『転生特典はガチャ~最高で最強のチームを作る~』 作:ドラゴンネスト
「さて、迅の後継は完成した様子ですね?」
「そうみたいですねー」
とある喫茶店で1組の男女がそんな会話を交わしていた。神経質そうな男、マッドローグである久瀬と、ソーサラーと名乗っていた不思議と外見が認識できない少女だ。
リングの魔法を使い自身の外見や会話を記憶できないようにしているのが、彼女の力と言う事もある。
不幸にも迅と言う部分だけが漏れていたが。
「まあ、当面は心配無いとは思いますが、準備はしておいた方がいいでしょう」
トータスで活動中の迅の新型という名の予備のボディ。
トータスで活動中のダークゴーストと風魔の元で使っている複製の仮面ライダー迅のバーニングファルコン対応型の強化型ボディの事だ。
他の物は強化型こそ用意されてないが、予備ボディは万が一破壊されても直ぐにバックアップデータから強化再生可能なようにしておく為でもある。元々がオリジナルのデータから複製し調整した存在だ、タイムラグは有るが再度の復活も容易い。
トータスへの転送は後日行う予定だが、警戒している相手はバールクスとその仲間達だけだ。
彼等がお気に入りの喫茶店があるのは犯罪多発都市米花町だが、下手な犯罪者なんて比べ物にならない超常テロ組織の幹部なコンビの二人がのんびりとお茶をするのにはちょうど良い場所である。
何気に彼等のセーフハウスの一つも此処に有るのだ。超常的や、SF的かは別にして瞬間移動の手段もある為に、日本各地を毎日のように移動しているが、頻繁に利用する土地もある。
米花町は三大勢力からも嫌煙されている町なだけ有り、悪魔も寄り付かない場所である。
とある名もなき悪魔の貴族が眷属として目をつけた相手を誘拐しようとしたら、一日の間に何度も犯罪に巻き込まれてすっかり人間嫌いになったとか。
悪魔も恐る、今やすっかり悪魔と天使と堕天使の関わり合いになりたく無い町第一位である。
悪魔だろうが誰だって、目に見える人間が犯罪者の可能性が高い町に関わりたくないのだ。
そんな訳で、どちらかと言えばTHE犯罪者なヴィラン側の二人にとっては特に問題なく過ごせる町ではある。
……堂々と町を歩いてても、近付かない為に三大勢力には見つからないし。
まあ、会話は聞こえないにしてもそんな二人は割と店内の注目は集めていたりもする。
黒いスーツ姿の久瀬と容姿は覚えづらいが私服の上に魔法使いのロープ風の黒いマントのソーサラーの組み合わせは、どう考えても怪しいだろう。
そんな、どこからどう見ても怪しい二人組は会話を終えると最初に注文したオレンジジュースを飲み終えたソーサラーが席を立つと久瀬の耳に騒音が聞こえてくる。彼女の魔法が他に聞こえるのだけでなく、自分たちの会話の邪魔になる音も遮断していたのだろう。
次いで彼女を見送った久瀬がコーヒーを飲み終えると伝票を持って席を立つのだが、
「こんにちは!」
眼鏡の少年に話しかけられた。
その米花町での彼等のお気に入りの店の店名は『喫茶ポアロ』と言うのだが。
少年、江戸川コナンは苛立っていた。先日は妙な高校生の男女の三人組に事件の捜査の邪魔をされたのだ。
大人しそうな様子の少女のお陰で捜査は出来ず、自分より早く他殺と気付いた男には自分を一瞥もせずに麻酔針を受け止めて見せると言う神技を見せられた。
急いで小五郎の推理を誘導して事件を解決したものの、見破ったのならば、自分で真相を話せば良いのにコナンの行動を助けるかのように、遊んでいるように小五郎の推理を誘導していた男。
……まあ、四季たち三人の事であるのだが。
四季としては単に人の気配がなかった事を感じただけで有り、麻酔針に関しては単なる条件反射である。下手したら迷宮入りの危険もあったから、慌てて推理の誘導をした訳なのだが、そんな物は当人達にしか分からない。
まあ、明らかに一般人には見えない三人に対して疑問を抱きながらも、エンカウントする事もなく日々が過ぎていたある日の事、居候先の探偵事務所のあるビルの一階の喫茶店で気になる言葉を聞いてしまったのだ。
『……ジン……』
と。
(ジンだって!?)
