五等分の…なんだって?   作:焼きそばの具

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原作買わなきゃ(使命感


第3話 3女の気持ち

時刻は土曜日の午前10時を回ったころ。

僕は上杉くんに昨日の家庭教師はうまくいったかどうかの確認を取るために電話をかけていた。

 

「睡眠薬を盛られた!?」

『ああ、二乃の奴にしてやられた。』

 

すると、驚愕の事態が発覚した。

とりあえずあの後僕が時間を稼いだおかげでなんとか五月さんに謝罪をすることができ、その後合流した4人と中野家へ上がったところまでは良かったのだが…

上杉くんの授業を拒否する四葉さん以外の4人は部屋に引きこもってしまい、なんとか五月さん以外を引きずり出したまでは良かった。

しかしその後、クッキーと水のどちらかに睡眠薬を盛られていたらしくタクシーで家まで強制送還されてしまったらしい。ちなみにタクシー代は五月さんが払ったそうな。

 

「アットホームで楽しい職場って言ってなかったっけ?睡眠薬盛られるのが今時のアットホームとはぶったまげたなぁ…」

『シャレになってないぞ御影。』

「ごめんごめん…しかし、いくら家庭教師いらないって言ったからってえげつない事やるなぁ。」

『全くだ。だが俺は諦めるわけにはいかない。今日の午後一にもう一回あいつらの家を訪ねる予定だ。』

「…無理はしないでよ。君に何かあったら悲しむ奴がここにもいるんだからさ。」

『大丈夫だ。無茶はしない。約束する。』

 

電話口の上杉くんの力強い言葉に僕は安心する。

 

『…それでだ御影。少し頼みたいことがあるんだが…』

「頼み事?オッケー、僕にできることなら任せて。」

『助かる。実はな…』

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「昨日の悪行は心優しい俺がぎりぎり許すとしよう!今日はよく集まってくれた!」

 

場所は打って変わって中野家のリビング。上杉くんと僕は正面の中野5姉妹を見据えながら、お互いに仁王立ちをしていた。

上杉くんの頼みというのは、なんてことはない。

 

『もう一度睡眠薬を盛られるかもしれない。お前も同行を願いたいんだが、頼めるか?』

 

という、ごくごくシンプルなものであった。

確かに一度睡眠薬を盛られた以上、もう一度盛られる可能性は否めない。というか盛られる可能性の方が高いと言っても過言ではないだろう。

その時に上杉くん1人では抵抗できないため、また強制送還されるのが関の山なのは火を見るよりも明らかだ。

というわけでそれを防ぐために僕が監視役として同行することになったわけである。そしてついでに同行するならもういっそ家庭教師の仕事も手伝うことにした。

この5人を上杉くん1人でさばききるのは至難の業と言ってもいい。なんでも雇い主からの条件は「5人全員の卒業」らしいしね。

僕はそこまで勉強できるわけじゃないけど、全教科70点くらいは取れる程度の学力はある。基礎や応用くらいなら教えることもできるだろうし。

なお僕が全教科70点くらいは取れることを皆に伝えるとなぜか皆は青い顔をしていた。…嫌な予感しかしないのは気のせいだと思うことにしておこう。

ちなみに上杉くんは仕事を手伝う以上給料の何割かを支払うと言ってきたが、上杉くんの家庭の事情と僕がお金に困っているわけでもないことを考慮して断っておいた。

まぁ僕も暇だったし、ちょうどいい時間つぶしにはなるだろうからね。ちなみにその時に涙を流しながら感謝されたのはまた別のお話。

 

「まだあきらめてなかったんだ。」

「友達と遊ぶ予定だったんですけどー?」

 

散々な言われようである、前途多難すぎる。

 

「あとさぁ…家庭教師はいらないって言わなかったっけ?」

「だったらそれを証明してくれ。今からお前たちにはテストを受けてもらう!」

 

そう言うと、上杉くんは徹夜して作ったらしい小テストをテーブルに叩きつける。

 

「テストぉ?」

「このテストで合格ラインを超えた奴には金輪際近寄らないことを約束しよう。勝手に卒業していってくれ。」

 

上杉くんがそう宣言した瞬間、5姉妹の目の色が変わった。

そう、上杉くんの狙いはこのテストで合格点を超えられない奴にのみ勉強を教えるというものだった。

確かに5人全員を馬鹿正直に見ていてはいくら時間があっても足りないだろう。しかも上杉くん曰くこの5姉妹は極度の勉強嫌いと来ているらしい。

ならばある程度勉強できる奴は放っておいて、赤点候補を絞って教えようということらしいのだ。

 

「はぁ?なんで私達がそんな面倒ことを…」

「分かりました、受けましょう。」

「ちょっと五月!?あんた本気なの?」

「合格すればいいんです。これであなたの顔をもう見ずに済みます。」

 

