『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』   作:ドラゴンネスト

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クリスの設定のマテリアル1を追加しました


三十七話目

「クックックッ! ハーッハハハ! ショータイムだと? 面白い見せてもらおうか」

 

ウィザードへと変身した四季を見下ろしながらダークワイズマンは笑いながらそう告げる。

 

「存分に堪能してくれよ」

 

 

『コネクト、プリーズ』

 

 

魔法陣の中からウィザーソードガンを取り出しダークワイズマンへと切り掛かる。それをハーメルンケインで受け止めるダークワイズマン。

 

一瞬力を緩めてハーメルンケインを受け流すと回し蹴りを放つ。

 

「チッ!」

 

回し蹴りを後ろに下がり回避するダークワイズマンだが、ウィザードは大きく回転するようにキックを放ちながら追撃を加える。

 

「鬱陶しい!」

 

「それは、どうも!」

 

追撃の最中にガンモードに切り替えたウィザーソードガンの引き金を引く。

 

「なっ!? グオ!」

 

単なる剣と油断していたダークワイズマンに直撃するが、流石にさほど大きなダメージにはなっていない様子だ。

 

だが、一瞬動きが止まる。それだけで今は十分。

 

軽くステップを踏むように横に避けるとダークワイズマンへと詩乃の放った矢が直撃する。

仮面の奥で表情を歪めると詩乃へと光の槍を作り出し投げつけようとするが、割って入ったウィザードのソードモードのウィザーソードガンによって砕かれる。

 

「グッ!? 鬱陶しい!!!」

 

ハーメルンケインを振るいウィザードを力任せに吹き飛ばすとそのまま背中の翼を広げ上空に飛ぼうとするが、

 

「なっ!?」

 

上空に浮かび上がった瞬間、クリスの放ったマイクロミサイルが一斉に直撃する。

 

「グワァァァァァァァァァァ!!!」

 

上空からクリスに撃ち落とされたダークワイズマンが片膝をつきながら校庭に着地する。

 

 

『ビッグ、プリーズ』

 

 

「なにっ!?」

 

その隙に新たなウィザードリングを使用し目の前に出現した魔法陣に向かってパンチを放つと、巨大化したウィザードの拳がダークワイズマンを殴り飛ばす。

 

「オマケだ」

 

 

『エクステンド、プリーズ』

 

 

続いて発動させたウィザードリングの効果を受けて真上へと跳び上がりキックを放つと、ゴムの様に伸びたキックがダークワイズマンを蹴り飛ばす。

 

「貴様ら、さっきから」

 

「仮にも歴戦の勇士を相手にしてるんだ、こっちは数の利と手数の多さを活かさせて貰ってるよ」

 

とは言え、例の魔法陣の制限時間も有り、何時迄も数の利と手数の多さを活かした戦い方が通用するとは思えない。

飽くまで短期決戦を狙うしかないのだ。

 

「そらよ、追加だ!」

 

更にウィザードが後ろに下がった瞬間、クリスがマイクロミサイルを撃ち込む。

 

「同じ手が通用すると思うな」

 

ダークワイズマンはそれを背中の5対の翼で防ぐ。

 

「同じじゃない!」

 

 

『コピー、プリーズ』

 

 

コピーの魔法で増やしたウィザーソードガンをダークワイズマンへと投げつけるがダークワイズマンはそれをハーメルンケインで切り払う。

 

「はっ!」

 

同時に斬りかかったウィザードがウィザーソードガンでハーメルンケインを押さえつけ、同時にその場にしゃがみ込むとウィザードの背後からゼノヴィアがデュランダルを振るう。

 

ダークワイズマンの頭を狙った一閃だったが、ダークワイズマンの回避が間に合った事で微かに仮面に傷を付ける程度で終わる。

 

「くっ、浅かったか?」

 

「いや、悪くない!」

 

「がっ!」

 

必殺の一撃のつもりでの一撃を避けられた事を悔しがるゼノヴィアだったが、ウィザードはサマーソルトキックの要領で縦に一回転してダークワイズマンの顎を蹴り上げる。

 

「やってくれたな」

 

ウィザードとゼノヴィアを睨みつけるとダークワイズマンもまたウィザードリングを発動させる。

 

「ならば、オレも使わせて貰うぞ!」

 

 

『デュープ、ナーウ』

 

 

魔法陣が足元に現れると同時にダークワイズマンの周りに無数の光の剣が現れる。

 

「フフフ……なるほど、中々便利な力だ」

 

己の使った魔法の成果に満足気に呟くとハーメルンケインを振り上げる。

 

「ヤベェ、お前ら下がれ!」

 

「急いで!」

 

敵の狙いを理解したクリスと詩乃の言葉に従ってゼノヴィアを連れてダークワイズマンから急いで距離をとる。

 

「やれ」

 

それを合図にした訳でも無いだろうが、ダークワイズマンがハーメルンケインを指揮棒(タクト)の様に振るうと無数の光の槍がウィザードとゼノヴィアへと襲い掛かる。

 

「不味い!」

 

ダークワイズマンに背中を向けていたウィザードには見えなかったが、二人に襲い掛かる光の剣の大半をクリスが、クリスが撃ち漏らした光の剣を詩乃が撃ち落とす瞬間をゼノヴィアは見ていた。

 

「今のは危なかったわね」

 

「ああ、二人とも今のは本当に助かった」

 

流石にあの数の光の槍の飽和攻撃など捌ききれはしない。

ダークワイズマン本人が分身してこなかったのは幸運だが、それでも二人の援護がなければ避けきれなかっただろう。

 

「ククク……面白かったぞ。なるほど、ショータイムと言うだけはあるな」

 

