『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』   作:ドラゴンネスト

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三十三話目

「巫山戯るな、バルパー・ガリレイ。ぼくはあなたに殺された身だ、悪魔に転生して生きながらえている」

 

怒りに震えながら、木場はアナザーワイズマンへと問う。

それだけは聞かなければならない、死んだ同志達のためにも知らなければならない。

 

「何故、あんな事をした?」

 

「ん? ああ、肝心の聖剣が偽物である事を除いては一応は成功していたよ、あの計画は」

 

どうでも良いとばかりに投げやりな返事をして何処からか取り出した結晶のような物を足元に投げ捨て、踏み砕く。

 

「自分では使えないからこそ使える者に憧れた。そこの小僧の様にな」

 

四季を見るアナザーワイズマンの宝石を模した異形の仮面の奥には恍惚という表情が浮かんでいる事だろう。

 

「成功? 僕達を失敗作と断じて処分したじゃないか!!」

 

「聖剣を扱うには何らかの因子が必要であることに私は気が付いたのだよ。被験者はほぼ全員にその因子を確認できたものの聖剣を扱える数値に満たなかった」

 

呆れた様にため息を吐くアナザーワイズマン。そんな相手の表情に、

 

「……なるほどな。今回送られてきた、安全に作られた聖剣使い二人。なるほど、天界側にとってお前を始末しない程度の功績にはなっていた、と言うわけか?」

 

「ほう、気がついた様だな、流石は真の聖剣の使い手だ」

 

四季の呟きに感心した様に応えるアナザーワイズマン。そして、四季の推測を採点する様に黙ることで続きを促す。

 

「一人分で無理なら必要な分を足せばいい。お前は見つけ出したと言うことか? 『因子を抽出して集める方法』を」

 

四季にしてみればビルドドライバーやスクラッシュドライバーが使用可能になるハザードレベルのことを知っているからこその発想だ。

だが、そのレベルを一つあげるのにもビルド本編に於いてエボルトも苦労していた。短時間で楽に強化できる方法があるのならまずはその方法を模索するだろう。

 

それが推測の切っ掛けだったが、

 

「くくく……ハハハハハハハハハハ! 正解だ、満点をくれてやろう! 私の至った結論そのものだ!」

 

「なるほど読めてきたぞ、聖剣使いが祝福を受ける時体に入れられるのは……」

 

「他者から抜き取られた聖剣使いの因子を物質化した物だろうな」

 

四季の答えに狂笑しながら肯定するアナザーワイズマン。更にゼノヴィアの言葉から多くの犠牲の上になりたった研究のデータが今の聖剣使いの量産に繋がっているということが明らかになった。

 

「その通りだ。先ほど砕いたのが、その聖剣計画で結晶化させた聖なる因子だ」

 

「っ!?」

 

アナザーワイズマンの言葉に木場の表情がこわばる。

 

「私の理論によって聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。だが教会は研究資料だけを残し、私だけを異端として追放した」

 

医薬品の研究でも人体実験のデータは大きな発展をもたらす。非人道的な手段を持って行えば発展の速度は大きく違うだろう。

四季の中にある桐生戦兎のそれはバルパーの言葉の意味を理解し、同時に怒りに変える。

 

「貴殿を見るに私の研究は誰かに受け継がれていると様だな……。ミカエルめ、私を断罪しておいて……」

 

そう、研究は今も続いている。ゼノヴィアとイリナの存在こそがその証拠なのだ。

誇りのはずの聖剣使いの称号が、その真実は教会の罪そのもの。ゼノヴィアの心境としては穏やかではいられないだろう。

 

「……同志達を殺して因子を抜いたのか?」

 

「そうだ。3つほど使って、もう不要になった残った一つは先ほど砕いたがね」

 

「ヒャッハハハ! オレ以外の連中は因子に対応できず全員死んじまったがな!」

 

アナザーワイズマンの言葉を笑いながら補足するアナザーブレイブ。

 

「テメェ……」

 

「お前の身勝手な欲望のために、どれだけの命を弄んだ……?」

 

バルパーの言葉に怒りを露わにするクリスと四季。

 

