甲鉄城のカバネリ 鬼   作:孤独ボッチ

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 相変わらず長い時間が掛かってしまいました。
 それではお願いします。


 


第十一話

          1

 

 虎口を逃れた甲鉄城は、次の駅へと直走っていた。

 食料を切り詰め、水を節約し、皆がぐったりとしていた。

 飢える訳ではないが、腹は満たされる訳ではない。

 水の補給も慎重を喫す必要があり、神経をすり減らしていた。

 そんな中、動き回る者達がいた。

 

「じゃあ、スコンスコンやってよ」

 無名が相変わらずの擬音で意味の分からない事を言った。

 生駒は慣れたもので、黙って頷いて手に持っている木刀を構えた。

 今、カバネリと武士の中では来栖のみ稽古をしていた。

 他の面子は、体力の消耗を避けてなるべく最低限の役目を除いては、住民も含めて動かないようにしていた。

 師匠である無名と、想馬、手を止めた来栖が見守る中、生駒は滑るように木製の人型へ間合いを詰めると木刀を振るった。

 流れるような太刀捌きで一撃、返す刀でもう一撃を打ち込んだ。

「それは…来栖の技?いつの間に…」

 稽古を見学していた吉備土が驚きの声を上げた。

 来栖は、目に見えて不機嫌になった。

「カバネリはね。真似が得意なんだよ!だから、こんな事も出来ちゃうんだ」

 笑顔で無名は言ったが、来栖は更に面白くないと感じたようで眉間の皺が増えていた。

 それを見て逞生が、意地の悪い笑顔を浮かべて来栖に言った。

「あれぇ?剣術で並ばれちゃいましたね!」

 その言葉に来栖の表情が消え、生駒の前まで歩み寄ると木刀を無言で構えた。

 生駒は反射的に構えたが、アッサリと木刀の切っ先を逸らされて鼻を打たれる事になった。

「調子に乗るな。剣術とはそれ程単純ではない」

「ま、確かに使えるのと使いこなすは別物だからな」

 来栖の言葉に想馬が頷いた。

 真似るだけで強くなれれば苦労はないのである。

「生駒!今の技も貰っちゃえよ!」

 逞生が大人げない来栖の態度に腹を立てて言った。

「アンタ、心が狭いね!」

 これに関しては無名も同様の意見のようだった。

 来栖がムキになって怒っているが、想馬はそれをいつまでも見る事なく自分の鍛錬に戻った。

 想馬の鍛錬は主にカバネリと化した自身の把握だった。

 これは最重要事項だった。

 そんな時、外を見ていた住民が声を上げた。

「駅だ!」

 体力の消耗をしないようにする為とはいえ、ジッとしているのは苛立ちが募る。

 だからこそ、無事に次の駅である倭文駅が見えた時には、甲鉄城に乗る殆どの人間が外を見て歓声を上げた。

 だが、それも徐々に萎んでいった。

 今度は無事な駅かが心配になってきたのだ。

「倭文駅だ…。今度こそ無事でいてくれよ…」

 逞生が、小声で祈るように言った。

 生駒も周りに気付かれないように、微かに頷いた。

 だが、はしゃいでいても気持ちは全員同じだった。口に出さないだけの事だった。

 汽笛が鳴らされると、全員が固唾を飲んで倭文駅が応えるのを待つ。

 なかなか応答が返ってこない。

(おいおい。駄目って事はないだろうな。流石にこれ以上はキツイぞ?)

 想馬は内心だけでそう呟いた。

 想馬一人ならば別にいい。野生動物を狩って野草を摘んで食べればいい。

 だが、甲鉄城の乗員全ての食を賄うのは厳しい。

 まして、カバネから身を護りながらだ。弾薬も限りがあるので無駄撃ちは厳禁というおまけまで付いている。

 住民の苛立ちも限界にきている。ここで補給は受けたいところだ。

 虎口を逃れたのに竜穴に入ってしまったなどという事態は、御免被りたい。

 全員が祈るように見守る中、倭文駅が遂に応えた。

 歓声が皆の口から上がった。

「漸くこれで一息吐けるな…」

 生駒はホッと胸を撫で下ろした。

 流石の無名もホッとした様子だった。

 中へ入ったとしても、別の問題があるが今は殆どの人間が気にしなかった。

 

 食料の補給が出来るかという問題を。

 

 

 

          2

 

