『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』   作:ドラゴンネスト

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三十一話目

蜘蛛型の監視メカからの映像が四季のビルドフォンの画面に映し出される。

其処には兵藤家にて予想通りコカビエルからの宣戦布告が行われていた。

 

「予想通りの戦争狂か」

 

聞こえてくる会話の内容によれば、アザゼルとシェムハザを始めとした他の堕天使の組織の幹部達は戦争に否定的であり、神器(セイクリッド・ギア)の研究に没頭しているそうだ。

 

(……そう言えば、グレモリーの女王の父親って堕天使の幹部のバラキエルだった様な……。ライザーと婚約してたら好戦派に合流してたりして)

 

自分の派閥に幹部がもう一人加われば好戦派も勢いよくなるだろう。そもそも、コカビエル自体好戦派とは言え相応の人望も有りそうなのだし。

 

そんな事を思ってしまうが、事前に防がれた事なので今更考えたところで意味はないと切り捨てる。

 

「まあ、予想通り今夜には動いたか」

 

返り討ちにしたイリナを宣戦布告の手土産にリアス達に対して宣戦布告を行っていた。

此処で予想外なのはゼノヴィアだけでなく木場も逃げきれていた事だ。

 

(あれが紛い物だったって分かって、余計に頭に血が上ったと思ったけど、予想外だったな)

 

イリナの持っていた擬態(ミミック)も奪われたが、どれも四季の持つ二本のエクスカリバー(fate)には及ばない品物だ。それについては問題ない。

 

問題があるとすれば、リアスとソーナ、二人揃って身内である魔王(サーゼクスとセラフォルー)に連絡しなかったという事には二人揃ってその正気を疑うレベルだ。

そもそも、ライザーとその眷属にすら試合で勝てないリアス達の『あとは私達がなんとかする』と言う言葉は何処からそんな自信が湧いてくるのか疑問に思う。イッセーの手にはスクラッシュドライバーも無ければ、彼の神器(セイクリッド・ギア)は禁手にも至らないのに。

 

だが、その辺はちゃんと実力差を理解していた朱乃がサーゼクスには連絡済みだった様子だ。対応できる者の到着までの時間稼ぎを自分達がすると言うのならば文句は無い。

それに加えてコカビエルの力を理解しているドライグが居るなら、イッセーの体の大半を対価に魔王到着までの時間稼ぎはしてくれるだろう。

 

「さて、準備はいいか? 此処からは正真正銘の命賭けの死闘だ。今からでも不参加でも良い。その場合は安全のためにこの街からなるべく遠く離れて貰うけど……」

 

ナデシコCを使って避難してもらう予定だと四季は自分の目の前に立つ三人の少女に問いかけるが、誰からも逃げると言う選択は出てこない。

 

「敵の目的は聖書勢力内の内乱の再開とその決着。戦争がしたいなら無関係な人間を巻き込むなって言いたい。奴の身勝手な欲望の為にこの街に住む人たちを犠牲にさせない為にも、オレ達は負けられない」

 

コカビエルの目的は悪魔側への宣戦布告。リアスとソーナの首と序でにその眷属の首はその為の道具。

流石に堕天使内の内乱までは望んでいないであろうから、敵とは言えバラキエルの娘である朱乃だけは最低でも生かして連れ帰る程度には手加減するだろうが、リアスとソーナの首を取り、この街を吹き飛ばす事が本来の目的のための宣戦布告と言える。

 

「オレから言えるのは一つだけだ。全員生きてこの場に戻ろう」

 

怪盗の正体を隠す為にVSチェンジャーは使えない。状況的に今は素顔での活動をすべきだ。

手甲オリハルコンを着け、オニキスのデッキとどちらでも使用していなかったウィザードライバーを四季は手に取る。

彼女達も武装の確認を終えていつでも動ける状態だ。

頷き合い四季達は学園へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当然ながら、結界はあるか」

 

「で、これはどうするのよ?」

 

学園の前、ソーナ達シトリー眷属が張っている結界を前に詩乃の言葉が響く。

詩乃の問い掛けには方法も考えてあるのだろうと言う信頼も困っている。

 

流石にその結界がどこまでコカビエル相手に耐えられるかは疑問だが、コカビエルの力を学園内で留める目的で貼られたそれを破る訳には行かず、その結界があっては四季達も学園の敷地内には入れない。

 

「生徒会長達を探して問答している時間もないし、これだけ近いなら問題ないな」

 

結界を張っている生徒会長を見つけても中に入れてくれるとは限らない以上は、余計な時間を取られる前に他の手段を取るべきだろう。

そう言って四季が取り出すのはウィザードライバーとウィザードリング。

 

「結界内にテレポートする。中に入ったらすぐに接敵するはずだから、油断するな」

 

《テレポート、プリーズ》

 

