次の日の事である。
すばる「お~いし~いなぁ~、しょ~くご~のも~もは~お~いし~いなぁ~♪」
天子「まぁなんともセンスのない歌の事で。」
俺達は昼食を食べたあとに、仙果である桃を貪っていた。適当に歌詞を作って、ムシャムシャとひたすら食べていた。もうこれで5個目だ。まぁ天子と衣玖は毎日30個くらい食べるらしい、もはや中毒どころか、膠原病になってねぇかと心配する。................いやどんな膠原病だそれ。
衣玖「さて、もうすぐお行きになられるのでしょう?人里の図書館、『鈴奈庵』に。」
すばる「あぁ、そうだな。」
そう、俺は昨日の夜に暇潰しがてら、一緒に『鈴奈庵』に行こうと、天子からの誘いを受けたのだ。丁度俺も暇なので、仕方ねぇ、ついていってやろうということになったのだ。.....................なんで俺はこんな上から目線なんだ?←はっ?
天子「(ムシャムシャごっくんちょ。)ふぅ、食った食った、さて、そろそろ行こうか。私も読みたい本があるんだよね~。」
天子は子供のように早く行こー状態である。とはいえ、気になったことがあった。
すばる「そういえば、衣玖、お前は一緒に行かんのか?」
どうせだったら一緒に行こうぜーと、誘ってみる。答えはノーだった。
衣玖「いえいえ、それこそ私も行ったらここを管理する人がいなくなってしまいます。ですから、お二人で楽しんできてください。私はここで留守番をしています。」
天子「衣玖も一緒に行けば良いのに..............私の誘いとかも、ほとんど断っちゃうんだよね。」
衣玖「申し訳ないです、総領娘様。」
ペコッと、頭を下げる。
天子「ううん、別に謝る必要はないわよ、ごめんね、衣玖。」
衣玖「いえいえ、こちらこそすいませんでした。..............でも、いつかは私も一緒に行きたいです。その時はまた、是非。」
と、衣玖はお願いをする、それに対しての答えは。
天子「分かったわ。」
と、答えたのだった。
すばる「そんじゃ、そろそろ行くとしますか。」
そろそろ行こう、とさすがに思い始め、出発の支度をし始める。天子も支度をし、二人とも準備万端の状態だ。
天子「それじゃあ、行きますか。『鈴奈庵』へ。」
すばる「そうだな。」
天子「私は空を飛んで行くから、あんたはパッチンで先に行ってていいわよ。」
すばる「いや、その必要はない。」
そうして、今にも飛び立ちそうな天子を止める。
すばる「実は最近、まぁ少し似てるが新しい技を覚えたんだ!」
今日はそれを試すとき............むふふ。
天子「へぇ、珍しい。どんな技なの?」
天子が質問してくる。
すばる「いっしょに瞬間移動するんだよ、それも人とする事ができるようになったんだ。つーわけで、天子、俺の体に掴まってくれないか?どこでもいいぞ、肩や頭、手を繋いだっていいぞ。」
すると、天子は顔を赤く染め、恥ずかしそうに、そして動揺して
天子「ばっ、ばばばばばばかじゃないの!?、て、手を繋ぐなんて!」
なぜだ?なぜどうして手を繋ぐ事を拒否るんだ!あ、もしかして俺の手が臭いから?..............泣きそう。
天子「こ、ここここは無難に、か、肩に掴んどくわ!」
そう言って、俺の肩に天子の手が乗っかる。.............初めて思ったけど、天子の手、ちっちゃいな。小さくて、片手で握り潰せそうな、そんな手だったのだ。
すばる「よし、掴んだな.................それじゃあ衣玖。」
いま一度、衣玖の方に向いて
すばる「行ってくるわ!」
俺の後に続いて、天子も。
天子「い、行ってきます......」
まだ少しだけ顔が赤いご様子。それでも衣玖は、笑顔で
衣玖「はい、行ってらっしゃいませ。お二人とも、楽しいひとときを、過ごしてきてください。」
そうして、俺は、俺の肩に掴まっている天子を連れて、人里に向かって、指パッチンをしたのだった。
一人残った衣玖は
衣玖「はぁ...........行っちゃいましたか。」
それだけいって
衣玖「...........桃でも食べますか。」
そう言って、仙果の桃を二個ほど取って、それを食べながら、雲の中に溶け込むように消えていくのだった_________________。
一方俺達は、人里の中を歩いていた。...........だがここで天子が言う。
天子「ねぇ、すばる。」
すばる「んっ?」
天子「腹減った。」
すばる「えっ?」
天子「えっ?」
すばる「いや、天子.................お前さっき昼食食ったばっかだろ。..........桃も7個ぐらい食べてたし、もう腹減るって、お前の腹はブラックホールか何かですか?」
いやもうこいつのお腹ブラックホールだろ。食べ物食っては銀河に放り捨ててるのか?
