はカードデッキを取られた所でルパンレンジャーになって盗み出せば良いのだが、それでも面倒な物は面倒だ。

 

「そうか……なら、そっちが負けたら、悪魔勢力はオレ達に関わるな、だ」

 

明らかにリアスの権限を超えた事を対価に要求する。

 

「四季、それって悪魔勢力に対する対価になってない?」

 

「こう言っておけば後で何かしてきても、魔王の妹の名前を出して返り討ちにできる」

 

そんな対価を出した事に疑問を持った詩乃の問いに四季にはそう答える。

力を知られた以上は悪魔側からの接触がこれから出てくるかもしれない。それに対する対策の一つとして、リアスの名前を出した上で返り討ちにした場合の責任を彼女、延いてはその兄である魔王に押し付けるための伏線である。

 

「分かったわ」

 

そんな四季の考えに気付いていないのか、それとも気が付いていてもイッセーが負ける訳がないとでも思っているのかは分からないが、四季の条件を飲んだ。

 

「悪魔は自分の欲望に正直であるべきだと思ってるのよ。だから、欲しいと思った物はどんな手を使っても手に入れるわ」

 

「欲望に忠実な奴ほど破滅するぞ」

 

「忠告痛み入るわ。でも、私はどこまでも悪魔なのよ」

 

だからイッセーの言葉に乗る形で賭けに持ち込み手に入れる、と。

良い機会だから雫の力も自分の目で確認したいと言うのもあり得そうだ。

 

実際、リアスは四季からカードデッキを取り上げた上で二人とは再度交渉すれば良いとも考えていた。

特に雫、最低でも強力な回復手段を持った彼女を眷属に出来れば、ゲームにおける継戦能力は大きく上がるのだ。そういう意味では一番欲しい人材だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結界が張られた校庭で対峙する四季とイッセーの二人。周囲で観戦する形でお互いの仲間が二人の様子を眺めている。

 

互いに禁手やライダーへの変身は無し。飽く迄生身での一対一での模擬戦だ。

 

「行くぜ! 昨日のお返しにぶっ飛ばしてやる!」

 

「……」

 

自分の神器である赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出現させるイッセーと、イッセーの言葉に応える事なく懐から取り出すような仕草で武器庫の端末からオリハルコンを取り出して身に付けている四季。

 

「って、天地! その籠手はどこから取り出したんだよ!?」

 

「見てただろ、取り出す所」

 

明らかに懐に入っていたサイズの装備では無いだろう。

 

「大体片手だけでもお前だって付けてるだろ」

 

「うっ」

 

イッセーの言葉にそう告げて両手に装備したオリハルコンに僅かに気を流す。初めて使う武器なので多少扱いは慎重に行うが、

 

(うまく行ったな)

 

微かな雷気を纏う両手の手甲。輝きから行って普通に存在する金属では無いことには見るものが見れば気付くだろう。

オリハルコンの材料となった金属の特性なのか、この手甲は気を流すことによって雷気を纏う事ができる。実際やって見ないことにはできるかは分からなかったが、問題無いようだ。

 

「さあ、始めようか」

 

「へっ! 高々人間に何が出来る、こっちは悪魔だぜ! フェニックスにだって勝てたんだからな!」

 

ライザーに比べれば大したことはない、此処でカッコ良く四季をぶちのめして詩乃ちゃんと雫ちゃんを自分のものにしてやる、そんな考えを浮かべながらイッセーは殴りかかる。

 

それに合わせるように拳を放つ四季。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)とオリハルコンを纏った拳のぶつかり合いが、ゴングとなった。

次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)

  • 切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
  • 長谷川千雨(魔法先生ネギま)
  • 更識楯無(インフィニット・ストラトス)
  • ユキ(プロジェクト東京ドールズ)

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