『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』 作:ドラゴンネスト
飽く迄今回のコカビエルの事件における四季達の立ち位置は部外者だ。なので、イッセー達が
いつもの様に友人二人と会話しているイッセーの姿からはどんな事が有ったのかは伺えなかった。
……が、壮絶な顔で号泣している坊主頭と殺意の篭った顔で凄んでいるメガネから大体想像できる。
「ねえ、天地クン、皆んなでボウリングとカラオケ行くんだけど、アンタも行かない」
「オレも?」
三人と話していた橙の髪を三つ編みにした眼鏡の少女『桐生藍華』がそう誘ってくる。
「ちょっと待てよ、なんでそいつまで誘うんだよ!」
「そうだ! 野郎は木場だけで十分だろう!」
「いや、待て! 天地がくると言う事は……一年の詩乃ちゃんと雫ちゃんも来るという事だぞ」
「はっ! そうか、あの二人のオプションと考えれば!」
「そうだ、アーシアちゃんと小猫ちゃんだけじゃなくて朝田詩乃ちゃんと北山雫ちゃんとも遊べるんだぞ!」
「うおおおおおぉぉぉぉ! そりゃ、テンション上がるぜ!」
絶叫して喜んでいる松田と本浜を呆れた視線で見ながら桐生の方に向き直る。
「まあ、あの三人が不安点だけど、二人も来るとは思う」
「それじゃあ、天地クンも来るのね?」
彼女からの誘いにオッケーの返事をする。一緒に遊びに行く相手がイッセー達三人、通称変態三人組なのが不安だが。それは諦めたほうがいいだろう。
その日の放課後、
「収穫は無しか」
四次元ポケット級の収納力を持つタクティカルベストのポケットに怪盗衣装を仕舞いながら四季はそう呟く。
「分かってたけど、手掛かりが全然見つからないと、ちょっと気が滅入るわね」
「うん」
怪盗衣装から私服に着替えてビルの屋上で四季達三人はそんな会話を交わしていた。
コカビエルの動きを掴もうと探し回っていたが、今のところ収穫はゼロ。流石は歴戦の堕天使と言った所か、ギリギリまで魔王の妹に動きを掴まれるマネはしないだろう。
「そうなると、予定通り部下の暴走を期待した方が良さそうだな」
少なくとも既にフリードは既に勝手なのか、コカビエルの指示なのかは分からないが割と目立つように動いてくれているので待っていれば動きはつかめるだろう。
言い方は悪いが囮も動いてくれている。
「詩乃、兵藤達の様子はどうだ?」
「特に変わりはないみたい」
詩乃の視線の先に居るのは神父の格好をしたイッセー達三人とシスターの格好をした小猫。
詩乃の力、桜井小蒔のそれは主に視力を中心に強化される。その為に彼女に兵藤達の三人の様子を確認してもらったのだが、まだ食い付いてはいないようだ。
「……少し休ませて貰って良い」
「ああ、無理はしない方がいい」
力の扱いについての訓練も兼ねて詩乃に監視して貰っていたが、元々彼女のいた世界に特殊な力は存在していない以上、流石に慣れない力の行使は必要以上に消耗が激しいのだろう。
そんな彼女を気遣うようにスポーツドリンクを渡す。
「ありがとう。でも、少しは慣れてきたわ」
渡されたスポーツドリンクに口をつけながら、四季の言葉にそう返す。そして、短時間の休憩の後再び視力を強化する。
「っ!? 四季、向こうに動きがあったわ!」
「分かった!」
再度イッセー達の監視を行った詩乃がそう叫ぶ。詩乃の言葉いた四季はワイヤーを巻き付けてビルから近くの家の屋根に降りる。
「先に行く! 二人は後から来てくれ!」
二人にそう言い残して身体能力を強化し、パルクールの要領で屋根から屋根へと飛び移りながらイッセー達の居る場所へと向かう四季。
そんな四季の姿を見送ると詩乃と雫の二人も顔を見合わせると頷きあってビルから降りて行く。
「今日も収穫無しか……」
「神父のふりをしていればその内アイツと出会うと踏んでいたんだけどな……」
路地裏に一誠達三人のグレモリー眷属と匙の姿が在った。彼等の服装は駒王学園の制服では無く、男三人が神父の服で小猫だけがシスターの服。
イリナとゼノヴィアの二人と協力を取り付け、情報交換とエクスカリバーの破壊の許可をもらう事が出来た。……『出来るのなら破壊しても良い』と言う言葉だったが、一誠達にはそれで十分だった。
数日前、エクスカリバーの中の一振りを持ったフリードに木場が遭遇……その際にフリードが匙が変えられた怪物と似た青い騎士のような怪物に姿を変えたと言う情報を伝えられたのだが、アナザーライダーのことを知らない教会組にとっては脅威と捉えていない様子だった。
