『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』   作:ドラゴンネスト

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四十話目

「早速だが、この四人で同好会を立ち上げようと思う」

 

コカビエル戦の翌日、四季はそんな提案を三人にして居た。

理由は簡単、どこの勢力にも所属して居ないのは裏関係以外にも学園内の人間関係に於いても、だ。

 

所属する部活動、或いは同好会に所属していれば学園内でも行動し易いと考えたからだ。

 

条件としてはオカルトに一切関係する要素がない事。迂闊に活動内容が被って仕舞えば吸収合併されかねない。権力者の後ろ楯相手には下手な理由を持ち出されない方が吉だ。

 

そんな訳で四季達は学園内での活動する立場として『軽音楽同好会』を結成する事になったのだが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、

 

「それでしたら、私の方から足りない部員と顧問を用意するので正式に軽音部として設立しませんか?」

 

生徒会に同好会の申請をしに行ったらソーナからそんなことを提案されてしまった。

 

「部員と顧問ですか?」

 

「はい」

 

ソーナの目的は分からないが、部活動として確立させて仕舞えばそれはそれで学園での活動拠点を得る事が出来る。

 

「それでその部員というのは?」

 

「それでしたら……」

 

ソーナが言葉を続けようとした時生徒会室のドアが開き一人の少女が入ってくる。

 

「やあ」

 

「ゼノヴィア? どうしてココに?」

 

駒王学園の制服を着たゼノヴィアだった。原点の世界ではリアスの眷属になって居たはずの彼女なのだが、

 

「神がいないと知ったんでね。破れかぶれで悪魔に転生した。ソーナ・シトリーから兵士(ポーン)の駒を頂いて、この学園にも編入させてもらった。今日から君と同じ二年生だ」

 

「ええ、丁度お姉様から変異の駒を交換して貰っていたんです」

 

彼女の眷属は学園所属の者は全員が生徒会の役員だが、現状その席は埋まっているので新しく入ったゼノヴィアには役職がない事となる。

 

「要するに、オレ達への鈴の役割という訳ですか?」

 

「ええ、そう思って貰っても構いません」

 

流石に悪魔側としてもコカビエルを撃退してみせた四季達を放置して置く事は出来ないという事だろう。

不干渉の契約があるとは言え下手に監視としてオカ研に入部させられるのは本気で嫌がるだろうし。……特にクリスが。

ならば、一応自分達の縄張りに監視役を引き込んで於いた方がまだ良い。

学園での活動拠点の確保と考えても、部員と顧問を用意してくれて部活動として承認してくれるのならそれはそれで楽で良いのだし。

 

「分かった、その話に乗ろう」

 

申請の用紙にゼノヴィアが名前を書くと改めてそれを受け取るソーナ。

 

「これで、同じ部活の仲間だな。よろしくね、四季くん」

 

「……いや、真顔で可愛い声を出すな」

 

表情を変えずに真顔で可愛い声でそう言うゼノヴィアにツッコミを入れる四季。

 

「イリナの真似をしたのだが、うまくいかないものだな」

 

失敗して落ち込んでる様子のゼノヴィア。こうして、無事に部活動の申請は完了したのだった。

それでも、先程から敢えて触れていなかった点が一つある。

 

「ところで、そちらの用意すると言う顧問と言うのは」

 

そう、顧問の影が見えなかったオカ研の事を考えても普通は部活動には顧問が必要だろう。

 

「その点については心配はいりませんよ。悪魔側の関係者ではないことは保証します」

 

「悪魔側の関係者……ではない。それって、他の勢力の関係者という意味にも聞こえますけど?」

 

「ええ、この駒王等の悪魔側が借り受けている土地には日本神話の監督役が居るんですが」

 

まあそれも当然だろう。悪魔の領地と言っても駒王は日本神話からの借地、領事館の様なものなのだろう。

今は廃墟とは言え教会もあった事から悪魔だけでなく聖書の勢力全体の、という可能性もあるが。

 

そして、その聖書勢力を監視する役割の者も存在する。

今回四季達の部活の顧問になってくれたのはその監視役の人物という事になる。

 

何の為に、とは言わなくても分かる。どの勢力にも属していない、コカビエルを倒せる力を持った者が四人。どこの勢力としても放って置くことはできないだろう。

 

「そう、私はもう悪魔だ。後戻りは出来ない。いや、これで良かったのか? うぅむ、しかし、神がいない以上私の人生は破綻した訳だ。……だが、元敵の悪魔にくだるというのはどうなのだろうか?」

 

やぶれかぶれで元敵の悪魔になったと言う現状を思い悩んでいるゼノヴィア。

盲目的に信じていた頃に比べれば良い傾向なのだろう。

 

「まあ、悩むのは大事な事だからな、存分に今は悩めば良い。ところで、イリナだったか? もう一人はどうしたんだ?」

 

「イリナなら私のエクスカリバーとバルパーの遺体を持って本部に帰った。流石に完全な本物のエクスカリバーを相手に核を完全に破壊された以上任務には失敗してしまったが」

 

「悪用されるよりはマシ、か」

 

ゼノヴィアから視線を逸らしつつ内心を気付かれないように言葉を続ける。実際は回収した核を返すのを忘れていた訳だが。

 

