小鬼奮闘記   作:群衆者

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回想12

機械仕掛けの車椅子に乗ったゴブリンという珍しいキャラクターに目を奪われながらも二人は挨拶を返す。ダレッティは注目されているのに気付くと疑問を解消させようと語り始めた。「昔ちょっとした実験中に足をやってしまってね。それから作った歯車式車椅子(これ)は私の自信作なんだよ。」 左手で車椅子をコンコンと叩きながら自慢気に教えてきた。しかし車椅子と呼ぶには少々語弊があり、タイヤではなく蜘蛛のように機械の足が伸びており連動しながら彼の体を器用に運ぶ。車椅子というより1つの生物の上に騎乗している様に感じられる。それが彼の動かない足の代わりをはたしていた。

「役者も集まったし話の続きをしようじゃないか」グレンゾがダレッティに集まっていた視線の矛先を変えるように促す。「先程の機械人形(いぬ)の事だったがあれはダレッティの弟子が俺に放った物だ」

「元弟子だ。今は違う」ダレッティが即座に訂正を求める。

「すまんすまん、元弟子のムッツィオだな」手をひらひらと降りながら答える。

「何故ダレッティの元弟子であるムッツィオがあなたに機械人形(いぬ)を?」

「そりゃあ俺があいつを退場させよう(殺そう)としたからだ。厳密には俺が仔猫ちゃんにお願いしたんだかな」

「どうしてそんなことを?」モモンガは食い気味に聞き返す。

「ムッツィオの理想の舞台(パリアノ)に俺達の出番(居場所)は用意されてないからな。あいつは機械仕掛けの世界でムッツィオの様なアカデミー出身の優秀な設計家の命令を遂行する魔法を使える優秀な市民と機械の兵士がいれば満足なんだ。タチの悪いことにそれを叶えられる力が出来始めている。そりゃあお別れを告げに行きたくもなるだろう?」そんな結末ゴブリン(俺達)にはとてもじゃないが耐えられないとグレンゾは笑いアイコンを浮かべヒッヒッヒと下卑た笑い声を出す。話を一通り聞いていたぶんぶん丸が首を傾げて「グレンゾがムッツィオを襲った理由は納得しましたがダレッティはどうしてグレンゾに力を貸しているんですか?」

 

「私はここのアカデミー出身でね。その時にムッツィオとは出会ったんだよ。そこで主席工匠を目指していたのだが私がゴブリンなのが気に入らなかったのか色々嫌がらせにあっていたんだ。それだけなら構わなかったんだが学校にいること事態が可笑しいと異議を唱えてきてそれは酷いものだった。それから先程話した実験の失敗が想わぬ幸運を私に授けてくれてね、それからアカデミーには訪れることはなくなったんだが…」

怒りアイコンを浮かべたダレッティは「今度は奴等がアカデミーだけでは飽きたらずパリアノからゴブリンを排除しようとしている話をグレンゾから聞いたんた。そこで私は復讐を決意した。私を迫害してきたアカデミーの奴等に鉄槌を振り下ろし今迄の諸行に対しての懺悔をさせてやろうと……」

 

怒りを思い出したダレッティを宥めながらグレンゾが話を纏める。

「そういうわけで利害が一致したから俺は小僧と手を組んだってことだ。質問の答えとこれからの行動について納得して頂けたかな?」

 

モモンガとぶんぶん丸は目を合わせ「とりあえずアカデミーの奴等に痛い目をみてもらう流れができましたね」

「そしてムッツィオを倒すのが当面の目標なんでしょう」「了解です。選民思想なんてクソっ食らえですから楽しくできそうです」「ですね」二人は笑顔アイコンを出しクックック…と意地の悪そうな声でハモる。

 

モモンガが代表して「了解した。これから宜しく頼む」そう答えるとグレンゾが仲間になったんだし装備を整えろよと二人にチュートリアルクリアの報酬アイテムを渡した。

 




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