 厄介事も起こらずに検疫を無事に済ませ、甲鉄城は倭文駅に入る事が出来た。

 この機に物資の補給を澄ませなければならない。

 菖蒲と来栖は、一足先に甲鉄城を降りて倭文の領主の意向を確認する。

 勿論、本人は駅の中央にある砦にいる為、使者からそれを確認した。

「八の日には出て行くように…ですか。あの、御領主様に直接ご挨拶したいのですが」

 菖蒲は、食料の補給をして貰う為、どうしても会って交渉する必要があった。

 交渉の材料ならばある。

 だが、それには向こうにも交渉の席に着いて貰わなければならない。

「何分お忙しい方ですからな」

 決定を伝えに来た使者は、白々しくそう言った。

 どこも食料は貴重だ。どこの馬の骨とも分からない輩にくれてやるなどとんでもないのである。

「カバネを倒す術を、この倭文では持っておられますか?我々は持っているのです。それは分かち合うものであると思いませんか?」

 使者の顔から表情が抜け落ちる。

(これは…考えていますね。我々から穏便に聞き出すか、それとも強引に聞き出すか)

 菖蒲には、これ以上上手く伝える事が出来なかった為、強引な手段に出られては困る。 

 だが、いざとなればこちらも抵抗しなければならない。噴榴弾の成果をタダでくれてやる訳にはいかないのだ。せめて食料くらいは出させたい。

「疑う訳ではありませぬが…」

 使者は、そう言いつつも声に疑念が漏れていた。

 今までは追い払うのがやっとの相手に勝つ手段があると、いきなり言われても信じるのは難しいだろう。

「来栖」

「お待ちを。少し失礼致します」

 来栖は菖蒲の意図を察して、静かに下がった。

 間もなく来栖は、大量の黒い革のような物を持って現れた。

「これが証拠になりましょう。ご検分を」

 来栖が持ってきたのは、カバネの心臓被膜である。

 これから武器に貼り付けるのに必要になるだろうと、回収出来るものはしていたものだった。

 思わぬ所で役に立つものである。

「こ、これは…もしやカバネの!?」

 使者の鉄面皮は、アッサリと剥がれ落ちた。

 それ程の衝撃だったのである。

 菖蒲は、ただ微笑んだ。

 来栖も相手からは見えないように薄く笑った。

 相手の態度に腹を立てていたからである。

「承知した。殿にはお伝え致そう。暫し待たれよ」

 使者は慌てて戻っていった。

 すぐに使者は戻り、一転して申し訳なさそうに家老が面会する旨を伝えてきた。

 急な幕府からの来客があり、領主は手が離せなくなったとの事だった。

「殿より、家老の山崎の言葉は倭文の領主の意志と思って頂いてよいとの事でした」

 どうにも演技には思われない様子に、菖蒲と来栖はそれならば致し方なしと納得した。

 幕府が直接、人を寄越す事は別段珍しい事ではないが、駿城は倭文のもの以外見当たらない事に疑問を感じた。

「幕府の方は駿城で来たのではないのですか?」

 菖蒲が尋ねたが、使者の返事は要領を得ないものであった。

 どうやら使者にも詳しい事情は知らされていないようだったので、これ以上尋ねるのは控えた。

 気になるならば、後で面会する家老に訊けばいい。

 後に、菖蒲達はもっと詳しく情報を得るべきだったと後悔する事になる。

 

 無茶な事だと分かってはいてもだ。

 

 

 