そう言うと、五月さんは上杉くんを睨みながら眼鏡を取り出して装着する。見た目は完全に文学少女、見るからに頭がよさそうだ。

 

「…合格ラインは?」

「60…いや、50あればいい。」

「ふぁぁ…仕方ないなぁ。」

「みんな、がんばろー!」

「ふん…こんなテスト受ける義理はないんだけど…あまり私達を侮らないでよね?」

「…約1名なんかどや顔で言ってるけど、どう思います上杉くん?」

「不安しかねぇ。」

「ですよねー。」

「うっさいわね!というか御影!なんであんたがいんのよ!?」

「さっき説明した通りだよ、君が上杉くんに睡眠薬なんて盛るから…だからもう一度盛られたら困るから僕は監視役として、そんでついでに補佐として同行することになった。」

 

ちなみに僕が上杉くんに同行している理由は中野家にお邪魔した瞬間に全員に説明済みである。

その時に二乃さんが全く詫びれる様子もなかったのは言うまでもない。

 

「二乃のせいで家庭教師が増えた…」

「はぁ!?私のせいだっていうの!?」

「あはは…まぁフータロー君とキョーヘー君の言い分ももっともだしね…」

「私はお2人に教えてもらえるのは大歓迎ですよ!楽しそうですし!」

「…まぁ私は御影くんに教わるのは別に構わないです。上杉くんは絶対にごめんですけどね!」

「…上杉くんほんとに謝ったの?彼女の好感度マイナスのままなんだけど?」

「い、いいから!とにかく、あと5分したら開始するから問題に目を通しておけよお前ら!」

 

そんなこんなで、上杉くんが徹夜で作った小テストがスタートするのだった。制限時間は30分だ。

ちなみに、これは100点満点らしいのだが上杉くんに予備のテストをもらって僕が受けてみたところ88点だった。確かにところどころ難しい問題はあるにはある。

けどほとんどは基礎的な問題だし、僕でもこれだけ点数取れるんだからさすがに何人かは50点を超えてくるだろうと楽観視していた。

…しかし、30分後にはその見通しが甘いと認識させられるのであった。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

「すげぇぞお前ら、100点だ!5人合わせてな!!!」

 

僕と上杉くんで協力して採点を終了させた後、半ばヤケクソ気味になって叫ぶ上杉くんの引きつった笑顔を見ながら僕はため息を吐き出していた。

点数の内訳は一花さんが12点、二乃さんが20点、三玖さんが32点、四葉さんが8点、五月さんが28点である。

いや、家庭教師雇うくらいだからそこまで成績よくないんだろうなとは思ってたよ?でもまさか5人揃ってここまで筋金入りのアホだとは思わんでしょ、さすがに。

全員赤点候補…つまり、5人全員の家庭教師をしなければならないということだ。…大丈夫なのかこれ、お先真っ暗なんだけど。

 

「お前ら…まさかここまでとは…」

「ちょっとさすがにこれは…擁護できないかな…」

 

5人のテストを眺めながら、目の前で真っ白に燃え尽きている皆に対して僕と上杉くんは呆れたような言葉を投げかける。

と言うか一番高得点な三玖さんでさえ32点ってなんなんだこれは…しかも四葉さんにいたっては8点って…

確か始まる前に自分たちを侮るなとか言ってた人がいたような気がするんだけど、自分たちの実力の低さを侮るなってことだったのかあれは…?

 

「…二乃さんさ、始まる前に自分たちを侮るなって言ってなかったっけ?」

「うっさいわね!こんなの問題の作り方が下手なのよ!テストの方に問題があるわ!」

「いや、僕このテスト88点だから。テストに問題はないからね?」

「うっ…」

 

僕が受けたテストをテーブルの上に置くと、それを見た二乃さんはさらに顔を青くして狼狽えている。

ちなみに超今さらだけど中野姉妹のことは下の名前で区別する、ということで彼女達と合意しているため下の名前で呼んでいる次第である。

 

「おー!上杉さんだけじゃなくて御影さんも頭がいいんですね!」

「…ありがとう、四葉さん。」

 

これだけ無邪気に褒められては毒を吐く気にもならない。僕は力のない声で苦笑いを浮かべながらそう言った。

 

「…上杉くん、僕帰っていい?」

「御影!?ここまで来て見捨てないでくれよ!?」

「冗談冗談。まぁでもさすがにこれはね…家で戦乱無双のマラソンしてる方がまだ難易度低い気がするよ…」

 

改めてテストの答案を見比べてみるが、この姉妹得意科目がどうやらバラバラなようだ。全員、正解率に明らかに偏りがある。

というか基礎問題すらまとも出来てないじゃないか、勉強できないってレベルじゃないぞ…どうやって転入試験に合格したのか不思議なレベルなんだけども。

 

