ぶんぶん丸はモモンガとの約束までの時間を街から少し離れた林でデータクリスタルによる金策目的のザコ狩りに勤しんでいた。腰簑一枚着けたゴブリンが棍棒をもちモンスターを狩っている姿は端からみると同士討ちにしか見えない。
「おっ、もうすぐ時間じゃないか。急がないと遅刻だ。」
現れたモンスターを倒して出てきたドロップ品を回収し
街に戻ろうとしたところで後方からナイフがぶんぶん丸を襲い背中に刺さる。
「痛っ!まだモンスターがいたのか?!」
振り返りナイフの出所を観察したが隠密スキルを発動しているのか何も発見できない。HPを確認すると予想以上に減っており最初の街のエリアのモンスターではありえないダメージであった為ぶんぶん丸はプレイヤーが自分をモンスターと勘違いして攻撃してきたと思い声を出した。
「こんな格好ですが自分はプレイヤーです。攻撃を止めてください!」
しかし、ナイフによる攻撃は続く。ナイフの飛んで来た方向に急いで向かい棍棒を振るが空振りばかりでその度に背中にナイフ増えていく。ぶんぶん丸のステータスは物理攻撃力に多く降っておりそれ以外は総じて低い。なおかつ看破スキルや魔法スキルは0であり相手の場所は一向に掴めない。怒りと焦りばかりが募る。それを知っているのか相手は楽しんでいるかのように背中のみを狙いじわじわと体力を減らしてくる。
(これがPKってやつなのか?)
必死に足掻いたが振り下ろした棍棒は地面を叩くか木に当たり派手な音のみが響く。体力がほぼ無くなり諦めと悲しみによりぶんぶん丸は大の字に倒れて叫んだ。
「なんでこんな事をするんだ!?自分なんか倒してもドロップアイテムなんか大したことないぞ、最後くらい姿を表したらどうだ腰抜け!」
こちらの諦めを悟ったのかかHPを確認したのか安い挑発に乗ってくれたのかは定かではないが男が一人現れ嘲笑を浮かべながら喋り始めた。
「いや~、最初は仲間割れかなと思って戦闘見てたんだけどドロップアイテム回収してるのみてプレイヤーだと気付いてさ。ステータス覗き見みたら初心者丸出しのビルドでこれは
「こんなことしても意味ないじゃないか!」
「いやいや初心者狩りと異形種狩りは古くから続くこのゲームの習わしみたいなもんよ?まあ、異業種狩りの方はめんどくさい奴らが出てきて廃れて来ちゃったんだけどね。だから今度は亜人種に矛先を向けてる訳だよ。」
「くそったれ過ぎる伝統の解説どうも。」
「大体昔から勇者は人間だしモンスター倒すのは普通なのになんでわざわざ亜人種とか異形種選ぶんだろうね?倒してくれっていってるようなものじゃん。まあ、今回ので勉強になったでしょ?次からは俺みたいな勇者に倒されないようにコソコソ楽しんでね。」
襲撃者はバイバイと笑いながら最後の一撃を決めるナイフを投げた。ぶんぶん丸は諦めていたので眼を閉じて最後の瞬間を受け入れた。