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 使者と面会した菖蒲達は、生駒達の元へと戻って来た。

 そこには、生駒達カバネリだけでなく甲鉄城で主要な面々が揃っていた。

「菖蒲様、如何でした?」

 阿幸地が真っ先に菖蒲に尋ねた。

 菖蒲は、使者と話した内容をそのまま全員に伝えた。

「では、その家老次第という訳ですか…」

 阿幸地は難しい顔で考え込む。

「まあ、噴榴弾が役に立って良かったですよ。アレを欲しがらない領主はいないでしょうしね」

 生駒が穏やかな表情で言った。

 自分達の成果を取引材料にされた人間とは思えない穏やかさだった。

 生駒でなかったら、嫌味と取られただろう。

 だが、生駒は本気で良かったと思っているのだ。

「何はともあれ、交渉の結果を待っている訳にはいかないでしょ?まずは買える物から手に入れないと。甲鉄城の補修部品は必須ですよ」

「そうだね。手分けする方が効率的かな。時間があんまりないし」

 巣刈の主張を侑那が支持する。

「でも、それだけじゃなくて服とか薬とかも欲しいよ!」

 鰍も慌てて主張すると、全員が頷いた。確かに、それも食料同様に補給しなければならないだろう。

「それにしても八の日に出てけってのはキツイな」

 逞生がぼやくように言った。

「えっ!八の日って事は…今日は七夕じゃない!」

 鰍が重大な事を思い出したかのように声を上げた。

 想馬と武士の反応は微妙なものだが、女子達短冊を飾りたいと騒いでいた。

 そんな中、侑那とは別に盛り上がっていない女子が一人いた。

「七夕って何?」

 無名である。

「七夕知らないのか?」

 生駒が若干驚いたように無名を見た。

 無名は不思議そうに首を傾げる。

「笹に短冊を飾って願い事するの!」

 鰍が大雑把に説明したが、当然無名にはそれになんの意味があるのか分からなかった。

 だが、好奇心が刺激されて無名が笑顔で言った。

「やってみたい!」

「お金がないしな…。必要な分だけでも足りるかどうか…」

 いつもとは違う幼さを見せる無名に生駒は言い難そうに言った。生駒にしても出来るなら叶えてやりたいが先立つものが甲鉄城にはないのだ。

「やりましょう。七夕」

「で?でも…」

 笑顔を浮かべてそう宣言する菖蒲に、生駒が驚きの声を上げる。

 まさか、七夕をやろうなどと言い出すとは思わなかったからだ。

 菖蒲にしても、ただの親切心という訳ではない。これも甲鉄城に乗る住民達の心を配慮したものだった。

 七夕を祝う事で少しでも住民達の心が慰められるなら、やる価値はある。

「心配しないで下さい。これを」

 菖蒲は、そう言うと小さい箱を取り出した。

 それは、見事な細工の小箱だった。一目で高価なものだと分かる。

「菖蒲様!それは!」

 来栖が思わず声を上げる。

 その小箱は、菖蒲の母の形見の品だったからだ。

 菖蒲の母は、菖蒲が幼い頃に病で亡くなっていた。その母が残したもので、今や故郷から持ち出せた唯一の品であった。

「よいのです。お願いできますか?」

 菖蒲が小箱を生駒に差し出す。

(お母様も、きっと分かって下さいます)

 菖蒲は、心中でそう呟いた。

 

 無邪気に喜ぶ無名や、七夕が祝えると知って喜ぶ人達を見て菖蒲は自分が間違っていないと確信した。

 

 

 

          4

 

 買い出し組もすぐに出発という訳にはいかない。

 まず済ませなければならない事があった。

 それは、洗濯と布団の天日干し。

 これはやれる時にやらなければならない。

 流石に駅の外で呑気に洗濯し布団を干すのは無謀過ぎる。

「でも、駅の中に川が流れてるのは羨ましいかな」

 鰍は、本当に羨ましそうに洗濯しながら言った。

 顕金駅は、井戸水を使用していた。だが、それ故に湯水の如く水を使うという事は出来なかった。

 カバネは今のところ潜水する個体は確認されていない為、倭文は川を封鎖していなかった。勿論、カバネが入って来ないように水面ギリギリまで防壁が這っている。

 故に、甲鉄城の人々が洗濯で水を大量消費しようと、倭文の住民は文句を言う事がない。

 そして、それが終われば水浴び。

「お風呂は時間が掛かるから無理だけど、水浴びだけでも有難いよ!」

 鰍は、女だけで固まって覗かれないようにして水浴びを順番に済ます。

 無名は、用心棒として男共を寄せ付けないように見張っている。

 それが終われば、子供達を洗ってやる。

 ここまでくれば、無名も用心棒を他の女性に任せて水浴びをする。

 順番に子供を洗っていたが、何気なく無名の方を見ると鰍は思わず息を呑んだ。

 無名の背には紅い痣のようなものが、無名の美しい肌を這っていた。

 無名は鰍の視線に気付くと素早く背を隠した。

 鰍は悪い事をしてしまったのだと悟ったが、最早覆水盆に返らずだ。

(いつも通りに接するしかないよね…)

 謝るより、そっちの方が無名は喜ぶと鰍は短い付き合いの中でも悟っていた。

「無名ちゃん!お洒落しよ!」

「え!?う、うん?」

 子供を洗い終えた鰍は、勢いよくそう言うと使えそうな着物を選び始めた。

 無名は、その勢いに気圧されたように頷いた。

 

 無名はそれから着せ替え人形のようにされるのだった。

 

 

 

          5

 