四季達四人の足元に魔法陣が現れて彼らの姿を飲み込んで行き、次の瞬間その姿は消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結界内、駒王学園の校庭では木場を欠いたリアス達グレモリー眷属はコカビエルのペットのケルベロスと戦っていた。

 

ケルベロス。地獄の番犬として有名なギリシャ神話における冥府神ハーデスの元にある神獣。

四季の調査によれば、悪魔や堕天使の住む冥界に住むケルベロスと同じ特徴を持った上位の魔獣の様だ。

流石に本物のケルベロスなんて連れて来たら、ギリシャ神話にケンカを売る行為だろう。……聖書勢力全体としてはすでに手遅れかもしれないが……。

 

朱乃が攻撃を防ぎ、その隙をついてリアスと子猫がケルベロスを攻撃してイッセーが譲渡するための倍加の時間を稼ぐと言う作戦なのだろう。

 

そんな中で二匹目のケルベロスが後衛のアーシアとイッセーの背後に現れる。

 

「もう一匹いるのかよ!? アーシア!」

 

それに気がついた時、彼らの耳には戦場には似合わない歌声が響く。

 

 

 

~~♪

 

 

 

突然響く歌声に呆気にとられるその場にいる者達を他所に曲調が変わる。

《BGM:魔弓・イチイバル》

 

「キャウン!」

 

歌声共に何かがケルベロスを吹き飛ばす。

 

「な、なんだ、今の?」

 

歌声共にさらされた攻撃にケルベロスが吹き飛ばされた事に驚愕するイッセーだが、

 

 

 

「へっ、こんだけデカけりゃ、外しようがねえな」

 

「あら、それでも狙いどころはあるわよ」

 

「ギャウン!」

 

続けて聞こえるのは二人の少女の会話と、炎を纏った矢を三つの頭のうちの一つの眼球に受けて悲鳴をあげるケルベロス。

 

「今の声は詩乃ちゃん? もう一人は……」

 

「八雲っ!」

 

イッセーが自分たちを助けた声の主に気がついた時、動きを止めたケルベロスの三つの頭の中の中央の頭に四季の気を纏った拳が叩きつけられる。

 

そして、左右の首へと

 

「火社っ!」

 

右の首は巫炎の、

 

「深雪!」

 

左の首へは雪蓮掌の八雲と同等の上位技を放ち、右の首を炎に包み焼き尽くし、左の首を凍結させ砕く。

 

ケルベロスが倒れた事で背中を向ける四季。

 

「グルゥ……」

 

だが、打撃による衝撃だけだった中央の首は生き残っていた様子でヨロヨロとした動きで立ち上がる。

 

「トドメは任せた」

 

「ああ、任された」

 

一矢報いようとでも言うのか、最後の力を振り絞って背中を向けている四季に襲いかかろうとした瞬間、新たに現れた影がケルベロスの首を切り落とす。

 

「遅くなった。加勢にきたぞ」

 

切り落とされたケルベロスの首の上に立つのはゼノヴィアだった。

 

「スゲェ……って、なんか一人増えてないか?」

 

詩乃と雫以外にも人影が一人増えている事に疑問を抱くイッセー。

 

「ああ、コカビエルなんて大物を相手にする訳だから、知り合いに助っ人に来てもらったんだ」

 

知り合いを助っ人に頼んだ。今はその程度の説明で十分だろう。

 

「彼女は『雪音クリス』。オレ達の知り合い「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!」……って、おい」

 

クリスを紹介した瞬間、イッセーが急に雄叫びをあげる。

 

「お、おい、こいつ、どうしたんだよ!?」

 

「あ、ああ。困った事に正常なんだろうな、変態の」

 

クリスの姿を視界に捉えた瞬間絶叫をあげるイッセーに対して困惑するクリスと平常運転なんだろうなと思う四季。そして、

 

「でかぁい! 説明不要! 部長や朱乃さんにも匹敵する見事なおっぱい! しかも、小柄な分余計に際立ってる! 見事なロリ巨乳!」

 

「ひぃ!! お、おい、本当にこれが普通なのか!?」

 

「いや、寧ろ予想通りの反応としか」

 

鼻血と歓喜の涙を流しながら絶叫するイッセーに、イッセーの舐め回すような視線に怯えて四季の後ろに隠れるクリスと、予想通りすぎる反応にドン引きな四季の構図であった。

 

 

 

 

 

 

『あれ、今一瞬至りそうになっちゃったけど、気のせいだよな、絶対』

 

 

 

 

 

人知れず禁手(バランス・ブレイク)に至りそうになった事に気がついたドライグがいたとか。

 

次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)

  • 切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
  • 長谷川千雨(魔法先生ネギま)
  • 更識楯無(インフィニット・ストラトス)
  • ユキ(プロジェクト東京ドールズ)

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