明らかに聞き逃さない言葉が聞こえて其方を振り向くと、妙な二人組が居た。
一人は神経質そうなスーツ姿の眼鏡の青年。高校生……本来のコナンの年齢と変わらない風に見える。
一人は制服姿に魔法使いを思わせるマントのような物を羽織った少女。目の前の相手と同じ程度の年齢だろうか、不思議と顔が印象に残らない。
そんな異様な組み合わせの二人だが、その二人には共通点としてスーツやマントの色が黒と言う点がある。
(まさか、組織の!?)
魔法使いみたいなマントに不思議なまでに印象に残らない少女に異様さを覚えるが、流石に彼女は違うと思うが、幹部ではないにしろ構成員の可能性もある。
何とか会話を盗み聞きできないかと思うが、何故か不自然なレベルであの二人の会話が聞こえてこない。
(くそっ!? どうなってんだ!?)
そんな不自然な状況に疑問を覚えながらも苛立ちも抱いてしまう。そんな事をしているうちに女の方が席を立ってポアロから出て行く。
そうすると不思議なことに男の声が聞こえてくるようになった。まるで女が何かしていたように。
何故と疑問に思ってるウチに男の方もコーヒーを飲み終えて席を立とうとしている。
(仕方ねえ)
格好から言って組織と関係あるとすれば、こっちの男の方だ。
ジンと言う部分しか聞こえなかったが、もう何らかの方法で自分達の会話を聞こえなくした黒い服の二人組。先ずは探ってみると言う選択肢以外に彼にある筈がない。最悪違ってたら御免なさいだ。と判断して意を決して男が店を出る前に話し掛ける。
「こんにちは!」
出来る限り無邪気な子供を装って話しかけると。
「…………」
子供嫌いなのか、警戒心が強いのか、『何だこいつは?』と言うような表情で顔をしかめながら、挨拶をしたコナンを無視して支払いを済ませようとレジへと向かう。
「お兄さん、このお店良く来るの?」
「…………」
「ボク、このお店の上に住んでるんだけど、お兄さん見たことがないなぁって。でも、注文し慣れてるみたいだったから」
無邪気な子供を装って質問してもガン無視だった。
(……気色の悪い子供ですね)
まるで大人が思う不自然な子供らしい子供と言う態度で接してくるコナンに対して久瀬はそんな感想を持った。
関わり合いに成りたくないとばかりに無視する態度に苛立ったのかコナンはなおも話しかける。
「お兄さん、名前は?」
「何故僕が見ず知らずの子供に名前を教えなければならないんですか?」
冷たい声音で言い切る久瀬に対して持った印象は見た目通り神経質な奴という印象だった。もう一人の不自然なまでに印象に残らなかった女の方に当たるべきだったかと後悔する。
それでも、黒尽くめの格好にジンなどと言う単語が出て来た相手だ、確かめない訳にはいかない。無邪気な子供を装えば、大抵の人間は絆されてくれていたのに。
「僕、江戸川コナン! お兄さんは?」
「これはどうも、僕は久瀬成彰です」
向こうから自己紹介されてしまったので一応名乗り返す久瀬だが、「これでもう見ず知らずの子供じゃないよね?」という含みのある眼光を受け流してさっさと喫茶店から出ようとする。
まあ、その辺は三大勢力に喧嘩を売ったテロリストの
恥の上塗り集団の旧魔王派、厨二病の先祖の七光り集団の英雄派と違い成果を出している集団の幹部だ、小学生程度の眼光など意に介さない。
「ねえ、さっきはあのお姉さんと何の話をしてたの?」
「教えてよ」と着いて回るコナンにイラッとしながらも、表面上冷静に勤めている。
「ッ!?」
