かつて一世を風靡したMMORPGの最終日。名残惜しむ者や散財する者、久々にログイン思い出話に花咲かせながら談笑する者。プレイヤー達が多く集まるとある街の中にある露店街をお目当てのアイテムがないかと物色しているプレイヤーがいた。
「なかなか見つからないな~。さっき見たやつももう種族設定されてたし。でもまぁ諦めないで探すとしますか。折角運営が人間種限定だったのこの街を最後は仲良くってことで亜人、異形種も入れるようにしてくれたんだし」
最終日である今日にわざわざ探すアイテムは長い歴史を持つカードゲームとのコラボアイテム『旗印』という遺跡級アイテムである。
効果は基本種族を1つ設定した旗印を装備したプレイヤーの勢力でありなおかつ同じ種族である者はその数の分だけステータスが強くなるというものだ。そこだけ聞けば壊れアイテムと呼べる性能だがもちろん制限があり
「一度設定した種族変更は不可能」「100レベル時のステータスまでしか上昇しない」「その種族値での上昇となる」「職業ステータスは上昇しない」「同じ種族1つでの上昇値は次のレベルに上がった際の設定した種族値でのステータスの50%」である。
このゲームは職業レベルと種族レベルが存在しており各レベルの上限は5,10,15とあるが基本種族は5となりそれ以降は他の職業か種族の上位互換のレベルを取得する事によりレベルアップ時のステータス上昇率が変わるシステムとなっている。
するとどうなるかというと初期の段階でとっている基本種族でしか設定できない旗印によりステータス補正を100レベル分まで受けたものと比べて普通に100レベルまで育て複数の職業、上位の種族レベルを獲得したものとは大分劣っているということである。
「職業ステータスは上昇しない」とあるがこれは例えると錬金術のレベルをとるとステータスにアイテム合成成功率、新規アイテム錬成開発などの特殊項目が出現するがこれらを旗印はバフできない。あくまで上がるのは基本ステータスであるHP、MP、物理攻撃、物理防御、素早さ魔法攻撃、魔法防御、のみであり各スキルなども恩恵は受けないのである。
要するに微妙アイテムである
しかし、装備するとプレイヤーの後にオンオフできるリーダー的な後光エフェクトとカリスマという魅力値上昇スキルを取得できるオマケ付きではあった
その微妙アイテムである旗印をなぜ男が持っていなかったかというと取得条件がそのアイテムがあった遺跡が同じ基本種族の100レベル軍団36人でないと入れなかったためである。男の種族は亜人種でありなおかつその中でも人気が無かったためダンジョン攻略不可能であり、攻略していたパーティーから譲り受けようとしてもアイテム説明文を読んだパーティーがオマケ能力見たさに装備するため種族を既に設定してしまい未設定の旗印は遺跡級の癖に取得難易度は神話級であった。