フリードが教会関係者を襲撃して居ることから、ここ数日イッセー達はこうして神父のふりをしてフリードをおびき寄せようとしているのだが、未だに収穫は無かった。
「オレが変えられたって言う化け物の力に聖剣か……オレ達だけでホントに大丈夫か?」
アナザーリュウガに変えられていた時の記憶は無いのだろう匙が不安そうに呟く。
「ああ、対抗策に天地の奴からカードデッキを借りたかったんだけどな」
未だに四季から教えられたカードデッキのDNA認証のことは信じていない様子のイッセーが匙の言葉にそう返す。
だが、相手がアナザーリュウガでは無くアナザーブレイブなのでオニキスの力はあまり意味はないだろう。
「……裕斗先輩?」
彼等がそんな事を話しながら歩いたいると木場が足を止める。そんな木場の姿を怪訝に思ったのか小猫がそう声をかける。
「どうした、木場?」
「作戦は成功したようだね」
自分たちへと向けられている殺気の主に気が付きそちらへと視線を向ける。
「神父ご一行様、天国へご案内ってね! ……おや?」
「フリード!」
襲撃者の顔を見たイッセーがそう叫ぶ。レイナーレの一件でイッセー達との間に因縁が出来たはぐれエクソシストだ。
「おやおやおや? イッセーくんかい? これまた珍妙な再会劇でござんすね!」
フリードと呼ばれた襲撃者の手にあるのは聖のオーラを纏った剣……恐らくはそれが盗まれたエクスカリバーの一振りだろう。
「どうだい? ドラゴンパゥワーは増大してるのかい? そろそろ殺して良い?」
『狂喜』と呼べる笑みを浮かべながらフリードはエクスカリバーを持ってそう問いかける。
イッセーが己の
「伸びろ、ラインよ!」
「うぜぇっす!」
匙が最初に腕に現れたカメレオンの様な神器からラインを伸ばすも、それはフリードに切り払われる。だが、ラインは切り裂かれる事なく足に巻きつく。
「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ! やっちまえ、木場!」
「ありがたい!」
動きを封じた上で高速戦闘タイプの木場が仕掛ける。即席の連携としては良い物と言えるだろう。
「チッ! だが、俺様の持ってるエクスカリバーちゃんはそこらの魔剣君では……相手になりはしませんぜ!」
そこは一応は七分の一になったエクスカリバー(疑)とは言え正規の聖剣と言ったところだろう。木場の魔剣を砕くどころか切り結んだ瞬間、逆に切り裂いている。
「くっ!」
木場の魔剣ではフリードのエクスカリバー(?)には勝てない。そんな考えが木場の中に浮かぶ。
「木場! 譲渡するか!?」
「ハハハッ! 随分と聖剣を見る目が怖いねぇぃ!」
そう言った後フリードは懐から時計のような物を取り出す。
「でもねぇ、俺様、もっと自由に殺し合う方が大好きなのよ!」
『ブレイブ……』
「だからさぁ、へーんしん!」
アナザーライドウォッチをその身に取り込み、フリードはアナザーブレイブへとその姿を変える。
「な、何だよ、あの化け物は……? オレはあんなのに変えられてたのか!?」
匙は初めて直に見たアナザーライダーの姿に驚愕の声を上げる。
「おおぅ、俺様にこのスペシャルな力をくれた人が言ってた実験体ってのはそっちの新顔の悪魔君でしたか? そんじゃ、第二ラウンドと……行きましょうかねぇ!」
「そんな姿に変わっても!」
「ハハハ! 随分と聖剣を見る目が怖いねぇ!」
木場が新たに作り出した魔剣を片手と一体化した盾によるシールドバッシュで砕く。
「死んじゃえよ!」
魔剣を砕くと同時に吹き飛ばした木場にトドメを刺そうとエクスカリバー(疑)による刺突で串刺しにしようとする。
「ハァァァァア!」
アナザーブレイブが木場にトドメを刺そうとした瞬間、アナザーブレイブの真横に有った鏡面から飛び出してきたドラグクローを装着したオニキスに殴り飛ばされる。
「ヒデブッ!」
「青い姿……騎士みたいな所から考えて、アナザーブレイブって所か」
四季の考えの正しさを証明するように殴り飛ばされ、先ほどまで背中に有るボロボロのマントの下に隠れて見えなかったアナザーブレイブの背中には『ブレイブ』と『2016』の文字があった。
次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)
-
切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
-
長谷川千雨(魔法先生ネギま)
-
更識楯無(インフィニット・ストラトス)
-
ユキ(プロジェクト東京ドールズ)