「とりあえずこいつらのレベルはわかった。知りたくなかったがな。まずはテストの復習と基礎問題から始めた方がいいだろう。」

「その方がよさそうだね。基礎問題くらいなら僕も分かるし、手分けして教えようか。」

「それがいいな、なら早速…」

「待ってください!」

 

今後の方針が固まって授業をそろそろ開始しようと思ったところで、不意に五月さんがテーブルを叩いて立ち上がった。

 

「私達の力不足は認めましょう。ですが、自分の問題は自分で解決します!」

「何言ってんだお前。このテストの結果じゃ絶対無理だぞ。」

「…勉強は1人でもできる。」

「そうそう。」

「いやダメでしょ。みんな基礎問題すら危ういレベルじゃんか。確かに勉強は1人でも出来るけどさ、ある程度基礎ができてないと何にもならないよ。」

「そ、それは!そうですけど…!」

 

僕がド正論を豪速球で投げつけると、五月さんは先ほどまでの威勢のよさが嘘のように大人しくなるとそのままソファへ倒れこむ。

 

「あはは…手厳しいね、フータロー君もキョーヘー君も。」

「当たり前だ。お前たち、頼むから自分の学力を少しは自覚してくれ。」

「それに甘やかすのは君達のためにもならないしね。」

 

彼女達を5人揃って卒業させる、それが上杉くんが雇い主から出された家庭教師続行のための条件だ。

ならここで変に甘やかすのはいけないだろう、1年生ならともかく2年生になって基礎問題すら危ういのは危機的状況と言っても過言じゃない。

1年生までの範囲に加えて今の授業の内容の復習もして、となるとかなり詰め込まないと間に合うかどうかわかんないからね。

 

「はいはい上杉さん!御影さん!ここの問題がよくわからないんですけど、どうやって解いたらいいんですか?」

 

そんなことを考えていると、いつの間にか自分のテストを眺めていたらしい四葉さんが僕達に質問をしてきた。

 

「四葉…!お前って奴は…!」

「天使だ。天使がここにいる。」

「ウェ!?そ、そんなに褒められると照れちゃいます~。」

 

かわいい、なんだこれ。これがこの世の天使ですか。

どうやら四葉さんは5人の中でテストの点数は一番低いものの、上杉くんの授業を受けようという意欲は一番高いようだった。

これなら基礎問題から叩き込んでいけばなんとか形にはなるだろう…残りの4人よりは余程優良物件だよ。

 

「じゃあ四葉がやる気になってることだし、お前らも…」

「逃げろ!」

 

この調子で他の4人も…と思ったが、そう簡単には行かないようだ。

二乃さんが突然そう叫んだかと思うと、四葉さんを除いた他の4人は一目散に階段を駆け上がると自分の部屋へと勢いよく閉じこもってしまった。

僕と上杉くんは突然の事に言葉が出ずに唖然とその光景を眺めていた。

 

「あいつら…!」

「…駄目だこりゃ。」

「あ、あはは…すみません。」

 

薄々この5人が勉強が嫌いなのは分かっていたけど、まさかここまでひどいとは思っていなかったよ。

ただでさえ時間がないから色々と詰め込まないと駄目だって言うのに、そもそも授業を受ける気がないのなら基礎を詰め込むどころ以前の問題になってくるし。

どうやら僕に与えられた最初の補佐としての仕事は「四葉さん以外の4人を机に向かわせる」という勉強以前のものみたいだ。

 

「何故だ…あいつらは俺の事が嫌いなんだろうか。」

「少なくともいい風には思われてないのは確かだと思う…理不尽だとは思うけどね。」

「まずは1人1人信頼関係を築くところからかよ…!そんなことに時間を割いてる暇はないんだぞ…!」

「…上杉くん、君は四葉さんに勉強を教えててよ。あの4人は僕がここへ引きずってても連れてくるからさ。」

 

そう言うと、僕は目の前のコップの水を一気に煽ってから立ち上がる。

 

「御影…いいのか?」

「いいって。僕の仕事はあくまでも君が家庭教師に専念できるようにすること。補佐ってのはそういうもんでしょ?」

「すみません御影さん。みんな悪い子じゃないんですけど…」

「君が謝るようなことじゃないよ、四葉さん。」

 

バツが悪そうにそう言う四葉さんに対して、僕はグーサインを作って突き出す。

 

「上杉くん、四葉さん以外のテスト借りてもいい?なんかの材料に使えるかもしれないからさ。」

「ああ、いいぞ。」

「ありがと、じゃあ行ってくるね。」

「すまん御影…頼む。」

「いいっていいって。しっかり勉強教えてあげてね。」

「ああ、任せろ!」

 