「偶には、着替えるのもいいね!」

 鰍に着せ替え人形にされた無名だが、やはり女子なのかお洒落は嫌いではないらしく、嬉しそうだった。

 その様子に想馬と生駒が微笑ましそうに見守る。

「アンタは半裸だもんね!」

 しかし、無名は微笑ましい気持ちに水を差してくる。

 生駒は一転してムッとした顔をした。

「好きでああいう格好してる訳じゃない!」

 生駒としては主張しておきたいところだ。

 顕金駅の時は、着替える暇がなく甲鉄城に乗った後も戦闘に向いた服を調達出来なかっただけの事だ。

 今着ている着物にしても、戦闘には向かない。

 生駒は内心、ここで良さそうな服を探すべきかと悩んだ。

「想馬も出て来たんだ?言っとくけど、女は買っちゃダメだよ」

 想馬の用事が気になった無名だが、途中で想馬の女を買う発言を思い出した為、釘を刺したのだ。

 心なしか声が尖っていたのは、想馬の被害妄想だったのか本人には分からず頷くだけに留めた。

 無名から注意は予め受けていた。

 想馬は、既にカバネリと化している。

 従って、女を抱く訳にはいかないのだ。

「流石に覚えてるよ」

 想馬は、素っ気なく答えた。

 カバネリになって、急激なのどの渇きが性欲の代わりになってしまったようで、あまり以前のように昂ったから女という気分ではなくなった。

 これは生駒と感覚が違うらしく、想馬個人が特殊なのか生駒が特殊なのか判別出来なかった。

「じゃあ、何しに行くの?」

 ジト目で無名が問い詰める。

「武器を調達するんだよ。出来ればだけどな」

 無名と生駒が不思議そうな顔で想馬を見た。

「アンタ、前の武器があるじゃない」

「カバネリになってから薙刀ですら軽いんだよ。武器ってのはある程度重みも必要なんだよ」

 無名の疑問に、想馬が眉間に皺を寄せて答えた。

 武器が軽過ぎると力が上手く乗せられず、結果的に武器を壊してしまうのだ。

 それを避ける為にも、自分にあった重量のしっかりとした武器が必要だった。

「じゃあ、俺達とも別行動だな」

 逞生はそう言うと、生駒を連れて去って行った。

 生駒達は、噴榴弾に使う金属を探す為である。

「私達も整備工場で補修部品を探しに行きますから」

 侑那が素っ気なく宣言すると、想馬の横を通過していった。

 侑那と巣刈は、甲鉄城の補修部品を集める為である。

「それじゃ、俺も行きますか」

 想馬は、全員とは別の方へ消えて行く。

 甲鉄城の奥方衆は、勇んで服や薬、食べ物を得る為にドンドン先へ歩いて行ってしまう。

 無名は取り残された形になり、どうすればいいか分からず立ち尽くすしかなかった。

 こういう時、どうすればいいかなど、彼女の兄は教えてくれなかったからだ。

 だが、ここで鰍が無名の手を引っ張った。

「無名ちゃん!用心棒で付いてきてくれない?女だけだと、どうしても舐めれるのよ」

 そう言って鰍はニッコリと笑い掛ける。

 無名は戸惑いながら鰍に連れられて行った。

 

 束の間の平和な一時である。

 

 

 

          6

 

 想馬は一人鍛冶屋がある地区へと歩いていた。

 勿論、目的は武器だ。

 生駒達が行くのは、鉄砲鍛冶を専門に扱う問屋の為、想馬はこちらに足を運んだのだ。

 都合よく見付かるとは思ってはいないが、探さずにはいられない。

 倭文の武士達が一応は遣って来るようで、何軒か存在していた。

 端から入っていく。

 やはり刀程度しか置いていない。

 今は蒸気筒が主流となっているので、鎗や薙刀すら埃を被って放置されている始末だ。

 だが、最後の鍛冶屋で駄目で元々訊いてみると、意外な返答が返ってきた。

「あるが、アンタじゃ扱いきれないよ」

 不愛想な男でこっちを見もしないで鍛冶屋は答えた。

 別に鍛冶仕事の最中という訳でもないのにだ。

「それじゃ、試させてくれ。それなら別にいいだろ?」

 不愛想な人間には慣れている想馬は、全く気にする事なく言った。

 不機嫌そうに漸く想馬を見て、面倒そうに立ち上がり奥へと歩いて行った。

 なかなか戻ってこない為、どうしたのかと思っていたが鍛冶屋が戻って来た時、疑問が解けた。

 三人で巨大な鉄塊を運んできたからだ。

 想馬が望むような武器であれば、当然一人で行って持ってくる事は出来ない。

「これは…斬馬刀か?」

 想馬は、運ばれてきた鉄塊を見て呟くように言った。

「ああ。どこの馬鹿が造ったのか知らんが扱える人間が居なくってな。流れ流れて俺の所へ押し付けられたって訳だ。邪魔で仕様がなねぇ」

 忌々しそうに斬馬刀を見て、鍛冶屋は吐き捨てるように言った。

 その斬馬刀は、武骨で文字通り馬を両断出来そうな刃渡りだった。ただし、鈍らなのは間違いないだろうが。

「で?扱えるってか?大の男が、しかも力に自信のある男が三人で持ち上げるガラクタを」

 語外に撤回するなら今のうちだと言わんばかりだった。

 想馬は、それには答えずに黙って斬馬刀の柄を握り締めて担ぐように持ち上げる。

 鍛冶屋が呆けたような顔で口をあんぐりと開けて、想馬を凝視する。

「ちょっと、試しに振らせて貰うぞ?」

「あ、ああ…」

 想馬はサッサと外へ向かって歩き出し、鍛冶屋はまるで化物でも見るような目で想馬の背を追った。

 

