『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』 作:ドラゴンネスト
「と、ところで、旧魔王派の連中は兎も角、オーフィスがテロリストの思惑に強調するとは思えないんだがな」
散々カテレアとセラフォルーのやりとりに爆笑して居たアザゼルが腹を抱えながら本題に持っていこうとする。
「ええ、奴等はオーフィスを力の象徴として使うだけのようです」
吐き捨てるように旧魔王派の者達を奴等と呼ぶカテレア。
「只でさえ恥の上塗りにしかならない行動の上に他者の名前を看板にするなどと言う、誇りさえも失った者達と一緒にして欲しくありませんね」
旧魔王の血筋のせいで勝手に旧魔王派の構成員にされているがカテレアは飽くまで魔法少女レヴィアタンが原因で参加したらしい。
「一度世界を滅ぼして新世界を構築して、その新世界を取り仕切ると言って居ますが」
「オーフィスはパトロンって訳か?」
「そもそも、オーフィスには別に目的が有るそうですよ」
その目的、それを思い出しただけでカテレアの顔色が少し悪くなる。
無垢なオーフィスに倒す為に味方を集めると、そう吹き込んで組織のトップに祭り上げた様だが、そんな事をする気が無いことがオーフィスに知られた時どうなるか、想像しただけで恐ろしい。
オーフィスを怒らせれば世界二位が、オーフィスを怒らせないようにしたら世界一位が敵として目の前に立つ。
正に禍の団は最初から前門の虎、後門の狼が生温い状況にあるのだ。
カテレアとしてもそんな未来の暗い組織に入りたくもなかったが、一部乗り気の連中がいてくれるので暫くはオーフィスが騙されたと知って怒ることはないだろうとも思う。
実はカテレアとしてはセラフォルーからの度重なる屈辱(人の家名を魔法少女の名前にしたり、そのせいで魔法熟女扱いされたり)にキレて禍の団に入ったが、志を共にする者達と出会えた事以外は後悔していたりする。
「全く、奴等の目的は」
「陳腐で酷すぎる、か?」
「その通りですよ。私の目的は飽くまで命を賭してでもレヴィアタンの名の誇りを守る為です」
他の連中の目的などどうでも良い。元恋人と別れる前ならば別だったかもしれないが、今さら元の鞘に戻る気などない。魔法熟女と爆笑された恨みは忘れていないのだ(笑)
飽くまで先代の魔王のレヴィアタンの名の誇りを守る為にセラフォルーを討つ。相打ちだろうが、力を使い果たして別の者に自分が討たれ様がセラフォルーさえ討てればカテレアにとってそれで良いのだ。
「仕方ねえな。サーゼクス、ミカエル、オレがやる。手を出すなよ」
「っ!?」
カテレアにとって用があるのはセラフォルーだけ。
だが、三大勢力にとって此処でカテレアが死力を尽くすであろうセラフォルーを出すと言う選択肢は無い。
「……カテレア、降るつもりはないのだな?」
「ええ、もはや引き返すことなど出来ません。サーゼクス、貴方はいい魔王でした。けれど、いい悪魔ではない」
「そうか……残念だ」
サーゼクスの呟きを合図にぶつかり合うアザゼルとカテレアが校舎の外に飛び出していく。
カテレアの杖をアザゼルの光の槍が受け止める。
「思ったより楽しめるじゃねえか!?」
「ハッ! 私は貴方には用は無いのよ!」
『バインド、ナウ』
カテレアが僅かに距離を取ると近くにいたメイジの一人がアザゼルの腕を絡めとり、カテレアの一撃が叩き込まれる。
「チッ! 一騎討ちじゃねえのかよ!?」
「フフフフ、私は貴方を相手に決闘すると言った記憶は有りませんよ?」
背後にメイジ達を従えながらカテレアはアザゼルに対してそう告げる。
数人のメイジが直接攻撃系以外のリングでアザゼルの動きを阻害し、カテレアが前衛を務める。
セラフォルーが原因で見事な結束を見せてしまっていたのだ。
何かしらの切り札でも出てこない限りは、アザゼル相手に死力を尽くす気の無いカテレアが優勢だろう。
地の利は何方にも無ければ数に利はカテレアにある。
ヴァーリを相手に大半のメイジが戦ってはいるが後続のメイジは湧き出している。
そして、常に3~4人のメイジがカテレアの補助型の魔法で援護に入っているのだ。完全に現状では不利なのはアザゼルの方だろう。
「形振りかまっていられないってか!?」
「ええ、その通りですよ!」
一人のメイジがライドスクレイパーを降りて地上に降り、乗り捨てたライドスクレイパーをカテレアへと渡す。
戦闘の援護と武器の供給と完全に強力な個を中心とした郡としての戦いに徹している事に内心舌打ちを打つ。
「覚悟を決めてもらいましょうか、アザゼル?」
「チッ! 形振り構わなくなったやつってのは本当に厄介だな。……仕方ねえな」
そう言ってアザゼルが懐から取り出すのは短い槍のような物。