面倒な餓鬼に絡まれたと思いながら、己の不運を呪う久瀬だったが、ふと窓の外を覗くとその表情を歪め、慌てた様子で財布から2枚ほど千円札を取り出して、『お釣りは要りません』と伝票と一緒にレジに叩き付けるように置くと慌てて店を飛び出して行く。
突然の行動に一瞬呆気に取られるコナンだが、逃さないとばかりに店を飛び出して行った久瀬を追い掛ける。
「……何だ?」
「さあ」
そんな飛び出して行った久瀬とコナンと入れ替わりにポアロに入ったのは四季と詩乃の二人だった。
後ろ姿では久瀬と気付かなかった四季はそんな二人の姿を見送りながら、先に通される。
「くそっ!」
久瀬に逃げられたコナンはそんな悔しげな表情を浮かべる。盗聴機なり付けられればよかったがそんな暇も無かったのだ。(しかも、久瀬は四季たちの姿を見た以上、魔術的な手段でさっさと此処から離れたので見つける事は不可能だろう)
ふと、家電量販店のテレビには最近になってから名を上げ出した高校生探偵『時津潤哉』の事が報道されていた。
ある日を境に別人の様に代わり、的確な推理で今や工藤新一よりも有名になっている。
工藤新一を真似したかの様な語り口に全てを理解している様な異常なまでの知識量の面では自分さえも上回っているのではと危機感を覚えるほどだ。
「マイは上手くやってる様ですねー」
そんな言葉が聞こえてきて其方を振り向くと、其処には喫茶店で久瀬と話していた魔女の様なマント姿の印象が残らない少女がいた。
「ねえねえ、お姉さん。あのお兄さんの事見て言ってたけど、マイって何?」
時津と報道されていたのに女の様な名前で呼ぶ理由が分からない。そう思ってマントの裾を引いて問いかけて見た。
「誰ですか?」
「僕、江戸川コナン、お姉さんは?」
「私はサユリ。倉田サユリですよー」
「それで、マイって誰の事? あのお兄さんじゃ無いよね?」
「んー、マイはサユリのお友達ですよー」
「そ、そうなんだ……」
内心で、そんな事聞いてねーと叫びたくなる思いのコナンだった。
サユリの話は誰も要領を得ず、久瀬と別の意味で話し辛い相手だった。
話易いが肝心の本題からはどんどん離れて行く、そんなタイプだ。
「でも、コナン君はどうしてあのお兄さんの事を知りたいんですかー?」
「僕、探偵に憧れてるんだ!」
内心疲れてきたコナンがサユリからの言葉にそう返すと「そうですか」と言葉を告げて笑顔のままにさらに言葉を続ける。
「じゃあ、お姉さんから一つだけアドバイスしてあげますよー。あの人を見習ったらいけませんよ」
「え?」
優しい声音が最後だけ凍える様な冷たい言葉で告げられた。
「彼は多くを求めすぎた結果、独りで
「そ、それって、どう言う……」
「んー、本当の名探偵は誰からも頼られて、誰かのために行動できる人って事ですよー。二人で一人の探偵とその先生みたいに」
そう言って画面の中の時津を指差すと、サユリは告げる。
「頭が良くて時間を解決するのが探偵じゃ無いですよー。そんな物を目指した。だからあの人は
「それって……」
「それじゃあ、サユリはもう行きますねー」
困惑するコナンに告げて、ソーサラーと名乗っていた少女サユリは去って行った。慌てて彼女を追いかけようとしたコナンだが、顔がどうしても思い出せず遂に見つける事は出来なかった。
加筆部分を追加しました。
ネギま編におけるスーパー戦隊の力は?
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