 元々試し斬り用の場所なのか、中庭には大型の藁人形が幾つか立っていた。

 想馬は、その一つの前に立つと、斬馬刀を上段に振り上げた。

 本来ならば、これだけの重量の武器は振り下ろせば著しく体力を消費する為、やらない事ではあるがカバネリとなった想馬には関係ない。

 神経を研ぎ澄まし、空気を身体中に循環させる。

 そして、振り下ろした。

 一瞬で藁人形が粉砕される。

 だが、斬馬刀は地面スレスレで止められていた。

 そのとんでもない膂力に鍛冶屋が息を呑む。

 想馬は、まじまじと斬馬刀を見て頷く。

「まあ、切れ味の悪さは予想通りだ。だが、頑丈さと重量は丁度いい」

 平然と想馬は、斬馬刀を評した。

 見守っていた連中からしてみれば、重量が丁度いいなど信じられないが、実際に使いこなしているのだから仕様がない。

「幾らだ?」

「あ、ああ…」

 鍛冶屋は、ぎこちない動作で値を告げた。

 予想より値段が安く、想馬としては得をした気分で鍛冶屋を後にした。

 

「ま、あとは生駒に心臓被膜でも張らせよう。これで號途の所まで持つだろう」

 巨大な剣を剝き出しで歩く想馬に、倭文の住民が恐れ戦いて道を譲るのも気にせず、想馬はそう呟いた。

 

 

 

          7

 

 一方、鰍に用心棒として連れ出された無名はといえば、呆然と奥方衆の後を付いていくのみとなっていた。

 

「もっと、丈夫な布ないの!?こんなペナペナじゃ、すっぐ駄目になっちゃうよ!!」

 

 八百屋に突撃して。

 

「ここ!!ここ傷んでるじゃない!?お願い!!負けて!!」

 

 豆の問屋では。

 

「これ全部買うから半額にして!!」

「こんな瘦せた豆で、こんな値付けるなんて何考えてんだい!?」

 鰍に引っ張られ、調子を戻した奥方衆も参戦し、値切りを行っていた。

 流石に、これだけの大勢の奥様方と鰍に包囲され、相手は白旗を上げていた。

 

「鰍も戦するんだね…」

 流石の無名も若干引いていた。

 

 

 そして、生駒と逞生は銃砲を扱う問屋に顔を出していた。

 生駒達の方は、順調だった。ここまでは。

 目ぼしいものはないか、辺りを見て回っていた生駒は主の隣にある箱に積まれている物に目が止まった。

「それは?」

「ああ、花火だよ。この倭文では七夕には花火を上げるんだ」

 生駒の問いに、快く主は答えた。

「それじゃ、割薬も分けて貰えますか?」

「いいけど、何に使うんだい?」

「それはですね。噴榴弾の燃焼剤に使えないかと思いまして」

「噴榴弾?」

「そうなんですよ!噴榴弾っていうのは…」

 生駒が生き生きと説明しようとした時、一人の武士が入って来た。

「筒の調子が悪い。夕方までに直せ。至急だ」

 武士が入って来るなり生駒を押し退けて、蒸気筒を主に突き出した。

「少々お待ちください。こちらの方の用事を…」

「こっちが優先だ。お前達を護る筒の調子が悪いんだぞ?こっちが先に決まっているだろうが!」

 問屋の主の言葉を遮って、武士が激昂する。

 生駒と逞生も勝手な態度に流石にムッとする。

「この人は今、俺達と話してるんだ。後にしろ」

 生駒が苛立ちの混じった声で言うと、武士は更に頭に血が上ったようで生駒を突き飛ばした。

 その拍子で武士の脚が積んであった箱に当たり、一番上の箱の中身が地面にぶちまけられ、螺子などの部品が散らばった。

「アンタ、なんて事を!」

 生駒が慌てて部品を拾い始める。

 部品一つでも、カバネが溢れる世界では貴重な物だ。なるべく、使える部品は使い回す必要がある。

「そんな物、放って置け!それより筒だ!」

 武士は高圧的に声を上げるが、それに珍しく逞生が怒りを露にした。

「おい!片付けろよ」

「何ぃ!?」

「散らかした物は片付けろって、お母さんに習わなかったのか!」

 逞生が言い終えると同時に、武士の顔面に頭突きを食らわせる。

 逞生の額が丁度武士の鼻を打ち、武士が悲鳴を上げて鼻を押さえる。

 鼻血が溢れて来たのを見て武士が、怒りのあまり刀に手を掛けた。

 そのまま斬り掛かるかと思われたが、その手は既に生駒が押さえていた。

 驚いて生駒を見るが、その瞬間に武士は宙を舞っていた。

「全然なってないぜ!!」

 生駒の容赦のない攻撃で武士は錐揉みしながら、問屋の外へと吹き飛んでいった。

 武士は恐怖の表情を浮かべて、慌てて立ち上がる。

「夕方には取りに来るからな!!」

 武士は、そう捨て台詞を残して逃げて行った。

「ハッ!ざまあねぇな!」

 逞生が冷汗が流れる顔で、かつ若干震える声で言った。

 だが、生駒は既にいつも通りだった。

「それで、噴榴弾っていうのはですね!」

 問屋の主は流石に引いた。

 あんな立ち回りをやった後に平然と説明を続行するのかと。

「すいません。聞いてやって下さい」

 逞生は申し訳なさそうに主に頼んだ。

 こうなったら、生駒は長いのである。

 

