『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』 作:ドラゴンネスト
「遅い。そして、甘いっ!」
弾かれたイッセーとの距離を詰めると顎を狙って掌打を打ち込む。
「がっ!」
悪魔と言っても元は人間。純潔の悪魔と言っても肉体構造が人間と変わらないならば、元人間の転生悪魔も顎を狙い脳を揺らされればダメージは変わらない。意識はあっても体は立ってはいられないだろう。
予想通りイッセーの体が崩れ様とする。そんな瞬間を逃さず龍星脚を放つ。
掌打を顎に打たれての体に力が入らない状態での上段蹴りの流れによってそのまま地面を転がっていくイッセー。
「イッセー!」
「イッセーさん!」
そんなイッセーの姿に叫びをあげるリアスとアーシアの二人。
元々人一人吹き飛ばす程度の威力のある技である龍星脚を力が入らない状態で受けたのだからそれも当然の結果だろう。
先日の一件と同じ流れの技の組み合わせを選択したが、
「テ、テメェ……」
さすがは悪魔と言った所だろうか、フラフラとした様子で立ち上がってくる。
(天地の野郎、何もしないなんて余裕のつもりかよ。でもな、お前が余裕ぶってる間にチャージする事が出来たんだ)
籠手から『boost』と言う音が聞こえてくる。既に何回か倍加に成功してるのだろう。
(倍加したオレの力は上級悪魔にも匹敵するって部長が言ってた! 当たったらあんな奴!)
一直線に殴りかかってくるイッセーの拳を紙一重で避け、四季は籠手に触らない様に腕を掴み、蹴り砕かんばかりの勢いで足を払い、腕を離してその場を離れる。
当たれば上級悪魔にも通用する一撃はそのまま校庭へと直撃した。
「へー、それは地面を耕す為の神器だったのか? 初めて見たな、そんな神器」
校庭に大穴を開けて顔面から土に埋まってるイッセーに対してそう挑発する。
イッセーは気付いていない事だが、イッセーは悪魔になった事で肉体的な強度は上がってるだろうが、四季も気による身体能力の強化によって瞬間的な身体能力は人外にも負けてはいない。
「ふざけんじゃ、ねえ!」
埋まっていた土の中から抜け出すと
「余裕ぶってんじゃねえ!」
警戒されてるであろう左手では無く右手で四季の顔面へと拳を振り抜く。
「いや、実際……」
「っ!?」
当の四季は割り込ませた右手を盾にしてイッセーの拳を防いでいた。しかも、盾にした右腕にもオリハルコンは装着しているわけで……
「つい最近までケンカもした事ないお前の攻撃なんて棒立ちしてなきゃ当たらないぞ」
「いってぇー!」
四季の言葉は聞こえていないのだろう。オリハルコンを殴った手の痛みに悶えていた。
イッセーは倍加が無ければ単なる下級悪魔。それもつい最近までケンカもした事のない素人だ。実戦経験と言えばレイナーレの一件とライザーとのレーディングゲームだけだろう。
四季も似た様な者だがガチャによる特典で天賦の才と言うべき高い資質を持ち、ダイオラマ球の中の旧校舎地下での怪物達との実戦訓練で戦闘経験はイッセーの比では無い。
「何だよ、それは!? なんで出来てるんだ!?」
悪魔であるが全力で殴っても凹み一つ無い手甲に対して文句も言いたくなるだろう。
まあ、そもそも兵士の駒八つとは言え自陣である駒王学園の真ん中で戦ってる以上、身体能力では子猫にも劣る彼の力では普通の手甲でも防ぐのには十分だろうが。
「まあ、特別製なのは認めるけどな。それじゃ、次は……こっちから行かせて貰おう、か!」
体内で練った気を炎気へと変換。巫女に降る神の炎を模した炎気。
「巫炎!」
その炎を纏った掌打をイッセーへと打ち込む。
「ガハッ!」
その技のことを知っている詩乃と雫の二人は驚いていないが、四季の技のことを知らないリアス達グレモリー眷属は驚いている。
「がぁあ!」
炎を纏った掌打である巫炎を打ち込まれた打撃の痛みや炎の熱さに加えて、神の炎を模したが故に炎が僅かながらに持った聖属性による痛み。三重の痛みに晒されたイッセーが悲鳴を上げる中、今度は体内の気を冷気へと変換し、冷気を纏った掌打を撃ち込む。
「雪蓮掌っ!」
「あぐっ!」
痛みに耐えながらもなんとか防ぐ事ができたイッセーだったが、防いだ
「ふっ!」
「グハッ!」
心臓の位置を狙った拳を打ち込み、体勢が崩れた瞬間掌を腹部に添え、
「破ぁ!」
「ゲフッ!」
そのまま掌から練気法と呼吸法により高めた剄力を放つ気功術『掌底・発剄』をゼロ距離で撃ち込む。
腹部に打ち込まれた発剄によって吹き飛ばされ、力無くバウンドする様に地面に叩きつけられた後、校庭を転がるイッセー。
「で、オレの勝ちで良いのか?」