自分の胸を叩いてそう言う上杉くんを見て安心した僕はそのまま背を向け、4人の部屋がある2階への階段を一歩づつ上り始める。

しかしああ言ったはいいものの、どうやって彼女達の筋金入りの勉強嫌いを克服させればいいんだろうか。見当もつかない。

当然勉強が嫌いな理由は姉妹といえど様々なはずだ。まずは1人1人の勉強が嫌いな理由を探り、そこから説得していかなければならないことを考えると…

…今日中に2人引っ張ってこれればいい方かな。下手を打てば1人説得出来ればいいほうかもしれない。

まぁでもいきなり4人全員を部屋から引っ張り出せるとはさすがに僕も思っていないし、仮にできたとしても上杉くんの負担がものすごいことになってしまう。

やはり、全員を一気にそろえるよりは1人1人確実に説得していく方が確実だしベターだろう。

 

と、なるとまずはどこから攻めるのが一番無難だろうか。

五月さんは上杉くんに教えを乞うのを嫌がっているっていう分かりやすい節があるから、そこを説得できるのならばなんとかできるかもしれない。

三玖さんは…見当がつかない。二乃さんも同じく。一花さんも見当つかないけど、前者の3人よりはまだ授業を受ける意欲はないこともないみたいだしここも攻めやすそうではあるが。

うーん…どうすべきなんだろう。考えていて頭がこんがらがってきた。

 

(考えていても仕方ない。とりあえず手あたり次第いってみるか。)

 

考えても埒が明かないのでもう当たって砕けろの精神で1人1人にぶつかってみることにしよう。

誠心誠意向き合えば、きっとわかってくれるはずだと信じたい。

というわけで、手始めに僕は二階に上がってから真正面にあったドアをノックすることにした。

部屋割は手前から五月さん、四葉さん、三玖さん、二乃さん、一花さんのはずなのでここは五月さんの部屋のはずだ。

五月さんは上杉くんの教えを乞うのを嫌がってるんだから僕が代わりに勉強見てあげるって言えば引っ張り出せたりしないかな…そんなことを思いながら僕はドアに手を伸ばす。

 

「…キョーヘー?何やってるの?」

「わぁ!?み、三玖さん!?」

 

そしてドアをノックしようとしたまさにその瞬間だった、不意に右側から声をかけられる。

なんだと思って一歩下がりながら声がした方を向くと、そこには相変わらず眠たげな表情でこちらを見つめる三玖さんの姿があった。

 

「…五月に何か用?」

「ちょ、ちょっと野暮用でね。」

 

ジト目でこちらを睨んでくる三玖さんに対して僕は冷や汗をかきながらそう言った。

 

「ところで三玖さん何で部屋から出てきたの?僕が言うのもなんだけどさっき逃げて部屋にこもったんじゃ…」

「喉乾いたからジュース取りに行くの。あと、ここは私の家だけど?何故私があなた達に遠慮しないといけないの?」

「いや、そうなんだけどさ…」

 

なんか妙に対応が刺々しくないですかね三玖さん。僕君に何かしたっけ。

…もしかして昨日マンションの前で二乃さんとドンパチやらかした時の事を根に持たれているとかじゃないよな。

 

「…どうでもいいんだけどそこ退いて。ジュース取りに行けない。」

「わかった、ごめんよ。」

 

僕が壁の方に体を寄せると、三玖さんはその横をすり抜けて階段を下りて行った。

そんな三玖さんを見送りながら僕は特に理由はないけど、先ほど上杉くんが実施したテストの中から三玖さんの答案をポケットから取り出して広げる。

32点…四葉さん曰く、彼女は5人の中では一番頭がいいらしいんだけどそれは間違いではないみたいだね。

あくまでも「5人の中では」だけど。

 

「…ん?」

 

なんとなく三玖さんの答案を眺めていると、少し気になるものが目に飛び込んでくる。

それはテストの初っ端の問1『厳島の戦いで毛利元就が破った武将の名前を答えよ』と言うものであった。

三玖さんの答案にはそこに「陶晴賢」と書き込まれてあり、見事に得点を獲得している。

 

「よくこんな問題正解出来たな…僕この問題は不正解だったんだけど…」

 

『戦国武将、好きなの?』

ふと、昨日の帰り際に三玖さんに言われた言葉を思い出す。

そう言えば昨日、三玖さんは戦乱無双の攻略本を拾ってくれた時に僕にそう言ってきてたよな…心なしか、あの時の三玖さんの目は輝いていたような気もする。

…もしかしてだけど、彼女は戦国武将が好きなのか?どうなんだろう。でもそうじゃなかったらこんなマイナーな問題を正解するのは難しいと思う。

 

(…気になるな。後で本人に聞いてみるか。)

「…まだいたの?」

「うわぁ!?」

 

そんな事を考えていると、またまた後ろから声をかけられる。

びっくりして飛びのくとそこには三玖さんが心底面倒くさそうな様子でこちらを見つめていた。

ジュースを取ってきたのだろう、手には緑色の缶が握られている。

 

「も、もう戻ってきたんだね…それ、見慣れない飲み物だね。なんていうの?」

「抹茶ソーダ。」

「抹茶ソーダ!?」

 

