戦姫絶唱シンフォギア if   作:麒麟@

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22話

 マリアとの飯から数日。その数日間は襲撃もなく俺と茜はは本家に帰っていた。相変わらず無駄にでかいし、ここの空気は好きじゃない。

 

 

「お待ちしていました茜様」

 

 

 茜は不機嫌だ。所詮俺はこの家ではものと変わらず人間の扱いすら受けていない。今俺がこの家のお金なんかを自由に使えているのはゲイボルグの影響が大きい。こいつが俺を選んでなかったら俺はもうすでにこの世にはいない。

 

 

「来たか茜よ」

 

「はいおじいさま」

 

「そこの道具も役に立っているようで何よりだ」

 

「ええ、お兄ちゃんにはよく助けられています」

 

 

 ば、ばか。ここは道具扱いでいいのに。この親父は俺のことを本当に道具としか思っていない。だから俺の体にも呪いを刻んで必ず茜を助けるように仕組んだ。

 それなのに道具呼びしないなんて現当主司公正(つかさこうせい)には。

 

 

「なるほどの。貴様にはまた地下に行ってもらう」

 

「わかりました」

 

「お兄ちゃん!!」

 

「大丈夫。また帰ってくるよ」

 

「けど……」

 

「賢い茜ならわかるだろ」

 

「っつ!!!わかった」

 

「ん、またあとでな」

 

 

 俺は茜の頭を軽く撫でて地下に向かう。いくら人としての感情を抑えられているとはいえこの地下への向かう通路は最悪だ。地下に向かうといつものやつがニコニコしながらいた。

 

 

「お待ちしてましたよー」

 

「相変わらず嬉しそうで」

 

「いえいえ、そんなことはとても。私も心が苦しいです。命令とはいえあれほどの激痛を与えるなんて」

 

 

 顔と言葉があってねぇんだよ。こいつ本当に殺してやりたい。けれどそんなことをすると次期後継の茜にまで迷惑がかかるからしないが……

 俺は服を脱ぎ背中を向ける。その上からまた筆での呪いの上書きだ。本来呪いは一度完全に消してから行うのだが重ねて書くことによって糸が絡まるのと同様に解けにくくなる。

 

 

「ああぁぁぁぁああ、あがぁぁぁぁああ」

 

 

 俺は書かれる時に起こる激痛が収まらず30分ほど叫んでいた。その間書いたやつはゾクゾクしていて喜びながら俺のことを見ていた。

 痛みが少し引きすぐに服を着て俺は茜のところに戻った。

 

 

「茜帰るよ」

 

「お兄ちゃん。体は?」

 

「へーきへーき」

 

「ほんとに?」

 

「早く帰るぞ」

 

 

 俺と茜は車に乗り家に向かって走り出した。その直後に出撃要請があり俺はすぐにギアを纏って飛び出した。茜のことは心配ない。車の連中が体を張ってでも守るだろう。

 

 

 つくとそこはすでに交戦中だった。交戦しているのは立花と見たことないオートスコアラーだった。赤い髪にガキくさい話し方、それに他の奴よりも戦闘力が高そうだ。

 

 

「呼んでないやつまで来ちゃったんだゾ」

 

「なんだとコラァ!」

 

「ちょっとちょっと邪魔しないでくれる?」

 

「お前までいるのかよって誰だお前?」

 

「知らないのによく最初にそんな言葉が出てきたわ」

 

 

 誰かはわからないが2人とも的ということはわかる。2人は一瞬の隙で俺の目の前にアルカノイズ出してくる。数がかなり多い。

 それにもう一つの方向から声がしてきたので見てみると小日向が廃屋の上で1人でいる。あれはやばいな。先頭の衝撃で崩れなかねないし、何よりいつまでも無事とも限らない。

 

 目の前をアルカノイズを切り刻んでいきそのまま小日向のほうに行く。

 

 

「ちぃ!聞いていた以上に化け物だ。あいつは後回しだ。ニカ早く実行しろ」

 

「了解ダゾ」

 

 

 そこからは俺が少し登ってる間のことは知らない。ただ上につくと小日向が下を向いて叫んでいるのがわかり見ると立花もギアを破壊されて倒れていた。

 

 

「おいおいマジか」

 

「響、ひびきー」

 

「小日向下まで行き一気に降りるぞ」

 

 

 俺は小日向を掴み上から飛んだ。あんまり上から飛ぶのは好きじゃない。特にこういう壊れやすそうなところでは。

 地面に着くと小日向はすぐさま立花に駆け寄る。俺もギアを解き着ていた服を立花にかぶせて本部に向かって行った。

 本部では騒然としていてとても馬鹿騒ぎできる状況じゃない。立花は最初こそ弱かったが今では全員からなんとかできると思われている。それが今回みたいに立ち上がった場合なら尚更。それが崩されたのだから状況は芳しくない。

 俺は弦十郎さんに呼ばれて2人きりで話すことになった。

 

 

「現状戦える装者誠くん一人だ。エルフナインくんも頑張ってくれているがもう少し時間がかかりそうだ。誠くんにこんなことを頼むのは申し訳ないが頼む」

 

「弦十郎さん、勘弁してください。そんなふうにお願いされるのは。俺のことはもう知ってるんでしょう。それでもSONGの一員としておいてくれていることに感謝しています。俺と茜のことを。だからそんなふうにお願いするのは勘弁してほしいですね」

 

「君はいつまでそれを続けるんだ?」

 

「その質問は弦十郎さんとしてですか?それでも風鳴家としてですか?」

 

「それは痛いところを突くな。だが一個人としてだ。今回得た情報は本家には流さないと約束しよう」

 

「それはどうも。けど弦十郎さんが痛い目を見るんじゃ」

 

「大人は子どもが苦しむことはしたくないのさ。それに────いや、何もいうまい」

 

「そうですか。俺のことを知ってるなら話が早い。まだしばらく続きますよ。今の当主を俺は殺せます。ただそのあとどうにかできるほど茜の力は整っていない。だからこそ茜の力をここで衰えさせるわけには行かないんです。それは俺が我慢すればいくらでも上がっていきます」

 

「それだったら君が苦しくなる一方だろう」

 

「もともと────いえ何でもないです。それじゃあ茜が心配してるんで帰ります」

 

「おい、誠くん!」

 

 

 さっきから携帯バイブが煩くて仕方ない。こんなに鳴らしてくるのは茜だ。今朝のこともあるしおそらく心配なんだろう。

 弦十郎さんの制止を振り切って家に帰る。家に帰ると玄関に入ると同時に俺は倒れた。頭を打つことだけは何とか避けてドアも閉めれないまま倒れ込む。

 

 

「お兄ちゃん〜遅いよ」

 

「ごめん茜心配かけた」

 

「も"〜ほんどにじんぱいしだんだから〜」

 

 

 泣きながら言っているから言葉が無茶苦茶だ。俺は茜を抱いたまま中に入っていく。このままだと変な人に思われかねない。

 

 

「お兄ちゃんいろいろ話してもらうよ」

 

「勘弁してくれ」

 

 

 そこからは追及が凄かった。何でこんなにも返ってくるのが遅れたのか。電話に出なかったのか。話しても同じ内容ばかりを聞かれたが。

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