淀んだ空気が漂い太陽も空も録に見えない現実世界での朝早く、二人は休日を合わせユグドラシルのイベント場所にいた。
「待ちに待った攻略日!頑張りましょうね師匠!」
「はい、楽しんでいきましょうか。あれから結局二人共ガチャに結構課金してまあまあレアリティ高いアイテムとかも手に入りましたしイベントクエストクリア目指していきましょう!」
パーティーを組み歩きながら話す二人。ぶんぶん丸が顔を見上げながら
「しかし凄いとこに街出来ましたね」
モモンガもつられて見上げる
「ホントですね」
見つめる先は直径10メートル、高さは100メートルはあろう巨大な石柱が円周状に並ぶその上に建てられている都市であった。その都市から一本垂れる様に螺旋階段が地上まで繋がっており、千段は由に越えている道を二人はえっちらおっちら進んでいる。
「飛んで行けたら速いのに」
「運営が入り口まで飛行禁止エリアに設定したみたいで魔法発動しませんでしたから諦めて下さい」
「まあ、
「天空城ですよね、それ私も思ってました。あっちは魔法で浮いてますけど」
「ここは人力で浮かべてる感ありますね」
「
「いやー流石に無理でしょう」
「そういえば………」
「そんな……」
「だって…」
「いや…」
「…」
「」
・
・
・
他愛も無い暇潰しの雑談を交わしながら足を動かしていると螺旋階段が終わりをつげ地上に到達した二人を出迎えたのはおとぎ話に出てくるような街並み。
正面には巨大な門が構えその両脇から都市全体を囲うように外壁が並んでいる。門からの一直線状に延びる大通りの先の中心にはこの都市で一番の大きさを誇るであろう城が建ち、それを中心にして多種多様な建築物、人種が城下を埋め尽くしている。雲は都市より低い位置にあるため澄みきった青空と太陽の光が都市を輝かせていた。
「とりあえず中に入りましょうか」
その景観に感動して棒立ちしていたぶんぶん丸にイベントに慣れているモモンガが声をかける。
「えっ、あっ、はい」
二人が門をくぐるとポップウィンドウが浮かぶ。
『高層都市パリアノへようこそ。』
『この美しい街並みとは裏腹にパリアノでは謀殺や詭弁が日常となっており、ここでは政治的派閥や無慈悲な結社がパリアノの覇権を巡り争っています。貴方はいずれかの勢力にいる統率者に加わりパリアノの覇権である統治者を目指すこととなります。そこでは殺人、暴力、詐欺が不定行為とみなされていないことに気づくでしょう。なぜならパリアノでは隣人を疑うことが常識であり、また執政者にとってそれはありふれた日常作業のひとつなのですから』
項垂れながらぶんぶん丸が呟く
「さっきの感動を返してほしい」
モモンガは頭を整理しながら
「これはぷにっとさん好きそうなイベントだったか、俺なは荷が重そう」
互いに感想を述べると続けて新しいウィンドウが開く
『イベント:「コンスピラシー:王位争奪」を開始しますか?』
『「はい」 「いいえ」』
『ーー注意ーー』
『このイベントを開始するとプレイヤーに制限と調整がかかります。それはイベントを中止又は失敗、もしくはイベントクエストをクリアする迄継続されます。 』
これから始まる困難が予想できるであろう物語の主題と注意書きが手招きしている。興奮と戸惑い、少しの冒険心がおそるおそる二人の指を動かし高層都市パリアノは彼らを迎え入れた。
「おおー!テンション上がってきたー!」
「制限と調整を受けたみたいですけど実感がないな、ステータスを見ても判らないし。」
不安なモモンガがを尻目に先ずは城下の住人に話を聞いてこの街の環境と勢力とやらの情報を集めましょう。とぶんぶん丸はモモンガの手を取り大通りの商店へ駆け出していく。