な、なんだその得体のしれない飲み物は…抹茶とソーダって混ぜるもんじゃないでしょ…開発者は一体何を考えて作ったんだ。

味を想像するなら抹茶の苦みとソーダのシュワっと爽快な感じが混ざり合ったってところか…一体どんな味なんだ。想像すると言ったはいいけど全くイメージが沸かないぞ。

 

「へ、へぇ…どんな味か想像もつかないな。そこまで行くと逆に味が気になるけど。」

「意地悪するキョーヘーには飲ませてあげない。」

「いや、結構です。なんかあんま美味しくなさそうだし…」

 

少なくとも僕には美味しいと思えないので拒否しておく。

すると、三玖さんは何故かほっぺたを膨らませてこちらを睨んでくる。

 

「…おいしいのに。キョーヘーも飲めばわかる。飲んで。」

「いやどっちなの!?というかさっき飲ませてあげないって言わなかったっけ?」

「気が変わった、飲んで。早く。」

 

そう言うと、三玖さんは手にした抹茶ソーダを差し出してぐいぐいと僕に押し付けてくる。

これは飲まないと駄目なのか?というかこれって三玖さんが喉乾いたから飲むために持ってきたやつなんじゃ…解せぬ。

しかしこれは飲まないと話が進まない奴だろうな…観念した僕は無言で抹茶ソーダを受け取ると、缶を開ける。プシュッという音が静かな室内に響き渡った。

 

「じゃあ、いただきます…」

 

僕はそのまま抹茶ソーダの缶を口元へもっていき、恐る恐る一口だけ口に含むと一気にごくりと飲み込んだ。

 

「あれ、意外と…」

 

鼻から抜けていく抹茶独特のさわやかな香り。のど越しのいい程よい強さの炭酸。

そして極めつけに苦みと甘みが絶妙にマッチした味の配合。抹茶の風味を殺さずに見事にソーダを混ぜ上げており、普通に美味しい。

 

「…美味しいね、これ。」

「でしょ。」

 

僕がそういうと、三玖さんは柔らかな笑みを浮かべながらそう言う。

…初めてこの子の笑顔を見た気がするけど、眠たげな表情よりは笑顔でいる方がよっぽどかわいいと思った。

そんなことを思いながら、僕はもう一口抹茶ソーダを飲む。

 

「…って、これ三玖さんが飲む奴だったんじゃ。思いっきり口付けちゃったけど大丈夫なの?」

「大丈夫。もう一本買ってあるから。ほら。」

「…ちゃっかりしてるんだね。」

 

三玖さんが取り出した2本目の抹茶ソーダを眺めながら僕はそう言った。

そういうことなら遠慮はいらないだろう、僕はそのまま缶を逆さまにして抹茶ソーダを一気に胃の中へ流し込んだ。

…喉が焼けそうだ。一気飲みは失敗だったかもしれない。

 

「けほっ…美味しかったよ。これからは喉が渇いたら抹茶ソーダも悪くないかもね。」

「うん、気に入ってくれたなら嬉しい。…それじゃ、私はこれで。」

 

そう言うと、三玖さんはヘッドホンを耳に取り付けるとスマホを触りながら自分の部屋へと戻っていこうとする。

僕はそれを見送…っちゃだめじゃん!

 

「ちょ、ちょっとまった!聞きたいことがあるんだけど!」

 

僕は後ろから三玖さんにそう声をかけるが、ヘッドホンを付けていることにより僕の声は三玖さんには届いていないようだった。

やむを得ないため、自分の部屋に入ろうとする三玖さんに後ろから近寄って服の端を掴む。

 

「っ!?」

 

僕が服を掴んだ瞬間、三玖さんはビクッと体を震わせると手にしていたスマホを地面に落としてしまった。

 

「あ、ご、ごめん!」

 

いくら声が聞こえてなかったからとはいえ後ろからいきなり服を掴むのは軽率だったかもしれない、僕はそう言いながら三玖さんの落としたスマホを拾い上げる。

そしてそのまま三玖さんに渡そうと思った瞬間、思いもよらぬものが目に入ってきた。

 

「風林…火山…?」

 

僕の目に入ってきたもの、それは三玖さんのスマホのホームに表示された「風林火山」という旗だった。

確かこの旗って武田信玄の…そんな事を考えていると、いつの間にかこちらを向いていた三玖さんがスマホをひったくって両手で包むように胸元へ抱える。

その顔は真っ赤に上気しており、目はふらふらと泳いでいて焦点があっていない。明らかに動揺している様子だ。

 

「…見た?」

「う、うん…」

 

僕がそういうと、三玖さんは真っ赤な顔をさらに赤く染めると両手で顔を覆う。

 

「誰にも言わないで…戦国武将、好きなの…」

「わ、分かった。」

 