大量の光の剣による攻撃の後、ダークワイズマンは追撃するでもなくウィザードを挑発する様にそう告げる。

戦争狂のコカビエルにとっては四季達の必死の戦いも楽しみでしか無いのだろう。

 

戦争狂(ウォーマニア)が」

 

「しかし、お前達はよく戦っているよ。拠り所とする偉大なる主を失っていても」

 

そんな吐き捨てるように呟くウィザード達を一瞥しながら感心した様子でダークワイズマンはそう言った。

 

「……どういう事だ?」

 

真っ先にダークワイズマンの言葉に反応したのはゼノヴィアだった。

 

「フッハハハハハ!!! お前達下々まで真相は語られていなかったな! 褒美だ、教えてやるよ」

 

そこまで言い切った後ダークワイズマンは静かに、だがはっきりと言い切る。

 

「神は死んだ。先の三つ巴の戦争で魔王だけでなく神も死んでいたのさ」

 

その言葉にその場にいるもの達の……正確にはウィザード達以外の表情が凍りつく。

ダークワイズマンの変身者であるコカビエルは先の三つ巴の戦争の当事者である。

だからこそ、敵ではあってもその言葉の持つ説得力は確固たるものだ。

 

「人間の信仰心や対価に依存しなければならぬほど疲弊した三大勢力……それを人間に知られるのは都合が悪い。この真相を知っているのは各勢力トップの一部だけだ。先ほどバルパーは気付いた様だがな」

 

そう、そして三大勢力を構成する堕天使の幹部であるコカビエルはそれを知る一部に属する者。

 

 

 

 

 

「……神はいない……じゃあ、ぼくの……ぼくの同志の命は……」

 

更に絶望の底に沈んでいく木場。

 

 

 

 

「ウソだ……」

 

コカビエルの言葉を受け入れられずに呆然と呟くゼノヴィア。

 

「もう大きな戦争など故意に企てない限り起きないだろう。それだけ、どの勢力も先の戦争で泣きを見た。アザゼルの野郎も『二度目の戦争はない』と宣言する始末だ!」

 

悪魔は王を失い、天使は神を失った。そして、その過程でも多くの天使や悪魔、堕天使が犠牲になったであろう事は簡単に想像できる。

その果てでの神と魔王の死。もはや、その爪痕は勢力単位では戦う気力すら湧かないという事だろう。

 

だが、唯一被害が少ない勢力がある。

 

「堪え難い! 我ら堕天使が勝利すれば人間などに頼る必要も無いと言うのに!!!」

 

そう、魔王や神と言った王を持たないが故に精神的支柱は残ったままだ。勝てるかは別としても僅かながら優位であったであろう事は間違いない。

 

「主は……死んでいる? では、私達に与えられる愛は?」

 

顔を真っ青にして震える声でアーシアが呟く。

 

「そうだ! 神の守護、愛がなくて当然なのだ! 神はすでにいないのだからな!」

 

そして、神の死によって聖魔のバランスが崩れている事。その証拠として木場の作り出した聖魔剣を示す。

突きつけられた真実に崩れ落ちるアーシア。心など既に折れている木場にさえその言葉は重くのしかかっている。

 

「戦争だ! お前達の首を土産に我ら堕天使が最強だとルシファーやミカエルに見せつけてやる! この力があれば、もはやミカエルなど、ルシファーなど敵では無い!!!」

 

高らかと宣言するダークワイズマン。聖書に記されるビッグネームと戦えるほどの存在を敵に回していると言う事実にその場にいる者たちの心も折れかける。

 

 

そう、

 

 

 

「「「「ふざけるな(ふざけないで)!」」」」

 

 

 

 

四人を別にしてだ。

 

「黙って聞いてりゃ、それがお前が戦争したい理由か! 安い、安さが爆発しすぎてる!」

 

「戦争がしたいなら勝手にやって! そんな理由で私達を巻き込まないで!」

 

「死んだ仲間達のためって言うならまだ納得出来るが、お前の理由はくだらない事この上ない! そんだけ戦争したいなら、一人で勝手に悪魔なり天使なりにでも特攻したらどうだ!?」

 

クリス、詩乃、四季の言葉が響き、雫も頷いている。

既に四季の持つ原作知識からコカビエルの目的は聞いていた。だが、改めて本人の口から聞いた瞬間四人は確信する。こいつはここで叩き潰すべき相手。

そう決断した四季は新たなウィザードリングを取り出す。

 

「もう、出し惜しみは無しだ。もう一段階、ギアを上げていこうか」

 

 

『フレイム・ドラゴン! ボー ボー ボーボーボー!』

 

 

魔法陣をくぐるウィザードの姿が真紅に染まる。それは怒りを象徴している様な真紅の姿。

『仮面ライダーウィザード フレイムドラゴン』。

 

そして、四季達の他にもう一人怒りを露わにする者もいる。

 

「ふざけんな……。てめえの勝手な言い分で戦争起こされてオレの計画邪魔されちゃ困るんだよ! オレはハーレム王になるんだ!」

 

四季達に続いて欲望全開の怒りを露わにするイッセー。

 

「くくく……それが望みか、赤龍帝? ならばオレと来い。すぐになれるぞ? 幾らでも美女を見繕ってやろう」

 

ダークワイズマンの言葉に怒りで力を高められていた物が霧散する。

 

「……」

 

顔を伏して力の完全に消えた籠手を下ろす。

 

「…………」

 

何かを考えながらモジモジとしている。

 

「………………。そ、そんな甘い言葉で騙されるものかよ!」

 

「いや、その間は何だ!?」

 

ウィザードからのツッコミがイッセーに入るのだった。

 

次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)

  • 切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
  • 長谷川千雨(魔法先生ネギま)
  • 更識楯無(インフィニット・ストラトス)
  • ユキ(プロジェクト東京ドールズ)

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