投稿しようと思った理由はあることがきっかけです
海に着くと全員が宿舎で着替えだす。俺は宿舎の裏ですぐに着替えた。全員が出てきたところで宿舎に入ろうとするがそれは食い止められた。
「おいおいどこに行く気だ誠?」
「??中だけど」
「お前はこっちだ!」
奏に引っ張られて連れていかれる誠。それを誰も止める気もない。翼はともかくマリアと奏は誠とは違う頼みを受けていたからそれを止めないマリア。
二人が受けたのは誠のリラックス。それを受けたからこれを止める気がなかったのだ。
そして海に放り込まれる。
「ぶへぇ!」
「さてとそれじゃあ遊ぶか」
「は、はぁ!?」
誠がそう叫んだがすぐに顔面にビーチボールが当たりまた海の中に放り込まれる。海水が鼻に少し入って痛い。それよりも仕返ししないと気が済まない。海に浮いているボールを掴んでそのままさっき奏がいた方に向かって思いっきり投げる。
「ぎゃ!」
「あれ?」
「痛いデス」
「切歌?」
「仕返しデス」
切歌が投げ返したボールを避けるとそこには
「痛い」
「し、調」
「切ちゃん」
「は、ハイデス」
「仕返し」
調が投げ返してそれを反射的に避けたのだろう。そのボールが奥で遊んでいたクリスに当たりそれがまた誰かに当たるという連鎖が続いてしばらく抜けれそうになかった。
やっと抜けてビーチに設置されていたビーチチェアに寝転ぶ。
「楽しんだみたいね」
「ひどい目にあった」
「ふふ、その割にはスッキリした顔をしてるわよ」
「マリアの言う通りかもな。何かに悩んでたのかもしれないな」
マリアは余計なことは追求してこずドリンクに口をつける。確かに上がってきてから妙に喉が渇いたがここに飲み物はないので宿に戻って取りに行こうとしたがそこは茜が立っていて飲み物を持ってきていた。
「どうぞお兄ちゃん」
「はは、先回りしてたのか」
「そんなことないよ。ただそろそろ持っていこうと思っただけ」
「そっか。ありがとう」
飲み物を受け取ってビーチチェアに座る。みんなは何故かビーチバレーをすることになっているが参加はしない。
みんな楽しそうにしてるが約1名勘違いしている奴がいる。
「これはなかなか厳しいな」
翼はこれをトレーニングと勘違いしてるみたいだな。終わってからみんな引き上げる。何だか妙な視線を感じるがそれが何かはいまだにわからない。全員が帰りエルフナインだけがまだ練習している。それはまぁ構わないだろうと思っているとマリアがやってきた。
2人で練習を始めるみたいだから少し見ていくことにしようと思ったからビーチチェアにまた座る。
そんなところに空と海からの襲撃があった。
[ドォォォォオオン]
「な!なんだ」
「エルフナインは任せてちょうだい。そのかわり空のやつはお願い」
空のやつと言われてわからなかったが見た瞬間にマリアが俺に託した理由がわかった。
空に浮かんでいたのは間違いなくあいつだったからだ。俺が殺したやつ。
「竜司!」
「誠か。久々に見たが随分と弱っているようだな」
「は、お前を殺すのにこれで十分だ」
ギアを纏い飛び上がる。全力で攻撃するが全て片手で防がれる。正直力を失っていたがここまで差があるとは思っていなかった。
「つまらないな。お前こんなに弱かったか」
「ふざけるな」
「こんな奴に一度負けたとは俺もショックで寝込みそうだ。だから一撃で終わらせる」
槍を構えた姿を見たのが最後だった。その瞬間にあったことはわからない。けれど俺の腹を貫かれていたのだけはわかった。
「誠!?しっかりして。意識を持って」
マリアの声が聞こえる。こんなにもはっきりと。死が近い感覚がする。走馬灯は見えないがそこまで過去に思いがあるわけでもないから浮かぶはずもない。ただわかっているのは自分はそう長くないということだ。
「お兄ちゃん!しっかりして。私また約束果たせてないのに」
「わる……いな。茜。さいごまで……みれそうにないや」
「いや、お兄ちゃん。絶対に死なないで」
最後の心残りはこんなにも弱い茜を1人にすることだな。いくらしっかりしていても中身はまだ高校生なのだ。脆い時は脆い。
それが誠の最後の考えだった。
「弦十郎さんお兄ちゃんは!?」
「今集中治療をしている。終わるまで待っていてくれ」
「お願い。お兄ちゃんを助けて」
「最善を尽くす」
弦十郎さんはそういいどこかへ行く。そこへやってきたのは友里さんだった。
「誠くんなら大丈夫なんて言えないわ。ただ今は茜ちゃんも休まないとね。はいあったかいものどうぞ」
「ありがとう……ございます」
飲み物を受け取ったが飲む気にはなれない。今のあの扉の向こうでお兄ちゃんは生と死の境を彷徨っている。いやむしろここに着くまでよく持った方だとも言われたくらいだ。
「お兄ちゃん」
「偉そうなことは言えない。ただ彼の無事を祈るなら何よりあなたが祈っててあげないと……ね」
「はい……」
私はそれからもらった飲み物を飲んでひたすらにお兄ちゃんが無事であることを祈る。お兄ちゃん自身の枷になっている私がこんなことを祈るのは筋違いかもしれない。けれど祈らずにはいられなかったからだ。
治療が始まって数時間。扉が開かれて1人の医者が出てくる。
「無事に成功しました」
「ウソ……」
「ただ手術自体は成功しましたがあとは彼の気力次第です」
「はい、ありがとうございます」
頭を下げるとそれに連なるように涙も地面に落ちていく。一度落ちた涙を止めることはできなかった。
「よかったわね。茜ちゃんも一度休んで。もし誠くんが起きた時にそんな顔してたら彼自身が傷つくわ」
「はい」
友里さんのいう通りだ。もし今の状態を見られたら必ず自分を責める。そんなことになったら傷にも響くのでとりあえず家に帰ることにした。
家に着くといつもより家が広く感じる。それだけじゃない。足音がよく響く。
「やっぱりいないもんね」
その声は暗闇に消えていく。いつもなら私が早い時なら迎えにいくし、遅い時なら必ずと言っていいほど返事が返ってくる。1人がこんなに寂しいものだなんて知らなかった。今まで必ず帰ってくるということがあったから遅くなってもそこまで寂しくなかった。けれど今お兄ちゃんはベッドの上で目を覚ますかわからない状態だ。そんな状態で今の瞬間を生きている。
私もベッドに入ると不意にインターホンが鳴る。マリアさんたちは鍵を持っているし、すでに何回か勝手に入っていることもあった。玄関を開けるとそこに立っていたのは予想になかった人だった。
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