戦姫絶唱シンフォギア if   作:麒麟@

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18話

 そこからしばらくすると小日向と立花が光に巻き込まれていった。俺は2人を拾って船の上に降りた。

 

 

「パァン!パァン!」

 

「う!」

 

「なぁ!」

 

 

 俺はその場に倒れた。その隣に倒れていく翼が見えて後ろを見てみるとクリスが銃を構えたまま俺たちを見ていた。

 

 

「なんでクリ……ス」

 

 

 俺はそのまま意識を失った。そして次に目を覚ますと医務室の天井が見えた。

 

 

「目が覚めたか誠」

 

「翼」

 

「といっても私も今目が覚めたばかりだがな」

 

 

 ドアが開き入ってきたのは司令だった。少しばかり顔色が良くない。

 

 

「いきなりだが本題に入らせてもらう。響くんと未来くんは助かった。だがクリスくんが裏切り二課の戦力は君たち2人になった」

 

「ちょっと待ってくれ。クリスが裏切った!?

 それは早計じゃ!っう」

 

「翼はともかく君は急所に当たっている。まだ少しの間は動けない。少し休んでいてくれと言いたいがそうも言っていられない。翼だけでも先に出撃してもらう」

 

「なら俺も、っう!」

 

「無理をするな。少し休んでいてくれ」

 

 

 そういい翼と司令は出ていった。少しすると茜がいい匂いを持ってきた。おぼんのの上に飯を乗せて

 

 

「お疲れ様、ゆっくり休んで出撃しよ」

 

「茜ありがと。食べてから出撃するけど今の状況は?」

 

「クリスさんの件は聞いてるよね?」

 

「あぁ、けどそこからは何も知らないよ」

 

「FISが目指していたフロンティアが起動したんだよ。確かにあの大きさなら人類の半分は乗ると思う。けどそれ以上は資源的にも大きさ的にも厳しい」

 

 

 茜が辛辣な顔をして話しているが俺は飯を食べながら話を聞いてきた。絵面だけ見たらシュールな状態だ。

 

 

「とりあえず行ってくるわ」

 

「うん、がんばってね」

 

 

 俺は出口から飛び出してギアを纏い、そのままフロンティアに降りた。もうすでに二課の本部はフロンティアに乗っており簡単に降りることができた。

 

 走っていくとなんだか地面が浮き上がってなんだかでかい物体が出てきた。すでに3人は戦っていて中にはクリスもいた。

 これは邪魔するのは悪いなと思い戻ろうとすると友里さんから俺にだけ連絡が入った。

 

 

「誠くん、すぐに戻ってきてくれる?」

 

「了解です」

 

 

 声色から何か緊急事態があったと思い俺は最速で戻っていった。基地内に入ると友里さんと藤沢さんが焦りながら俺を引っ張っていった。その連れて行かれたところは何か貝のような形のものが浮いていた。

 

 

「これは?」

 

「二課所有の完全聖遺物のギャランホルンです」

 

「ギャランホルン?」

 

「一度奏さんに使ってもらってある程度の状況はわかってるんだ。これは平行世界に繋げる聖遺物なんだ」

 

「平行世界ってあのイメージ通りの平行世界ですか?」

 

「ええ、そうよ。そしてこれは向こうの世界で何か異変があったときに警報が鳴るのよ」

 

「その異変はどういったものなんですか?」

 

「それがまだ確定じゃないんだよ。向こうで何があるかから調査しないといけない」

 

「了解です。最後に一個だけ。これって弦十郎さんたちはいけないんですか?」

 

「それがいちばんの問題なのよ。シンフォギア奏者じゃないと訳もわからない次元に飛ばされるようなの。これは解析出た結果よ」

 

「了解です。あとは向こうで調べてきます」

 

「気をつけてね」

 

「1日ごとに帰ってきて報告はして欲しいよ」

 

「了解です。2日経っても帰ってこなかったら何かしらあると思っておいてください」

 

「縁起が悪いこと言わないでちょうだい」

 

「それじゃあ」

 

 

 俺はギアを纏ってギャランホルンに触れた。するとそこに取り込まれるように入っていき、目の前は見たこともないような次元になった。グルグル回りはじめて気持ち悪くなってきた。そのまま地面に落ちるように落ちた。

 

 

「いた!」

 

 

 そこでもう一度見てみると黒い点が浮いていておそらくあれが俺がきた空間だろう。そして落ちたところはなんの変哲もない街の中だった。けど何か違和感を感じる。

 街を歩きはじめてその違和感を感じ取った。この街今誰も歩いていない。それどころか猫一匹いやしない。

 しばらく歩いていると人はいないが視線は感じる。街の建物の中にみんな隠れている感じだった。

 

 

「時間が来ました。市民の皆様は避難してください」

 

 

 すると街にノイズが現れて、徘徊しはじめた。俺はすぐにギアを纏いノイズを消すと住民がいきなり俺の周りを囲みはじめた。

 