「本当なら会談が終わったら、あのベルトの設計図を元に改造したかったんだが仕方ねえ」
「それは」
「オレの趣味さ」
そう、四季から渡されたウィザードライバーの設計図(本当は解析図)の写しを元に思い付いたアイディアを詰め込んで更なる改造を施そうと思っていた人工神器。
主に核にする部分を取り替えてフォームチェンジの機能とかを加えたかったが仕方ないと思う。
その他にも色々な改造プランが浮かんだのはアザゼルだけの秘密である。
「
「ッ! まさか!?」
アザゼルの姿が光に包まれ現れるのはドラゴンを模した鎧に身を包んだアザゼルの姿。それは何処かヴァーリの鎧に似ていた。
「ドラゴン系
「人工神器……!? そんなバカな!?」
「これは『
神器の研究の末に自ら神器を作り上げることに成功していた。その事実に驚愕するカテレア。
「それにそんなに驚く事は無いだろう? 似た様なモンを作った人間だっているんだからな」
「あれは終わったかな?」
カテレアとアザゼルの戦況を眺めながら四季はそう呟く。
人工神器と言う力によって先程までカテレア側によっていたパワーバランスは今度はアザゼル側に傾いたと見るべきだろう。
とは言え、念の為に自分達も戦闘準備程度はしていた方が良いだろう。
フェニックスの時にはソーナ達を狙い、コカビエルの時にはコカビエル達にアナザーライドウォッチを渡した連中が今回はメイジの力を与えただけで済ます訳が無い。
「クリス先輩、今の内にギアを」
「ああ。~~♪」
四季の言葉に答え、歌声が響くと同時にクリスの姿がイチイバルのギアに包まれる。
目の前で行われたリアルな変身シーン、それに反応しない訳が無いのが一人。
「すごい! すごい、すごい! 本物の魔法少女!?」
目の前でのリアルな変身に大興奮な
一応はシンフォギアも魔法少女に分類されるだろうが。
「あれが……」
同時にイチイバルを間近で見たミカエルも驚嘆する。
錬金術と科学と言う違う方面で同じくカケラを核とした武具で有りながらも、教会で作られたエクスカリバーシリーズよりも目の前の武器は強力な代物だ。
恐らくはそれの基礎的な技術を考案した者の才能が違うと一目で分かる。
控えめに言っても天才や秀才と言えるだろう。
(表には関わるべきでは無いと思ってましたが、技術力では私達が一番劣っているかも知れませんね)
神の生み出した神器を自らの手で人工神器として作り上げたアザゼル。悪魔の駒を作り上げた悪魔側の技術担当の魔王。
共に勢力の中に相応の技術力を持っている。それに対して天界側の技術は停滞していたのでは無いか、そうシンフォギアを見せられて思ってしまっていた。
(今回の和平、成立させなければ今後は天界が不利になるかも知れませんね)
聖なる属性の武器や光力と言うアドバンテージがあった。だが、堕天使と悪魔が手を組めば光力を無力化する術も開発されるかも知れない。
堕天使側にして見ても光力を無力化するのはデメリットかも知れないが、人工神器を量産されてしまえばそれで済む問題だ。そもそも、悪魔の力は個々の家ごとの特有の能力があり対策は難しい。
それに対して天界が持つのは光力と言う力だけ。
(私たちにも変化が必要ですね)
今回の和平が成立しなければ真っ先に消えてしまうのは天界では無いかと危機感を覚え始める。
一方、禁手の鎧を纏ったアザゼルの力の前にカテレアは追い詰められた。
せめてもの抵抗としてアザゼルを巻き込んでの自爆しようとする。
目的は果たせないがこのまま一方的にやられて虜囚にされるよりマシと死を覚悟する。
だが、
「片腕くらいお前にくれてやるよ」
カテレアの覚悟のほどを見たアザゼルもまた一切の躊躇なく自らの腕を切り落とした。
死を覚悟しても片腕程度の戦果しか上げられなかった。そんな事実が目の前に突きつけられる中、
「くっ!」
突然現れた空中に浮かぶパーカー達がアザゼルへと襲い掛かりカテレアから遠ざける。
『テレポート、ナウ』
同時にカテレアの姿がアザゼルの前から消える。
次に現れたのは校庭だった。だが、そこには三人の新たな人影があった。
眼鏡をかけた青年。パーカーの少女。魔法使いの様なローブを纏った少女の三人だ。
「あはは〜、カテレアさん、お怪我はないですか?」
「助けに来たよ〜」
二人の少女がカテレアへとそう声をかけると、フードの少女の元にパーカー達が集まり、球体のような物に消えて行く。
「ええ、ソーサラーにダークゴースト、助かりました」
「此処からは僕達も宣戦布告のさせて頂きましょうか?」
そう言って前に出るのは眼鏡の青年……ナイトローグ。
「僕達は
次に追加して欲しいキャラは(第2回)?(選ばれなかった人は次回持ち越し)
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