「返して良かったのか?」

 

「一応あれは返しておかなければ拙い。デュランダルと違い使い手は他に見繕えるからね。私にはデュランダルがあれば事足りる」

 

エクスカリバーの伝説を考えると紛い物とは言え、簡単に使い手を見繕えるというのは堕ちた物である。

 

「だが、その事については君には迷惑をかけてしまうかもしれない。流石にイリナの立場を考えると完全破壊された経緯を説明しない訳にはいかなかった」

 

イリナからの報告で教会に完全なエクスカリバー二本を所持している者がいる事を知られてしまったと言う事だ。

確かにイリナの立場を考えると説明しないという訳には行かないだろう。エクスカリバー(偽)の破壊には成功したものの完全破壊になってしまった時点で完全に与えられた任務は失敗だ。

失敗した際の詳細な報告は必要な事である以上報告する必要がある。

 

「まあ、完全破壊したのはオレだし、仕方ないか」

 

正確には回収した核を返すのを忘れていたと言う方が正しいが、なるべくこの話題から離れたいと思う四季だった。

 

「と、ところで、よくデュランダルとセットで使い手を手放せたな、教会も」

 

「あちらへ神の不在を知った事に関して述べたら何も言わなくなったよ」

 

「そうか」

 

暗い雰囲気でそう答えるゼノヴィア。デュランダルの使い手とはいえ神の不在を知ってしまったらその時点で異端者という事なのだろう。

まあ、次代のデュランダル使いのための研究材料にされると言うよりは追放された方がマシなのだろうが。

 

「アーシア・アルジェント。彼女には謝らなければならないな。彼女の時と同じだ」

 

尊敬されていた聖剣使いから異端の徒への転落。アーシアと同じ立場になったからこそその気持ちも理解できたと言うことだろう。

 

その点はイリナは運が良い。決戦前に戦線離脱してしまった為にコカビエルによる神の不在の暴露を聞かずに済んだのだから。

 

「ただ、私が悪魔になった事はとても残念がっていた。次にイリナと会う時は敵同士かな」

 

「神の不在の事は教えられないからな」

 

それなりに仲が良かった様に見える二人だったのだから、そんな形での別れは何とも言えない。

それでも、教えたらイリナも追放に巻き込んでしまうことを考えると、理由を伝える事など出来ないのだから無理もない。

 

「で、グレモリーの騎士の事は単なる事故で済ませたけど、イッセーの利敵行為についてはどうなったんだ?」

 

暗くなった空気を変えるのに重くするのはどうかと思うが、他に話題もないのでそれを上げる。

 

飽く迄裁くのは向こうとイッセーの利敵行為については任せたのだが、

 

「それについてはリアスの所で行われる様子ですが……」

 

「魔王の妹の眷属の立場と赤龍帝の名前が公的なお咎めに対する盾になってるか」

 

「はい」

 

まあ、公的なお咎めは無しにしてもイッセーには夏休み中は勝手な行動をしてはぐれになりかけた騎士の再教育と合わせての眷属教育が行われるらしい。イッセーの夏休みには休みは無さそうだ。

 

だが、問題は別にある。

 

「表向きにはヒーロー扱いで、か」

 

「……はい」

 

そう言って目を落としたのは冥界の新聞の一節。

駒王町に堕天使の幹部が侵入。リアス・グレモリーとその眷属達がコカビエルを堕天使側からの戦力が到着するまで迎え撃った。とある。

まるで活躍した様に書かれているが、戦えていたとは一切書かれていない。

……逆にそのにはコカビエルを倒した四季達のことには一切触れられていない。

まあ、何処の勢力にも属していないフリーの人間四人と教会のエクソシストのゼノヴィアと、堕天使から送られてきた白龍皇が活躍して、悪魔側の赤龍帝は利敵行為で邪魔をしました、等とは悪魔側としては書けないだろう。

 

(逆にこの対応はこっちにも都合はいいか)

 

向こうの対応に内心で笑みを浮かべて後々の動きを考える。これを巧く利用すれば夏休みに態々行きたくもない冥界旅行から逃げられるかもしれない。

 

(せめて夏休みくらいは事件に巻き込まれずに過ごしたいしな)

 

この時期に起こる事件と言えば小猫と姉の再会だけだろうし、あとは特訓とレーティングゲームだけだ。

精神的なダメージの残る木場にリアスじゃなくてソーナの眷属になっているゼノヴィア。ゲームの結果が変わるかもしれないが、それだけだ。

 

「それで、近いうちに三勢力の代表が会議を開くそうなのですが、そこに貴方達も出席して欲しいそうです」

 

「断る。何にもしていないオレ達が出る意味は無い。そうでしょう、会長?」

 

向こうが何もしないのならば此方も向こうに礼を払う必要も無い。言外にそう告げる四季の言葉にソーナも仕方ないとばかりに「そうですね」と答える。

 

「それじゃ、他に話もないならオレはこの辺で」

 

そう言って四季は手を振りながら生徒会室を後にする。

次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)

  • 切姫夜架(最弱無敗の神装機竜)
  • 長谷川千雨(魔法先生ネギま)
  • 更識楯無(インフィニット・ストラトス)
  • ユキ(プロジェクト東京ドールズ)

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