俺は目を覚ましてもあの光景が目に浮かんで離れない。近くにクリスたちもいるが何も今頭にただ立ってこちらを見ている。
「俺はもう戦えない」
「「「!!」」」
「もうこれも預けとくよ」
俺は首についているペンダントを外して病室の机の上に置き、心の中でゲイボルグに謝って病室から出た。そしてそこは二課の中だったので出ようとするとそこには弦十郎さんにあった。
「それが君の答えか」
「はい、今までお世話になりました」
「なに、気にするな。今まで通り支援もする。君に助けられたのはこちらも同じだ。ただもし君がその意思で戻ってきたときはこちらも受け入れる。それだけは忘れないでくれ」
俺はその言葉に頭を下げてその場から離れた。こんなふうに前線から離れる俺に対して今まで通りにしてくれると言う言葉だけは嬉しくて仕方なかった。俺は茜を迎えに行かずそのまま家に向かった。
茜には茜の意思があるから俺が迎えに行くのは違うし、今のこの顔を見られたくなかったから。
全くまともな顔をしてなかったぞ。君もそして妹である茜ちゃんも。
弦十郎はふと思った。誠くんが倒した竜司という少年過去にどこかで見たことあるような気がする。
俺は気になったことを調べるために資料室に向かったが結局なにも見つからずに胸のモヤモヤが消えずに司令室に戻った。
あたしたちは無力だ。結局誠に全部重荷を背負わせてる。周りを見ると先輩や奏もかなりショックを受けているみたいだ。もちろんあのバカもショックを受けている。この状態で敵と戦うなんてことをすると必ず負ける。
そんな時に限ってノイズの襲撃があった。出撃要員はあたしと先輩だ。
あのバカはもう戦わせられない。
あたしはすぐにギアを纏いイライラをぶつけるかのように周りのノイズを蹴散らした。
「マストダァイ!」
「やっぱいやがったな。今のあたしは機嫌が悪いんだ」
あたしは言葉通りすべての銃火器やミサイルを絶え間なくぶっ放した。もう周りのことなんて見えておらず、気がつくと相手もおらず先輩に止められていた。
周りを見渡すと更地になっていて何にも残ってなかった。
「これがやりたかったことか!少し頭を冷やせ」
「……」
あたしはなにも言えずその場から立ち去り家に帰った。家に帰っても頭がはっきりしないままベッドに倒れ込みなにもしないまま時間だけが過ぎていった。そのまま沈んでいき眠った。けれどそんな簡単に問屋はおろしてくれず夜中に出撃命令が出た。
現場に向かってみるとすでにノイズは殲滅されておりそこに先輩もやってきた。
「これは雪音がやったのか?」
「いや、あたしじゃない。あたしが来たときにはすでに……」
このときあたしの脳裏に1人の人物がよぎった。けれど今は聖遺物を持っていないはずだからなにもできないはず。
あたしと先輩は周りを調査してそのままなにもなかったので帰ることにした。