『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』   作:ドラゴンネスト

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三十二話目

精神世界の中で相棒(ドライグ)が現実逃避している事など露知らず、物凄く情けない理由で禁手になる一歩手前まで至っちゃったイッセーに対して完全に涙目のクリス。脳内保存と言わんばかりの視線に晒されているのだから当然だろう。

 

流石にイッセーレベルの変態に遭遇するのは初めてなのだろう、自分を呼び出すのに迷っていた理由を心底理解した。

 

「お、お、お、おい、もしかしてあたしを呼び出すのに迷ってたのって?」

 

「こいつが原因。付け加えるなら性癖にどストライク」

 

「ヒィッ」

 

そう、心底、身をもって理解してしまっていた。鼻の下を伸ばして胸部をガン見してくるイッセーの視線から逃れるべく四季の後ろに隠れている。

 

「クリスちゃんって言うんだ、オレは兵藤一誠、宜しくな」

 

「よ、宜しくしたくねえ!」

 

爽やかさ笑顔を浮かべて挨拶してくるが鼻血流しながらでは台無しである。

 

「変……兵藤、一つ良いか?」

 

「なんだよ?」

 

四季の言葉に、お前には用は無い寧ろよく見たいから退けと言わんばかりの態度で答えるイッセー。

 

「彼女は一つ上だぞ」

 

「ええ!? って事は部長や朱乃さんとタメ!? 年上のロリ巨乳ってのも……」

 

何が妄想の中にトリップしている様子のイッセーから距離を取りながら後衛の詩乃と雫と合流する四季とクリス。

 

「おっと、こっちも溜まったぜ」

 

二人が離れた時、鼻血を抑えながら倍加が限界まで終わったのだろう。何故か色素が落ちているように見える赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を持って、

 

「部長! 朱乃さん! 譲渡いけます!」

 

そう二人を呼ぶ。……鼻血を抑えながら。リアスと朱乃の二人に倍加させた力を譲渡すると、その力の大きさを感じ取ったのか逃げ出すもう一匹のケルベロス。

 

そんな中、ゼノヴィアと同じく駆け付けた木場の魔剣創造(ソード・バース)によって足止めされたケルベロスが、イッセーの譲渡によって強化された朱乃の雷によって焼き尽くされる。

 

リアスもまた譲渡によって強化された全力の滅びの魔力をコカビエルへと放つが、等のコカビエルはそれを片手で弾く。

 

そんな中、

 

「完全だ」

 

興味無さげなバルパーの声が響くが、その視線が四季を捉えた瞬間狂喜の感情が浮かぶ。

 

「おお、来たか、真なるエクスカリバーよ! 今、四本の聖剣が一つとなり術式は完成した!」

 

四季の姿を、いや、正確には彼がこの場で使うであろうエクスカリバーに対して歓喜の感情を浮かべながら心からの歓迎の言葉を告げ、完成した聖剣をゴミでも投げるような態度でフリードに投げ渡す。

 

「あと二十分もしないうちにこの街は崩壊するだろう」

 

『なっ!?』

 

バルパーの言葉にグレモリー眷属だけでは無く四季達にも驚愕が浮かぶ。タイムリミットは20分。

どこぞの光の巨人の活動時間よりは遥かに長いが、

 

「術式を解除したくばコカビエルを倒すほかない。更に」

 

「ホイホイ」

 

そう言ってバルパーとフリードが取り出すのはアナザーライドウォッチ。

 

 

『ブレイブ……』

『ワイズマン……』

 

 

バルパーとフリードの姿がアナザーワイズマンとアナザーブレイブへと変わる。

 

「ワシらも邪魔させてもらうぞ」

 

あみでも浮かべているかのような口調で告げるアナザーワイズマン。

その目的は一つ、間近で四季の持つ異世界のエクスカリバーの力をみる事なのだろう。

 

「タイムリミットは二十分か。長々と戦う趣味は無いけどな」

 

「時間制限なんて聞かされると、ちょっと焦るわね」

 

「へっ、そんだけ有りゃ十分だろ」

 

「うん」

 

三大勢力の戦争を生き抜いた歴戦の勇士(コカビエル)と倒し難さではライダー怪人の中でもトップクラスのアナザーライダーが二体。その事実に僅かながらも焦りが見える四季。目の前の相手……コカビエルに僅かに気圧されている詩乃と雫。