 

「あんたすごいな」

「何その武器」

 

「は、はぁ?ノイズがいるのに聖遺物はないのか?」

 

 

 その言葉にみんなが顔を沈めた。何かあるみたいだなこの街。俺はその日テキトーなところに泊まろうとすると1人の女性に呼ばれた。見た感じ30代後半だろうか。

 

 

「あんた今日泊まるとこないんだろ。うちに泊まって行かないか?」

 

「報告に行ってから、お世話になるよ」

 

 

 俺はすぐに報告に向かい状況を説明した。こっちのFIS関連のことは終息に向かっていたみたいだ。もう終わって落ち着き、マリアたちは捕まったみたいだ。

 

 俺はすぐにギャランホルンに触れて元の世界に戻った。そしてさっき教えてもらったところに行くと話しかけてきた女の人が家に招いてくれた。

 

 

「どうして俺を招いてくれるんですか?」

 

「実は助けていただきたいんです。私の娘を」

 

「なるほどね。大体の話はわかりました。さらった奴らがノイズを操っているんでね」

 

「ええ、そうです。他の人の娘や息子が捕まっています。私の娘です」

 

 

 見せられた写真に写っていたのは俺と同い年ぐらいだろうか?けれどこれは可愛いというより綺麗な子だ。黒く真っ直ぐに伸びた髪、大きく開いた黄金色の目それに合わせるかのように潤った唇に高い鼻だった。

 

 俺はそのまま部屋に案内されて眠った。朝から準備を済ませて昼から家を後にしてその拐われた場所に向かっていった。

 

 その場所は洞窟だった。洞窟は入り口しかなくその先はそんなに広くなさそうだった。耳をすますと中から工事の音が聞こえる。男が仕事をさせられて女は給仕に当てられてるみたいだ。

 その奥からさらに声がする。中に入っていくと1人の女が連れて行かれるところだった。

 

 

「こい!」

 

「いや、やめて」

 

 

 それは俺が写真で見た子だった。その子は嫌がって引きずられてながら連れて行かれていた。

 そしてその男の手には一つのものが見えた。あれはややこしいな。ソロモンの杖か。

 

 

「へへへ、ほんとに上玉だな」

 

「いや、こないで」

 

 

 そしてそいつはハサミで服を切ろうとして近づいた手を掴んだ。

 

 

「なんだテメェ!」

 

「嫌がる女に何してんだテメェ」

 

「お前これが見えないのか?」

 

「それが?」

 

 

 そいつはすぐに大量のノイズを出した。俺はすぐにギアを纏いその女の子を担いで飛んで上から斬撃を飛ばして蹴散らした。

 

 

「な、なんだその力は?」

 

「やっぱりこっちの奴らはこれを知らないのか」

 

 

 俺は距離を詰めてソロモンの杖を取った。そして周りのノイズを全部蹴散らし、目の前の男を思いっきり拳骨してそいつは気絶した。

 女の子はびっくりしたみたいで腰が抜けたみたいだ。

 

 

「大丈夫だった?」

 

「え、あの、はい。ありがとうございます」

 

「そっか良かった。お母さんのところに帰るといいよ」

 

「あの、名前を教えてください」

 

「司誠だよ」

 

「私は小海梓(こうみあずさ)です」

 

「そっかじゃあ元気でな」

 

「あの!もう一晩だけ泊まっていきませんか?」

 

「うーん、報告しないといけないしな」

 

「それならその後でも!」

 

「了解だ。そこまで言われたら断れないな。もう一泊だけお邪魔しようかな」

 

「はい!ぜひ」

 

 

 俺がギアを解いてその子をおんぶしていき、働いていた男たちにも事情を話して全員家に帰らせた。そして俺はその子を家に連れて帰り報告の後またこっちに来ていた。

 

 

「ちょっと待っててくださいね。もうすぐできますから」

 

「え、作ってくれてるの?」

 

「はい、もちろんです」

 

 

 俺も手伝おうとしたが却下されてソファーで座るように言われたので俺はゆっくりしていると部屋中にいい匂いがした。いくら感情を殺されていても腹も減るし、人を見て多少の感情は湧く。

 机にだんだんと料理が運ばれてきて俺は口に料理を運んだ。

 

 

「うまいよ」

 

「ありがとうございます!」

 

 

 俺は食べ進めて気がつくとなくなっていた。そのまま風呂にはいり、昨日も世話になった部屋に戻ると白のネグリジェを着ていた。それは体のラインがはっきりと出るものでとても刺激が強い。

 

 

「今日一緒に寝てもいいですか?最後なので」

 

「いや、一応俺たち男と女でそれにほとんど初対面みたいなもんなんだよ。それに小海さんは綺麗なんだから大事にしないと」

 

「だからなんです。誠さんは帰ってしまいますから」

 