立ち上がる様子のないイッセーを眺めながら、一連の流れに言葉を失っていたリアスへと問いかける。
「イッセー!」
「イッセーさん!」
そんな彼の姿に再起動して慌てて駆け寄るリアスとアーシア、それに遅れて木場、朱乃、子猫の順で駆け寄っていく。
ゼロ距離では発頸を撃ち込んだのはやり過ぎたかとも思ったが、イッセーも駆け寄ったアーシアの
「四季、グッジョブ」
「やったわね、四季」
雫と詩乃が駆け寄って来てそう祝福してくれる。まあ、二人も期間は短いとは言えイッセー達三人の被害を受けていたのだし、クラスメイトのことを考えると四季に叩きのめされても良かったと言う気持ちしか浮かんでこないのだろう。
「治療してるって事はオレの勝ちって事で良いんだろうな」
「自分で回復できるなら別でしょうけど、仲間が回復させてるなら終わりでしょ」
グレモリー眷属側のイッセーの治療を眺めながら、四季の意見に詩乃も同意する。流石に治療有りでやるのなら本格的に殺し合いにしかならない。一対一の模擬戦と言うのならばこれで終わりだろう。
「んじゃ、オレの勝ちって事で、オレ達は帰らせて貰うぞ」
一応とばかりにリアス達にも聞こえる様な声でそう告げて帰ろうとするが、
「待ちなさい!」
リアスが四季達を呼び止める。
「何でしょうか、グレモリー先輩?」
「ここまでして置いてタダで帰すと思ってるのかしら?」
「いえいえ、そっちから挑んで来た賭けの対価で貰う物は無形の品なんで、もう貰ったと判断したんですけど、違いましたか?」
リアスの言葉にそう言葉を返す。契約書でも書いてくれますか?と続ける四季の言葉にリアスは悔しそうな表情を浮かべる。
「そうね、申し訳ないけど契約書を用意しておくから、受け取りに来てもらえるかしら。それを持って後日改めて契約として形にしましょう。でも、私が言ってるのはそれじゃ無いわ!」
リアスは気絶してるイッセーを指差す。アーシアが涙目になって治療しているが……
「治療くらい手伝って行きなさい」
「いや、お互いに一人回復役が居るんだから、そっちで回復させればいいだろ」
「私はちゃんと貴方も治療するつもりだったわ」
そう言われてしまうと無傷で勝利した以上は、リアスの言葉を嘘だと否定する事はできない。
実際事前に話してなくてもアーシアの性格上四季の事も治療していただろう。
「はぁ、仕方ないか……。雫、嫌だろうけど、頼む」
「……分かった」
嫌そうにしながらも、雫は四季の頼みに応えて仕方ないとばかりにイッセーへと手をかざす。
全身から浮かぶ青い陽の気。祈りによって形を成す癒しの術。
「風よ、お願い」
『癒しの風』。遠く離れた者も癒す癒しの術。
近づかなければ治療できない『癒しの光』では戦闘力の高く無い彼女にとって命取りだろうと考えた結果、その術の会得を雫の特訓の第一目標にしていた術だ。
近づく事なくアーシアからの治療を受けていたイッセーの傷が癒えていく。
「す、凄いです!」
その事に最初に反応したのはアーシアだった。遠距離での治療対象を選んでの治癒の力と言う点にだ。
「まあ」
「これは……」
続いて声を上げるのは朱乃だ。長距離での治癒の術。それも対象をある程度限定しての治癒も可能とする彼女の精密さにだ。
瞬間的な回復力に感嘆の声を上げるのは木場といった所だろう。
「あれは……」
そして、子猫だけはその力が魔力では無い事に気付いていた。四季も雫も、もしかしたら詩乃もそうだと。
(姉様が暴走したのと違って制御された気)
それだけでは無い。仙術という力の才を持つが故に気がついてしまっていた。四季の力の質に。
(金色のドラゴン……)
大地の気を受け入れられるが故にほぼ無限の気を操ることが出来るその力の鱗片に。
次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)
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切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
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長谷川千雨(魔法先生ネギま)
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更識楯無(インフィニット・ストラトス)
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ユキ(プロジェクト東京ドールズ)