 

 そして、侑那と巣刈は甲鉄城の補修部品の調達をしていた。

 調達した補修部品を確認していると、坊主頭の少年が近付いてきた。

「お姉さんも駿城に乗ってるの?」

「ええ。まあね」

 少年の問いに、侑那はしゃがみ込み少年と同じ目線で返事をした。

 その顔は珍しく穏やかな表情だった。

「じゃあ、俺の父ちゃんと同じだ!俺の父ちゃんの乗ってるのは扶桑城って言うんだ!」

 侑那の脳裏に顕金駅での扶桑城の姿が過る。

「お姉さん知ってる?」

 自慢げに笑う少年を見て、侑那は胸が痛んだ。

「さあ、知らないな」

 だからこそ、誤魔化した。

 扶桑城から湧き出すように現れたカバネの群れの中に、少年の父親も確実にいただろう。

 無名と想馬に倒されたか、まだ顕金駅でカバネとして血肉を求めて彷徨っているのか分からないが、わざわざ少年に告げる必要はないと侑那は考えた。

「扶桑城なら、顕金駅に突っ込んで大破したぜ。カバネに乗り込まれて中の奴等も全員カバネになった。俺達は顕金駅から逃げて来たんだ。間違いねぇよ」

 だが、ここで無慈悲に戻った巣刈が容赦なく真実を告げてしまった。

 侑那は、険しい顔で巣刈を睨み付けた。

 睨み付けられた巣刈は、平然とした表情で侑那を一瞥もせず少年を見ていた。

 少年は、言われた意味がすぐに飲み込めず、ポカンとした顔をしていたが、みるみるうちに顔が真っ青になった。

「う、嘘だ!!」

「嘘じゃねぇよ」

 巣刈の無情な台詞に、少年は呆然と立ち尽くしている。

「巣刈!!」

「戻らない父親を待ち続ける方が、俺には残酷だと思いますけどね。俺は教えて欲しかった」

 侑那は言葉を詰まらせた。

 巣刈の言い分に一理あると認めたからだ。

 そして、巣刈が何故少年に真実を告げたのかを理解した。

 巣刈は少年に侑那と同様しゃがみ込んで視線を合わせる。

「いいか。ここからだぞ。受け入れて這ってでも前に進むんだ。それしかねぇんだ」

 巣刈の言葉には、重みがあった。おそらく彼もそうしてきたんだろう。

 そして、少年にもそれは伝わった。

 少年は涙を流しながら頷いた。力強く。

「よし」

 巣刈は優しい笑みで少年の頭を撫でた。

 

 侑那は、それを黙って見ていた。

 

 

 

          8

 

 それぞれの用事を済ませた甲鉄城一行は、待ち合わせ場所に集まった。

「こりゃ、沢山買えたな!」

 逞生が感嘆の声を上げ、鰍は若干得意気だった。

 荷車には、七夕の笹に物資が山と積まれていたから、誇っていいだろう。

 無名が想馬が背負っている武骨な鉄塊に目を留める。

「馬鹿みたいに大きいの買ったね!」

「幸運だったぜ」

「…皮肉なんだけどね」

 不敵に笑う想馬を、呆れて無名が苦笑いした。

「見て!立派な笹も確保したんだから!」

 鰍が笹を眺めて満面の笑みを浮かべている。

 釣られたように想馬以外の面々に笑みが浮かぶ。

「これに飾り付けするんだねぇ」

 笹をまじまじと眺めながら無名が言った。

 鰍が見本を見せるように、不格好な短冊を取り出すと笹に結び付ける。

「こうやって飾るんだよ!」

「っ!」

 無名の脳裏に鰍と同じように、こちらに振り返り笹に短冊を結び付けている姿が過った。

 呆然と立ち尽くす無名を気にする者は、浮かれていたお陰で誰も気にしていなかった。

 想馬を除いては。

 故に、無名と想馬が消えた事に気付かなかった。

 

 いつの間にか、血液の入った水筒が二つ消えている事にも。

 

 

 

          9

 