しかし、これで昨日の帰り際に何故僕に武将が好きなのかを聞いてきたのは納得がいく。

三玖さんが戦国武将が好きだから戦乱無双の本を持っていた僕に親近感が沸いてってことだったんだろう。

 

「それで昨日僕に聞いてきたんだね。」

「…うん。戦乱無双の本持ってたから、キョーヘーも戦国武将好きなのかと思って。」

「そりゃ戦乱無双やってるしね。そこまで詳しいわけじゃないけど、好きだよ。戦国武将。かっこいいよね。」

「だ、だよね…!」

「うん。僕は何気なしに手に取ったゲームだったけど、彼らの生きざまはすごいかっこいいと思うよ。」

「うん…うん…!」

「ところで、三玖さんは何で武将が好きなの?」

 

僕は興味本位で、本当に軽い気持ちで三玖さんにそう問いかける。

すると、三玖さんはこちらへゆっくりと近づいてきたかと思うと…僕の服の袖を掴んでぐいぐいと引っ張ってくる。

 

「み、三玖さん?」

「…来て。」

「え、ちょ…どういうこと?いきなりそんなこと言われても…」

「い・い・か・ら・き・て。」

「…はい。」

 

三玖さんの今まで見た中で一番鬼気迫る表情を見て、僕は何も言わずに素直に彼女に従うことにした。

そのまま袖を引っ張られるまま彼女についていくと彼女は自分の部屋のドアを開け、僕をその中へ押し込んだ。

…って言うか成り行きとはいえすっごいナチュラルに女の子の部屋入っちゃったんだけど大丈夫なのこれ。

あとで二乃さんに半殺しにされたりとかしないだろうな。

 

「きっかけは四葉から借りたゲームだった。」

 

人生で初めて女の子の部屋に入ってしまって狼狽える僕を尻目に、三玖さんはどこ吹く風といったような表情で口を開いた。

 

「野心あふれる武将たちに惹かれて本もたくさん読んだ。」

(…ここは黙って聞いておこう。)

「でもクラスのみんなが好きなのは…イケメン俳優や美人なモデル。それに比べて私は…髭のおじさん。変だよ。」

「え、なんで?」

「…え?」

 

僕の言葉を聞いた三玖さんは目を見開いて固まる。

 

「別に変じゃないでしょ。人が何を好きになろうがその人の自由なんじゃないかな?」

「でも…私の周りに戦国武将が好きな人なんて…」

「周りにいないってだけで、戦国武将が好きな人はいっぱいいると思うよ。僕もそのうちの1人だしさ。」

「…!!!」

 

僕がそう言うと、三玖さんは体を震わせた。

別に人が何を好きになろうが、それはその人の自由だし当然の権利だ。例えそれがイケメン俳優でも、髭のおじさんでも、もっと言えばプランクトンだったとしても。

誰にだってその人が好きなものを好きになる権利を邪魔することなんて出来ないし、バカにする権利だってない。

 

「例え戦国武将が好きな人が世界で三玖さんだけだったとしても、誰にもバカにしたり否定する権利なんてないよ。僕が保証する。」

 

それに、これは言い換えればチャンスだ。

三玖さんが戦国武将が好きってことは日本史の授業に興味がないわけじゃないだろう。現に、彼女のテストを確認すると日本史系の問題の正解率は高い傾向にあった。

趣味を利用させてもらうようで悪いが、興味のある日本史の授業で釣れば上杉くんの授業を受けてもらえるかもしれない。

 

「それにさ、それを言うなら僕だって同じようなもんだよ。僕の趣味は囲碁、だからね。」

「囲碁…?」

「名前くらいは知ってるでしょ?もちろん僕の周りに囲碁が好きな人なんていないよ。爺くさいだとか、変わってるとか周りからよく言われる。でもね。」

 

僕は自分の胸に親指を当てる。

 

「好きなものを好きって言って何が悪い?って言ってやればいいんだよ。言いたい奴には勝手に言わせておけばいい。だって僕は囲碁が好きなんだからね。」

「囲碁が…好きだから…?」

「僕は自分が好きなものに誇りを持ってるし、それを信じてる。だからさ三玖さん。君も好きなものに誇りと自信を持ってあげてほしいな。」

「…戦国武将に、誇りと自信を?」

「うん。自分が好きなものを自分が信じないで誰が信じてあげられる?だから好きなものを信じてあげてほしいかな。」

「…!」

「そしたら、きっと好きなものは応えてくれるはずだよ。周りの目なんて気にする必要はない。」

「人の趣味を変だって笑う奴より、自分の好きなものを好きって言える人。その人の方が、僕はよっぽどかっこいいと思う!」

 

僕は胸に当てた親指をトントンと2回たたきながら、そのままそう続けた。

 

「人は1人1人性格も違えば趣味も違う。みんな違ってて当たり前なんだ。委縮する必要なんてない、堂々と胸を張ればいいんだよ。」

「……」

「まぁいろいろ言ったけど、要は好きなものを好きって言って何が悪いの?ってことだよ。」

「…ふふっ、何それ。変なの。」

 