焦りや気圧されているのが僅かで済んでいるのはこの場に置いて一人、気圧されている様子のないクリスの存在故だろう。

 

彼女だけはこの場に於いて……唯一コカビエル以上の強敵と何度も戦った経験があるのだ。今更強敵とは言えコカビエル相手に気圧される通りはない。

 

「さあ、小僧! 貴様の持つ真のエクスカリバーの力を見せてみろ!」

 

やたらとテンション高く宣言するアナザーワイズマン。そんなアナザーワイズマンの姿にコカビエルもちょっとドン引きである。

 

「……フリード」

 

「はいな、ボス」

 

「最後の余興だ。四本の力を得た聖剣で戦ってみせろ」

 

「そうだ! その四本統合の聖剣ならばエクスカリバーと打ち合ってもすぐに折れる事は無い! さあ、存分に真のエクスカリバーの力を見せろ!」

 

コカビエルドン引きのハイテンションで叫ぶアナザーワイズマン。

 

「ヘイヘイ、まーったく、オレのボスは人使いが荒くてさぁ。でもでも、ちょー素敵仕様になった聖剣を使ってでエクスカリバーにリベンジマッチできるなんて、光栄の極み、みたいな?」

 

ケラケラと笑う様子でアナザーブレイブは四本統合された聖剣を振り回しながら四季へと聖剣を向け。

 

「さあ、リベンジマッチと行きましょうかねぇ!?」

 

そう宣言する。

 

「……一つ聞きたいんだが、何故バルパーは君に対して真のエクスカリバーと言っているんだ?」

 

「ああ、それか? 異世界の、と言う注釈は付くけど」

 

武器の中からfate仕様のエクスカリバーを取り出し、

 

「正真正銘の本物のエクスカリバーを借り受けてるからな」

 

『っ!?』

 

四季がエクスカリバーを構えながらそう告げた瞬間、イッセーと木場、子猫以外の全員に驚愕が浮かぶ。

 

「ま、まさか……本物のエクスカリバー、だと?」

 

呆然と呟くゼノヴィア。

自分の手の中にある破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)とは比べ物にならない存在感を持った四季の持つ聖剣。

それだけでも理解してしまう。その剣は格が違うと。

 

「エクス……カリバー……」

 

憎悪の困った視線で四季の持つ聖剣エクスカリバーを睨みつけるのは木場だ。

 

「同志の仇は僕が討つ!」

 

そう叫び真っ先にアナザーブレイブへと向かっていこうとした木場だったが、

 

 

『バインド……ナウ……』

 

 

「ぐぁっ!」

 

光の鎖に全身を巻かれ、受け身もとれずにそのまま顔面から地面に倒れこんでしまう。

 

「黙れ、転生悪魔の小僧」

 

 

『エクスプロージョン……ナウ……』

 

 

「木場ぁ!」

 

続いて襲われた爆発に吹き飛ばされてイッセー達の元へと吹き飛ばされる。

 

「これから始まるのはエクスカリバーの名を与えられた聖剣に対して真のエクスカリバーの力を見せる戦いだ! 貴様の様な聖剣ですら無いナマクラを量産することしかできぬ者が入って良い戦いでは無い!」

 

狂気の困った叫び。それに同調する様にアナザーブレイブも、

 

「そう言う事っすよ悪魔くん。そんなに首チョンパして欲しかったら、エクスカリバーとなリベンジマッチ終わったらしてあげるから、邪魔しないでちょうだいよ」

 

ケラケラと笑いながら興味ないと告げるアナザーブレイブ。

 

「巫山戯るな! バルパー・ガリレイ! 僕は聖剣計画の生き残りだ!」

 

「……聖剣計画? 懐かしい計画だな。ああ、真のエクスカリバーに出会えた今となっては無意味な事をしていたと思うよ」

 

何かを懐かしむ様にシミジミと呟くアナザーワイズマン。

 

「紛い物と紛い物すら扱えん出来損ないどもに貴重な時間を割いたと思うとな」

 

「巫山戯るなぁ!」

 

激昂する木場だが、アナザーワイズマンはそんな木場へと興味を向ける事はなく、彼を拘束する魔力の鎖も解ける事はなかった。

次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)

  • 切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
  • 長谷川千雨(魔法先生ネギま)
  • 更識楯無(インフィニット・ストラトス)
  • ユキ(プロジェクト東京ドールズ)

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