 その頃、菖蒲達は倭文の領主の館に来ていた。

 だが、家老の山崎は、未だ忙しいらしく姿を現さない。

 菖蒲は室内で待たされ、護衛として付いて来た吉備土と来栖は廊下で控えていた。

「随分と待たせるな」

「全く、今は人同士で足の引っ張り合いをしている場合ではなかろうに」

 吉備土が小声でぼやくと、来栖が苛立ちの混じった声で答えた。

 吉備土が来栖の答えに笑みを浮かべる。

「なんだ?」

「いや、生駒みたいな事を言うなと思ってな」

「止めろ」

 吉備土の言葉には成長をした同志を感慨深く感じるものがあり、来栖の気分が更に悪くなった。

「俺がいつ頃になるか、訊いてくる」

 来栖は、そう言うと障子に寄る。

 護衛対象である菖蒲に断りを入れなければ、来栖も勝手に訊きに行く訳にもいかないので、当然必要な行動だった。

「菖蒲様。失礼致します」

 来栖はそう言うと障子を開けた。普段の来栖ならば、菖蒲の返事を待っただろうが、不機嫌で気が立っていた所為でそれを怠ったのだ。

 障子を少し開けて、室内の菖蒲を見て来栖は固まった。

 菖蒲も固まっていた。顔を真っ赤にして。

 何も如何わしい事がある訳ではない。

 ただ単に、菖蒲が待ち草臥れて、つい出されていた茶菓子に手を付けてしまっていただけの事だ。

 庶民ならば問題ないが、菖蒲は姫である。

 客の立場で、先に飲み食いするのは褒められた事ではない。

 それでも誘惑に負けて食べてしまったのは、甘味が貴重であり、待たされた時間が長かったからである。

 菖蒲は、それを見られて恥じ入り、来栖はそんな菖蒲の顔が可愛かったから固まった。

 慌てて障子を閉めた来栖に、吉備土が怪訝な顔をする。

「なんでもない。もう暫く待とう」

「うん?ああ」

 何が起こったのかわからない吉備土は、首を捻るばかりであった。

 

 茶菓子を食べているところを見られたからという訳ではないが、菖蒲は自分から噴榴弾の実演を提案し、来栖達も頷いたのであった。

 それが功を奏した部分もあり、無事甲鉄城への物資の提供は承知して貰えたのだった。

 

 

 

          10

 

 更にその裏では、倭文の領主は幕府からの客の対応に出ていた。

 苦虫を嚙み潰したような顔で。

「将軍家五州廻り・小源太と申します」

 出で立ちは、商人のようだが顔からは一般人ではない雰囲気が滲み出ていた。

 ここに通される前までは、強面ではあるもののやり手の商人といった印象だったが、ガラリと雰囲気が変わっていた。

 領主を前にしているにも拘らず、ふてぶてしい態度で領主としての自分に対してもおざなりに礼をしたのみである。

 内心、不快に思っていても、表に出さぬように意志の力をかなり動員する羽目になった。

 そして、もう一人ひれ伏している人物に目を遣ると、小源太が紹介を始める。

「この者は解放者の耳をしていた…」

「榎久と申します」

 この前に無名達の前に姿を見せた榎久である。

 榎久は、小源太の説明を遮るように自分で名乗った。

「狩方衆が何故?」

 内心で冷汗を流しつつ、それをおくびにも出さず淡々と問う。

 小源太は、全てを見透かしたように領主に視線を固定したまま答えた。

「今は我等の配下です。解放者ですが、もうじきこの倭文に現れましょう」

「っ!?」

 領主も流石に感情を露にしてしまった。恐怖という感情を。

「止めろ!中央の争いに倭文を巻き込むな!」

「まるで他人事ですな。貴方は、あの件の関係者の一人であるという事をお忘れですか?」

 猫が鼠を甚振るような物言いだった。

 領主の顔に深い悔恨の情が浮かぶ。

 

 倭文領主に小源太達への協力を拒む術はなかった。

 

 

 

          11

 