「なるほどね、けど俺はそれに応えられない」

 

「私そんなに魅力ありませんか」

 

「いーや、綺麗だよ。けど俺にはこれのせいで一切の感情が奪われてるんだ」

 

 

 そう言い俺は服を脱いだ。俺の背中には文字が書かれていてこれを見せるのは茜以外に初めてだ。

 

 

「これは」

 

「気持ち悪いだろ、俺にかけられた制約みたいなもんだ」

 

「けど望んでついたものじゃないんでしょ。ならそんなこと言わないで」

 

「はは、これを見せたのは妹以外に初めてだ。俺はこれをいつか必ず解く。その時に今と同じ気持ちなら必ず迎えに来るよ」

 

「絶対だからね。それと今日は一緒に寝かせて」

 

 

 俺は分かったとだけいうとベッドに入って仰向けに寝ていると手を繋いで寝始めた。俺も寝る直前に持ってきたソロモンの杖をどうしよう考えながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《マスター目を覚ましてください》

 

「んぁ、なんだ」

 

 

 ゲイボルグに起こされて周りを見てみると何もない。そう言葉通り何もなかった。俺は急いでギアを纏って頭の中で指示を出しているゲイボルグの通りに進んだ。するとそこは街の外れにある工場だった。

 中を覗いてみるとまたノイズと小海さんがいた。ソロモンの杖と一緒にさらっていったんだろう。

 

 

(ゲイボルグ、あれはなんとかできるか?)

 

《一瞬閃光を出して目をくらましてる間に連れていくことは可能です》

 

(確かにこの暗闇の中じゃそれは効果倍だな。んじゃ頼む)

 

《了解しました》

 

 

 指示を出すと本当にえげつない光を出して俺も目を閉じていても眩しいと感じた。

 そのまま小海さんをさらって工場の外に連れて行き、またすぐに中に入ってノイズを蹴散らした。けれどソロモンの杖は向こうの手の中だ。

 あれもう壊すか。

 

 

《なかなか大変ですよ》

 

(百も承知だ。だから力を貸してくれよ)

 

《かしこまりましたマスター》

 

 

 俺は斬撃を飛ばさず固めてソロモンの杖に向かって飛ばした。その余波で持っていた奴らは飛んで行ったがソロモンの杖は無事だ。

 なんて硬さだ。絶唱までは行かなくてもかなりの破壊力があるはずだ。それに対して無傷なんてびっくりとしか言いようがない。

 

 

「誠さん。その飛ばすやつ線じゃなくて点で飛ばせないですか?それなら壊せる気がします」

 

「線じゃなくて点?」

 

 

 少し考えて意味がわかった。斬撃をそのまま飛ばすのではなく一箇所に尖らせるように固めてそれを放った。すると音を立ててソロモンの杖は砕け散った。

 俺はギアが解除されてそのまま後ろに倒れていくと地面に当たる直前に受け止められた。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「なんとか。けど想像以上に体力を使ったみたいだ」

 

「心配したよ」

 

「悪かった」

 

 

 

 俺は動けなくてそのまま膝枕されて俺は眠った。眠っていると脳内にゲイボルグが話しかけてきて俺からも質問があったのでちょうどよかった。

 

《マスターいつまでみんなに隠しているつもりですか?》

 

「それは隠し通せるならずっとがいいかな」

 

《それは無理だと思います。今も激痛に襲われていますよねマスター。それはいつまでも隠し通せるものではありません》

 

「俺からも質問だ。もし梓がこっちの世界に来たいって言ったらなんとかする方法はあるのか?」

 

《ないわけじゃないと言っておきます。覚悟が必要です》

 

「なら安心だ。助かるよ」

 

 

 俺はそのまま寝て次の日になった。そして朝起きるとそれまで起きていたかのような顔で梓がいた。

 

 

「見てたのか?」

 

「うん、気持ちよさそうだった」

 

「まぁ、な。これ以上の枕はないんじゃないか」

 

「フフ、褒め言葉それ?」

 

「さぁな」

 

 

 俺たちは梓の家に向かって歩き出した。そして別れようとしてゲイボルグからあった提案を受け入れた。

 

 

「じゃあここまでだな」

 

「うん、本当にありがとう」

 

 

 俺はギアを纏い飛ぶ準備をした。

 

 

「あ、これを渡しとく。家に帰ったらそこからは肌身離さずつけておいてくれ」

 

「うん!ありがとう」

 

 

 俺が渡したのはゲイボルグの機能の一部を組み込んだネックレスだった。これによって機能のことが脳内で再生されていく。

 

 

「それじゃあな」

 

「うん」

 

 

 飛ぶ直前に声をかけられた。何かと思い後ろをみると俺の唇は塞がっていた。

 

 

「それじゃあね」

 

「ああ」

 

 

 今度こそ俺は空間に入って元の世界に帰っていった。

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