天子「いやほら、腹が減っては戦はできぬってよく言うじゃない。まさしくそれよ、私は今その状態に陥ってるわけよ!」
見苦しい言い分だなぁおい。.............まぁいいか。俺も若干小腹空いてたし、それを満たすのに丁度良い物............んっ、あそこで焼き鳥売ってるじゃないか。丁度良い、あそこで小腹を満たせる事にするか。
すばる「すいませ~ん、その焼き鳥っていくらしますか?」
?「あら、いらっしゃい。焼き鳥を買いに来たの?...............二人には焼きたてをあげましょう。少し待っていてくれるかのぉ?」
焼きたてをくれるみたいだ。それはとてもありがたいことだ、最近フ◯ミマ行ってなかったからな~。しかも、焼き鳥を焼きたてでくれるというのは、非常に稀なのである。だいたいは、そのまま焼いていたものを渡すはずだが..........この人が優しいだけなのか?
天子「それじゃあ私は先に団子食べに行ってくるー!できたら後でこっちに持ってきといてー!」
すばる「あっ、おいちょっと待て...........行っちまった、どんだけ腹減ってんだあいつ。」
?「ほっほっほっ、元気がいい娘さんじゃのう。」
すばる「あはは...........そうですね。」
?「................」
すばる「..................」
?「.............お主、『山口すばる』じゃな?」
すばる「えっ?何で知って......」
それと同時にボンッ、と何かに変身した。驚いた、さっきまでしわくちゃなおばあちゃんから、きれいなお姉さんに変わっていたのだ、頭の上には、葉っぱが置かれていた。
?「お主のことは、博麗の巫女から、色々聞いておる。性格や顔、お主の能力についてもな。」
まさか霊夢と会っているなんて、何者なんだ、この人は?
すばる「驚きました...........まさかさっきしわくちゃだったおばあさんから、一気にきれいなお姉さんに変わるとは思いませんでした。」
?「ほっほっほっ、とはいっても、もう年寄りだがのぅ..........体がゆうことを聞かんわい。」
すばる「どうやって変身したんですか?」
変身の仕方がどうしても気になってしまう。大方あの葉っぱが関係しているとは思うが......
?「ほっほっほっ、わしは狸の妖怪じゃからのう。この葉っぱでどんな姿にでも変えることが出来るんじゃ、お主にもなれるし、博麗の巫女にもなれる。...............もちろん、お主のつれの天人だって、なろうと思えばなれるぞい。」
すばる「天子のこと、分かっていたんですか?」
?「あぁ、わしも妖怪じゃからのう..........かれこれ100年以上は生きてるわい、あの天人にも、何回か交流したことがあったわい。」
天子と同じく100年以上生きてるのか。皆それぐらい生きてるってことなのか?とはいえ、霊夢や魔理沙はただの人間だったし.............ここは本当に不思議な場所だな。
?「.............すばるよ。」
すばる「はい?」
突然呼ばれたので、訳も分からず返事する。
?「.............の前に、先にわしの名前を名乗っておこうか、わしの名前は二ッ岩マミゾウ、まぁさっきいった通り狸の化け妖怪じゃ。」
すばる「ご丁寧に、ありがとうございます。」
マミゾウ「ではさっき言おうとしたことじゃが..............お主は『死神』をご存知か?」
すばる「死神............ですか?」
死神..............主に不幸をもたらす奴のことだよな?まさかここ、幻想郷にいたりするのか?