 無名は、皆と一緒に戻る気になれず歩き続け、古ぼけた社で腰を下ろした。

 物憂げに賽銭箱の前に座っていると、ふらりと想馬が姿を現し、斬馬刀を立て掛けると自分も無名の横に座った。

「生駒達が探してるぞ」

 想馬は、それだけ言うと無言で水筒を差し出した。カバネリ用の食事で生駒の言うところの弁当である。

 生駒は、血とそのまま表現するのが嫌らしく、最初からそう言い続けていた。

「うん…。ありがとう」

 無名は、気の抜けた声で礼をいうと水筒を受け取り、少しだけ弁当を口に含んだ。

「頂きますと言わないと、生駒が頭から湯気出して怒るぞ」

「…頂きます」

 弁当を飲み込んで、取って付けたみたいに無名は言った。

 無名は、順調に人間の本来分かっていなければならない常識を、生駒に覚えさせられていた。

 その時の生駒は、普段の訓練での意趣返しという訳ではないだろうが、厳しい為に無名もそこは素直に言う事を聞くようになった。

「それで?どうした?」

 想馬は本題を切り出す。

「私、七夕やった事あったよ。忘れてたんだ」

「そうか」

 想馬は静かに無名が口を開くのを待った。

 暫く沈黙が流れるが、それは嫌なものではなかった。

 夕日に照らされて、穏やかな時が流れていく。

「お母さんがね。穂積、今日、天の川見えるよって言って短冊飾ってた。すっかり忘れてたよ」

 狩方衆の一員となる為の日々、一員となり兄の手足となり働いた日々、目まぐるしく遣り甲斐もあり、肉親との数少ない思い出も埋もれてしまっていた。

「穂積ってのは?」

「私の前の名前。お母さんから貰った名前。無名っていうのはね、兄様から貰った名前なんだよ」

 想馬は内心で盛大に眉を顰めた。

 天鳥美馬は、どんな積りでそんな名前を付けたのか。

 黙ったまま想馬がそんな事を考えていると、無名がポツリと呟く。

「どんな字なのかな…」

「多分、これだろう」

 想馬は、地面に穂積と漢字で書いて見せる。

 無名はしきりと感心して、自分の前の名前を眺めていた。

 その姿に想馬はやり切れなくなる。

 本来ならば、無名は護られる民の一人だった筈なのだ。カバネに噛まれていなければ。

 想馬は武士など遠に捨てたし、民を護る事にも関心などないが、子供に戦闘を強いる現状には思うところはまだ残っていた。

「これ、どんな意味があるの?」

 無名が訊いてきたので、想馬は答えてやった。

「稲穂が積まれている様だな」

 無名がそれを聞いて噴き出す。

「なんだ。私ってば、前はお米って名前だったんだ」

「悪くないだろ?食べるのに困らないようにって願いを籠めた名だ」

「うん。そうなんだろうね。でも、馬鹿だよ、お母さんは。お米なんて作れるところは限られてるのさ」

 無名は立ち上がり、少し歩いて行って止まる。

 その背は寂しそうだった。

「それにさ、私の今の食べ物は…」

 水筒に入れられた弁当を見る。

 カバネリになったからには、もう普通の食事は取れない。

 想馬も、そして生駒もそれは実感していた。

「実はさ、結構思うんだよね。朝起きて、私は本当に人の心があるのかなって。ある日突然この心は無くなっちゃうんじゃないかって」

 想馬は、カバネリになったばかりだ。無名の気持ちは本当の意味で理解は出来ないだろう。

 そう分かっていたので、黙って聞いていた。

「仲間がだんだん思い出も曖昧になって、どんどん変わっていって、それで他の仲間に処分されるのを私は見てた。私もいつか…そうなるんじゃないかって」

 想馬も自分がいつまでも無事でいられるなどと思っていなかったが、存外人の心は長持ちしないらしいと知って苦々しく思った。

 それならば、無名が思い出を一つ忘れたくらいで、ここまで動揺した理由が分かった。

 自分も処分される時が近付いていると恐れているのだ。

 思えば、八代駅での出来事もその恐怖が元となっていたのだ。

「そうなったら大変だね!私、カバネに一度も噛まれた事ないくらいに強いからさ!皆、噛まれちゃうね!」

 無名がそう言って、おどけて笑った。だが、その笑みに力はなかった。

「その前にどうにかすればいいさ」

「え?」

 想馬の言葉に、無名が驚いたように想馬の顔をまじまじと見た。

「どうにかって…」

「生駒はカバネの事を研究してる。幕府もだろ。幕府の連中は兎も角、生駒は信用出来るだろ。そっちに俺も協力してやる。だから、お前も協力しろ。俺も拾った命を無駄に捨てたくない」

 想馬は自分の命をあまり大事にしていない事は、無名も知っていた。

 その言葉は、無名を人間に戻す為の言葉だった。

 この男らしい、物言いだと無名は笑った。

「なんだ?笑うところじゃないぞ」

 想馬の不機嫌そうな顔に、無名は更に笑ってしまった。

「ごめんごめん。戻ろ」

 そう言うと無名は歩き出した。

「こんなところにいた!探したんだぞ!」

 丁度、生駒が駆け込んできた。

「俺達の生命線のご登場だ」

「そうだね!」

 無名は笑いながら、生駒の横を通り抜けて行った。

 生駒はなんの事か分からず、頭を捻っていた。

 想馬は、そんな二人を眺めていたが、内心では重要な情報を吟味していた。

「一度の噛まれた事がない…か」

 意思のあるカバネの噂は前から流れていた。

 それはカバネに噛まれて、生駒同様の最後の足掻きの結果だと思っていた。

 その足掻いた結果の方法で、志願者のみをカバネリにしているのだと。

 

 だが、それは思った以上にキナ臭い話のようだった。

 

 

 

 

 




 最後まで七夕の話を書けなかったです。
 次回に回します。
 結構次回は中途半端な終わりになりそうな予感、というかなるなと思います。
  
 次回も物凄く間隔が開くと思います。
 次回もお付き合い頂ければ幸いです。


 
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