言葉こそトゲがあるものの、いつの間にか三玖さんの表情には笑顔が浮かんでいた。

 

「そうだ!次の授業は日本史を中心にしてもらえるように上杉くんに頼んでみるからさ!彼は学年主席だしきっと君の知らない話も聞けるんじゃないかな?」

「フータローが?」

「うん、だから彼の授業を受けてあげてほしいんだ。この通り、お願いするよ。」

「…分かった。そこまで言うなら、いいよ。」

「本当に!?ありがとう、三玖さん!」

 

趣味を利用してしまったことに対する罪悪感を必死に押し殺しながら、僕は今日一番だろう笑顔を浮かべて三玖さんにそう言った。

 

「ただし、キョーヘーが一緒にいるなら。だけど。」

「え?まぁそりゃ僕は彼の補佐だし、分からないところがあれば教えるよ?もちろん。」

「なら、いいよ。…一つ聞かせてほしい。なんでキョーヘーはそこまでフータローのために必死になれるの?」

 

そう言うと、三玖さんは僕の目を真っ直ぐに見据えてきた。

…僕が上杉くんのために必死になる理由か。

 

「そうだね、一番は彼の頑張りに報いてあげたいからって事かな。」

 

そう、いくらお金のためとは言え上杉くんは中野姉妹のために多大な労力を割いているわけだ。

今日だって徹夜でテストの作成をしているし、自分の勉強もあるだろうに彼女達の学力を考慮して問題を作るのはそう簡単に出来ることじゃないだろう。

そこまでして頑張っている彼の努力を無駄にしたくない。それが大きな理由の1つでもある。もちろん借金問題抱えてるからってのもあるけどね。

 

「ただ、1番は上杉くんが友達だからってことだね。」

「え…それだけ?」

「うん、友達を助けるのに理由がいる?友達だから助ける、それで充分じゃないかな。」

「…キョーヘーって変わり者なんだね。」

「よく言われるよ。でも、僕は自分のやりたいことをやってるだけだしね。」

 

こういうのは理屈よりも感情だし、と僕は続ける。

 

「…優しいんだね。」

「お節介、とも言うけどね。でもさ、実はもう1つ理由があるんだ。」

「もう1つ?」

「うん、それはね。君達全員にちゃんと卒業してもらいたいからだよ。」

 

僕がそういうと、三玖さんは意外そうな表情を浮かべた。

5人にちゃんと卒業してもらいたい。これは僕の本心だ。確かにこの子達とは決していい出会いだったとは言えないだろう。

しかし知り合ってしまった以上は見捨てることなんて出来ない。5人揃って笑顔で卒業してもらいたい。

一番の理由は上杉くんんことを思ってだけど、もう1つの大きな理由としてはこの子達のためを思って授業を薦めているってこともあるからね。

 

「もちろんこれは上杉くんも思ってるはずだよ。じゃないと、君達のためにここまでしないと思うからね。」

「…お人よしなんだね。」

「あはは…よく言われるよ。」

「そ…それでね!話す前にも言ったんだけど私が戦国無双が好きだってことは…」

「分かってる。誰にも言わないから、安心して。」

 

僕がそう言うと、三玖さんは安心したように胸をなでおろす。

 

「でもさ、姉妹にも秘密にする必要ってあるの?」

「姉妹だから言えないんだよ。」

「…なんでそう思うの?」

「5人の中で、私が一番落ちこぼれだから。」

 

…話が読めない。一体どういうことだろう?

別に三玖さんが一番落ちこぼれって訳では無いと思うんだけど、現にテストの結果は三玖さんが一番良かったわけだし。32点だけど。

 

「別に僕はそうは思わないけどな。さっきのテストだって三玖さんが一番点数良かったじゃん。」

「…やっぱりキョーヘーは優しいね。でも、なんとなく分かるんだよ。私程度に出来ることは他の4人にも出来るに決まってる。」

 

三玖さんはそういうと、手にしていた抹茶ソーダの缶をテーブルに置く。

そしてこちらを向き直り、口を開いた。

 

「五つ子だもん。」

 

その言葉を聞いた瞬間、僕は何となくだけど三玖さんが自分のことを落ちこぼれだという理由が見えてきたような気がした。

多分、この子は自分に自信がないんだろう。他の4人は大なり小なりはあれど、それぞれが自分のやっていることや趣味に自信を持っているような気がする。

それに比べて三玖さんは戦国武将が好きという周りとは違う趣味や、大人しくて控えめな性格のおかげでイマイチ自分のやってることに自信が持てないでいる。

そんな気がした。

 

「…三玖さん、君に言いたいことがある。」

「なに?キョーヘー。」

「僕はさっき、自分の趣味に自信を持ってあげてほしいって言ったけどもう1つ追加させてもらう。」

「追加?一体何を?」

「三玖さん。…戦国武将じゃなくて、自分に自信を持って!」

 