マミゾウ「その様子じゃあまだ会ったことないのじゃな。」
すばる「死神って、この幻想郷にいるのですか?」
マミゾウ「あぁ.............主に天界にな。」
!!、天界にそんなやつが出るのか!?おい待て、天子も衣玖からもそんな事聞いてないぞ。なんで言ってくれなかったんだ。
すばる「その死神ってやっぱり襲ってきたりするんですかね?」
マミゾウさんはこくっ、と頷いた。まじか、結構やばいんじゃねぇかそれ?
マミゾウ「最近な.............どこか禍々しい気を感じるんじゃよ。しかもかなりのな。」
すばる「どこから感じるのですか?」
質問したが、マミゾウさんは、首を横にふりながら
マミゾウ「分からない..............ただ、昔のよりもかなり強く感じるのじゃ.............」
怖いな、それ。分からないか..............死神の気ってどんなんだろう?やっぱり、気持ち悪いのか?............わかんねぇや。
マミゾウ「お主は、天人がなぜそこまで長生きするか、知ってるかのう?」
すばる「いえ..............分かりません。」
マミゾウ「じゃろうな。」
そういえば天子も衣玖もその事は言ってなかったな。
すばる「仙果のお陰だからですかね?」
マミゾウ「まぁそれもあると思うのじゃが..............単に死神に負けてないからなんじゃよ。」
すばる「もしも負けたら、どうなるんですか?」
マミゾウさんは、少し言いずらそうに
マミゾウ「...............死ぬんじゃ。」
すばる「!!」
マミゾウ「それも、天国にも地獄にも行けやしない...........その先にあるのは、ただ真っ暗な空間だけ、自分が生きてるか、死んでるかも分からずに、永遠にそこにさまよい続けるのじゃ......」
恐ろしい、負けるとそうなってしまうのか。俺は鳥肌がたった。ただ真っ暗な空間をさまよい続けるとなると...........考えるだけでも頭がおかしくなってくる。
マミゾウ「今までは、ずっと追っ払って来たから良いのじゃが.............今回はそうはいかんかもしれん。あまりにも気が禍々し過ぎるんじゃ。」
俺は、自分の手を見た。..............この手でなんとかできたりはしないのか?
マミゾウ「..............お主は、死神に勝てる自信はあるのかのう?」
すばる「........................分かりません。」
なんともいえん、まだこの能力事態はまだ慣れていない、今のところ、戦闘できるような効果も持っていない。
マミゾウ「お主の能力は、だいたい博麗の巫女から聞いておる..............ひょっとしたら、幻想郷の中でも、トップクラスを誇るほど強いんじゃ。」
すばる「そうなんですか?」
自覚がない、そもそもただの指パッチンだぞ?それがトップクラスって...........考えられん。
マミゾウ「.............お主の能力は桁違いに強くなる。いろいろ試せば、いろいろな効果が発揮できるじゃろう..............お主は、天人達を救えるかもしれんのじゃ。」
すばる「俺が救う......?」
この手で、誰かを救うことができるのか?俺にそんな才能があるのか?ただ、ひとつ言えることは
すばる「努力してみます。」
それだけだった。
マミゾウ「....................おっと、長話しすぎたのぅ、丁度焼き鳥も焼きあがったぞい。」
スッと焼き鳥を2本手渡してくれた。
すばる「わざわざありがとうございました。おいくらですか?」
財布を取り出して、お金を払おうと思ったが
マミゾウ「いや、いい。」
と、お金を貰うのを断ったのだ。
マミゾウ「今日は特別じゃ、お主にも会えたからのう、持っていけ。」
すばる「.................わざわざ焼いてもくれ、そしてタダで焼き鳥をくれて、ありがとうございます。」
マミゾウ「いいってことじゃわい。」
ほっほっほっと笑うマミゾウさん、この人はとても優しいお方だな~と心の底から思うのだった。
マミゾウ「お主.............あの天人を、頼んだぞ。」
それに対しての返事は
すばる「はい、任せてください。」
俺はそれだけ言って、焼き鳥二本を持ちながら、天子のところに向かうのだった。
マミゾウ「.............さて、どうなるかのう。」
一人残されたマミゾウさんは、そう呟いたのだった_________________。
どうもです。
最後少しだけシリアスにしてみました。
シリアスになってなかったらごめんなさい。