体の痛みに引き裂かれるように目が覚めた。そこは何回か見たことがある天井でそのベッドの端にクリスが寝ていた。よくわからない状況だがバレても厄介なので寝てる間に離れようとするとあしを掴まれていた。
「うぅん。誠?」
「クリス。なんでもない」
「待てよ。聞きたいことがある」
「俺にはないよ」
「あたしにはあるんだよ。なんで丸一日以上ギアを纏ってたんだ?」
「それは…今は言えない。けど本当に助けて欲しい時は言うからその時まで待っていてくれないかな?」
「………あぁ。わかった」
俺は覚悟を決めた。いつか必ず助けてもらいたいと思ってる。それに弦十郎さんのところに向かっていった。俺をもう一度二課に入れてもらうためだ。
扉の前に行き開けたら中では弦十郎さんや藤沢さん、友里さんがいた。
「あの、俺をもう一度二課に入れてください」
「何を言ってるんだ君は?今更じゃないか。君は元々二課所属していてやめると言っていたがあの時の君は思い詰めていたからな。休暇にしておいた」
「はい!?なんでそんなことを」
「司くんが本当にやりたいことを支えるのが私たちよ」
「そういうことだ。君がいくら間違えようが一時期の感情に流されてもそれを支えるのが俺たち大人なわけだ」
「………‥っ!ありがとうございます」
俺は二課所属に戻り迷惑かけた奴らに謝りにいくとみんななんのことかわかっていない顔で俺の方を見てきて、なんだか俺が変なことを言ってるような感じだった。
理由を聞くと俺を信じているからとだけ言われて顔がだんだん赤くなっていくのがわかった。
けれどこんなに信じてくれていても俺は話せないことがある。これは話せないし、話すとみんなを巻き込んでしまう。苦しむのは俺1人で十分だ。どちらかというと茜にも離れていて欲しいぐらいだけど家がそんなことを許さない。
結局その日は帰るつもりがクリスの家に連れて行かれてみんなでパーティーをした。
次の日からはFISの対応に追われていると立花の親友小日向が事故にあったと聞いた。だがそれでもFISの動きが止まるわけじゃなく今度は海の上での戦闘になった。ノイズの数も多くてこずっていると
「Rei shen shou jing rei zizzl」
「これって聖詠。けど誰の?」
見ると立花の親友の小日向がギアを纏ってそこにいた。けれどあいつが装者なんて聞いたことがないし、何よりも頭についているギアは不自然だ。あれはおそらく強制的に戦わせるか、命令を出すかそんなところだろう。
それにクリスが突っ込んでいったがなんだか様子がおかしい。見ていてクリスの防御が薄くなってるような気がして思わず飛び込んだ。そのまま掴んで走っていく。
「翼!」
「了解だ」
俺がクリスを引っ張り翼が上から刀を落としながら逃げているが相手の聖遺物殺しはなかなかに早く追いつかれそうだ。そのまま入っていくと船の端が見えてくる。翼が落とした刀にタイミングを合わせて俺は横に飛んだ。海に落ちたがなんとか小日向が放った閃光から逃げ切れた。
「あぶねぇ!」
「誠、ありがと。助かった」
「気にすんな、危なかったな。本当に」
俺たちはなんとか船に戻ると立花が飛び出してきた。そんなことはありえない。あいつの心臓に埋まっているガングニルはもう末期のはず。
それを飛び出すなんてやっぱり立花は立花だな。
「誠くん。響くんが未来くんを抑えている。あの光で未来くんを救うそうだ。援護を頼む」
「了解です。援護します」
俺は他のノイズが邪魔にならないように蹴散らしながら斬撃で逃げる場所を狭めて行った。ここからは立花に任せるしかないか。もちろん斬撃を飛ばすのもやめだ。これ以上手を出すのは野暮だからな。