僕がそういうと、三玖さんは目を見開く。

 

「どういうこと?」

「君が自分を姉妹の中で落ちこぼれって言うのは自分に自信がないから、そうでしょ?」

「…なんでわかったの?エスパー?」

「なんとなく、かな。」

「何それ、答えになってない。」

「まぁ今はいいじゃん。それよりさっきさ、自分にできることは他の姉妹にも出来るに決まってるって君は言ったよね。」

「うん、言ったよ。」

「じゃあ逆に考えてみたらいい。他の4人に出来ない事が君には出来るじゃん。」

「それって…」

「そう、戦国武将。」

 

少し間をおいて、僕は続ける。

 

「君には他の姉妹にない立派なものを持ってるじゃん。それで勝負したらいいんだ。」

「で、でも!戦国武将の知識なんて…」

「僕はすごいと思うよ。僕も戦国武将は好きだけどゲームやったことしかないから浅い知識しかないしさ。」

「だけど…それでもやっぱり私なんか…」

「だー!もう!まどろっこしい!」

 

色々と言いたいことはあるが、これはもうストレートに言った方が早い。

そう判断した僕は、三玖さんに近寄って両肩を掴んだ。

 

「いい?三玖さん!もっと自分に自信をもって!自分を信じてあげられるのは自分自身だけだ!他の姉妹じゃなくて君自身なんだよ、三玖さん!」

「だから自信を持てばいいんだ!君には君にしか出来ないことがあるんだから。それが何か分からないなら、これから見つければいいじゃないか!」

「焦る必要はない。ゆっくりでいいんだ。だから、自分に自信を持ってあげてよ。そうしたら、君の趣味の戦国武将だって自信を持って人に勧められるようになるはずだよ!」

 

そう、三玖さんが戦国武将が好きだということに自信がないのは自分に自信を持てていないからだろう。

自分に自信を持てるようになれば、おのずと自分の趣味も誇れるものになるはずだ。だから、彼女には自信を持ってもらいたい。

嘘でも偽りでもない。それが僕の本心だ。

 

「もし三玖さんがそれでも自分に自信が持てないなら…僕が代わりに三玖さんはすごいんだよって自信を持って言ってあげるよ!」

「君はすごいよ、普通の人が知らない知識をいっぱい持ってるんだ。それがすごくないわけがないじゃん!」

「自分に自信が持てないなら、それでも自分を信じられないなら…僕が代わりに、三玖さんの自信になる。僕が代わりに、三玖さんの事を信じるよ。」

 

「だから代わりに、僕を信じて欲しい!」

 

この言葉に嘘はない。どうか心に届いてくれ、と願いながら僕は必死にそう訴える。

一方の三玖さんはと言うと、僕が言い終わると同時にふるふると体を震わせながらみるみるうちに顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。

というか、言ってから気づいたけど僕の言ってること結構とんでもないんじゃ…しばらくの間、お互いに言葉を発することができずに気まずい空気が流れる。

 

「…キョーヘーは。」

 

均衡を破ったのは、意外にも三玖さんの方だった。

 

「キョーヘーはなんでそこまで人のために必死になれるの?私とあなたはまだ会って2日目なのに。」

「困ってる人を助けるのに理由がいる?」

「…ふふっ、ほんとに変なの。」

 

三玖さんはそう言うと、手を口に当ててくすくすと笑う。

今まで特に意識してなかったけど、笑うとめちゃくちゃかわいいんだな…この子。

 

「わかった。信じてみるよ。私自身の事。」

「うん、そうしてほしい。」

「それに、キョーヘーのこともね。」

「…えっ?」

 

そう言って、軽い足取りで抹茶ソーダを手に取った三玖さんはそれを一気に煽る。

 

「ぷはっ…さっき言ったじゃん、自分を信じられないならキョーヘーを信じろって。」

「う、うん。言ったね。」

「私にはまだ自分を信じる自信はない、だから私は私を信じてくれるキョーヘーを信じることにする。」

 

三玖さんは抹茶ソーダの缶をゴミ箱へ投げ捨てると、くるりとこちらを向く。

そして、満面の笑顔を浮かべながら…

 

「だから…責任、取ってよね!」

 

そう言って笑う彼女の顔は、今日見たどんな表情よりも輝いて見えた。




三玖にフラグを立ててしまいました
本当はこの話では説得だけの予定だったのにどうしてこうなった…
と言うのも手探り状態で書いてるので…
今後はしっかりプロットを作って書いていきたいと思います…

さて、三玖にフラグを立てといてあれですが
メインヒロインはまだ決めかねている状態なので
今後調整しつつ誰をメインにするか決めます

行き当たりばったりになりますが
暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです

次は1話、原作にない完全オリジナルの話を挟もうと思っています
期待せず気長にお待ちください
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