「もう全てどうでもいい事だ。当初の目的であった愚かな天使と信徒どもに私の研究を見せつける事も、今となってはどうでもいい」

 

不気味なほど穏やかな口調でアナザーワイズマンは言葉を続ける。

その心の中には既に新たな野望がうごめいていた。

 

「貴様だよ、真のエクスカリバーの使い手よ! お前の中にあるであろう聖なる因子を抜き取れば、私自身がなれるのだ! 憧れていた、聖剣の……エクスカリバーの使い手に!」

 

そう、アナザーワイズマンの……バルパーの目的は四季と出会った事で既に変わっていた。

真のエクスカリバーが目の前にある。自分が研究してきた聖剣など歯牙にもかけない完全な、本物の聖剣が。

伝説のアーサー王から四季に貸し与えられたと語られたそれも、自分に届けられるために渡された様にしか見えていない。否、既にそう思い込んでいる。

彼の頭の中にはエクスカリバー持った己の姿しか無いだろう。

 

「バルパアアアアアアアアアアァー!」

 

バルパーの言葉に激昂する木場だがアーシアの治療も終わらず先ほどの爆発の傷は癒えておらず、全身に巻きつく光の鎖の拘束によって立つことさえままなら無い。

 

「ふん」

 

そんな木場を嘲笑う様にアナザーワイズマンは踏み砕いた結晶のカケラを木場の元に蹴り飛ばす。

 

「それがお前の仲間の成れの果てだ。クズには似合いの末路だろう?」

 

 

ガンッ!

 

 

その瞬間、四季のエクスカリバーとアナザーブレイブの統合聖剣がぶつかり合った。

 

「おっと! 先ずはオレの相手してくれませんかね!?」

 

「詩乃、クリス先輩! バルパーを頼む!」

 

「ああ!」

 

「ええ!」

 

二人に指示を出すと切り結んでいたアナザーブレイブの体を蹴り飛ばし距離を取る。

 

「雫、二人の補助を頼んだ」

 

「うん」

 

四季の事はアナザーブレイブが離してはくれないだろう。だからこそ、アナザーワイズマンは詩乃達三人に任せるしか無い。

エクスカリバー(偽)に因縁がある木場が動けるのなら木場の望み通り丸投げして詩乃達と一緒にアナザーワイズマンを倒せばいい事だが動けない以上はそうもいかない。

 

「バルパー・ガリレイ。お前は聖剣の伝記を読んだ事が有るのか?」

 

「ん? ああ、聖剣の伝記に幼少の頃から心躍らせたものだよ」

 

「だとしたらとんだ笑い話だな」

 

「何?」

 

アナザーワイズマンの言葉に嘲笑を浮かべる。

 

「オレから因子を奪った所でお前が本物のエクスカリバーを使えるわけがないだろう」

 

そもそも、転生特典でガチャの中の型月世界のエクスカリバーを使っているだけなのだから聖なる因子なんて持っているのかも怪しい。

黄龍の器(陽)である事は確かな様だが……

 

「アーサー王の物語において、カリバーンは騎士道に反する行為をした主人に対する抗議の様に折れたと書かれている物もある」

 

「小僧、何が言いたい?」

 

震えながら告げられるアナザーワイズマンにエクスカリバーを突き付け、

 

「例えオレから因子とエクスカリバーを奪ったとしても、お前の様な外道に使われるくらいなら、エクスカリバーは自ら折れる事を望むはずだ!」

 

「っ!?」

 

「お前の心躍らせた伝記の中の悪役の様に、せめてエクスカリバーで斬られることを誇りに思え!」

 

四季の言葉に怒りに震えているアナザーワイズマン。

因子があったとしても、お前には使えないと言われたのだ。その怒りは推して知るべしだろう。

 

「小僧……言わせておけばぁ! フリード、あの小僧を殺せぇ!」

 

怒りに満ちたアナザーワイズマンの絶叫が響き渡る。

次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)

  • 切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
  • 長谷川千雨(魔法先生ネギま)
  • 更識楯無(インフィニット・ストラトス)
  • ユキ(プロジェクト東京ドールズ)
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